防衛大臣記者会見概要 平成29年8月25日(11時50分〜12時14分)

1 発表事項

 まず、私の方から、航空自衛隊のペトリオット部隊の訓練についてお知らせします。航空自衛隊PAC−3高射部隊が、今月29日及び9月7日に横田、岩国、三沢の米軍基地において、PAC−3の機動展開訓練を実施する予定であります。加えて、今月30日から11月17日の間、空自ペトリオット部隊の実弾射撃訓練を米国ニューメキシコ州において実施をいたします。訓練の詳細につきましては、本日午後の航空自衛隊幕僚長会見でお話しをいたしますが、これらの訓練は、日米同盟の一層の強化に資するものと考えています。私の方からは以上です。

2 質疑応答

Q:今の点に関連するかもしれませんが、この前の日米「2+2」に引き続いて、共同発表の中で日米同盟における日本の役割の拡大、防衛能力の強化ということが含まれておりますが、具体的にこれはどのような方策をお考えか、まずその点をお願いします。

A: 先般の日米「2+2」におきましては、わが国の中期防の次期計画期間を見据えて、同盟における日本の役割を拡大し、防衛能力を強化させる意図を有する旨発言を表明いたしました。わが国としましては、南西地域の防衛体制の強化や、弾道ミサイル防衛能力の強化に加え、宇宙、サイバーなどといった新たな分野において、これまで以上の役割を果たすことにより、日米同盟全体の抑止力・対処力を一層強化していきたいと考えております。

Q: その際に、米側には大綱の見直しの検討ということも伝えていたかと思いますけれども、その大綱の見直しで、現行の大綱に足らざる点があるとすれば、どのような点だと考えていますか。

A:防衛計画の大綱につきましては、これは安全保障環境の変化に対応しまして、在るべき防衛力の姿はどういうものなのかという観点から、その見直しについては不断の検討を行っていくと、これが必要だと考えております。

Q: 北朝鮮情勢についてお伺いします。米国はこれまで、軍事的なオプションというのも言及されていますけれども、もし、米国が軍事行動をとった際に、日本の役割についてはどのようにお考えでしょうか。

A: まず仮定の質問についてお答えすることは差し控えさせていただきますが、その上で申し上げますと、まず外交努力を通じて平和を守ることが重要であるということは申し上げるまでもありません。地域の安全保障環境が一層厳しさを増す中、米国の抑止力を確保すること、これもまた重要だと思っております。このような観点から北朝鮮に対して一層の圧力をかけ続けるとともに、日米同盟の抑止力・対処力を一層強化していくことが重要だと思っております。このような認識については、先般実施しました日米「2+2」の4閣僚間で一致をしております。

Q: 北朝鮮情勢への対応についてなんですが、SLBMの発射の兆候があるとのアメリカの分析がありますが、防衛省・自衛隊としての把握状況と対処の方はいかがでしょうか。

A: これは北朝鮮の国営メディアが発表した内容だと思いますが、この中で写真に、「北極星3」と書かれたパネル等が写っているということ、これは固体燃料を使った新型のSLBMの開発が行われているという指摘があるということは承知をしております。私どもとしては平素から重大な関心をもって情報収集・分析に努めて参っておりますが、具体的な情報の内容については、わが国の能力が分かるということもありますので、お答えを差し控えさせていただきますが、その上で、北朝鮮は昨年1年だけでも、これまで最多となる20発以上の弾道ミサイルを発射し、また、今年になってからも新型とみられるものを含め、弾道ミサイル発射を繰り返しております。核・ミサイル開発のための活動を継続していく姿勢を崩しているとは考えておりません。今後いかなる挑発行動に出るかということも考えられます。私どもとしては、情報収集に万全を期すとともに、しっかりと防衛体制を備えていきたいと思っております。

Q: 今の質問で防衛大綱の件がありましたけれども、それに関連しまして、2013年に防衛大綱が閣議決定された時に、国家安全保障戦略も決定されていますけれども、国家安全保障戦略は防衛大綱の上位の概念だと思うのですけれども、その戦略には安全保障関連法に関する記述はありません。北朝鮮情勢など当時から含めて大きな変化があったとみられますが、その戦略を改定する必要はあるとお考えでしょうか。そういった指示を総理から受けていらっしゃいますか。

A:国家安全保障戦略については、所管が防衛省ではないのでこれは私の方からお答えすることは適当ではないと思っております。私どもとしましては、今後、中期防、そしてまた、防衛大綱の不断の見直し、そういうことが私どもとして備えるべき立場だと思っております。

Q:関連で、国家安全保障戦略と現行の防衛大綱に、集団的自衛権の行使等安全保障関連法の記述がないわけですけども、この状況をこのまま続けるというか見直さないことについてはいかがですか。

A:まず平和安全法制に限って言えば、この整備によって自衛隊の任務が変わったということはありませんので、私どもとしてこの平和安全法制の整備に対応して、防衛計画の大綱を修正する必要があるとは考えておりません。他方、今の安全保障環境の状況を考えれば、この不断の見直しというのは検討することが必要だと思っております。

Q:韓国とのGSOMIAの件ですけども、11月に発効1年ということで、90日前に破棄を通告すれば自動延長ではなくなるという記述があると思いますが、その期日が昨日だったと思うのですが、韓国側から破棄の通告があったのかどうかの確認をお願いします。

A:昨年11月に日韓政府間で締結しました日韓秘密軍事情報保護協定、いわゆる日韓GSOMIAでありますが、これは同協定の規定に基づく「協定を終了させる意思」の通告期限が90日前ということは御指摘のとおりです。90日前は昨日になりますが、昨日までに韓国側から「協定を終結させる意思」の通告はなかったと承知しておりますし、日本側からもそのような意思はありませんので、引き続き日韓GSOMIAは継続されるものと理解をしております。

Q:文在寅大統領は、当初GSOMIAの見直しを示唆するような発言をしていましたが、このように自動延長になったということへの受け止めと、今後の日韓防衛協力の進め方のお考えをお願いします。

A:まず今の北朝鮮情勢あるいは東アジア全体の安全保障環境を考えますと、日米韓三カ国の連携は大変重要だと思っております。私どもとしても、日韓の防衛当局の様々な協力はこれからも重要だと思っておりますので、そのような思いでこれからも関係のさらなる強化に努めていきたいと思っております。

Q:今月10日の衆議院安全保障委員会での発言について伺いたいのですけども、防衛大臣は集団的自衛権の行使を容認する存立危機事態に言及したのはとても異例のことだと思ったのですが、そのお考えに変わりはありませんか。

A:まず、あの委員会での質疑というのは、委員の方から、今回の様々な件についての事例についてどう対応するかということについて質問があったと思っております。その際、私の方で「個別具体の話は差し控えさせていただきます」ということでお話をしまして、そして「一般論として言えば」平和安全法制の下で新たな「三要件」及び存立危機事態の考え方について例示を含めて説明させていただいたということでありますので、あくまでも一般論として様々な事態が新「三要件」に該当し、それが存立危機事態に当たるという事態認定がなされれば、存立危機事態と政府全体で判断することではないかと、あくまでも個別事案ではなく、一般的な説明としてさせていただいたと理解していただければと思います。

Q:今回は北朝鮮がミサイルを着弾させると言っている地点がグアム島周辺の30kmから40kmの海上だということですけども、つまりアメリカの領海外に当たるわけですよね。存立危機事態に当たり得るというのは、一般論だとしても、今回その状況で存立危機事態に当たり得ると仰ったのは、どういった根拠で仰ったのでしょうか。

A:私は、まず前提として個別具体的な事例でという形ではありません。ですからグアムの今回の北朝鮮の発言を想定したことでお答えをしているわけではありません。あくまでも野党議員から質問の中で存立危機事態に当たることはどういう内容かという質問があったので一般論としては新「三要件」に該当すればというお答えをさせていただきました。

Q:現状においては、存立危機事態であるという認識になる可能性についてはどうお考えでしょうか。

A:これは個別具体事例ですから、私の方からお話することは適切ではないと思います。あくまでも様々な事態を一般論として認定する中で、新「三要件」に当たるかどうかということが事態認定の基本ということになると思います。

Q:最後に技術的な点について伺いたいのですけども、日本に近海にいるイージス艦が、北朝鮮からのミサイルを迎撃して撃ち落とすということは、位置的にこの高速で上昇中のミサイルを撃ち落とすことになるのかと思うのですけども、それは現実的なのでしょうか。

A:私どもとして、基本は日本に、これは領土に達する弾道ミサイル等が確認されたという段階で、その弾道ミサイルをイージス艦によって破壊をするということになります。その態勢は十分に整えていると思っています。

Q:現在北海道で行われている日米共同訓練について、二点お尋ねいたします。一点目は今回の日米訓練は沖縄の負担軽減というのを前面に掲げて行われていますが、今回の訓練が、まだ28日までありますけれども、沖縄の負担軽減に結びついているかどうかという認識をお聞かせください。

A:日米の相互の運用能力の向上ということ、これが日米共同訓練の基本であります。その中で、その訓練をどこで行うかという中で訓練環境として北海道を今回は選ばせていただいて、その際、航空機オスプレイを使うということに関して地元に御理解を得ながら、訓練を今でも実施させていただいているということだと思います。従来こういう訓練を行う場合、当然オスプレイが普天間にあるということを考えれば、普天間を中心にということになる場合もあったかと思いますが、少なくとも訓練が北海道の御協力を得て、行われているということ、そして先般、私が沖縄を訪問させていただいた時に、普天間基地にあったオスプレイは1機ないし数機くらいだと思います。そういう意味では一定期間ではありますが、負担軽減にはつながっているのではないかと思っております。

Q:もう一点、関連してですが、今回の訓練はオスプレイを使っているということが特徴ですけれども、オーストラリアでの事故があった直後ということで、かなり状況は今までと違った緊迫感があったと思います。地元の方もきちんと説明してほしいという形で、防衛省にも要請を行ったかと思いますが、情報開示の姿勢としては、今回防衛省は適切に対応されたかどうか、その認識をお聞かせください。

A:まず、今回事故が発生した直後、まだ米側から十分な報告がない段階で、私どもとしては、運用の自粛ということをお願いいたしました。これは、遠いオーストラリアでの事故ということで、私どもとしても、どのようなことが起こったのか判別できませんでした。数日後だと思いますが、米側の在日米軍副司令官が防衛省に来て、今回の状況について様々な状況についての報告をされました。私も内容を聞く中で、運航の安全が、米側としてきちんと確保できるまで自粛をお願いしたいというお話をさせていただきました。その後、米側として運航に安全性が確保できるのだというお話があった中で、今回のオスプレイが参加した訓練が再開されたと理解しております。

Q:昨日なのですが、中国の爆撃機6機が紀伊半島沖まで来るという、これまでに無かった飛行航路が確認されましたが、そうしたところに対する即応態勢といった備えや相手方の意図についてどのように御覧になってますでしょうか。

A:昨日でありますが、午前中、中国のH−6爆撃機6機が東シナ海から沖縄本島と宮古島の間を抜けまして、太平洋を北東に飛行し、紀伊半島沖まで飛行したことを確認しております。このようなルートでの中国機の飛行が確認されたのは初めてであります。領空侵犯等はございませんでした。このような訓練・情報収集を中国機が行っているかという、その目的は私どもは確たることを申し上げることはできませんが、自衛隊としては今回も緊急発進を行い、この中国の爆撃機については、しっかり確認をしながら最終的にわが国の領土・領海・領空に影響はない形で警戒監視を続けたということであります。現時点において、この航空機は国際法上特段の問題がある飛行があった事実は確認はされておりません。抗議を行うということはしておりませんが、外交ルートを通じて中国側にわが国としての関心表明という形で、この事例について照会を行わせていただきました。

Q:そのあと中国の国防省が珍しい声明を出していて、こうした飛行は今後も継続していくということを言っているのですが、これに対する受け止めをお願いします。

A:中国機が公海上を飛行するということは国際法上の面では問題がある事例ではありません。ただ、わが国としては、当然どうしてこのような飛行をするのかということについて中国側の意図については今後とも分析をし、また、中国側にも照会をして、確認をしていくということは必要だと思っております。

Q:先ほど中国側に関心表明を行ったということですが、それに対して先方からの回答というのは現時点であるのでしょうか。

A:特に先方から何らかの反応があったというのは承知しておりません。

Q:発表のあった訓練の話ですが、この時期に米軍基地で機動展開訓練を行うことの意義と意味合いについてどのようにお考えでしょうか。

A:今年5月に日米首脳会談の中で一致しました「具体的行動」の一環ということで、今回の訓練を在日米軍基地・区域で実施した結果、日米の連携が強化され、その絆を示すことは、わが国の安全保障、そして、同盟全体の抑止力・対処力を一層強化するという姿を見せることになるのだと考えたわけであります。

Q:米軍基地を守るという趣旨のものではないのでしょうか。

A:在日米軍基地であれ、いずれにしても、わが国の領土でありますし、そしてまた、その地域にも多くの日本人が居住しておりますので、わが国防衛の一環の訓練だと思っております。

Q:北朝鮮の関連ですが、今日「先軍節」を迎えていまして、北朝鮮は労働新聞の社説で「武力を中心とする自衛的な国防力を百倍、千倍に強化しなければならない」というようなことも書いています。核実験などに踏み切る恐れもありますけれども、どのように見ていらっしゃいますでしょうか。

A:今までの北朝鮮の様々な行動を見ますと、弾道ミサイル実験を継続しておりますし、核開発も私たちどもとしては継続していると判断をしております。そういう意味で、常にしっかり警戒・監視をする必要があると思っております。昨日、ハイテン戦略軍司令が来られましたが、ハイテン司令官の戦略というのは、アメリカの核戦略の運用を担当する部署でもあります。私どもとして、今後とも日米の連携を更に強化して、北朝鮮に対しての備えを万全にしていきたいと思っております。

Q:弾道ミサイル防衛について伺います。イージス・アショアを中心に新規アセットの導入を検討、というところですけれども、イージス・アショアを陸海空のどこが運用するのかについて、今後どのような観点から進めて行くのかについてお願いいたします。

A:新しい装備品等の問題については、防衛省内の委員会で最終的な報告が上がり、そしてそれを見て私が判断するということになりますので、今、その検討過程だと思っております。最終的に概算要求の段階でどのような装備が必要かということが入った段階で、またその問題についてお答えしたいと思っております。

Q:普天間の移設問題について伺います。アメリカのマティス長官が統合計画に示された、返還期日について、辺野古の工事の遅れを勘案して、2025年またはその後と変更するように国防総省内に指示をしていたという報道があります。従来より3年遅れということになりますが、日本側としてはその期日の変更の必要性について、どのようにお考えでしょうか。

A:私どもとして、今、報道ベースですので、マティス長官の今の発言内容については把握しておりません。日米「2+2」等でマティス長官とはお会いしましたが、いずれにしても、私ども一致したのは、辺野古移設がしっかりと進み、一日も早く負担軽減をしていくこと、これが重要だということで一致したということであります。

Q:関連ですけれども、2013年の統合計画は3年ごとに返還期日も更新するようになっていると思うのですけれども、この更新が遅れている理由と、取組み状況は如何でしょうか。

A:2013年4月に日米で作成しました統合計画には、3年ごとに更新するということになっております。現在、米側と協議中でありますが、日本側から米側に対して、移設計画が当初より遅れ、2025年度になるような見込みをお伝えしたということは当然ありません。また、米側において、検討しているということについても、防衛省としては承知をしておりません。いずれにしても、私どもとしては、一日も早く普天間の移設を進め、沖縄の負担軽減に努めていきたいと思っております。

Q:日米「2+2」ではマティス長官から、2025年度以降で返還というような話はなかったのでしょうか。

A:私どもとしてはそのような話はなかったと承知しております。

以上


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