大臣会見概要

平成28年6月17日(09時08分〜09時29分)

1 発表事項

 発表事項、2点あります。本日、朝、国家安全保障会議及び閣議が開催されまして、ソマリア沖・アデン湾における、海賊対処行動が1年間延長されることとなりました。ソマリア沖・アデン湾における、自衛隊による海賊対処は、平成21年から開始され、今年で8年目になります。先月までに、護衛艦は728回にわたり、合計3,800隻を超える商船を護衛したほか、715日間のゾーンディフェンスを実施しており、また、P−3Cでは、警戒監視のために、1,568回の飛行を実施してきました。このような自衛隊の活動を含む、国際社会の継続的な海賊対処の成果が現れ、ピーク時には、年間200件を超える高い水準にあったこの海域における海賊事案の発生件数は、近年、極めて低い水準で推移し、昨年はゼロ件となりました。他方で、ソマリアの貧困といった海賊を生み出す根本的な要因が、未だ解決していない状況に鑑みれば、海賊による脅威は、引き続き存在しており、国際社会が、その取組みを弱めれば、海賊の活動が再び活発化する可能性があります。防衛省・自衛隊といたしましては、極めて重要な海上交通路における航行の安全確保に、万全を期するとともに、国際社会の平和と安定に貢献するためにも、今後とも、関係省庁、また、関係各国と連携しまして、ソマリア沖・アデン湾における海賊対処行動を、確実に実施していく考えでございます。もう1点、発表事項といたしまして、本日の閣議におきまして、平成28年7月1日付、将官人事9件について、内閣の承認がなされました。なお、この他同日付で、将については18件、将補につきましては62件の異動を行います。以上、発表事項、2点お知らせさせていただきました。

2 質疑応答

Q:中国の艦船の動きで伺います。日本の接続水域や領海に対して、中国の艦船の特異事案が、9日以降、3件、短期間のうちに発生しましたが、こうした動きが常態化するのでは、という指摘もありますが、大臣としては、どのように御認識されているのでしょうか。

A:ここ数日、中国の軍艦の動きが顕著でありまして、まず、9日には、尖閣諸島の接続水域への入域、そして、一昨日の15日は、未明でありましたが、情報収集艦による、わが国の領海での航行、そして、昨日、同じ艦艇が、わが国の接続水域に入域したことに鑑みまして、非常に、一方的に、わが国の周辺海域で行動をエスカレートさせている最近の中国軍の活動全般については、防衛省・自衛隊としても、懸念しております。これにつきましては、自衛隊といたしましては、わが国の領海・領空・領土を、しっかり守っていくために、引き続き、警戒監視と情報収集に努めるようにしてまいります。

Q:もう一点。同じ中国の艦船についてなのですけれども、15日の領海侵入事案に関して、中国の外務省報道局長の会見で、「トカラ海峡は、国際航行に使われる海峡で、各国の艦船は、通過通行権を有し、事前通告もしくは承認は必要なく、今回の中国の軍艦の動きも、国際法にも違反していない」と主張していますけれども、これについて、受け止めをお願いします。

A:中国が主張するような認識を、今まで持ったことはございません。今回の中国海軍の情報収集艦が、わが国領域を航行した海域について、「国際航行に使用されている海域」には該当しないと考えております。中国側の独自の主張は、受け入れられないというものでありまして、中国に対しましても、外交ルートを通じて、このような、わが国の立場を申し入れをしたということでございます。

Q:今の質問に関係してなのですけれども、中国は、トカラ海峡は国際航行に使われる海峡だと主張していると思うのですけれども、この狙いについては、どうお考えでしょう。例えば、通過通行権だということであれば、潜没した、例えば潜水艦の航行も、たぶん許されるというロジックで、そういうことを言っているという見方もあるようなのですけれども、このことについては、大臣の受け止めは。

A:何をもって、中国がそのように主張しているのか、まったく理解ができません。わが国は、従来から、この海域・海峡を、国際海峡とは認めていないわけでありまして、中国側が独自に主張しているだけだと考えております。

Q:関連なのですけれども、15日の領海侵入事案で、一方で、無害通航に当たるか否かの評価というのは、まだ、されていないと思うのですが、これについて、現状はどうなっているのでしょうか。

A:これにつきましては、今、分析しております。今、この時点で、無害通航であるとは言い切れないと考えております。

Q:関連なのですけれども、昨日の夕方から、この時点までに、新たな中国海軍、軍艦の領海侵入、接続海域への入域というのはあるのでしょうか。

A:常に、そのような不法で無断な、領海侵入事案がないように自衛隊としては、常に警戒監視、また、情報収集をしながら、しっかりと領海・領土を守っていく態勢を維持していくということであります。

Q:今回、マラバールなどが行われておりまして、今日まで行っていると思うのですけれども、まだ、この期間中、中国側のこういう行動というのは続くとお考えでしょうか。

A:これは、わかりません。中国が何をもって、このような対応をするのか。しかし、申し上げたいことは、いたずらに、緊張感を高めたり、また、エスカレートするようなことはすべきでないと。お互いに、しっかりと自分の国の領土・領海・領空は守っていかなければなりませんので、そういったところに、懸念を表するような行動はとるべきではないと考えます。

Q:接続水域への侵入を確認させていただきたいのですけれども、接続水域への侵入、航行を問題視する法的根拠を改めて教えて下さい。

A:これは、自衛隊としても、懸念を表明しておりますが、これは、続いてきております。9日に、接続水域の入域、また、一昨日、領海への航行、そして昨日は、再び接続水域への入域したことに鑑みまして、一方的に、わが国の周辺海域での行動をエスカレートさせている、最近の中国軍の活動全般について、自衛隊としても、懸念しているということで、申し入れをしたわけでございます。国際法上、接続水域においては、自国の領土・領海における通関上、財政上の法令違反の防止、また、これら違反の処罰を行うために、必要な規制を行うことができるというようにされておりますが、外国の軍艦が、沿岸国の接続水域を航行すること自体は、禁じられているわけではありません。しかし、ただ今申し上げましたとおり、9日には、尖閣諸島の接続水域への入域、15日には、海軍の情報収集艦が、何の通告、連絡もなく、わが国の領海における航行をし、そして、同じ情報収集艦が、接続水域を航行したということに鑑みまして、一方的に、わが国周辺での行動をエスカレートさせているのではないかということに鑑みて、今回、中国の活動全般に対して、懸念を申入れたということであります。

Q:領海への進入は別として、接続水域への入域は、エスカレートさせているとはいえ、抗議する法的な根拠はないと思うのですけれど、逆に、中国側の方から、日本は航行の自由を阻害しているのではないかと、そういうロジックで使われかねないと思うのですが、そこはどうお考えですか。

A:これにつきましては、先ほど言いましたように、各国において、領土・領海・領空、この問題は、非常に大事な問題で、センシティブな問題で、非常に、それに対して、厳重に、警備・警戒、情報収集を続けているわけであります。そういった中で、9日から、尖閣の接続水域への入域や、領域内に軍艦が侵入、非常に、中国の行動につきましては、実に、一方的にこういった摩擦などをエスカレートさせている、また、緊張感を招きかねない、非常に遺憾な行為であるということで、懸念を申し入れたわけでございますので、前日に、こういった懸念を表明した矢先に、次の日も、接続水域に入域したということに鑑みまして、懸念を申入れたということであります。

Q:15日の領海侵入の件なのですけれども、先ほど、大臣、無害通航であるとは言い切れないと、言いましたけれども、この、言い切れないというように仰るのは、どういった所からそういうことが言えるのでしょうか。

A:先ほど、言いましたように、現在、分析を行なっているわけでありますので、無害でないとは言い切れないし、無害通航とも、言い切れないということで、今、分析しているということです。

Q:先ほど、何の通告、連絡もなく起きたと仰ってました、日本としては、領海を通るときに、通告、連絡というのを求めていますか。

A:各国との信頼関係等もありますが、通常、領海内に軍艦が入るとき、これはやはり、事前の連絡、通報はあってしかるべきだと考えます。

Q:求めているわけではないが、あってしかるべきだという考え方だということですか。

A:はい。そういった場合、非常に、領海・領土問題、各国、センシティブな問題であります。一般に、領海というと、沿岸国の主権が及ぶこととされていますが、一方で、軍艦も含めて、すべての国の船舶というのは、他国の領域において、無害通航権を有しているわけでありまして、沿岸国の平和と秩序、または、安全を害しない限り、沿岸国は、当該船舶の無害通航を、害してはいけないとされているわけであります。他方、今回の事案等につきましても、現在、分析中であって、現時点で、国際法上の評価を確定的に行うということについて、検討中であり、今の時点では、お答えは差し控えているということであります。

Q:領海に入る時に、事前の通報があってしかるべきというお話ですけど、中国以外の軍艦が通る時は、そういう手続きはなされているのですね。

A:日本側は、国内法上、事前通報は求めておりません。日本国の法上、事前通報は求めておりません。

Q:求めていないけれども、事前に連絡をしているのが、慣習的にあると思ってよろしいでしょうか。

A:これはやはり、各国との関係もありますので、通常、そのような場合においては、連絡をしてくるべきではないかと思っております。

Q:中国が、行動をエスカレートさせていると思うのですけれども、一連の報道は、変わっているようにも見えるのですけれども、その原因は分析されているのでしょうか。

A:これは、中国軍の活動でございますので、その真意等におきましては、様々な点があろうかと思っております。ただ、現状の事案等を鑑みまして、現に、日本と米国とインド等で共同訓練を実施しておりますので、こういった点において、情報収集などをしているという、可能性があるのではないかと思っております。

Q:いずれも、例えば、インドの関係だとか、日本の護衛艦を追尾するような形で、入域という形をとっているのですけれども、これも関連性とか、そういう行動パターンがあると見てよろしいのでしょうか。

A:これは中国の活動でありますので、私の方から断定的に申し上げることはございませんが、そういった活動の一環で、日米印の行っているマラバールの演習等に対して、情報収集活動を行っているという可能性は、否定できないと思います。

Q:こうした中国の動きを受けて、米国との連携ということは、既に仰っていると思うのですが、東シナ海への米軍のプレゼンスを、さらに強化を求めていかれる、そういったお考えはお持ちなのでしょうか。

A:この点においては、日米ガイドラインに基づきまして、同盟調整メカニズムの、運用開始を既にしておりまして、常時、情報交換・共有などを通じて、対応しているということで、常時、連携して対応しているということです。

Q:そうしますと、連携をしつつも、一時的な対応は、海上自衛隊で、まずは行っていくと、そういった対処方針であるということなのでしょうか。

A:日米安保体制がありますので、米側と密接に、また、緊密に情報共有を行ってきておりまして、今般の事案におきましても、適時適切に米側と情報を共有しているということでございます。

Q:沖縄についてお伺いしますけれども、沖縄で、米軍属による女性暴行死事件がありまして、19日、日曜日に、県民大会で、海兵隊の撤退を主張する予定があるのですけれども、大臣はそのことについて、どのようにお考えでしょうか。

A:これは、大会を主催される方々、また、沖縄における関係者の方々が、自発的に開催されるわけでございますので、そのことについて、政府の方からお答えをするのは、適切ではないというふうに思います。

Q:海兵隊が必要かということについて如何ですか。

A:今回の事件・事故等については、非常に残忍で、凶暴で、あってはならないことでありまして、強い怒りを思っております。もう二度とこのようなことがあってはならないと。そして、米側に対しても、再発防止を詰めているところであります。また、沖縄においても米軍基地が、非常に多く所在しているということは、大変、大きな問題でありまして、政府といたしましても、このような沖縄における米軍の基地の整理・縮小について、既に、計画を立てて、それが進捗するように、今、実行しておりますので、この計画が、一日でも早く進むように、努力してまいりたいと考えております。

Q:海兵隊というものについては、如何ですか。

A:海兵隊につきましては、その特性上、緊急性、機動力、そして、迅速に対応できるという点におきまして、わが国の安全・平和を考えますと、自衛隊と相まって、そのようなプレゼンスというものは必要であります。それがまた、抑止力としても機能していると思います。では、なぜ沖縄なのかといいますと、やはり、地理的に、中国、北朝鮮、東南アジア等を見ましても、優位性がありますし、優れた機動性、また、即応性を有して、幅広い任務に、対応可能であるというのが海兵隊でございます。そのような部分で、日米間でも協議をしながら、基地のあり方等については、決定し、また、計画して、グアムへの移転も含めて、そういった計画を、今、実施しているというところであります。

以上


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