防衛大臣記者会見概要 平成29年7月7日(11時44分〜12時11分)

1 発表事項

 九州北部における災害派遣についてでございます。防衛省・自衛隊としては、7月5日の福岡県知事及び大分県知事からの人命救助等にかかる災害派遣要請を受け、関係省庁及び自治体と緊密に調整・連携しながら、人命救助、道路啓開、給水支援等を行っております。また、本災害の規模や被害状況を踏まえ、救助活動等にあたる隊員をさらに増員し、人員最大約1万名、航空機最大約50機の態勢を整えているところでございます。本日から、甚大な被害を受けた福岡県朝倉市、東峰村、大分県日田市に勢力を集中させるため、活動の規模を約4,000名とし、人名救助活動、生活支援を行わせることといたしております。なお、航空機等による人命救助を行い、現在までに朝倉市、東峰村及び日田市において299名を救助したほか、給食支援を朝倉市において1ヶ所、東峰村において1ヶ所、給水支援を朝倉市おいて1ヶ所、東峰村において2ヶ所、日田市において1ヶ所、玖珠町において1ヶ所、入浴支援を朝倉市において1ヶ所、東峰村において1ヶ所で実施しております。更に道路啓開を東峰村で4ヶ所、朝倉市で1ヶ所、日田市において1ヶ所で実施中です。孤立地域で人命救助活動を行えていないところもございます。また、今後は、支援物資の輸送も含めた被災者への支援も必要となります。防衛省・自衛隊として、引き続き関係省庁及び自治体と連携し、被害状況把握や人命救助活動に全力で対応するとともに、給水支援など、被災者のニーズに合わせた効果的な生活支援活動を行っていく所存でございます。

2 質疑応答

Q:北朝鮮が4日に発射した弾道ミサイルについてですが、アメリカ政府はICBMと認定しましたが、その後の防衛省による分析状況と、ICBMに該当するかどうかの見解をお願いします。

A:詳細な分析は継続中でございます。現時点までに得られた諸情報を総合的に勘案いたしますと、今回発射された弾道ミサイルは、その飛翔高度・距離等を踏まえれば、最大射程が少なくとも5,500kmを超えるとみられることから、その飛翔距離から言えば、ICBM級の弾道ミサイルであるというふうに考えているところでございます。詳細については、現在分析中です。

Q:5日のマティス国防長官との電話会談で、抑止力と対処力の強化で一致という内容であったと思いますが、その抑止力と対処力の具体的な中身についてどのようなものをお考えでしょうか。

A:厳しい安全保障環境の中で、平和安全法制や新ガイドラインの下で、日米同盟全体の抑止力・対処力を一層強化し、地域の安定化に向けたわが国の意思と能力を示していくことが重要であって、マティス長官とも認識を共有したところでございます。自衛隊と米軍は、日本海における米空母2隻との共同訓練や米空軍爆撃機と空自戦闘機との共同訓練なども行ってきております。これらの日米共同訓練は、わが国の安全保障環境が厳しさを増している中で、日米同盟全体の対処力・抑止力を強化し、地域の安定化に向けたわが国の意思と高い能力を示すものであるというふうに考えております。他方、今後とることになる具体的な行動の中身については、手の内に関るものであることから、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。いずれにせよ、防衛省・自衛隊として、米国、韓国を始め、国際社会と緊密に連携しながら高度の警戒態勢を維持し、国民の安全確保に万全を期していく所存でございます。

Q:5日の国連安保理の緊急会合で、アメリカのヘイリー国連大使が、北朝鮮の核・ミサイルの問題について、軍事力の行使も選択肢として挙げましたが、これに対する所感とそのような事態になった場合の受け止めをお願いします。

A:米国の発言についてですけれども、政府としては、北朝鮮問題への対処に当たって、米国がこれまでも「全ての選択肢がテーブルにある」とおっしゃっていた、その姿勢を示したものと考え、評価をいたしております。米国の今後の対応について予断することや米国が北朝鮮に対して軍事力を行使した場合といった仮定の質問についてお答えすることは差し替えますけれども、米国と一致して取組むことが重要であって、引き続き日米同盟の抑止力・対処力を一層強化し、米国との間で政策のすり合わせをしっかりと行い、緊密に連携してまいりたいと考えております。

Q:先ほど、北朝鮮のICBMの分析状況について、ICBM級のミサイルということでしたけれども、これは日本の安全保障にとってどういう意味合いがあるのか、また、アメリカにとってどういう意味があるのか教えて下さい。

A:今回ICBM級ということを申し上げた意味は、飛翔距離に着目して、5,500kmを超えているということでございます。そして、例えば、弾頭の再突入技術、こういったものについては、北朝鮮は、それは実証したと発表しているけれども、その点についての詳細については現在分析中であって、ここはしっかりと分析していく必要があるというふうに考えております。また、北朝鮮はこれまでも弾道ミサイルの開発は継続していくという姿勢を崩していませんし、今回、飛翔距離に着目をしたものではありますけれども、ICBM級射程、そして、新型の弾道ミサイルであったというふうに考えられることから、射程は長くなり、また、技術的な進展を示しているということからすれば、更に脅威が増しているというふうに考えています。

Q:ICBM級ということですけれども、飛翔距離だけに着目するなら、既にデポドン2など1万km級の射程を持つとされているものが既に発射されていますけれども、今回それとは異なる脅威だというのは、どういう意味なのでしょうか。

A:やはり北朝鮮は昨年から弾道ミサイルの発射、それから核実験も2回行っております。そして、新型のミサイルも開発し、そしてその発言等、そういったものを総合的に判断して、脅威が新たな段階に入り、今回ICBM級の新型弾道ミサイルということから、更に脅威は増しており、例えば、今回の画像を踏まえますと、発射された弾道ミサイルは二段式であった可能性もございます。そういったICBM級の射程の新型弾道ミサイルということでございます。

Q:ICBMだと、いわゆるよく言われるアメリカの「レッドライン」を超える可能性があると。もう一つの「レッドライン」の一つが核実験だと思いますけれども、核実験の兆候や可能性についてどのように見ているのでしょうか。

A:まず、その「レッドライン」かどうかということについて、米国政権内において検討される政策については、コメントは差し控えたいというふうに思います。さらに、核実験に関して、やはり昨年は二度核実験を強行しているわけでございます。そういう意味において、そういった状況、北朝鮮の動向に関して、防衛省として、重大な関心を持って平素から情報収集・分析に努めているところでございますが、個々の具体的な情報の内容と分析に関しては、事柄の性質上、お答えは差し控えたいと思います。防衛省・自衛隊として、米国、韓国等と緊密に連携しつつ、引き続きその動向について必要な情報収集に努めていきたいと考えております。

Q:聞き方を変えるのですが、弾道ミサイルの発射だとか、核実験とか、挑発行動を今後も北朝鮮がやる可能性というのはあるのでしょうか。

A:北朝鮮がそういった行動をとる可能性は十分あるというふうに考えております。

Q:この後、沖縄県知事や嘉手納基地周辺の首長がパラシュート降下訓練や旧海軍駐機場の使用の問題で要請に来ると思うのですが、開催を調整中の日米「2+2」で解決するよう求めるとのことですが、日米「2+2」が開催されることになれば、その場で米側と食い違っている認識を一致させたいというふうにお考えでしょうか。

A:日米「2+2」の閣僚会合については現在調整中ですけれども、早期に開催できるように調整しているところでございますが、まだ現時点で決まってはおりません。しかしながら、今おっしゃった日米「2+2」に限らず前回のシャングリラでもそうですけれども、しっかりと地元の御要望等を累次の機会を捉えて適切に対応していきたいと考えております。

Q:その場で認識を共有して、何らかの共同発表なりで成果を上げたいというお考えですか。

A:まだ日米「2+2」の開催時期、さらにはその具体的な内容等について、何も決まっていない段階ですので、その内容について予断を持ってお答えすることはできませんけれども、しっかりと累次の機会を捉えて、御地元の要望等も含めて適切に対応していきたいと考えております。

Q:6月の参議院外交防衛委員会で、普天間飛行場の返還条件となっている緊急時の民間施設の使用について、大臣が、「米側と協議が整わなければ、普天間が返還されない」と答弁したことについて、沖縄県議会で波紋が広がっています。県側はその条件について説明を受けておらず、返還されないかもしれないのに、辺野古移設が唯一の解決策と言って工事を進めていることを問題視しています。こういった点や、辺野古と普天間飛行場の同時使用の懸念などについて、どう応えていきますでしょうか。

A:沖縄の統合計画に記載のあるところの、御指摘の「緊急時における民間施設の使用の改善」について、現時点で具体的な内容が決まっているというわけではないと、このことについて今御指摘の委員会のやりとりがあったところでございます。政府としては、「緊急時における民間施設の使用の改善」を含め、米側と返還条件についての協議を進め、辺野古移設の工事が完成し、米軍の運用が開始される時点で、普天間飛行場の返還が実現するよう取組むことは当然であります。いずれにせよ、防衛省として、辺野古移転後も普天間飛行場が返還されないという状況は全く想定いたしておりません。私の国会での答弁でも、普天間飛行場の返還が実現するようにしっかりと対応していくという趣旨を述べたものでございます。そして、県側から、その民間施設使用の改善が返還条件であることは説明を受けていないということの御指摘でありますけれども、統合計画に記載のある「緊急時における民間施設の使用の改善」について、具体的に内容は決まったものではありません。内容が決まったものが現時点であるというわけではありません。その上で、平成18年の「再編実施のための日米ロードマップ」等においても「民間施設の使用の改善」に係る記載がございます。この点については、既に沖縄県側においても承知されているものと考えております。また、「民間施設の使用の改善」について、沖縄県側の認識がなかったということではないのではないかというふうには思います。また、統合計画についても、沖縄県側に、平成25年4月5日の公表前に、「民間施設の使用の改善」に係る記載を含む案文を示して、沖縄県側に事務レベルで説明を行った上で、翌6日に、当時の小野寺防衛大臣が沖縄県を訪れ、当時の仲井眞知事に統合計画の内容について説明を行っているところでございます。いずれにしても、防衛省として、辺野古移設後も、普天間飛行場が返還されないという状況は全く想定していないということでございます。

Q:関連で、今おっしゃっていた、辺野古が作られても普天間飛行場が返されないということはないということなのですけれども、これは他の返還条件が満たされなくても、必ず普天間飛行場は返されるということですか。

A:「緊急時における民間施設の使用の改善」という、そういう米側との返還条件について、それは今後も協議を進めて、辺野古移設の工事が完成し、そして、運用が改善される時点で、その実現ができるように取組み、その時点において、普天間飛行場が返還されていないという状況は全く想定していないということでございます。

Q:それまでに返還条件は必ず満たさせるというお考えでしょうか。

A:様々な条件、「緊急時における民間施設の使用改善」という条件、そういったことについての協議を含めて、そこの状況について調整が整い、そして、辺野古完成後、普天間飛行場が返還されていないという状況は全く想定していないということでございます。

Q:関連なのですけれども、民間施設について、県は那覇空港が代償と推察して使わせないというふうに判断していますが、那覇空港も検討の対象となり得るのでしょうか。また、那覇空港が使えなければ普天間飛行場は返還されないということが起こり得るのかどうかお願いします。

A:まず、統合計画に記載がある「緊急時における民間施設の使用の改善」について、現時点で、何か具体的な内容に決まったものがあるというわけではないということでございます。しかしながら、辺野古移設完成後に普天間飛行場が返還されないという状況は全く想定していないということでございます。

Q:昨日の大臣の対応について伺います。昨日の政務で、大雨特別警報が出ている中、70分間省内を不在にしました。そのうち40分間は、政務三役は不在でしたが、この対応に自民党内から批判の声が上がっています。この行動は適切であったとお考えでしょうか。

A:九州北部における記録的な豪雨について、5日夕刻に私が発出した指示に基づいて、昨日午前には部隊の態勢は人員最大約5,000名、ヘリコプター最大約50機で対応しておりました。また、私は5日の夜に登庁して、自衛隊の災害派遣活動の状況、また、事後の方針について統幕長から説明を聴取しており、昨日の朝、私が主宰する防衛省関係幹部会議を開催するなど、対応に万全に期しているところでございます。また、先ほど述べた部隊の態勢・人員、最大約5,000名、ヘリ最大約50機という数字は、九州地方の駐屯地で待機する人員・機体を含んだ数字であって、現場の状況に応じた柔軟な人員の増強は可能となっておりました。私自身、省を出発するにあたっては、現況報告を受けており、また適切に状況を報告するよう秘書官にも指示をしていたところでございます。そして、防衛省政務三役は、常に必要な情報を受け取り、適切な指示もできる態勢をとっており、昨日昼頃防衛省政務三役が40分程度省内に不在をしていた、今記者御指摘になったとおりではございますけれども、私を含め複数の政務三役が省の近傍に所在して、随時連絡を受け、速やかに省に戻ることができる態勢をとっていたということでございます。

Q:昨日、防衛省の回答では、民間の方々との防衛政策に関する勉強会というふうに聞きました。もちろんこれは大事なことですし、大いにやるべきだと思うのですけども、ただ特別警報が出ていて、しかも行方不明者も出て救助に当たっているわけですよね。その最中にこの勉強会というのは大事だったのでしょうか。

A:勉強会自体は以前からセットされておりました。そして実際に時間を短縮して防衛政策をお話して、質問を受けて、省に戻ってきたわけでございます。15分程度で省に戻るところにはおりました。そして、先ほど申し上げましたとおり、部隊の態勢・人員等、しっかりと現況に応じた柔軟な対応ができるようにしていたところでございますし、報告を受けた上でいろいろな指示をして出かけたということでございます。

Q:勉強会とおっしゃいましたけども、支援者とのランチじゃなかったのですか。

A:そうではありません。勉強会において、私が冒頭発言をし、説明をして、その上で質問を受けて、そしてもちろん、ちょうどお昼時だったので御食事は出ておりましたけれども、その御食事はせずに、冒頭の説明とそして質問を受けて戻ったということでございます。

Q:災害派遣中にそちらを優先する理由は何ですか。

A:優先したということではございません。

Q:優先してるじゃないですか。

A:先ほど申し上げましたように、必要な情報を受け取り、適切な指示を行える環境にいたということでございます。そして指示をして、現況を受けた上で出かけたということでございます。

Q:これからもこういう事態があったら、そちらを優先するのですか。

A:今申し上げましたように、優先したということではありません。部隊の態勢・人員約5,000名、ヘリ約50機、そしてその九州地方での駐屯地で待機する人員・機体を含んだ数字でありますけども、現状の状況に応じて増強ができる態勢、さらにはしっかり報告を受けて、その上で指示をして、防衛政策の説明だけ行ってきたということでございます。

Q:防衛省・自衛隊幹部からも「ふざけるな」という声がたくさん聞こえますが、それについてどう思われますか。

A:緊張感を持って、しっかりと災害対応もそうですけれども、わが国のこういった安全保障環境の中で、やるべきことをしっかりとやっていきたいと思っております。

Q:今後は昨日みたいなことはしないということですか。

A:昨日の対応については、今申し上げたとおりでございます。しっかりと、こういった環境の中で、災害対応、さらには安全保障環境の中で、やるべきことをしっかりと行ってまいりたいと考えています。

Q:防衛省幹部、自衛隊幹部の中から複数聞いていますけれども、「ふざけるな」という声については、どう思われますか。

A:緊張感を持って、自分のなすべきことをしっかりとやっていきたいと思っております。

Q:安倍政権の最重要課題というか政策の一つは危機管理の徹底だったかと思いますが、危機管理の観点から、自民党の幹部や野党から強い批判が出ています。これについて、防衛大臣としてはどういうふうに受け止められますか。

A:昨日のことに関して、先程申し上げましたとおり、私自身しっかりとその状況を把握した上で、また現場の状況に応じた柔軟な人員の増強が可能であった、そういう状況の中で、報告を受けた上で指示をして、そしてまた、15分以内に戻れるところにいたということでございます。

Q:関連して伺います。私が伺いたいのは、危機管理が最重要だとされている内閣において、危機管理について、そもそも元幹部や野党側から強い懸念や不満が出ていることについて、防衛大臣としてどういう御認識を持たれているか、ということです。

A:今申し上げたとおりでございます。すなわち、しっかりとこの発災以来、必要な情報は受け取り、適時指示を行うことができる態勢の下で、お昼の時間の一部、防衛政策について説明をしてきたということでございます。

Q:防衛大臣の御発言や行動が、与党内部や野党からも批判が続く状況が連続しています。適切な対応だったと防衛大臣はおっしゃいますけれども、こういう批判がずっと続いてきているというこの現状については、防衛大臣はどういう御認識をお持ちですか。

A:その批判の声はしっかりと受け止めた上で、自分のなすべきことをしっかりとやっていきたいと思っております。

Q:確認なのですけれども、今の大雨の件で、菅長官は記者会見で「対応に問題があったとは考えていない」と、そういう認識を示されていますけれども、大臣としても、対応に問題はなかったとそういう認識だということでよろしいでしょうか。

A:先ほど来説明しておりますように、しっかりと情報を受け取り、また、適切な指示が行える態勢の下で、防衛政策の説明に行ったということでございます。

Q:これからも災害派遣中にそういうことを優先されるわけですね。

A:優先したということではありません。

Q:優先したから行かれたわけでしょ。論理的に言って下さい。

A:優先したということではありません。

Q:優先したから行ったんじゃないですか。それ以外どういう筋書きができるのですか。

A:必要な情報を受け取り、適切な指示を行うことができる態勢であったということを説明いたしております。

Q:これに関して、民進党の野田幹事長が大臣に罷免を求める考えを示したのですけれども、これについての受け止めをお願いします。

A:そういう批判の声があるということは、承知はいたしております。緊張感を持ってしっかりとこういった状況の中で、災害対応、さらには、やるべきこと、しっかりとやっていきたいと考えています。

以上


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