防衛大臣記者会見概要 平成29年6月20日(11時31分〜11時57分)

1 発表事項

 本日、閣議において「防衛省設置法等の一部を改正する法律の一部の施行期日を定める政令」及び「自衛隊法施行令等の一部を改正する政令」等が閣議決定され、南西航空方面隊の改編を7月1日に実施すること、また防衛省設置法等の一部を改正する法律のうち、予備自衛官等の使用者に対する情報提供に関する改正規定の施行期日を9月1日とすることを決定をいたしました。

2 質疑応答

Q:日ASEANの防衛協力に関するプログラムが始まりましたが、大臣の所感をお願いします。

A:資源やエネルギーの多くを海上輸送に依存するわが国にとって、シーレーンの安全確保は重要な関心事項であって、その要衝を占める東南アジアとの防衛協力・交流の強化は重要な課題です。こういった認識の下で、今週、日ASEAN防衛協力強化の重点週間と位置付け、昨年11月に私から発表いたしました日ASEAN防衛協力の指針「ビエンチャン・ビジョン」に基づいて、二つの取組みを新たに実施することとしました。まず、「日ASEAN乗艦協力プログラム」は、シンガポール周辺海域を航行中の護衛艦「いずも」にASEAN全加盟国の士官及びASEAN事務局員を招へいし、国際法セミナーや訓練見学を実施することを通じて、「法の支配」貫徹のための国際法の認識共有促進や海洋安全保障に係る能力構築支援を図るものでございます。また、「日ASEAN自衛隊統合防災演習研修プログラム」は、ASEAN全加盟国の士官及びASEAN事務局員を当該演習のオブザーバーとして招へいし、災害対処における指揮・調整要領を研修することを通じ、人道支援・災害救援分野の能力向上を図るものでございます。いずれの取組みも、ASEAN全体の能力向上を図り、地域の安定に寄与することを目的としたものであり、今後もこのような取組みを通じて、日ASEAN防衛協力を一層推進していまいりたいと考えております。

Q:昨年12月のオスプレイの事故調査報告書について伺います。昨日19日で事故調査報告書の提供期限を迎えましたが、米側からの提供はありませんでした。米側からの説明と期限内に提供されなかったという受け止めをお願いします。

A:米側における事故原因の調査報告書については、平成8年12月2日の日米合同委員会合意では、米軍航空機の事故調査報告書の公表可能な写しの日本国政府への提供は、原則として、日本国政府による要請の日から6ヶ月以内になされるものとされており、6ヶ月が経過した後は、3ヶ月ごとに終了の見込まれる日を更新・通知することとされているところでございます。政府としては、米側に対し、昨年12月19日に本件事故に係る事故調査報告書の公表可能な写しを提供するように要請したところでございます。米側からは、現在、鋭意作業を行っており、調査の終了日について、現時点で具体的な日は申し上げられないが、見込みが得られ次第、速やかに日本側に通知するとの説明を受けております。防衛省としては、米側に対し、引き続き、事故調査報告書の提供を求めているところでございます。私の認識についてのお尋ねでございますが、オスプレイについては、その安全性について国民の関心は非常に高く、不時着水事故に係る原因の究明が重要であるというふうに考えております。米側に対し、引き続き、事故調査報告書の提供を求めていきたいと考えております。

Q:一部報道で、沖縄県の北部訓練場のヘリパッド4ヶ所について、月内に運用を始めると米側から通知があったとありますが、事実関係と運用の見通しについてお願いします。

A:そういった報道があったことは承知しておりますが、昨年12月に提供した北部訓練場のヘリパッドについて、米側から、月内に運用を始めるとの通知を受けたという事実はありません。他方、移設したヘリパッドでの運用に当たっては、影響を受ける国頭村、東村の皆様への配慮が大切だと考えております。オスプレイを始めとした米軍機が住宅上空の飛行や夜間の飛行、さらには、つり下げ訓練や低空飛行訓練を行った場合、地元の皆様に与える影響が増えるのではないかという懸念を持たれることは十分理解しております。こうした懸念に最大限配慮し、地元への影響が最小限に留まるよう、米軍と緊密に調整していく考えでございます。

Q:自民党の国防関係の会合が開かれていますが、その中で防衛力整備に関する提言に向けた中間とりまとめというのがまとまる予定です。その中では防衛費の整備というのが、NATOがGDP2%を目指していることを参考にするべきだという内容があるのですが、これについて、受け止めと防衛関係費のあり方について大臣の考えをお願いします。

A:自民党の提言に向けた中間整理がまとまる見通しであるという、そういった報道については承知をいたしておりますし、また、自民党において今後の防衛力のあり方について幅広く、さらには精力的に御議論いただいていることは承知をいたしております。しかしながら、党内で検討・議論されている内容の逐一に関して政府の立場からコメントすることは差し控えたいと思います。その上で、NATOのGDP2%の件についての御質問についてですが、防衛関係費のあり方に関して、これは何度も私も国会でも御答弁いたしておりますが、GDPと機械的に結び付けることは適当ではないというふうに考えております。また、第二次安倍政権の発足まで毎年毎年10年間、防衛費は削減されてきたのですけれども、第2次安倍政権の発足後は、中期防に基づいて5年間実質0.8%伸ばす計画になっており、実際5年連続で増額を図っているところであります。防衛関係費のあり方、これはまさしくわが国自身の防衛力がどうあるべきか、そしてそれの質・量ともにどうあるべきか、そして自らが果たし得る役割の拡大をしっかりと果たしていくにはどうあるべきかという観点から考えるべきであって、他国から言われて対応するとか、GDPに機械的に決まるというものではないと考えております。

Q:関連なのですけれども、今回自民党は、政府への提言として基地攻撃能力の保有についての提言事項について、現在の検討状況と保有についての防衛省としての考え方は改めていかがでしょうか。

A:北朝鮮の核・ミサイル開発及び運用能力の向上は新たな段階の脅威にいたっていると考えております。そして、3月30日に自民党から、わが国独自の敵基地反撃能力の保有の検討開始についての提言を含む提言をいただいております。防衛省としても、自民党からの提言についてはしっかりと受け止めたいというふうに考えております。そして、わが国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中において、わが国として何をなすべきかという観点から常に様々な検討を行っていくべきというふうに考えているところでございますが現在自衛隊は敵基地攻撃を目的とした装備体系を保有しておらず、保有する計画はないということでございます。

Q:関連なのですけれども、政府として、敵基地攻撃能力の保有に関する研究や調査は行っていないということでよろしいのでしょうか。

A:日米同盟全体の抑止力を強化して、国民の生命・財産を守るために何をすべきかという観点から、様々な点について検討を行っているということでございます。

Q:伊豆半島沖で米海軍のイージス艦フィッツジェラルドがコンテナ船と衝突して、米海軍の方に死亡者が出たということで、この受け止めと、今回の事故を、MD対応のイージス艦だったということで日米の防衛力の低下につながる懸念はないのか、という点についてお願いします。

A:本件の事故は、6月17日午前1時30分頃、静岡県下田市沖を航行中の米艦船と外国籍コンテナ船が衝突をして、米艦船の乗組員のうち、7名が死亡し、3名が負傷した事故でございます。防衛省としては、自衛隊の艦艇及び航空機を現場海域に向かわせ、行方不明者の捜索、負傷者の搬送等実施をいたしました。本件事故で亡くなられた米艦船乗組員及び御遺族の方々に心から哀悼の意を表し、また、負傷された方々に対して心からお見舞いを申し上げるとともに、一日も早い回復を祈念をいたしております。更に、米艦船乗組員の死亡が確認された後に、私からマティス国防長官に哀悼とお見舞いの意を表すメッセージを発出いたしました。事故原因について、現在、関係機関による調査中であると承知しており、防衛省としては関係機関による調査の結果等踏まえて、適切に対応してまいりたいと考えております。そして、もう一つお尋ねのこの事故が、ミサイル防衛に影響はないのかということでございますが、米軍の運用についてお答えする立場にありませんけれども、地域の安全保障環境が一層厳しさを増す中で米軍の抑止力を引き続き確保することは重要なことであると考えております。北朝鮮の弾道ミサイル防衛に関して、引き続き、米軍と緊密に連携しつつ、いかなる事態にも対応できるよう緊張感をもって情報収集・警戒監視等に万全を期す所存でございます。

Q:日米のイージス艦の体制についてですが、両国で連携をして警戒態勢を含んでということだと思いますが、一隻なくなったことで新たに見直す必要というのはあるのでしょうか。

A:米軍の運用についてお答えする立場にないのですけれども、しかしながら、今の情勢の中で、しっかり緊密に連携をして、いかなる事態にも対応できるようにしたいと考えています。

Q:南スーダンPKO「日報」の件についてお伺いしたいのですけれども、先週金曜日の会見で中間報告について聞いた時に、「何らかの報告を目指しているということを申し上げたことはない」と述べられたのですけれども、3月21日の閣議後会見を見ますと、国会の中で「中間報告の要請もあったので、適宜・適切に何らかの報告をすることを検討していきたい」と前向きなことを仰っています。スタンスが変わったのは何故でしょうか。

A:スタンスが変わったとは思っていません。一つは国会で議論もありました。また、何度も申し上げておりますように、「日報」の問題について、防衛省に対する国民の信頼、これはしっかりと回復・確保していくことが重要ですし、特別防衛監察の結果、改めるべき隠蔽体質などあれば徹底的に改善をしていくということも申し上げたところです。そして国会で御議論を踏まえて、できるだけ早く監察結果を報告するように指示もしております。そして、それと同時に正確で公平で徹底的な事実の調査というものが私は重要だと本件については思っているところでございます。そして、会見の場でもそういった点も踏まえた上で、報告のあり方、これは適宜・適切に検討していくということが私の趣旨で申し上げたところであり、その点については変わっておりません。3月17日に特別防衛監察計画を承認して、すでに開始をされております。そして、徹底的な事実解明には監察の実施に支障をきたしてはならない。そして、実施している監察の内容の詳細について、お答えは差し控えますけれども、相当数の関係職員からの聞き取り、また、必要な場所への立入り、書類の確認等が厳格に行われているところでございます。そういった調査との兼ね合いにおいて、報告のあり方は、適宜・適切に検討していく必要があるというふうに考えています。

Q:確かに中間報告を仮に出したら、最終報告に影響を与える可能性もありますし、そこは出さないという判断というのもあるのかなと思うのですが、中間報告を出すというようなことを検討した事実というのは、今までないのでしょうか。

A:検討した事実がないことはないです。適宜・適切に検討していく中において、いろいろな報告のあり方というのは検討しているわけでありますが、今記者もおっしゃったように、この事実関係をしっかりと調査して、確定していくということは、本件にとって非常に重要なことだというふうに考えておりますので、それとの関係において、報告のあり方というものも決められていくものというふうに思っております。

Q:引き続き質問なのですけれども、夏の霞が関の人事が迫っています。現役でしたら異動先で処分できると思うのですけど、仮に退官していたら処分できません。人事発令前に発表するということでよろしいでしょうか。

A:まず、最も重要なことは、私は、本件においては、事実関係は徹底的に疑念を抱かれないように調査し、確定していくということが最優先で考えるべきことだというふうに思っております。

Q:同じ話題なのですけれども、国会への説明という点で、今国会は閉会しましたが、閉会中であっても提出するべきとお考えか、それとも、国会が開会しているときに出すべきか、大臣はどのようにお考えですか。

A:私は、できるだけ早く国民に対して説明すべきだというふうに考えておりますので、たとえ閉会中であっても、しっかりと調査ができれば提出して、その際には、記者会見も開き、しっかり説明していきたいと考えております。

Q:詳細な調査、それからいろいろな聞き取りをされているということですが、調査として、処分をするための、そこに至るまでの詳細な調査と、全体の事案の概要がわかる事案の調査とで詳細度が違うと思うのですが、処分ができるほどの調査を完全にしてから公表すべきだというふうにお考えですか。それともその処分とは別に切り離して、事案の概要がわかった段階で国民に報告すべきだというふうにお考えでしょうか。

A:事案の概要を発表するためには、私は、本件においては、しっかりとした事実の確定ということが重要だというふうに思っておりますので、それは同じことではないかと思います。

Q:今おっしゃった、閉会中でもしっかり調査ができれば提出してということは、これは閉会中審査に応じるということなのでしょうか。

A:閉会中審査をやるかどうかは国会がお決めになることですので、私としては、しっかり記者会見も開いて説明をしたいということです。

Q:野党が求めれば別にやっても構わない、もちろん国会や与党の国対が決めることですけれども、大臣としては閉会中審査で説明することもあり得るということですか。

A:私は、それは国会がお決めになることだというふうに思います。

Q:関連なのですけれども、今の調査の、相当数の関係者から聞き取りしているということですけれども、その規模というのは示していただけるということは可能なのでしょうか。例えば、約何人とか、約何ヶ所とか。

A:その点についても、具体的な数字を申し上げることは差し控えますが、相当数の関係職員からの聞き取り、そして、必要な場所への立入り、書類の確認は厳格に行われております。過去の特別防衛監察においても、もちろんその内容によって異なるわけでありますけれども、膨大な関係資料の分析、関係者からのヒアリングを重ねるなど、徹底的な調査・分析を行っております。今回も、その具体的な数まで申し上げることは差し控えますが、相当な捜査が行われているということでございます。

Q:先ほどのイージス艦のところに戻って恐縮なのですけれども、マティス国防長官へのメッセージを発出されたというのは、いつどのような形で、具体的に内容も詳しく教えていただければ有り難いのですけれども。

A:詳細なものを後ほど回答したいと思います。(※)

Q:在日米海軍の空母艦載機部隊の山口県岩国基地への移駐計画に関してお伺いします。山口県の交付金を来年度から50億円に増額するという報道があるのですが、事実関係をお願いできますでしょうか。

A:新聞報道については承知いたしております。空母艦載機の厚木飛行場から岩国飛行場への移駐等に関連する山口県からの御要望に関しては、現在山口県庁で面談等が実施をされているというふうに承知をいたしておりますので、私の方からその詳細について、この場で申し上げることは差し控えさせていただきます。その上で、再編関連特別地域整備事業、いわゆる県の交付金の事業期間の延長や、交付額の増額等の御要望については、空母艦載機等の航空機騒音等による地元の負担が継続をすると推測されることを考慮して、恒久的な措置を求めている地元の皆様の思いも踏まえて、前向きに検討していきたいと考えております。いずれにいたしましても防衛省としては、山口県と緊密に調整をし、地元の皆様の御要望に最大限応えられるよう取組んでいきたいと考えています。

Q:「日報」に戻ってすみません。先ほど相当詳細な調査が行われていると、回答しないけども相当数の関係者から聞き取りをやっていると、これはつまり、内容はともかくとして、そういうことについて特別防衛監察の方から大臣に報告が上がっている、或いは大臣は報告を求めているということでよろしいですか。

A:まだ具体的な報告を受けておりませんけれども、事務方からの報告によりそれは承知をしているということです。規模感など、どういう調査をしているかということについてです。

Q:先ほど沖縄県の県議会、6月定例会が開会しまして、翁長知事が辺野古の工事差し止めを求める訴訟の議決案を提案しました。沖縄防衛局は、県の行政指導に応じず護岸工事に着手し岩礁破砕を行うことが確実だと説明したようですが、県議会で可決されれば再び訴訟ということになりますが、大臣の受け止めをお願いします。

A:やはり普天間飛行場の危険性除去という意味において、辺野古の移転に関しては、昨年3月に和解が成立して、昨年の暮れには最高裁まで判決が出ているわけであります。そして今の岩礁破砕許可に関しては、今までも何度も申し上げておりますとおり、関係法令を所管している水産庁にも確認をした上で、沖縄県に対して許可申請をしないという旨を伝達しているところでございます。その上で、沖縄県がどういうふうに対応されるかということは、予断を持ってお答えをすることは差し控えておきますけれども、防衛省としては、昨年末の最高裁までの確定判決、そして昨年3月の和解の趣旨に従って、本件事業を進めていく考えでございます。

※ 後刻、「6月18日付で、稲田大臣からマティス国防長官宛てに哀悼とお見舞いの意を表すメッセージを発出しております。具体的には、「防衛省・自衛隊を代表し、犠牲になられた米海軍関係者の方々に対し、哀悼の意を表するとともに、負傷された方々にお見舞い申し上げました。また、日本国民も衝撃を受け、悲しんでいる旨お伝えし、さらに、日米同盟の重要性について言及し、これを支える在日米軍関係者及びその家族の方々への感謝と敬意の気持ちを伝えるとともに、マティス長官とともに日米同盟を一層強固にしていくことを改めてお伝えしました。」」と回答。

以上


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