防衛大臣記者会見概要 平成29年9月12日(10時08分〜10時33分)

1 発表事項

 まず私から2点発表したいと思います。第1点は、北朝鮮に対する国連安保理決議第2375号が採択された点についてコメントいたします。北朝鮮が本月9月3日に6回目となる核実験を強行したこと等を受け、本日朝、北朝鮮に対して格段に厳しい制裁措置を課す強力な安保理決議第2375号が全会一致で採択されたことを高く評価いたします。今回の核実験及び8月29日のわが国を飛び越える弾道ミサイル発射を含めた累次の弾道ミサイル発射を始めとする北朝鮮の挑発行動は、わが国を含む地域の平和と安全に対する、これまでにない重大かつ差し迫った脅威です。こうした中、今回採択された決議は、北朝鮮に対する圧力を従来にない新たな段階まで強化し、北朝鮮に政策を変えさせなければならないとの国際社会の意思を明確に示したものと考えております。わが国は、国連安保理の理事国として、新たな安保理決議の採択に向け、米国とともにその議論を主導してきました。今般の採択を踏まえ、わが国として、朝鮮半島の完全な、検証可能な、かつ、不可逆的な非核化に向け、関係国と緊密に連携しつつ、決議の実効性を確保していく考えです。他方、北朝鮮は、米国が安保理において制裁決議を採択する場合、米国に対して、「それ相応の代価を支払うようにする」旨の声明を発出するなど、北朝鮮がさらなる兆発行動に出る可能性も否定できません。防衛省・自衛隊としては、強固な日米同盟の下、高い緊張感を持って、高度な警戒監視態勢を維持しつつ、国民の安全・安心に万全を期していく考えであります。2点目は、特別防衛監察結果についての補足であります。今般、7月28日付で公表しました。「特別防衛監察の結果」について、次のとおり補足いたします。本結果の9頁に陸上自衛隊、内部部局及び統合幕僚監部におけるそれぞれの職員の本件日報の保有状況に関するデータがありますが、お手元の資料の下線部分でありますが、その備考23として、「上記のほか、平成29年3月31日時点で、陸上自衛隊の陸幕で2台、CRF司令部、東北方面隊及びCRF(司令部以外)でそれぞれ1台の共用端末に本件日報のデータが存在。」する旨を補足いたします。防衛監察の目的は、職員の職務執行の適正を確保することを目的としております。このため、「特別防衛監察の結果」における本件日報の保有数についても、当時、陸上自衛隊を含め、防衛省・自衛隊において本件日報がどの程度拡散し、その後、どの程度廃棄されたかを説明することを目的として、本件日報の保有人数に着目して、記述しております。したがって、特定の職員が保有していたとはみなされなかった、共用端末に存在する本件日報のデータには言及する必要がないものと整理したことから、監察結果の記述には含めておりませんでした。他方、防衛省としては、本件日報に関する情報公開開示請求に対応する中、情報公開制度が文書を基本単位として捉えていることから、先に述べた共用端末に存在する本件日報のデータについてもその対象に含め、情報公開に丁寧に対応していく考えです。このため、今般、「特別防衛監察の結果」においても、陸上自衛隊の部隊等の共用端末に存在する本件日報にについて、補足的に記述することにいたしました。今回の補足により、「特別防衛監察の結果」の内容が変わるものではありませんが、今後も、この結果を踏まえた再発防止策を順次実施することを通じ、日報問題に関し二度と起こらないようにするとともに、防衛省・自衛隊として国民への説明責任を誠実に果たしていきたいと思います。

2 質疑応答

Q:昨11日に開かれた第51回自衛隊高級幹部会同において、大臣は「イージス・アショアを中心に新規アセットの導入を行いたいと考えており、最速のペースで導入できるよう取組んでいきたいと考える」旨訓示されました。装備の選定から購入、要員の育成に加え、設置場所となる地元の理解を得ることなど、実稼働までには膨大な作業が予想されますが、「最速のペース」について、大臣はどのような時間あるいはスケジュール感を念頭に御発言されたのか、お聞かせいただけますでしょうか。

A:一刻も早く、北朝鮮の弾道ミサイル攻撃から全国を常時・持続的に防護する能力を抜本的に向上させ、国民の生命、わが国の領土・領海・領空を守り抜く万全の備えを構築する必要があるとの考えから、イージス・アショアを中心に新規BMDアセットの導入を行う方針です。このため、平成30年度概算要求において、いわゆる「事項要求」を行い、平成30年度予算で整備に着手できるよう、可及的速やかに取組みを進めていくことにしております。御質問がありましたBMDの新規アセットの導入については、購入に向けて米国政府と調整する必要があるほか、各種調査、これは候補地の地形や地質、電波環境等になりますが、この調査により、防衛上有効な場所に確実に配備できるか否かを確認し、そして地元との理解を得る必要もあります。さらには、製造や運用試験を経る必要もあります。このようなことを考えれば、新規BMDアセットの導入には一定期間が必要となり、現時点で、配備時期を確定的に述べることは困難でありますが、関係部局が連携して早急に検討を進め、最速のスケジュールで新規アセットを導入できるよう必要な取組みをしていきたい思っております。

Q:今月8日、内閣官房や経産省、国交省などの担当者が一堂に会し、電磁パルス攻撃に関する対策会議の初会合を開催したと菅官房長官が昨11日の会見で明らかにしました。防衛省からも担当者が出席していますが、この会議体において防衛省が果たすべき役割や何らかのとりまとめに至る時期的な目処についてお聞かせいただけますでしょうか。

A:政府としては、実際にEMP、電磁パルス攻撃が行われるといった万が一の事態への備えとして、そのような場合の国民生活への影響を最小限とするための努力も必要であると認識をしております。内閣官房を中心に政府全体で必要な対策について検討していくというのが方針です。その一環として、今月8日、内閣官房を中心として、防衛省のほか、経済産業省、国土交通省など重要インフラを所管する省庁などが集まって会議を行いました。会議の内容については、事柄上、お答えを差し控えますが、防衛省としても、EMP攻撃に関連する知見の共有等を通じて、政府全体での検討に貢献していく考えです。なお、本会議は内閣官房が主催しており、今後の進め方等につきましては、内閣官房が答えていくものと思っております。

Q:大臣からイージス・アショアを中心とした新規アセットを導入していくとの御発言がありましたけれども、大臣が近くハワイにあるイージス・アショアの試験施設を視察する御予定はありますでしょうか。

A:現時点では、具体的な予定があるわけではありませんが、イージス・アショアは既に実践配備はルーマニアに1基、そして実験施設がハワイにあると承知しております。防衛省の職員がこの両施設は既に視察をしており、様々な情報も取っておりますので、そういうことを総合的に検討しながら、私自身の視察についてもまだ予定は決まっておりませんが、今後どうするか検討していきたいと思っております。

Q:国連決議の関連ですけれども、今回の決議は、石油の禁輸というところまで至りませんでした。これまで大臣は、北朝鮮の核・ミサイル開発を断念させるためには、石油をストップするのが有効だとおっしゃっていましたけれども、今回の決議の効果について、どのように評価をされていますでしょうか。

A:今回の決議については、当初、米国がこの石油の問題についてかなり強く関係各局に働きかけていたということ、これは大事なことだと思っています。ただ、残念ながらやはり国連加盟国、特に安保理の常任理事国の中に、この問題について様々な意見があるという中で、私どもとしては、今回一致した形で一定の方向を出したこと、これは評価をしたいと思います。なお、注目する内容についてですが、今回の決議の中にその他の項目として、「北朝鮮によるさらなる核実験または発射の場合には、さらなる重要な措置を取る決意がある」というふうな表明があります。北朝鮮の石炭の輸出に関しても、従前は一定量の議論がありましたが、最終的には北朝鮮の度重なる弾道ミサイル発射、核実験によって、これは輸出禁止という方向に向かったと思います。私どもとしては、この決議の中で、今後北朝鮮の動向に応じて、当然、この決議がさらに強化され、この石油の問題にも各国が足並みを揃えて対応していくことが必要なのだと思っております。

Q:関連で、今回の決議が、ある意味、アメリカが目指したものより弱まったという面もあると思うのですが、これによって北朝鮮がさらなる兆発行動に出る可能性が変わってくるということは考えられるのでしょうか。

A:私は今回の決議の重要性は、安保理理事国全てが賛成をした形で決議が通ったということ、これは大変強いメッセージだと思っています。この強力な国際社会のメッセージが北朝鮮側にも伝わり、核・ミサイルの開発について、この放棄に向けた動きが進むことを期待しております。

Q:冒頭、大臣から言われた特別防衛監察の補足ですが、このタイミングになった何か省内の検討等何かあったのでしょうか。

A:これは、情報公開をしっかり対応するという中で、当然、情報公開で今後要求を求められるということになりますと、対応をしっかりするということが大事だと思っております。今回補足を記述することにしましたのは、本件日報のデータが、陸上自衛隊の部隊等における共用端末、最終的には5台に存在するということ、これが先週の金曜日に事務方より私の方に説明がありました。私としては、情報公開をする場合には、当然この個人が保有するというだけではなくて、共有端末にあることについても当然その開示請求の対象になるのではないかと、これは丁寧に公表に心がけた方がいいのではないかということで指示をいたしました。その結果、本日、公表するということで、補足という形で皆様にお伝えした資料を今日は配布し、そして公表するということになりました。

Q:国連の制裁決議に戻るのですが、今回、北朝鮮への繊維の輸出禁止なども盛り込まれていますけれども、北朝鮮の核・ミサイル開発の原資を断つという上ではどういう評価をしていますか。

A:まず、北朝鮮の主要な輸出品目である繊維製品が輸出できなくなるということ、それから外国で労働する北朝鮮の労働者に関しては、同じく、これは新しい形で認めないという制裁になったと承知しています。とすれば、次第にこの数は当然低減していく、一定の期間を過ぎれば働く方が基本的にはなくなるということになれば、外貨獲得収入の道がどんどん細くなっていくということになります。これは、北朝鮮に対しては強いメッセージになるのだと思っています。

Q:先ほどの日報の関連で、先週金曜日に事務方から説明があったということですが、事務方はなぜこのタイミングで大臣にこのことを説明されたのですか。

A:これは、「特別防衛監察の結果」として出しています。これは、人に着目して監察結果の中の表として出したということになりますが、今後、やはり情報公開請求をしっかりするということになれば、持っている人だけではなくて、人ではないのだけれども端末にも当然存在するということで、しっかりと答えられるようにした方がいいのではないかという、そういった事務方からの説明がありましたので、そうであれば私としては一日でも早く、それはしっかりとした形で、補足という形で公開した方がより丁寧で適切ではないかという形で対応させていただきました。

Q:具体的に開示請求があったことを受けて、事務方から報告が上がってきたということでしょうか。

A:これは、事務方からは、当該データに係る開示請求の対応、実際に様々な開示請求が来ていますから、その対応に向けての一環として説明があったということだと思います。その内容については既に開示しています。

Q:オスプレイの昨年12月の事故についてお伺いしたいのですけれども、昨日、事故調査報告書が発表されたのですが、その中で、添付のメモに「crash」という言葉、「墜落」という記載があったのですけれども、現在、日米ともに不時着という説明をされていると思うのですが、この「墜落」から「不時着」に変遷した理由はどのようにお考えでしょうか。

A:今御指摘の報告書別添に、「運用当直士官の飛行日誌」、その中に、「crash」、「墜落」という記述があるということの御指摘だと思っています。事故発生当初の段階においては、米側から防衛省に対して、オスプレイが「墜落」した可能性があるとの情報があり、その後、米側において情報を精査した上で、当該オスプレイは「不時着水」したと改められた経緯があります。今般米側から提供を受けた報告書は、米国の専門の調査機関が、事故を引き起こした事実関係等の様々な内容を徹底的に分析し、最終的な報告として結論付けて評価したものだと思っております。

Q:関連でお伺いしたのですが、大臣は、昨日もオスプレイの事故については不安の声があるというふうな話をされていたと思うのですけれども、この不安というのは、具体的に何を指すのかということと、この事故調査報告書が発表されたことによって不安は払しょくされたとお考えでしょうか。

A:昨年12月の不時着水の事故、そして先般もオーストラリアでの事故が続いており、また、大分空港におきまして整備を続けていたという事例もあります。このような事案がありますので、オスプレイに関わる事故が続いているようなことがありますので、全国でオスプレイ飛行に関する不安の声がある、これは住民や国民の中にも当然あるということは、私ども承知をしております。このような事故が繰り返されないようにするということで、原因究明をしっかり米側から説明をしてもらう、また、安全対策に最大限取組むよう米側に強く働きかけていく、このようなことが重要だと思いますので、私も事あるたびに米側に安全管理の徹底をこれからも求めていって、この不安の払しょくに努めていきたいと思っております。

Q:事故調査報告書が昨日発表されましたが、これによって不安は払しょくされたかどうか、どうお考えでしょうか。

A:これは、調査報告書は報告書として米側の考え方をしっかり聞くということなのだと思いますが、大切なのは、やはり再発防止、そしてまた、しっかりした安全な運航をこれからも継続的に求めていくことなのだと思っております。

Q:今のオスプレイに関連してなのですが、一部報道で陸上自衛隊と米海兵隊が12月に熊本県山都町の大矢野原演習場で共同訓練を計画していると出ていますけれども、具体的にどのような訓練を想定しているのかというのを教えて下さい。

A:ただ今の御指摘ですが、普天間飛行場のMV−22オスプレイ等の訓練活動を沖縄県外に移転するものとして、本年、陸上自衛隊西部方面隊と米海兵隊との共同訓練「フォレストライト01」を計画しております。まだ具体的な日時場所については、現在調整中ということであります。

Q:オスプレイの事故報告書の関連でお伺いします。昨年12月に事故があった後、今年1月に政府は米軍の調査をもとに対策が取られたというふうに認めて給油訓練の再開を容認しました。その時点では、今回のような事故は初めてという説明をしていましたが、実は2015年にも発生していたことなどが調査報告書で明らかになっています。そうした、不確かな初期調査の段階で訓練再開を判断することが適切なのかどうなのか、お考えを教えて下さい。

A:これは、今回の調査報告書で、2015年に同様の事故があったということが報告書の中で私どもも確認をしたということであります。そういうことが過去にあったのであれば、やはり今回の昨年12月に起きたような事案が起きないように米側としてやはりしっかり対応していただきたい、そのように思っております。

Q:イージス・アショアに戻るのですけれども、最新の、今アメリカが開発中のレーダーを選択するのか、それだとアメリカがまだ配備前なので時間がかかってしまうと思うのですけれども、それとも時間を優先して、SM−3ブロックUAを追尾しきれない現行のレーダーで対応するのか、お考えを教えて下さい。

A:私ども、イージス・アショアを中心としたという対応をしております。まだ最終確定をしておりませんし、まだ「事項要求」という形で財務当局とも今後詰める必要があります。いずれにしても、米側とその技術面も含めて、十分調整をしていきたいと思っております。

Q:先ほどの質問の補足なのですけれど、例えばSPY6でないとSM−3ブロックUAに対応しきれないという指摘もあるのですけれども、そこは日米が共同開発するブロックUAを最大限活かすのであれば、SPY6が望ましいと、大臣のお考えはどうでしょうか。

A:これは、私どもしっかりとした能力を発揮してもらう検討を日米とこれからもやっていくということであります。まだ、最終的にどういう方向になるかというのは、米側との関係もありますので、検討中ということだと思います。

Q:来年度予算で、新たなミサイル開発費として、177億円を要望されたということについてなのですけれども、中身を見ると、敵基地攻撃に繋がるミサイル能力の向上というのが入っておりまして、今、週刊現代9月9日号に掲載された記事によるのですけれども、北朝鮮労働党幹部が語る本音として、頻繁にミサイル実験を繰り返すのは、アメリカと対等になってアメリカと平和条約を締結することが目的だと、その平和条約が締結されれば、軍事リスクは軽減されるので、核兵器とかICBMを持っている必要もないだろうということまで言及されているのですが、もしアメリカと北朝鮮の平和協定が実現されるとなれば、先制攻撃の必要性もかなり無くなると思いますので、ミサイル開発の膨大な開発費を果たしてかける必要があるのかということについてお考えをお聞かせください。

A:今の御指摘の177億という、30年度予算の金額から推し量りますと、御指摘のことについては、島嶼防衛用新対艦誘導弾及び島嶼防衛用高速滑空弾の要素技術の開発研究ということになります。これは、あくまでもわが国の領土、島嶼防衛のために必要な技術研究ということになりますので、これが何か敵基地に対する反撃能力のような能力開発ではないことは、御理解いただければと思っております。その上で、私どもは北朝鮮の動向を見ますと、私どもが北朝鮮に何か威嚇的なことをしているわけでもないですが、北朝鮮は一方的に弾道ミサイルの発射実験や核の開発実験を繰り返し、むしろ、日本に対して様々な威嚇的な行動を取っているのではないかと、そう思っております。日本としては、これからも専守防衛の基本の中でしっかり対応していきたいと思っています。

Q:先ほどのオスプレイの米国との共同訓練に関してなのですが、既に関係自治体との協議は始められているのでしょうか。その中に熊本県というのも入っているのでしょうか。

A:まだ具体的な場所、それを前提とした地元との調整はまだ行われていないと承知しております。いずれにしても、これから調整する段階で、最終的に決まりましたら、当然、地元との丁寧な協議をしていきたいと思っています。


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