防衛大臣記者会見概要 平成29年6月9日(09時53分〜10時16分)

1 発表事項

 本日、朝の6時40分頃、美保基地、鳥取県米子空港において、航空自衛隊C−2輸送機が訓練を実施するため、誘導路から滑走路に進入した際に、滑走路を逸脱したということがございました。本件の発生に伴って負傷した方はいらっしゃいません。本件の発生後、滑走路が閉鎖されたため、民航機数便がキャンセルとなるなどの影響が出ました。地元の方々や関係者の皆様に御心配と御迷惑をおかけし、申し訳なく思っております。滑走路については、復旧作業に全力で取組んだ結果、午前9時38分に開放しております。今後、本件の原因の詳細について確認を急ぐとともに、今後このような事案が発生しないよう再発防止に取組んでまいります。

2 質疑応答

Q:北朝鮮が8日朝に発射したミサイルについてお伺いします。北朝鮮によるミサイル発射は4週連続になりますけれども、これをどのように受け止めていらっしゃるのか、また、政府はこのミサイル発射について、「わが国の安全保障に影響を与えない」と判断して、北朝鮮に抗議していないとのことですが、安全保障に影響を与えないとした理由についてお聞かせください。

A:まず、北朝鮮が昨日朝、元山(ウォンサン)一帯から日本海方向へ地対艦ミサイルと推定される発射体を数発発射した旨、韓国合同参謀本部が発表していると承知いたしております。また、北朝鮮国営メディアは、9日、金正恩委員長が視察する中、新たに開発をした新型の地対艦巡航ミサイルの試験発射を行い成功した旨公表をしていると承知いたしております。また、今回発射したミサイルは、4月15日の軍事パレードに登場したものであると認識しているという旨承知はいたしているところでございます。しかし、北朝鮮における軍の動きなどの個々の具体的な情報の内容については、事柄の性質上コメントは差し控えますが、わが国の領域や排他的経済水域に落下するような弾道ミサイルの発射は確認されておらず、いずれにせよ、わが国の安全保障に直ちに影響を与えるような事態は発生していないということでございます。北朝鮮は、昨年来、核実験や弾道ミサイルの発射を繰り返すなどの挑発的言動を継続しており、今年に入ってからも、新型の可能性のあるものを含め、弾道ミサイルの発射を繰り返しております。また、先般採択された国連安保理決議に反発する姿勢を示していることなどから、今後、更なる挑発行為に出る可能性も考えられます。防衛省・自衛隊としては、米国や韓国とも緊密に連携しつつ、引き続き、緊張感をもって北朝鮮の動向について必要な情報の収集・分析に努めてまいります。また、「わが国の安全保障に直ちに影響を与えない」とする理由はというお尋ねですけれども、わが国の領域や排他的経済水域に落下するような弾道ミサイルの発射は確認されていないことなど、種々の情報を考慮した結果、わが国の安全保障に直ちに影響を与えるような事態は発生していないと認識をしたということでございます。

Q:関連ですが、今後も地対艦ミサイルなどが発射された場合ですが、抗議をしないということも考えられるのでしょうか。

A:一般論として、まずミサイルが発射されたかどうか、それを公表するかどうか、また、それをどのように公表するかについても、いろいろな要素を検討いたします。わが国の安全保障への影響、国民の生命・財産への影響、そして、わが国の情報収集能力を相手に見せることがあってはいけないなど、要素を総合的に判断して、個別の事案ごとに検討していくということでございます。

Q:昨日のミサイル発射で、最初に政府として公式にコメントしたのは、岸田外務大臣でした。国民に安心を与えるためにも、直ちに影響はない、弾道ミサイルではないと参議院外交防衛委員会で大臣が言ったようなことは、会見をしないまでも、発表すべきではなかったのかと思うのですが、そこの見解はどうですか。

A:先ほどお答えいたしましたように、わが国の領域や排他的経済水域に落下するような弾道ミサイルの発射は確認していなく、さらには、わが国の安全保障に直ちに影響を与える事態は発生していないということであり、そういった状況等を勘案して、昨日のような対応になったということでございます。

Q:直ちに影響を与えないのであれば、直ちに影響を与えないというふうに、参議院外交防衛委員会で言ったようなことを防衛省からリリースなり、話した方が良かったのではないでしょうか、という質問なのですが。

A:いろいろな要素を検討した結果、昨日のような対応になったということでございます。

Q:弾道ミサイルではなくて、巡航ミサイルであれば、今後も発表は一切防衛省からはしないということでしょうか。昨日のような国会が開かれているときは、野党の質問に対して答えるかもしれませんが、国会もなく、閉会した後であれば、11時の官房長官会見があるまで待つしかないということなのでしょうか。

A:今後の対応に関しましても、わが国への安全保障の影響ですとか、国民の生命・財産への影響、また、わが国の情報収集能力を相手に見せることがあってはいけないなど、いろいろな要素を総合的に判断し、個別の事案ごとにしっかりと検討してまいりたいと思っております。いずれにせよ、国民に影響があるような場合には、適切に対応していきたいというふうに考えております。

Q:ミサイルが弾道ミサイルではないかとか、影響があるかないかということを示すことが情報収集能力を明らかにするほど、日本の情報能力というのは脆弱なのでしょうか。

A:今申し上げたのは、情報収集能力がどの程度のものかということを知らせることはあってはならないということであって、それが脆弱であるからということではないとうことでございます。

Q:我々が伺いたいこととお答えが噛み合っていないので、もう一度整理したいのですが、昨日最初に発表されたのは岸田外務大臣で、このミサイルのわが国の安全保障に関係するのかしないのかという話を、外務省より先に防衛省で発表すべきでないかというふうに思っているのですが、その点はいかがお考えでしょうか。

A:そういった御指摘に関しては、昨日の事案においては国民の安全に影響を与えるような事態は発生しないことから、昨日のような対応をとったということでございます。

Q:嘉手納基地の旧海軍駐機場を外来機が使用している問題で伺います。米軍は2009年の日米合同委員会で合意したと主張しておりますが、昨日、地元首長に対しても第18航空団の大佐が、運用のため必要に応じて使用できると、2009年の合同委員会で日米の最高位で合意していると述べております。日本側の認識と駐機場の移転後の運用について合同委員会で協議した事実はありますでしょうか。

A:御指摘になったような在沖米空軍が報道にあるような認識を示したということは承知をいたしております。また、日米合同委員会における日米間のやり取りについて詳細をお答えするとは控えますけれども、旧海軍駐機場の施設に関して、SACO最終合意における騒音軽減イニシアティブの趣旨に適う運用をするため、倉庫及び整備工場として使用されると認識をしており、報道にあるような米軍の認識とは異なっております。すなわち、米軍が仰っているような必要な運用に応じて、旧海軍駐機場を使用するということを日米で合意しているような事実はないということでございます。

Q:以前のパラシュート訓練でも米側と日本側の解釈の違いなどがあったと思うのですが、解釈の違いはなぜ起こっていると思われますか。

A:米軍がなぜそのような認識を有しているかということは、お答えする立場にはありませんけれども、日本側の解釈についてしっかりと米側には説明をしているということでございます。

Q:昨日、沖縄防衛局長は地元首長に対して米側と認識について協議しているという趣旨の発言をされていますが、その点の事実関係をお願いします。

A:私も旧海軍駐機場の問題を含め、マティス国防長官との間で日本側の立場については、お話をしているところでございます。また、日本側の旧海軍駐機場に関する立場、これは様々なレベルで米側に伝えているところではありますが、まだ認識の一致を見るには至っていません。防衛省としては、引き続き米側に対して、SACO最終報告の騒音軽減イニシアティブの趣旨に適う運用を行うよう、様々なレベルで強く求めていくということでございます。

Q:マティス氏との話というのはどの場でされているんでしょうか。

A:先日のシャングリラ会合でもお話をしております。

Q:北の地対艦ミサイルの件ですが、今回の巡航ミサイルはこれまでより射程が伸びているのではないかという分析もあるのですけども、今回北朝鮮が新型というミサイル発射はどの辺りに技術開発・技術進展があるというふうに今の段階で防衛省はお考えなんでしょうか。

A:北朝鮮側が、新型の地対艦巡航ミサイルの試験発射を行って成功したということを、公表しているということは承知をいたしておりますが、どのようなものであるのか等々、しっかりと分析を進めていきたいというふうに思っております。

Q:これまでより脅威の段階が高まっているという認識は、今回の事案ではどう考えられるのでしょうか。

A:それはまだ詳細な分析を進めているという段階でございます。

Q:今回、弾道ミサイルではなくて、巡航ミサイルを撃ったことについては、どのように分析をされているのか、大臣はどのように受け止められているのかお聞かせください。

A:冒頭の質問に対しても申し上げましたように、北朝鮮が地対艦ミサイルと推定される発射体を数発発射した旨韓国の合同参謀本部が発表していること、更には北朝鮮国営メディアが新たに開発した新型地対艦巡航ミサイルの発射を成功した旨を公表していることを承知をしているところでございますし、今回発射したミサイルが4月15日の軍事パレードに登場したものであるというふうに公表している承知いたしておりますが、北朝鮮における軍の動きなどの個々の具体的な情報の内容については、事柄の性質上、コメントは差し控えたいということでございます。

Q:大臣が月刊誌に渡部昇一さんの追悼文を起こされていて、その中には、渡部昇一さんの文書を引用して、東京裁判史観を破砕する知力、それから大臣御自身の御言葉として、東京裁判史観の克服という言葉を使われていますが、それについてどういう意味なのか教えていただけますか。

A:渡部昇一先生は、私が当選して以来、全国の後援会の「ともみ組」の会長をしていただいた先生でいらっしゃいます。そして、私の「ともみ組」のパンフレットの中に、渡部昇一先生が今御指摘になったようなことを書かれているということも事実です。私が考えている東京裁判史観の克服ということについては、私自身過去の日本の歴史については、しっかりと客観的事実が何であったかということを見極めるということが重要だということでございます。さらに、今ここで防衛大臣として先の大戦についての認識がどうなのかと言われると、昨年の8月14日の総理談話で述べられているとおりということでございます。

Q:大臣は防衛大臣稲田朋美ということで書かれていますけれども、大臣にとって東京裁判史観は破砕する対象なのですか。克服する対象なのですか。

A:破砕とか克服とか、かなり強い言葉ですけれども、私はそれは過去の歴史に関しては、常に客観的事実は何かということについては、日々いろいろな資料も出てくるわけですから、そういうことを基に何が事実であったかということをしっかりと見ていく、そういう態度が必要だというふうに思っています。

Q:大臣の東京裁判史観に対する文書を読んでいると、解任された田母神元空幕長と非常に考え方が似ていると思うのですが、それについて御自身はどう考えてらっしゃいますか。

A:私はそうは思っておりません。それぞれ歴史に関する認識はお有りになると思いますが、私自身は客観的事実が何であるかということを固定概念に囚われることなく、しっかり見ていく態度が重要であるというふうに思っています。

Q:大臣は歴史修正主義者ですか。

A:歴史修正主義者とは思っていません。

Q:違いますか。

A:はい。

Q:北朝鮮のところに戻ってしまって恐縮なのですけれども、日本海からアメリカの空母2隻が離れているのですけれども、それによって北朝鮮に対する抑止力というか、圧力が弱まってしまうのではないかという懸念があるのですけれども、それについてはどのようにお考えですか。

A:米海軍と共同訓練をしていた、空母「カール・ヴィンソン」、「ロナルド・レーガン」との共同訓練について仰っておられるというふうに思います。そして、それらの訓練はあくまでも自衛隊の戦力向上のために実施したものであって、その結果として、日米同盟全体の抑止力・対処力を一層強化し、地域の安定化に向けたわが国の意思と高い能力を示す効果があるということを申し上げてきたところでございます。そして、今、お尋ねの「カール・ヴィンソン」、「ロナルド・レーガン」の動きに関しては、米軍の運用に関することでありますので、お答えする立場にはないということでございます。

Q:先日報道で、日韓防衛相の間での直通電話のホットラインについて、去年のシャングリラ会合でも既に合意されていることだと思うのですけれども、年内にも設置して運用開始するということでしたけれども、それについて調整状況はいかがでしょうか。

A:報道については承知をいたしております。昨年6月の日韓防衛相会談において、安全保障上の緊急事案が起きた際の連絡・調整のために、両防衛当局間の緊急連絡体制を強化することで一致をしております。その後、実務レベルで協議を行っており、先般の日韓防衛相会談でも私と韓民求(ハン・ミング)長官との間で実務協議の進展を歓迎しております。深刻さを増す北朝鮮情勢を踏まえますと、日韓防衛当局間の連携はその重要性を増しており、緊急連絡体制の強化を早期に実現すべく、引き続き、韓国側と協力していきたいというふうに考えております。

Q:開始時期については。

A:なるべく早期に実現したいというふうに考えています。

Q:在韓米軍へのTHAADの追加配備を韓国政府が中断しました。米韓の話ですけれども、これによる日本を含めた東アジアへの安全保障への影響をどう考えますか。

A:今、御指摘になった報道に関しては承知をいたしております。そして、御指摘になられたように、THAADの配備については、米韓両国間で調整がなされるものと承知をいたしておりますけれども、本件に関して米韓間の協力が進むこと、これが地域の平和と安定に資するものだというふうに考えています。

以上


ご意見ご要望
大臣記者会見概要一覧へ戻る
新着情報一覧へ戻る
トップへ戻る

(C) 防衛省・自衛隊