防衛大臣記者会見概要 平成29年9月19日(09時56分〜10時12分)

1 発表事項

 なし。

2 質疑応答

Q:北朝鮮が、15日に行った弾道ミサイルの発射の動画を公開しました。移動式発射台からミサイルを直接発射する様子などが見て取れますが、防衛省の最新の分析状況について教えていただけますでしょうか。

A:9月15日に北朝鮮が発射した弾道ミサイルに関しては、引き続き詳細については分析中です。その上で申し上げれば、北朝鮮の国営メディアは発射翌日9月16日に、日付不明ながら弾道ミサイルの発射訓練に関し報じており、当該報道は、9月15日の弾道ミサイル発射に係る内容であったと見られます。そうした前提に立てば、今回発射された弾道ミサイルの種類については、その飛翔距離及び高度、北朝鮮が、「火星12」型と公表したこと、北朝鮮が公表した画像によれば、当該弾道ミサイルの形状が、前回8月29日に発射された弾道ミサイルに類似しているほか、前回と同様に今回も液体燃料推進方式の特徴である直線状の炎が確認されたこと等を踏まえれば、前回8月29日に発射された中距離弾道ミサイル、北朝鮮の呼称によれば「火星12」型、と同系であったと考えられます。また、北朝鮮が公表した画像によれば、前回の発射では、6軸の装輪式移動式発射台TELから切り離された上で発射された様子が確認されましたが、今回の発射では、移動式発射台に搭載されたまま発射された様子が確認されております。北朝鮮の今回の発射について「実戦的な行動順序を確認する目的」であったなどと北朝鮮が主張していること等を踏まえれば、北朝鮮が弾道ミサイルの運用について、実戦的な能力を向上させている可能性があると考えられます。防衛省・自衛隊としては、米国や韓国とも緊密に連携しつつ、引き続き、緊張感をもって警戒監視・情報収集を行い、国民の安心・安全を確保するため万全の態勢をとってまいります。

Q:臨時国会冒頭など近々に解散・総選挙が行われるのではないかとの見通しが政界に広がる一方、野党からは北朝鮮情勢の緊迫化などを理由として総選挙に批判的な声が聞かれますが、仮に総選挙になった場合、防衛省政務三役は、わが国の防衛と自身の選挙を両立すべくどのように対応されるのか、大臣のお考えをお聞かせください。

A:報道については承知しておりますが、衆議院の解散は総理の専権事項であり、防衛大臣の立場から、解散を前提としてお答えすることは差し控えたいと思います。その上で申し上げれば、自衛隊は、北朝鮮情勢への対応をはじめ、わが国周辺での情報収集・警戒監視や、PKO活動、海賊対処、さらには他国との共同訓練など、世界中に展開し、二十四時間、365日、その責務を果たしております。このため、防衛省政務三役は、必要な情報・報告を受け、適切な指示を行うことが常にできる態勢をとっており、いかなる状況下においても、わが国の平和と安全を守るため万全を期してまいります。そのような役目でありますので、仮にもし選挙が行われた場合には、地元の皆さん、後援会の皆さんに御理解をいただき、しっかり頑張っていただくように私どもお願いしたいと思っております。

Q:政務三役皆さん同じですか。

A:それぞれ個々の選挙事情もございます。できる限り私どもとしてはその意は汲みながら、ただ一番大切なのは、この国の安全・安心を守ることだと思っておりますので、そのつもりで政務三役分担して頑張っていきたいと思います。

Q:解散は総理の専権事項ですので解散を前提とした質問については伺うのは失礼かと思うのですが、北朝鮮情勢が非常に緊迫している中で政府が動いているとしても一定の政治空白ができる可能性はあると思うのですが、こういう状態で政治空白を生む可能性があるということについて、防衛大臣としてはどのようにお考えになりますか。

A:私どもとしては、政府としてしっかりこの北朝鮮情勢をはじめ厳しい安全保障環境に対応していくことが基本にあると思いますので、しっかり対応してまいりたいと思いますし、仮に今回の平和安全法制で成立した様々な事態認定におきましても、法律の中に緊急の必要がある場合のじ後承認等の項目がございます。私どもとしては、政府としてしっかり対応していきたい、そしてまた議会には空白がないような形で恐らく運用はされると思いますが、仮に解散があった場合においても、制度上じ後承認の制度等があるということなんだと思います。

Q:安全保障関連法についてお聞きします。今日で成立から2年を迎えました。この安保法の意義を改めてお聞きしたいのと、また米艦防護ですとか米イージス艦への給油等、政府は実施しましたけど詳細は公表しておりません。その理由と公表しないことによって国民への説明は十分果たされているとお考えでしょうか。

A:まず、わが国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増しております。特に北朝鮮は6度目となる核実験を実行しましたし、今月15日にも8月29日に続きわが国上空を通過する弾道ミサイルを発射する等、わが国の安全に対するより重大で差し迫った新たな段階の脅威となっております。平和安全法制はこのような厳しい安全保障環境の中で、憲法の範囲内であらゆる事態に切れ目のない対応をしようとするものであり、国民の命と平和な暮らしを守るために必要不可欠なものであると考えております。一昨年の通常国会において平和安全法制を成立させることができたのは、大きな意義があったものと考えております。特に平和安全法制の成立により日米間の協力は非常にスムーズに行われていると報告を受けております。日米同盟は一層強固になり、抑止力の強化につながり、更に米国をはじめ関係国からの信頼を一層向上させたものと考えており、これによりわが国の安全も一層確実なものになったということは間違いないものだと思っております。防衛省・自衛隊としては引き続き、平和安全法制を効果的に運用し、いかなる事態にも、国民の命と平和な暮らしを守るべく、緊張感を持って万全に対応をしてまいりたいと思っております。そして、自衛隊や米軍との活動の内容の説明については、具体的にいかなる情報を公開するかについては、国民の皆様に適切に情報を提供して、説明責任を果たすという観点と、自衛隊や米軍等の活動の内容、時期や警護態勢等を推察させ、活動の安全や円滑な実施を損なわないかという観点の双方に配慮し、個別具体的に判断するものだと思っております。政府としては、今後とも平和安全法制の運用に万全を期すとともに、丁寧な説明をするように心がけていきたいと思っております。

Q:補給艦の米艦防護についてなのですが、太平洋側で行ったということもあり、そういった部分では積極的に情報公開してもいいのではないかという指摘も出ておりますが、その点については大臣はどのようにお考えでしょうか。

A:これは具体的な部隊の運用に関わる問題でありますので、私どもとしては、その点を配慮しながら、国民に説明をしていきたいと思っております。なお、例えば、今までではACSAの実績等につきましては、年度末に国会からの求めに応じて適切な形で報告をさせていただいております。

Q:米艦防護と米艦補給について、米軍と自衛隊の運用上の問題からは言えないと、そうおっしゃいましたが、事後であれば言っても問題はないのではないですか。

A:これは、国民への説明をしっかりと果たすという意味と、運用がどのように行われているかということが、今後の運用に差し支えるかどうかということ、そのことを勘案しながら、私どもとして説明に意を尽くしていきたいと思います。過去もその年の1月から12月までの実績につきましては集計確認の作業を行った上で、年度末、翌年の3月になりますが、国会の求めに応じて適切な形で実績を公表してきたところであります。

Q:ACSAよりもはるかに大きい問題だと思うので、年度末に合計して数字だけ発表するのでは意味がなくて、その都度事前でなくてもいいけれど、事後には発表していただかないと、防衛省・自衛隊が米軍と何をやっているかということが国民の目に全く分からないわけですが、こういったことで良いのでしょうか。

A:日米の関係、自衛隊や米軍の運用の問題、そういうことを勘案しながら、国民にどう情報を伝えていくか、そこを私どもはしっかりと考えていきたいと思っております。

Q:事前ということではなくて、事後でなぜ運用の問題に関わるのですか。

A:例えば、事後でも通常こういう形で日米がこういう活動をしているということが相手側に伝わった場合、今後の活動が類推される危険性があります。いずれにしても、私どもとしては、国民への情報公開というのはしっかり考えてまいりますが、そこは運用とのバランスということで御理解をいただければと思っております。

Q:運用よりも国民の知る権利の方が重要ではないですか。

A:私どもとしては、国民の暮らしの安全・安心をしっかりと守っていくということ、そして、しっかりとした国民への説明、これを両方大切なこととして、対応をしていきたいと思っております。

Q:米軍嘉手納基地で21日に予定されているパラシュート降下訓練についてお伺いしたのですけれども、この件に関して、米軍は嘉手納町に対して、伊江島で対応する要員が県外に行くために、伊江島の施設が1週間使用できずに訓練できる状態ではないということで理由を説明していると思うのですけれども、この理由については、防衛省としては、例外的なものに当たると考えておりますでしょうか。

A:まず今の内容ですが、米側からは21日に嘉手納飛行場でパラシュート降下訓練を行うことを計画している旨の連絡があったところです。嘉手納飛行場はあくまで例外的な場合に限ってのみ使用されるものとされておりますが、現在米側に対して、今般の訓練において、伊江島補助飛行場が使用できず、嘉手納飛行場で実施する必要がある理由について確認を行っております。また、防衛省としては、私自身も様々なレベルを通じて米側に対して、パラシュート降下訓練については、SACO最終報告に従って、伊江島補助飛行場で実施するよう申入れております。私も先日、15日でありますが、マルティネス在日米軍司令官とお会いした際、直接伊江島補助飛行場で実施してほしい旨を先方に伝えました。

Q:現在でも、使用中止を求めている状況に変わりはないということですか。

A:今現在も伊江島補助飛行場で実施するよう、私どもとしては申入れているところであります。

Q:関連ですが、この訓練が繰り返されるのは、例外の基準が明確でないことなどが要因だと思いますけれども、そういった基準の明確化などに取組むお考えはありますでしょうか。

A:私どもとしては、嘉手納を使うのはあくまでも例外的な場合に限ってのみ使用されるものということで、今回、伊江島補助飛行場で実施するよう申入れをしているところであります。

Q:北海道に関して2点お伺いしたいと思います。1点目は、航空自衛隊が使っている千歳基地滑走路の民間機利用についてお伺いします。石井啓一国交相が、8月23日にさらなる航空需要の増大を見据え、防衛省ともよく調整しながら検討したいということで、千歳基地滑走路の民間機利用の調査に乗り出す考えを示しました。この点に関して、防衛省としての受け止めをお願いします。

A:石井大臣の御発言については承知をしております。防衛省としては、千歳飛行場がわが国の安全保障上重要な役割を果たしていることを踏まえ、スクランブル対応等のわが国の安全保障上の取組みに万全を期してまいる所存であります。

Q:もう1点なのですけれども、北朝鮮のミサイルが北海道上空を2度通過したということを踏まえて、PAC−3が本日にも函館の駐屯地に配備されるということなのですけれども、この狙いについて教えて下さい。

A:北朝鮮が、短期間のうちに2度にわたって北海道の渡島半島付近及び襟裳岬付近の上空を通過する弾道ミサイルを発射したことは、地域の緊張を一方的に高める深刻な挑発行為であり、国際社会に対する正面からの挑発であるとともに、わが国を含む地域の安全に対する、これまでにない重大かつ差し迫った脅威となっております。また、北朝鮮は9月16日、国連安保理決議で明確に示された国際社会の意思に関わらず、核武力の完成を目指す旨発表するなど、北朝鮮は核・ミサイル開発のための活動を継続する姿勢を崩しておりません。さらに、北朝鮮はこれまでも米国本土を射程に収める弾道ミサイル開発を繰り返し喧伝しており、今回、9月15日の発射後も、米国に対する軍事的攻撃能力を構築する旨発表していることに鑑みれば、今後ともわが国の領空の上空を超えるような弾道ミサイルの発射を含め、さらなる挑発行動の可能性も考えられます。こうした厳しい状況を踏まえ、防衛省では、従前より高度な警戒態勢を構築しているところでありますが、万一の事態に備えた措置の一環として、本日、PAC−3部隊を渡島半島の函館、具体的には陸上自衛隊函館駐屯地に移動・展開させることにいたしました。防衛省としては、いかなる事態にも対応することができるよう、国民の安心・安全の確保に万全を期してまいります。


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