防衛大臣記者会見概要

平成28年8月24日(10時20分〜10時35分)

1 発表事項

 北朝鮮が、本日午前5時29分頃、北朝鮮東岸の新浦付近から、1発の弾道ミサイルを東北東方向に発射した模様です。発射された弾道ミサイルは、約500km飛翔し、日本海上に落下したものと推定されます。なお、詳細について現在分析中でございますが、これまでの北朝鮮の弾道ミサイル開発動向、発射地点が潜水艦発射弾道ミサイルSLBMを搭載する潜水艦の配備基地付近であることなどの関連情報を総合的に勘案いたしますと、今般発射された弾道ミサイルは、潜水艦発射弾道ミサイルSLBMであると考えられます。今回の、この北朝鮮のミサイル発射については、わが国を含む地域及び国際社会の平和と安全を損なう安全保障上の重大な挑発行為であり、断じて許すことはできません。累次の安保理決議にも明白に違反をしたものであります。防衛省・自衛隊としては、総理の指示を踏まえ、引き続き、米国や韓国とも緊密に連携しつつ、重大な関心を持って、情報の収集・分析に努め、我が国の平和と安全の確保に万全を期す所存でございます。
 もう一点についてでございますが、平和安全法制に基づく新たな任務に係る訓練の開始について、発表いたします。本年3月に施行された平和安全法制に基づく様々な新たな任務については、制定された法制度・各種部内の規制類の周知徹底、隊員教育のほか、様々な部隊が実際に訓練をするために必要な教材などの整備や教官の育成といった各種の準備を進めてきたところです。こうした各種の準備作業に一定の目途がたったことから、今後、自衛隊の各部隊において、平和安全法制に関する必要な訓練を実施することといたしました。また、日米など二国間あるいは多国間の共同訓練においても、今後、関係国との調整の上で、平和安全法制に関する必要な訓練を実施してまいります。さらに、南スーダンPKOの実施計画が延長された場合に備えまして、次に派遣される第11次要員は、東北方面隊隷下の第9師団を基幹として、派遣の準備を進めることといたしまして、明日8月25日から、その派遣準備訓練を開始いたします。この訓練は、平和安全法制による新たな任務に関する内容も含むこととなります。防衛省としては、今後とも、様々な任務の遂行のための能力を高める努力を不断に行うことにより、各種の事態に適切に対応できるよう万全を期してまいります。私からは以上です。

2 質疑応答

Q:まず、ミサイルの方からお伺いしたいのですが、潜水艦から発射される弾道ミサイルということで、500km飛翔したということですが、これについての受け止め、評価、どのようにお考えでしょうか。

A:北朝鮮に関しましては、年が明けてから、核実験、さらには、本日の発射を含めますと、18回ということになるわけであります。また、今、冒頭申し上げましたように、今回のミサイルに関しては、SLBM、すなわち潜水艦発射弾道ミサイルであるということでございますので、緊張感を持って、万全を尽くしていきたいと思っております。また、今回のミサイルも、度重なる安保理決議に反するもの、さらには、この地域の平和と安全を脅かすもので、断じて許せませんし、日米韓が連携しつつ、しっかりと体制を整えてまいりたいと思います。

Q:訓練の方なのですけれども、新たな任務の内容を含むということですが、具体的には何の任務を付与されるのでしょうか。付与というか、訓練を開始するのでしょうか。

A:具体的にというか、平和安全法制が成立をして、施行されているわけでありますけれども、それに伴って、また、冒頭申し上げましたように、PKO南スーダン派遣についての実施期限延長の可能性もあるわけでありますから、しっかりと準備が整ったものから新しい任務も含めて、駆け付け警護等も含めて訓練をしていく必要があろうかというふうに思います。

Q:11次要員について、駆け付け警護と今おっしゃいましたが、駆け付け警護とそれだけですか。

A:新しい任務として、何を加えるか、今、実施計画に基づいてPKO活動やっているわけでありますけれども、さらに、例えば、期間を延長するにしても、しっかりと政府内で検討した上で任務の内容ということも決めていくということです。

Q:訓練については、一部報道などで「駆け付け警護」と「共同基地警備」などの報道も出ていましたが、その訓練というのは始められるのでしょうか。

A:明日から始めますのは、派遣延長のある場合もあるということもあり、しっかり準備をしていくこということであります。今の御質問は、「駆け付け警護」、さらには、「宿営地の共同防護」の点ですよね。その点も含めて、準備が整い次第、訓練はしていくことになると思います。

Q:今、情勢を巡っては様々な治安の報道なども出ていますが、現時点で派遣できる状態、もしくは、その上で付与もできる状態というふうにお考えでしょうか。

A:平和安全法制も成立し、いかなる場合にも対応できるよう、しっかり準備をしていくことは、私は当然のことだと思います。しかしながら、その延長するかどうか、また、内容について「駆け付け警護」の内容、与えるかどうか等々については、しっかりと今後、検討していくことになるというふうに思います。今、何かが決まっているということではありません。

Q:今回、訓練が始まるわけですけれども、施行から5ヶ月を前にして、訓練が始まることになるわけですが、今回の訓練が始まる意義を、稲田大臣としてはどのように捉えていますか。

A:平和安全法制が成立をして、新たな任務も付与する、自衛隊にとっても付与される場合もあるわけですけれども、それはしっかりと準備もし、訓練もした上でなければならないことは、当然のことだと思います。その上で、施行されて、そして、規則類、様々な調整等々を準備してきたわけでありますけれども、その準備が整い、今から訓練ができるということでございます。

Q:この訓練の任務の中には、当然、集団的自衛権の行使や様々な日米間のこともあると思うのですけれども、例えば、そういった日米同盟の強化に資するとか、日本の厳しくなる安全保障環境を捉えた中で、今回の訓練開始というところは、どういう意義があるとお考えでしょうか。

A:もちろん、平和安全法制は成立をしたわけでありますので、いかなる場合においても、しっかりと日本の防衛ができるように万全を尽くすことは当然のことだと思いますし、今後、米国をはじめとする様々な国との共同訓練においても、平和安全法制に基づく、必要な訓練を実施することは必要だというふうに思っておりますが、どのような内容の訓練をするかを含め、関係国との調整を、今後、行なっていくということになろうかと思います。

Q:別件で、今回、北朝鮮がSLBMを発射したと見られておりますけれども、今回、発射したこのタイミング、どういう狙いがあるとお考えでしょうか。

A:北朝鮮が様々、核実験、ミサイル、今回で18発になるわけですけれども、いろんな要因は考えられると思います。断定的に「こういった意図で」ということは申し上げることはできませんし、差し控えたいとは思いますけれども、ただ、米国と韓国で共同訓練をしていることに伴って、それについての発言もあったわけであります。22日から行なわれている米韓軍事演習について、軍統参謀部スポークスマン声明発表して、「ウルチ・フリーダムガーディアン合同軍事演習に投入された全ての敵攻撃集団に、先制的な報復打撃を加えられるよう恒常的な決戦態勢を堅持している」というような発言があったわけでありますので、米韓軍事演習に対抗するために、軍事的示威行動に出た可能性ということは、否定できないというふうに思います。

Q:500km飛んだということに関しては、日米に対する脅威というのは、増す可能性があるというふうにお考えですか。

A:今までも、引き続き、様々なミサイルを撃ってきているわけでありますし、今、御指摘のとおり、潜水艦から500kmのミサイルを発射したということについては、しっかり緊張感を持って、その事実、厳然たる事実を踏まえて、万全の態勢をとっていかなければならないというふうに思っております。

Q:訓練の話に戻って恐縮ですが、新しい任務の訓練を始めるということは、自衛隊の活動にとって、新しい、一つの節目とも言えると思うのですけれども、訓練を開始するということについての大臣御自身の受け止めをお願いします。

A:平和安全法制が成立をしたということは、その法律に従って、自衛隊の任務というもの、新たな任務というものも発生してくるわけですけれども、それについて、やはり、しっかりと万全な準備をし、自衛隊の皆さん方にも、安全というものをしっかり訓練の中で身に付けていただき、いろいろな場合があろうかと思いますけれども、対応できるように、しっかり訓練をすることは重要だというふうに思います。そして、今回の平和安全法制の成立によって、日本の防衛、厳しさを増す中での日本の防衛、さらには、憲法の許す範囲の中での自衛隊の貢献ということも期待されているわけでありますので、しっかりと訓練をするということが重要だと思っております。

Q:この訓練を開始するに当たって、訓練を開始するに十分なほど、この法制に対して国民の理解が進んだと考えられているということでしょうか。

A:私は、これで100%十分だということは言えないかもわかりませんが、ただ、言えることは、今この日本の安全保障環境の下において、私はこの平和安全法制が成立をするということは大変意義のあることだと思います。ただ、一方で、批判や懸念の声を出される方もいらっしゃるわけですから、そこはしっかりと、私としても、これからも説明をしてまいりたいと思っております。

Q:北朝鮮のミサイルの件なのですけれども、500km飛翔したということで、一定の機能が、ミサイルの機能が示されたとか、ミサイルが、SLBMが成功したというふうな認識をお持ちなのでしょうか。

A:今回のミサイルに関しては、しっかりと詳細を分析していかなければならないというふうに思っております。ただ、言えることは、やはり先軍政治、軍を優先する政治の中で、日々技術を革新、改良していることは事実だというふうに思います。

Q:訓練の開始についてなのですけれども、法の施行から約半年経ちますが、法案の審議中に明らかになった統幕の文書によれば、法の施行までに準備の訓練を終えていくというような構想も示されていました。とすると、相当訓練の開始までにも時間が経っているわけですけれども、それでも一年前に法律を成立させておいたということの必要性というのは。要するに、今、訓練を始めるのであれば、もう少し法案審議というのは十分時間を取っても良かったのだと思うという意見もあるのだと思うのですけれども、それでも去年法案を成立させておいて良かったということはどういうことなのでしょうか。

A:集団的自衛権を含む平和安全法制に関しては、第一次安倍政権の時からずっと検討も重ね、第二次安倍政権になってからも有識者会議を開き、閣議決定をし、その間、国会での審議もあり、法案を提出してからも、200時間を超える十分な審議をしたというふうに認識をいたしております。

以上


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