防衛大臣記者会見概要 平成29年9月15日(13時52分〜14時15分)

1 発表事項

 今般、平和安全法制に基づく新たな任務となりました在外邦人等保護措置に係る訓練をジブチにおいて実施いたします。在外邦人等保護措置は、昨年度より訓練を実施しており、国内及びタイに続き今回で、3回目ということになります。今回の訓練では、陸上自衛隊即応連隊及び空自のKC−767を派遣し、国外における邦人等の陸上輸送や保護措置等について演練をすることになります。具体的にはジブチにおける自衛隊の拠点と、ジブチ陸軍の演習場との間で在外邦人等の長距離陸上輸送を訓練することや、在外邦人等が暴徒に取り囲まれてしまった場合の対処等を訓練する予定にしております。また、米軍の協力を得て自衛隊車両の米軍C−130に搭載する訓練等も実施する予定です。防衛省・自衛隊としては、平和安全法制に基づく新たな任務について、今後も引き続きしっかりと訓練を実施し、万全を期してまいりたいと考えております。私からは以上です。

2 質疑応答

Q:今日、閣僚の資産公開が行われますが大臣は御自身の資産についてどのような自己評価や感想をお持ちでしょうか。

A:資産評価については国務大臣として公私混淆を断ち、資産を透明化することは大変重要であり、大臣等規範に基づき適切に公表いたしました。私自身の資産については、特に申し上げることはありません。

Q:閣僚の資産を公開する制度について、その必要性を含め、どのように捉えられておられるか、大臣のお考えをお聞かせください。

A:大臣等規範において国務大臣等は国民全体の奉仕者として公共の利益のためにその職務を行い、公私混淆を断ち、職務に関して廉潔性を保持することとされております。資産を公開をすることは大変重要であり、必要なものと考えております。

Q:北朝鮮のミサイルについてです。今回の北朝鮮による弾道ミサイル発射で、防衛省は事前に何らかの兆候や情報はつかんでいたのでしょうか。

A:北朝鮮のミサイル発射に関する動向については、防衛省として平素から重大な関心を持って情報収集・分析に努めておりますが、個々の具体的な情報の内容については、わが国の情報収集能力が明らかになりかねないため、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。いずれにせよ、防衛省としましては、弾道ミサイルの発射を含め、北朝鮮の軍事動向については、引き続き、米国や韓国を始めとする関係国と緊密に連携しつつ、重大な関心を持って、情報の収集・分析に努め、わが国の平和と安全の確保に万全を期す所存であります。

Q:今回の弾道ミサイルの発射形態ですが、TELによるものと推定して差し支えないでしょうか。

A:今回の北朝鮮による弾道ミサイルの発射については、御指摘の点を含め、詳細は分析中であります。

Q:北朝鮮がグアム方面への発射を示唆して以来、防衛省・自衛隊は、中国・四国地方にPAC−3を展開していますが、実際には北海道上空を通過する発射が相次いだことを受けて、近々、北海道地方にPAC−3を重点的に機動展開する必要性について、現時点で大臣はどのようにお考えでしょうか。

A:防衛省・自衛隊は、わが国に飛来する弾道ミサイルなどに備え、24時間態勢で全国各地のレーダーなどが警戒監視を実施しております。弾道ミサイルが発射され、わが国に飛来する可能性がある場合には、イージス艦による上層での迎撃とPAC−3ミサイルによる下層での迎撃を行う多層的な態勢によって、わが国全域を防護することとしております。自衛隊のこの態勢につきまして、詳細はお答えを差し控えさせていただきますが、中国・四国地方にPAC−3部隊を展開させ、また、千歳基地や車力分屯基地にも部隊が配備されております。防衛省・自衛隊としては、万全の態勢をこれからもとってまいります。

Q:今回の弾道ミサイルの飛距離が3,700kmということですけれども、先ほどのぶら下がりでもありましたが、グアムの周辺は狙うというか、これまでの北朝鮮の発言との関連性については、どのように分析されていますか。

A:これは、北朝鮮の意図については、私どもの方から発言する内容ではないとは思いますが、今回の3,700kmという飛距離を見れば、グアムまでの距離が3,400kmと私ども聞いておりますので、十分そこまでは届く能力を今回は示したものと考えております。

Q:関連ですが、あえて3,700kmという距離を狙ってきたのは、グアムを視野に置いているという、何らかのメッセージがあるというふうに捉えているのでしょうか。

A:北朝鮮の意図については、推し量ることはできませんが、少なくとも、従前北朝鮮が発言している内容からすれば、グアムは意識しているものと私は考えます。

Q:関連なのですが、そうしますと、グアムが射程ということを明言しておきながら、別の方向に今回撃ったということについてはどのようにお考えでしょうか。

A:北朝鮮の意図については、推し量ることはできないと思います。

Q:午前中のぶら下がりでも、性能と信頼性が着実に向上しているとミサイルについておっしゃっていましたけれども、飛距離から見れば確かにそうですけれども、命中の精度についてはどう分析されていますでしょうか。

A:性能については、向上していると私ども思っておりますが、実際にどこを意図して撃ったかというのは、私ども推し量ることはできません。いずれにしても、今回のミサイル発射全体として、分析をしっかり進めていきたいと思っております。

Q:前回のミサイルとの比較で、同じような方向に飛ばして飛距離を伸ばした、この点については、前回のものも含めて、どういうふうに分析いたしますか。

A:どのぐらい能力が向上しているかわかりませんが、前回とほぼ同じようなコースを飛んでおります。ただ、高度は少し違うと思います。そして、飛距離は今回の方が伸びているということであります。いずれにしても、今回の3,700kmというのは、グアムの3,400kmを十分カバーする距離を飛んでいるのだと思います。

Q:今回、高度が違うのは、北朝鮮側があえて角度を変えて撃ったとか、そういうことはありますか。

A:それは北朝鮮が意図して撃ち方を変えたのか、実際に飛んだところがそういう状況だったのかは、これからも分析する必要があると思います。

Q:先ほどのぶら下がりで、発射されたミサイルは「火星12」である可能性に言及されましたが、そのように分析している根拠はどのようなものでしょうか。

A:今回、いわゆる北朝鮮が言及している、北朝鮮の言い方で言えば、「火星12号」ということになりますが、今回の飛行距離、飛行の仕方を分析する中で「火星12号」の可能性があるということをお話しさせていただきました。

Q:今の飛行の仕方というのは具体的にはどういったことですか。

A:前回の「火星12号」、8月29日に撃たれた弾種でありますが、その状況とかなり、私どもとしては類似しているかなという印象は持ちます。ただ、距離は伸びているということだと思います。

Q:この距離について、3,700kmですけれど、これは今まで北朝鮮が発射した弾道ミサイルの中では、最長という認識でしょうか。3,000km以上のミサイルを発射していると評価しているものがあったと思ったのですが。

A:確か、以前に撃ったテポドン2はもう少し長く飛んだと思っておりますが、過去のデータはあると思いますので、詳しいことは後で聞いていただければと思います。

Q:先ほどの北海道のPAC−3なんですけれど、千歳基地と車力分屯基地ですか。

A:車力は青森になります。

Q:失礼しました。今回、北海道に続けて撃ったので、配置を変えたとかそういうことではないのですか。

A:元から、そこにPAC−3の部隊が配置されておりますし、また、先ほどから話をしておりますように、今回のミサイル防衛はイージス艦による防衛とそしてPAC−3の防衛というそういう二重になっておりますので、私どもとしてはしっかり守れる態勢を作っていきたいと思っています。

Q:今回のコースなのですが、8月29日とほぼ同じようなコースを飛んでいるということで、このコースの見立てなんですが、威嚇をしながら長距離を飛ばせるということで、北海道を選んでいるのではないか、北海道上空の方を選んでいるのではないかという感じ方もあるのですけれども、このあたり防衛省の見方としてはどうですか。

A:北朝鮮の意図は推し量ることはできません。

Q:今後もこのコースが繰り返される可能性というのはあるのですか。

A:どういう形かはわかりませんが、北朝鮮が国際社会の度重なる警告、あるいは国連を通じた経済制裁にも関わらず、今回またこうして弾道ミサイル実験を行ったということは、当然今後も同じような姿勢が続くと私ども考えなければいけないと思いますので、様々なことにしっかりと対応していく必要があると思っています。

Q:今回、破壊措置を実施しなかったということなのですが、改めてなぜ実施しなかったのかということについて御説明ください。

A:これは従前から、破壊措置命令が出て破壊措置をする場合というのは、あくまでもわが国の領土そして領海に落下する可能性がある場合ということでありますので、今回発射直後から着水するまでの間、しっかり補足をする中でその必要がないと判断したことになると思います。

Q:先ほど、「火星12」のところで可能性があるという慎重な言い方をされていますけれど、可能性が高いとは言えないのでしょうか。

A:私どもとしては、「火星12」の可能性があるということに尽きると思います。

Q:そうすると、「火星12」ではないという可能性も捨てきれないという理解でよろしいのでしょうか。

A:それは実際撃った弾種というのはやはり最終的には分析が必要なんだと思いますし、ただ、今までの撃った弾種を考えれば、「火星12」の可能性があるということだと思います。

Q:飛翔形態についてお伺いをしたいのですが、最高高度800kmというのは、どのあたりで最高高度に達したか、教えていだだけますでしょうか。

A:私どもは日本上空を飛翔した高度ですが、7時4分から6分頃に北海道の渡島半島付近及び襟裳岬付近の上空を約700kmから800kmの高度で太平洋に向けて通過したということを公表しております。

Q:仮に今回のミサイルの迎撃が必要だと判断した場合に、現行の装備で迎撃が可能であったかどうかということを教えてください。

A:私どもは、従前からこの弾道ミサイル防衛の能力については対外公表しておりませんので、その能力については差し控えさせていただきたいと思います。

Q:冒頭に御紹介いただいた邦人保護訓練の話ですが、長距離の陸上輸送と米軍のC−130に乗る訓練をすると、これというのは在韓邦人保護も念頭に置いた訓練と考えてよろしいでしょうか。

A:これはジブチで行うということになりますが、私どもとしては、国外で法人を避難させる場合に様々な訓練が必要だと思って実施しているということです。

Q:今回、ジブチを訓練場所として選んだ理由と意義をお願いします。

A:昨年より国内、国外という形で訓練をしておりますが、前回はタイで行ったと思います。今回、やはりジブチは、ここは自衛隊の拠点ということでありますし、また、ジブチ陸軍の演習場との間ということですので、現地の協力も得られるということでジブチを選んで、今回はこの邦人保護に係る訓練を行うことといたしました。

Q:安保法の関連なのですが、19日で安保法成立から2年を迎えます。この間の米艦への補給、もしくは米艦防護が実施されたと承知しておりますが、積み重ねた日米協力についてどう考えるか、また、北朝鮮情勢の緊迫化を受けて改めて安保法の意義というのをどのようにお考えでしょうか。

A:私どもとしては、改正ACSAに基づいて米側に様々な協力をするということはあります。今回、御案内のとおり安全保障環境が大変厳しくなり、今日もそうでありますが、北朝鮮の弾道ミサイル実験、あるいは、6回目の核実験等が続いている中で日米の関係強化はさらに必要なことだと思っています。平和安全法制はこのような厳しい安全保障環境の中、憲法の範囲内であらゆる事態に切れ目ない対応をしようとするものであります。国民の命と平和な暮らしを守るために必要不可欠なものであり、一昨年の通常国会において平和安全法制を成立させることができたことは、大きな意義があったと思っております。特に平和安全法制の成立により、日米間の協力は非常にスムーズに行われていると報告を受けております。日米同盟は一層強固になり、抑止力の強化につながり、更に米国を始め関係国からの信頼を一層向上させたと考えており、これによりわが国の安全も一層確実なものとなったということは間違いないと思っております。防衛省・自衛隊としては引き続き平和安全法制を効果的に運用し、いかなる事態にも国民の命と平和な暮らしを守るべく緊張感を持って万全に対応をしてまいります。

Q:米国のペリー元国防長官が複数のメディアのインタビューに応じ、普天間の辺野古移設に関して、在日米軍は日本を守るための任務を担っているが、軍事的には沖縄でなければ任務を果たせないわけではない、日本にとっての政治的問題で米国が決めることではない、という趣旨の発言をしております。米海兵隊は沖縄にいなければ任務を果たせないのか、大臣はどのように認識でいらっしゃいますでしょうか。

A:その報道については承知をしておりますが、米側の識者の発言に一つ一つ政府としてコメントすることは差し控えたいと思います。先ほどの質問で、今までの中で飛距離が最長かということですが、これまでテポドン2または、その改良型で確認されている飛距離は最大3,000km以上、2009年4月ということですので、今回の方が長い可能性はあると思います。

Q:2009年のテポドン2の改良型は3,000km以上ではあるけれども、3,700kmには至っていないという。

A:私どもとしては、今回の方が長い可能性があると思っております。

Q:2009年は3,000km以上であって、3,700kmを超えていた可能性もあるということでよろしいでしょうか。今回の方が長いと言い切ってよろしいでしょうか。

A:可能性があるということです。

Q:先ほど、ミサイル発射の兆候を掴んでいたかどうかという部分で、軍事上の機密に関わることなんで、お答えできないということは分かるんですけれども、一方で、一般国民の側からすると、何か兆候があるのであれば教えて欲しいという声もあると思うんですけれども、なぜ大臣からは言わないのですか。

A:私どもとしては、様々な情報を収集して国民の平和な暮らしを守るということで、しっかりと対応していきたいと思っています。

Q:今後何らかの形で、事前に情報を出すという可能性はあるんでしょうか。

A:私どもとしてはやはり、情報収集にこれからも全力を上げていくということだと思います。

Q:先ほどの安保法制についてなんですが、米艦防護とか米艦への給油をすることによって、戦争に巻き込まれる危険性が高まったという見方もあると思うんですが、これについて大臣はどうお考えになりますか。

A:私どもの平和安全法制の理解というのは、わが国を守るためにということが前提でありますので、わが国を守るためにそれに一緒になって国を守ってもらっている米軍に対して、巻き込まれということより、むしろ平和安全法制で、その充実の方がわが国の安全が高まるのではないかと思っております。

Q:北朝鮮から見れば、米艦防護とか米艦への給油というのは敵対行動と見えると思うんですが、これについてはどうお考えになりますか。

A:あくまでも、わが国を防衛するためにというのが前提でありますので、私どもとしては、やはり日本の防衛のために活動しているということが前提でこのような支援をするということになるんだと思います。

Q:来週21日に、嘉手納基地で米軍がパラシュート降下訓練をやるという通知が沖縄防衛局を通じて地元自治体に届いているようです。事実関係と防衛省としての対応をお願いします。

A:今御指摘がありました、21日に嘉手納飛行場でパラシュート降下訓練を行うことを計画している旨、事務的に連絡があったことは承知をしております。米側がこのことについて重要性を述べております。私どもとしては、嘉手納飛行場はあくまでも例外的な場合に限ってのみ使用されるものということ、このことを繰り返し米側には伝えておりますし、私どもとして今回、伊江島の補助飛行場が使用できず、嘉手納飛行場で実施する必要があるという理由は、まだ十分な説明を受けておりません。いずれにしても、様々なレベルを通じて、嘉手納での訓練を中止するよう申し入れをしております。

Q:では、今のところは、例外的事例に当たらないという認識でよろしいでしょうか。

A:先方からまだ例外的な場合ということの、その十分な説明が私どもには来ていないということです。

Q:北朝鮮のミサイル関連なんですけど、もしわが国の領土・領海に飛来した場合であって、そうなるとミサイル防衛ということになると思うんですけれども、その成否に関わらず、その後政府はおそらく事態認定というものを検討していくと思うんですけど、この脅威が高まっている中で、もし日本の領土・領海にミサイルが飛来した場合があったとすれば、例えば武力攻撃事態であるとか、そういったものを認定する可能性についてはどう考えていますか。

A:まずその時、仮にわが国の領土・領海に飛来する、落下する可能性があるとすれば、これは破壊措置命令の中でそれを防ぐということが私どもに課せられた役割だと思っています。その上で、なぜそのような事態に移ったかということは、これは様々な状況を把握しながら、事態認定を政府一体としてする必要がありますので、具体的な個々の例にお答えする状況ではないのだと思います。


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