防衛大臣記者会見概要

平成28年10月7日(10時42分〜11時08分)

1 発表事項

 10月7日から9日までの日程で、わが国派遣施設部隊の活動状況及び現地の状況を把握するとともに、厳しい環境の中で任務に従事している隊員を激励するため、南スーダン・ジュバを訪問することといたしております。ジュバでは、南スーダン政府及びUNMISS関係者との面会も予定いたしております。

2 質疑応答

Q:先日の国会でも答弁されておりましたけれども、自衛隊員の二重国籍についてお伺いします。現在のところ、自衛隊の採用に際しては、二重国籍の基準というのは触れておりませんけれども、今後、そういった採用のあり方を見直すお考えはあるのかということと、秘密情報を扱う隊員については、そういった国籍の保有状況について、調査があるのですけれども、そういった調査のあり方について検討する考えはあるかという御意見をお伺いします。

A:まず、最初の御質問ですけれども、自衛隊を含め、公権力の行使又は国家意思の形成への参画に携わる公務員となるためには、日本国籍が必要であります。他方、自衛隊員の採用に際して、日本国籍とともに外国籍を保有する二重国籍者は排除はされておりません。この点については、昨日も国会で答弁をしたとおりでございます。自衛隊員に対して、二重国籍者の採用等を禁止するべきかどうかについては、自衛隊の職務の特性のほか、職業選択の自由等との兼ね合いなど様々な観点から、国家公務員全体の議論も踏まえ、慎重に考慮して判断をすべき問題だと考えております。いずれにいたしても、二重国籍者は国籍法第14条第1項に基づき、一定期間内にいずれかの国籍を選択することになると認識をしておりまして、自衛隊員がこれに違反することのないよう周知していきたいというふうに思っております。また、後者の質問ですけれども、昨日も答弁いたしましたとおり、秘密を取り扱い得る職務に就く自衛隊員については、外国の情報機関等による働きかけがないかを調査するための参考として、従来より、国籍の保有状況についても、調査することといたしております。この点については、引き続き万全を期していきたいというふうに思っております。

Q:南スーダン訪問に関連してお伺いします。南スーダン訪問の今回のねらいについてなのですけれども、安全保障関連法に基づく駆け付け警護の付与をどうするかの判断というのをこれからしなければならないと思うのですけれども、現地の情勢を確認して、その付与の判断の参考にしたいというお考えはありますか。

A:まず、南スーダンの訪問に関しては、皆様方も御承知のとおり、就任以降、なるべく早い時期に行きたいということで、計画をしていたところでございます。先般、諸般の事情で、結局キャンセルすることになり、大変心残りだったのですけれども、再度、日程調整をいたしまして、8日土曜日に南スーダンの視察をすることができることとなったわけであります。防衛大臣の南スーダン訪問は、約1年10か月ぶりでございますが、派遣施設隊の活動状況、また、現地の状況を把握すべく、自衛隊宿営地や活動現場を視察するとともに、激励もいたしたいというふうに思っております。また、UNMISS関係者や南スーダン政府要人との面会についても調整中でございます。そして、今御指摘になったように、平和安全法に基づいて、新任務についての訓練もやっているところでありますし、南スーダンに派遣される部隊にいかなる業務を新たに行わせるかについては、現地の情勢ですとか、訓練の進捗状況を慎重に見極めながら、政府全体で検討していくこととなるというふうに思っております。

Q:関連で、現地情勢が判断基準にとても大きな意義を与えると思うのですけれども、どういったことを見てこようというふうにお考えでしょうか。また、視察する意気込みをお聞かせ下さい。

A:PKO5原則は維持されているというふうに国会でも答弁をしているところでございますが、やはり隊員の皆さんが安全を確保しつつ、有意義な行動ができるような現地の状況であるのかということは、私が見られる範囲で見てくるということは重要だというふうに思います。私が見たことだけで何かが決まるということではありませんけれども、見たことについては報告もいたしますし、その上で、政府全体の判断の一助になるものといふうに思っております。

Q:改めて、南スーダンにおけるPKO5原則についての政府の現在の見解をお願いします。

A:何度も国会で答弁をいたしております、私も総理もそうですけれども、7月に衝突事案はありましたが、比較的落ち着いた情勢になっており、PKO5原則自体が崩れている状況ではないというふうに判断しております。私自身もジブチに行ったときには、南スーダンの派遣隊の副隊長から、さらにはその後も現地に入っている様々な方々から報告を受けており、比較的落ち着いた状況になっているということでございますので、PKO5原則自体が崩れた状況ではないと思っております。

Q:前副大統領派のマシャール派は、PKO法上の紛争当事者ではないということだと思うのですけれど、その理由を改めてお願いします。

A:御承知のとおり、今派遣している部隊はPKO法の第3条第1号ロで行っております。従いまして、その条件が崩れるというのは、新たにそういった紛争当事者が当該活動の行われる地域に現れてくる、存在してくるということで崩れるのだというふうに思います。そういう意味で、マシャール前副大統領の系統立った組織ではなく、何か支配を確立した地域があるというふうには認識しておりません。

Q:北朝鮮に関連してなのですが、北朝鮮の核実験場での動きについて、アメリカの研究グループ「38ノース」なのですけれども、衛星写真を分析した結果、先月5回目の核実験が行われたと見られる坑道を含む、3つの坑道の周辺で人影や車両が確認できる、実験後のデータ収集など何らかの作業を続けている可能性があるというデータを示しました。これについて防衛省としてどのように把握されているか、また、今後の核実験の可能性についてお願いします。

A:報道は承知しております。また、今御指摘になった点を指摘していることも承知いたしております。北朝鮮の動向については、防衛省としても平素から重大な関心を持って情報収集・分析に努めておりますけれども、個々の具体的な情報の内容については、事柄の性質上コメントは差し控えたいと思います。その上で申し上げれば、北朝鮮は5月の党大会で示されたように、ミサイル開発を今後も進めていくという姿勢は崩しておらず、例えば、先月の核実験の後にも、「核武力の質・量的強化措置は、継続するであろう」と述べていることからも、引き続き核開発を継続していくものと考えられます。防衛省・自衛隊としては、米国や韓国とも緊密に連携しつつ、引き続き緊張感を持って、北朝鮮の動向について必要な情報の収集に努めてまいりたいと思っております。

Q:関連してなのですけれども、昨日、北朝鮮の外務省が、アメリカに対する報道官談話を発表して、核やミサイルの開発を巡って圧力を強めているアメリカに対する報道官談話なのですが、近い将来、「身震いするような現実に直面することになる」という威嚇する談話を発表して、今月10日の朝鮮労働党の創立記念日に向けて、北朝鮮による新たな挑発への警戒が強まっており、これについての防衛省の見解、また、今後のミサイル発射の兆候などについてお聞きしたいのですが。

A:御指摘のとおり、6日に北朝鮮が、外務省スポークスマン談話を発表し、「米国は近い将来、我々の生命を狙った自分らの矛先が、むしろ自分らの息の根を止めることになる身震いするような現実に直面することになるであろう」などと警告したというふうに承知いたしております。北朝鮮は、御承知のとおり、今年に入って核実験は2回、そして過去に例を見ない頻度で弾道ミサイルの発射を繰り返すなどの挑発的な行為に出ております。御指摘のとおり、朝鮮労働党創設記念日10月10日に前後した国威の発揚、また、10日から予定をされている米韓海上合同訓練に反発するなどして、さらなる挑発行動に出る可能性も否定はできないというふうに思っております。防衛省・自衛隊としては、米国や韓国とも緊密に連携しつつ、引き続き緊張感を持って北朝鮮の動向について、必要な情報の収集、分析に努めてまいります。

Q:昨日国会で問がありました領収書の問題なのですけれども、改めて問題はないという認識を持っているでしょうか。また、今後の対応についてお聞かせいただけますか。

A:昨日、領収書の問題について質疑がございました。領収書は、昨日委員会でも御説明をいたしましたとおり、同僚議員の政治資金パーティーにおいて、国会議員は、会費を祝儀袋に入れて持って行くことが多いのですけれども、そのときの混乱を避けるために、主催者側の権限によって、正式に発行された領収書でございます。そしてそれを主催者側の了解、いわば委託を受けて、出席した側が金額、そして日付等を正確に記載しているもので、領収書の有効性は、何ら問題はない、したがいまして、政治資金規制法上の領収書と取り扱われることについて、問題はないというふうに考えております。その上で、私は、最初に赤旗で指摘をされましたので、私自身は自分の事務所がどういう扱いをしているかは、確認いたしました。そして、私の事務所では、一般の方が来られるときには、2万円の印字のされた領収書をお渡ししております。また、国会の先生方が来られるときは、やはり、御祝儀袋に入れておられることもあり、また、同時期にたくさん来られることもあって、金額欄の所は空欄にしたものをお渡ししているということでございます。今回、そうして私のパーティーにわざわざ来て下さった政治家の先生に対して、失礼があってはいけないという思いもあって、金額欄は空欄で渡していたわけですけれども、そのことが引き金となって、昨日、共産党の小池先生が私を追求したように、せっかく来て下さった先生の方に、何かそういった疑惑を持って見られるということは、申し訳ないという思いも、一方でございます。従いまして、どういうことができるかということは、私の事務所内では検討はしていこうというふうに思っております。ただし、この領収については、何ら有効性には問題がなく、例えば、偽造と言われるのは、権限なく領収書を発行することであり、主催者側が権限に基づいて正式に発行したものであって、それは有効性に問題はないと考えております。

Q:ハリアーの墜落の件でお伺いしたいのですけれども、先ほど、9時前に嘉手納基地で早速、飛行が再開されたのですけれども、これについて大臣はどう受け止めていらっしゃいますでしょうか。

A:防衛省としても、本日、8時40分頃に嘉手納飛行場から、AV―8ハリアー3機が飛行したことを確認いたしております。このハリアーの飛行再開に当たりましては、安全性の確保の観点から、私からシュローティ副司令官に際して、再発防止、安全確認がきちんとなされているということが、重要であって、それを確認してから再開をして下さいということと、再開をされる場合には、事前にお知らせ下さいということを沖縄においても、それから外務省のACSAの締結の折にもお会いすることができましたので、直接にお話したのは二度ですけれども、申し入れをしていたところでございます。また、一昨日、ハリス太平洋軍司令官ともお会いをいたしまして、最初にこの問題についても申し入れをいたしました。そして、安全を確保した上で再開をして下さいということも申し入れたところ、同司令官からは、安全に飛行を行う態勢が整ったと確信をしていると、そういうお話でありました。そこで、引き続き、情報提供、そして、くれぐれも安全確保した上で再開をして下さいということは申し入れたところでございます。米側としても、事故発生以来、安全を最大限に確保するため、航空機部隊の隊員、整備員に対する徹底的な確認、航空機の安全・技術等に関する手順の検証、そして、日本国内に駐留するすべてのAV−8ハリアーの徹底的な調査など、できる限りの措置を講じた結果、安全に飛行を行う態勢が整ったと判断し、飛行を再開することとしたというふうには承知をいたしております。防衛省としては、米側に対し、これらの措置について、より詳細な情報を求めたところ、安全確認のために実施した全ての措置を列挙したリストの提供を受けたところでございます。そして、そのリストの各措置の一つ一つについて、沖縄防衛局が、米側に目的や実施方法の確認を行いました。そして、把握できた安全確認の内容をとりまとめ、関係自治体に速やかに情報提供をしたところであります。また、米側による安全確認の内容については、防衛省・自衛隊における専門的知見も活用して評価を行った結果として、一定の妥当性を確認したところであり、飛行再開に関する今般の米側の判断は一定程度理解できるものというふうに考えております。防衛省といたしましては、米側に対し、引き続き、事故原因の究明と万全の安全対策を求めるとともに、さらなる情報が得られ次第、関係自治体に対し、速やかな連絡を行ってまいりたいと思っております。

Q:北朝鮮の関連で、10日に向けて、さらなる挑発行動の可能性も否定できないということでしたけれども、最近、北朝鮮はEEZとかに打ち込んできたりしております。もし、次の挑発行動があった場合、領海とか、またEEZに打ち込むとか、そういう可能性というのはどのようにお考えでしょうか。

A:予断は許さないと思います。今御指摘のとおり、TELを使って、いつでもどこでも撃てる態勢や、潜水艦からの発射、そして、先日は三発の弾道ミサイルが同時に、ほぼ排他的経済水域の同地点と評価していいところに着弾させるなど、明らかに技術が向上しておりますので、そういった点も含め、予断は許さない状況であるので、緊張感をもって注視してまいりたいと思います。

Q:軍属の扱いに関する日米間の調整状況、進捗状況はどうなっているのか教えてもらってもよろしいでしょうか。

A:報道があったことは、承知はいたしております。そして、本年の7月5日に軍属に係る日米地位協定上の新たな扱いの導入及び日米地位協定上の地位を有する全ての米国の人員に対する教育・研修の強化などを内容とする日米の共同発表を実施しているところでございます。現在、同発表を受けて個別の措置の詳細を発表することを目指し、両政府間で協議を重ねているところでありますが、法的文書の性格、また、交渉の期限を区切るといった点を含め、報道にあるような合意がなされたという事実はありません。そして、さらに個別の措置の詳細を発表することを目指し、また協議をしているところであって、それ以上のお答えは差し控えたいと思います。

Q:関連なのですけれども、7月の発表の時に、数ヶ月というような目標があったと報道されていると思うのですけれども、そろそろ10月に入って、数ヶ月という期限が来ると思うのですけれども、タイミングについてはいかがですか。

A:7月の発表にもそういった法的文書を目指して、努力するということでありますので、今、鋭意協議を重ねているところでございます。

Q:国会審議に関連するところなのですが、防衛大臣を初めてされて、報道でも稲田大臣が狙い撃ちを野党にされているという報道もあります。野党からは、大臣の資質の問題だというような声も聞かれます。御自身では、そういった批判の声をどのように受け止めていますでしょうか。

A:様々、過去の発言も含めて取り上げられているわけでありますけれども、しっかりと国会という、本当に国権の最高機関の委員会の場で、私自身もしっかりと説明責任を果たし、やはりこういった厳しい安全保障を巡る状況の下で、防衛大臣として説明責任も尽くし、日本の防衛のために万全を期していきたいと思っております。

Q:先ほどのハリアーの件に戻って恐縮なのですけれども、翁長知事と大臣がお会いになった時に、情報公開にしろ、原因究明にしろ、早くしていただき、それを説明されることなくして沖縄の皆様にも国民にも、日米関係の信頼が回復できないと思っているというような発言をされたと思うのですけれども、今回の日米の対応というのは、信頼回復に繋がるとお考えでしょうか。

A:今、御指摘にあったように、私も翁長知事とお会いして、様々なお話をしました。その上で、やはり沖縄問題を考えていく上に当たって、沖縄の歴史的な経緯でありますとか、また、大きな基地負担の問題でありますとか、やはり重要なことは、政府と、また、沖縄との間においても、信頼関係というのはすごく重要だということは痛感しています。その上で、しっかりといろいろな分かったことは、すぐさま情報もお伝えをして、説明もしていきたいという思いで今回も取組んだところであります。私としては、できる限りの情報も公開し、そして説明もしてきたというふうに思っております。

Q:先月、静岡県御殿場市内で発生した事案なのですけれども、米海兵隊員が御殿場市内で、9月、民家の敷地内に侵入しまして、車を盗んで事故を起こして逃げたとされている事件なのですけれども、この件に関しまして、沖縄はもとより、本土でもこのような米軍に関する事案が発生しましたが、大臣のお考えをお聞かせ下さい。

A:いずれにいたしても、捜査中の事案でもあり、コメントは差し控えますが、しっかりと信頼関係を損なわないように、さらには日本の法律をしっかりと守っていただきたいというのは一般論として申し上げたいと思います。

Q:報道に関してはお聞きにはなっていらっしゃいますでしょうか。

A:捜査中ということで、承知いたしております。

以上


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