防衛大臣記者会見概要

平成28年12月13日(09時54分〜10時16分)

1 発表事項

 なし。

2 質疑応答

Q:中国国防部が10日に宮古海峡で爆撃機や戦闘機などが自衛隊機から妨害を受けたと。この旨発表したことについて、日本政府はこれを否定して、事実と明らかに異なることの一方的な発表は極めて遺憾と、非難していますが、この中国の発表の狙いについての防衛省の分析、さらに今、継続作業中と思われます「海空連絡メカニズム」の設置協議、これへの影響があるかどうかご見解をお聞かせ下さい。

A:まず、昨日、ぶら下がりの会見の中でも申し上げましたように、自衛隊機が中国軍用機に対し、妨害を行ったとか、妨害弾の意味自体は不明ですけれども発射したとか、中国軍用機とその人員の安全を脅かしたという事実は一切ないのでそういった事実の異なることを発表されたことについては遺憾であるという旨の抗議を行ったところであります。そして、何故、そういった事実と異なる発表を一方的に中国側がなしたのかということについての意図について、現時点で何か確たることを申し上げる立場にはありませんが、しっかり事実については主張をしていくということでございます。また、その上で日中防衛当局間の「海空連絡メカニズム」の早期運用開始は必要という点については変わるものではありませんので、早期運用開始に向けて引き続き努力をしてまいりたいと考えております。

Q:昨日、日本漢字能力検定が今年の世相を表す漢字として、「金」、ゴールドの「金」を選びましたが、大臣、よろしければ大臣が選ばれる今年の漢字一文字、発表いただけますでしょうか。

A:その質問が出るということでございましたので用意してまいりました。「駆」という字でございます。

Q:選ばれた理由は。

A:「駆」という字ですが、やはり、今年は政調会長として、また、後半というか8月以降は防衛大臣として、まさに一年中、駆け抜けてきた一年であったように思います。さらにはなるべく現場を見たいという思いで、日本国内や国外の部隊も視察するために駆け回った一年でもあったと思います。そして、新平和安全法制に基づく「駆け付け警護」が大変、国会の中でも、また、国民の間でも議論になり、そして、新任務を付与したという意味もあり、今年の一年は、と聞かれれば、「駆」という字を示したいと思います。

Q:中国軍機のことでお伺いしたいのですけれども、中国国防部は今年7月にも自衛隊機が火器管制レーダーを照射したことに関して、その直後に日本政府はそういった挑発行為は一切ないと否定しています。日本側からすれば、そういわれない主張が向こうから相次いでいることについて、外交ルート以外でそういった抗議等、何か申し入れをする予定はあるのでしょうか。防衛省としても、何かそういった主張、向こうの主張に対して反論等、何か具体的に今後していくような。

A:日本政府としての立場というのは正式には外交ルートということだと思います。その上でやはり、事実と違うことに関しては明確にどこが違うのかということをしっかりと申し入れをしていくということが重要だと思います。

Q:それについて、防衛省が今回の件に関して、否定する文書を出したのが11日の夜で、中国側が妨害弾を発射したというふうな主張を始めてから1日近く経過した後にメールで発表していたのですが、このタイミングは非常に遅いような気がするのですが、このタイミングになった理由というのは何かあるのでしょうか。

A:まずは、事実関係をしっかりと防衛省としても確認をするということであります。さらには、その確認と関係省庁との調整などに一定程度の時間を要しましたが、やはりしっかりと事実関係をどこがどう違うのかということを主張する必要があるということで、今回、文書で提示する時期が、今、御指摘の時になったということでございます。

Q:ただ、中国側がそういう主張を始めて一日近く経っているということは、その間、外電とかで打電されるわけで、この丸一日というのは、それにしても遅すぎると、この点いかがでしょうか。

A:そうですね。ただ、しっかり何を言われても反論できる状況というものを、真実を言えばそれで強いといえば強いのですが、しかしながら、その状況を確認できる状況にあるかとか、また、関係省庁との調整に一定の時間を要したということでございます。

Q:関連して、発表が遅れた理由を伺いましたが、中国側は中国語の抗議声明を出してから二時間で英語版を出しています。およそ二時間です。日本側は日本語を出すのも遅れましたが、英語版を出すのにさらに半日近く時間がかかっています。国際発信力ということでこの点どのようにお考えでしょうか。

A:防衛省・自衛隊としては、12月10日の中国国防部の発表に対して、11日付けで見解を公表し、同時に英語版作成を開始して12日夜に防衛省ホームページで公表をしたところであります。重大な事案等についてのお知らせは、英語での公表も行なっておりますが、正確を期すために作成には一定の時間を要しているということでございます。今後とも重大な事案等の修正については、英語版を速やかに公表できるように努力をしてまいります。時間がかかったという御指摘ですけれども、やはりしっかりと事実関係、相手が言っていることは全く嘘だと、虚偽だということを言うわけですから、しっかり事実関係を確認した上で、そして調整をして発表するということは、私は必要だと思っています。

Q:この件に関しては、日本側が妨害弾を発射したというふうに、その妨害弾の意味が分からないと大臣は先ほど仰ったのですが、日本側がその中国の飛行機に対して、フレアも含めて、警告射撃をした事実はなかったのでしょうか。

A:警告射撃をした事実はありません。

Q:フレアを含めていかがですか。

A:フレアは警告射撃ではないですよね。フレアは相手方から射撃をされたときにそれを散らす目的で行なうものですから、それは妨害弾にも警告射撃にも当たらないということでございます。

Q:フレアを使ったことは事実だったのでしょうか。

A:そういった細部について手の内を明らかにすることは差し控えたいと思います。重ねてになりますが、フレアは赤外線誘導ミサイルを欺まんするために用いる装置であって、航空機の飛行を妨害することを目的として使用することはあり得ません。

Q:中国の動きについてなのですが、中国側の飛行機が、特異な行動はあったのでしょうか、なかったのでしょうか。

A:危険な行為として公表すべきような特異な事例という意味では、ありません。

Q:今の点なのですけれど、フレアとチャフは使ったのですか。それは中国には当然分かることだから隠す必要はないと思うのですけれど、フレアかチャフは使っていますか。

A:その点については、わが方の手の内を明らかにするおそれがあることから、お答えを差し控えたいと思います。

Q:相手の中国側は当然分かっているわけですが。

A:相手方も含めてそういった手の内については、お答えは差し控えたいと思います。

Q:答えられない理由にはならないと思いますけど、ちゃんと使っているわけですから、チャフでもフレアを使用した場合は相手は分かるわけですから、それを日本側が公表できない理由というのは全く理解できないのですけれども。

A:対応の詳細については、わが方、そして相手方も含めてお答えは差し控えさせていただきます。

Q:大臣が、妨害弾というのは意味不明と仰ったのは、そのことだと思うのですが、中国側がチャフかフレアを妨害弾という言い方をした可能性がありますが、そうすると、お互いに言うことが食い違うわけで、そこがチャフかフレアを使ったのかどうかというのをはっきり言っていただきたいと思うのですけれども。

A:お互いの具体的なことについて、わが方の手の内を明らかになることから、お答えは差し控えさせていただきますが、明らかに事実と異なることを発表された点について、今回、私達は抗議をしたということでございます。

Q:チャフとフレアを中国側が妨害弾という言い方をしているのかもしれないので、そこははっきり中国側に分かっているわけですから隠す必要はないではないですか。

A:しかし、そういった仮定の、相手方の意図を忖度して何か申し上げる必要はないと思います。

Q:忖度するということではなくて、事実として、チャフとかフレアを7月の時、織田さんの時もそうですけれども、はっきりそれは言うべきではないですか。

A:わが方の手の内を明らかにするおそれがあるので、お答えは差し控えさせていただきますが、明らかに事実と異なることを発表された点については、抗議をさせていただいたということです。

Q:話は変わって恐縮なのですけれども、トランプ大統領がF-35の計画見直しをツイッターで示しています。日本も導入予定ですけれども、これに与える影響というのはどのようにお考えでしょうか。

A:トランプ氏の現時点での様々な言動について、それが実際に大統領就任されてからの政策になるかどうかという点については、予断を持ってコメントすることは差し控えたいと思います。何か、日本の政策なり計画に変更があるということはありません。

Q:何十億ドルも節約できるようになるだろうと、コスト削減を示唆しているのですけれども、それについては、日本に与える影響というのはどのように考えていますか。

A:実際に大統領に就任されてから、どういった方向性を執られるのかということは注視をしていかなければならないと思いますが、現時点で、何らかの日本側の方針に変更が生じるということではないと思います。

Q:日本側の調達方針は変わらないということですか。

A:はい。

Q:その件で伺いたいのですが、F−35の、今のF−15に対する優位性や、配備の必要性というのを改めてどうお考えでしょうか。

A:やはり、F−35のステルス性を考えますと、F−35の持っているその性能と、これはF−15に比べて勝っていると思います。

Q:そもそもF−35は大分価格が当初よりも上がっているのですけれども、日本の調達価格もかなり上がっています。それについて、今回のトランプ次期大統領の発言をきっかけに日本側も何かしら働きかけていく可能性というのはありますか。

A:繰り返しになりますけれども、現時点でトランプ氏が仰っていること、それが実際に大統領になられてからの政策になるかどうか、そこは予断をもって現時点でコメントすべきではないと思います。

Q:中国機の話に戻るのですけれども、ロイターの北京の記者は、中国の方から、あれはフレアだったということで聞いているのですけれども、先ほど共同通信の記者から質問がありましたが、防衛省としてはこれは言えないものなのでしょうか。

A:わが方の手の内を明らかにする恐れがあることから、わが方、また、中国軍機の行動についてお答えは差し控えさせていただきます。

Q:別件で大変恐縮なのですけれども、木曜日に邦人輸送の訓練が行われます。今回、自衛隊法84条4から3に変わって、アルジェリアの事件を受けて、輸送から保護になりました。任務遂行型の武器使用が可能になりますが、これの意義について教えていただけますでしょうか。

A:84条の3ですか。

Q:84条の3で邦人輸送が書いてありますが。

A:もう一度質問をお願いいたします。

Q:法律が変わって、任務遂行型の武器使用ができると。これの意義についてどのようにお考えでしょうか。

A:在外邦人の保護に関しては、法律上の要件を満たすということを要件として、任務遂行型の武器使用ということも、しっかり訓練をした上で、行うことができるということは意義があるというふうに思います。

Q:今後、そういったことで、海外にいる邦人の保護というのは、より安全に守られていくというふうにお考えでしょうか。

A:今までその規定がなかった、今回の「駆け付け警護」もそうですけれども、やはり、海外において邦人がそういった危難に遭遇することはありますので、しっかり要件を満たした上で、さらに訓練を行った上で、保護措置をできるようになるということは意義があるというふうに思います。

Q:今のに関連してなのですけれども、今週一週間、新しい邦人保護に関する訓練がいろいろ行われていて、今週木曜日に公開されるのですが、公開される訓練については、「駆け付け警護」のときと同様に、実際に武器を使用する訓練を公開しないということなのですけれども、この理由をお聞きしたいのと、やはり世論を刺激しないようにという判断が働いたのかということも併せてお聞かせ下さい。

A:「駆け付け警護」のときもそうですし、こういった新しい法律に基づく保護の場合、その任務遂行型の武器使用においても、いろいろな場合を想定して訓練をしております。そういったいろいろな場合の想定に関して、やはりわが国の手の内を明らかにすることに繋がると思いますので、そこは、全てを公開するというわけにはいかないということでございます。

Q:世論に配慮するということではないのですが。

A:そういうことではありません。

Q:昨日、沖縄県の翁長知事が、北部訓練場の返還式典には沖縄県からは誰も出席しないということを発表しました。4,000ヘクタールの返還は、これまでで最大の返還というふうに政府がおっしゃっている返還式に、沖縄県の方からは誰も出席しないことについての受け止めをお願いします。

A:報道については承知をいたしておりますけれども、現時点で沖縄県から正式な回答はいただいていないところでございますので、お答えは差し控えたいと思います。その上で、今御指摘になったように、北部訓練場の過半の約4,000ヘクタールが返還することは、まさしく沖縄の負担軽減に通ずるものであります。現在22日の返還に向けて、米側と調整を行っているところでございますので、いずれにせよ、知事が出席されるか否かについては、沖縄県において判断されるものと承知しています。

Q:関連としまして、沖縄県知事の方は返還式に出席しない理由として、工事に自衛隊のヘリが投入されたことや、オスプレイの訓練を今建設中のヘリパットでの今後の訓練などに対する懸念など政府に対する不信感というのを挙げています。先ほど大臣が仰っていたように、政府としては負担軽減というふうに仰っているのですけれども、この認識の違いはどのように捉えられていらっしゃいますでしょうか。

A:まず、自衛隊のヘリ使用については、それは法的にも問題ないですし、また、必要最小限度ということで説明を事前にもしてまいったところでございます。また、オスプレイの問題に関しましては、地元の皆さん方に意見を聞きながら、しっかりと対策は講じていきたいということも申し上げているところでございます。防衛省として、繰り返しになりますけど、この北部訓練場の約4,000ヘクタールの返還は20年越しの課題であって、沖縄県内の米軍施設・区域約2割が本土復帰後最大の返還となりますので、今般の返還式において、地元の皆様に御報告したいと考えていて、是非、翁長知事にも御出席いただきたいというふうに思っております。

Q:織田元空将がネット上で、6月か7月の事案について書いた時に、本来織田さんがネット上に書かなければ特異な事案として発表する予定だったと聞いていますが、今回はそういった事案には該当しないのですか。

A:事案自体が異なるので、今回、どういった公表をしたかということは、今申し上げたとおりです。

Q:要するに、フレアを使うということは、危険を感じたからフレアを使って離脱するわけですよね。危険を回避するためのフレアを使用すると。それは特異な事案だから織田さんの時は特異な事案として発表する予定だったと。ところが織田さんが書いてしまったから発表しなかったと。特異な事案として今回は中国側が先に言ったから公表できないと。

A:いいえ。中国側は事実と異なることを発表されたので、その点については抗議をしたわけであります。

Q:フレアを使った、要するに危険を感じたからフレアを使ったわけですから、それは堂々と言えばいいじゃないですか。

A:そこは、中国側、また、こちら側の行動について、何か特異なものがあったとまでは考えていません。そして、細部について公表することがわが国の手の内も公表することになりますので、そこは申し上げないということです。

Q:フレアを使うということは、パイロットは危険を感じたわけですよね。それでフレアを撃って、離脱するわけですから、特異な事案に該当するんじゃないんですか。

A:防衛省の判断として特異な事例とは認識をしていないということでございます。

Q:今の件ですが、防衛省の方で、さらなる写真、あるいは当時の映像を公表する予定はありますでしょうか。

A:現時点で事実と異なるということを抗議申し上げているということでございます。

以上


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