大臣会見概要

平成28年5月31日(10時40分〜11時05分)

1 発表事項

 第15回IISSアジア安全保障会議、シャングリラ会合が、6月3日から5日の日程で開催をされますが、私といたしましても、諸般の事情が許せば、出席する予定であります。この会議は、各国の国防大臣が一堂に会するわけでありまして、アジア地域の安全保障上の課題について、わが国の考えを発信をいたしますと同時に、各国と意見交換を行うという、良い機会であると認識しております。例年、この会合では、二国間、三ヶ国間、国防大臣との会談を行っているところでありまして、参加する場合は、できるだけ多くの国々との会談を行いまして、地域の安全保障等について意見交換を行ってまいりたいと考えております。特に、米国のカーター国防長官とは、先日、電話会談におきまして、日米防衛相会談をするということで合意いたしましたが、今回で5回目になります。主に、わが国の防衛政策、地域情勢、また、日米防衛協力、在日米軍再編等、日米に共通の幅広い安全保障上の課題につきまして、忌憚のない意見交換を行うと同時に、改めて、私の方から、沖縄での、米軍属の事件に関しまして、米側に対して、実効性のある再発防止策を求め、また、この点におきましても議論をしてまいりたいと考えております。さらに、開催国であります、シンガポールのウン・エンヘン国防大臣や韓国のハン・ミング国防部長官との会談、また、日米韓防衛相会談を行う予定でありまして、その他、時間が許す限り、できるだけ多くの首脳と、話をしてまいりたいと思っております。その後、諸般の事情が許しますと、5日から10日までの間で、ミャンマー・タイ・東ティモールを訪問いたしまして、11日の土曜日に、帰国する予定でございます。この3ヶ国は、わが国の安全保障上、重要な諸国でありまして、訪問を通じて、防衛協力、また、交流・親善に努めてまいりたいと考えております。

2 質疑応答

Q:先週、開かれた伊勢志摩サミットに関連してお伺いします。安全保障に関して、参加国が中国の海洋進出に対する懸念を共有したことに、中国が早速反発をしているようですが、サミットの成果について、ご所感を伺います。併せて、アメリカのオバマ大統領が、被爆地広島を現職のアメリカ大統領として初めて訪問した件に関連して、安倍首相とオバマ大統領が核無き世界に現実に向けたメッセージを発信したことについて、防衛省の今後の取組みなど、お考えをお伺いします。

A:今般のG7におきましては、北朝鮮情勢や東アジア情勢も議論されましたが、その中でも、緊張感を高めている、一方的な現状変更の試みが見られます、現下の南シナ海の情勢につきましても、議論をされました。特に総理からは、「海における法の支配の三原則」、すなわち、国家が主張するときは、国際法に基づいて行うということ、第二に、自らの主張を通すために力や威圧を用いないということ、そして、第三に、紛争解決は、平和的手段を追求すべきであるということを指摘しまして、この三原則を、首脳宣言に盛り込むことができたということでございます。わが国といたしましては、開かれた自由で平和な海を守るために、引き続き、国際社会が連携をしていくということが、大事なことであると考えておりますし、これに対して、中国側から、G7の伊勢志摩サミットに関する申し入れがあったと承知をいたしておりますが、これは、外交上のやり取りに関する事項でありますので、お答えすることは差し控えさせていただきます。また、オバマ大統領が、その後、広島を訪問しまして、被爆地に対して、犠牲になった方に対して、心から哀悼の意を表されたわけでございます。また、そこで、演説を行いまして、被爆地から世界に向けて、核兵器のない世界の実現に向けたメッセージを発信するという、歴史的な訪問になったと認識をしております。とりわけ、日米両国が、戦後70年かけて築きあげてきた、日米同盟の揺るぎない強さを象徴する機会になった点、そして、唯一の戦争被爆国といたしまして、わが国は、国際社会における核軍縮・不拡散の取組みを主導してきたところでありますが、今回、この点におきまして、オバマ大統領が、被爆地から核兵器のない世界に向けたメッセージを発したということは、非常に意義が深いものであったと思っております。防衛省といたしましては、引き続き、こういった取組みに対して、できることがありましたら、今後も取組んでまいりたいと考えております。そして、技術の問題といたしまして、この核に関し、北朝鮮は、核・ミサイル開発を今後も進めていくという姿勢を崩しておりませんので、今後も核・ミサイル開発のための活動を継続をしているものと考えております。防衛省・自衛隊といたしましては、日米同盟の抑止力・対処力をもちまして、いかなる事態にも対応できますように、緊張感をもって連携していきたいと考えております。

Q:北朝鮮に関連しまして、昨夜、防衛省の庁舎裏のグラウンドに、PAC−3が展開しました。早朝、北朝鮮が弾道ミサイルを発射したものの失敗したという報道もありますが、防衛省の把握している事実関係をお伺いします。

A:御指摘の報道は承知いたしております。報道によりますと、本日、午前5時20分頃、北朝鮮が、元山付近からミサイル1発の発射を試みたが、失敗したものと推定されることを明らかにしたということは承知しておりますが、北朝鮮の軍の動きなどにつきまして、具体的な情報の内容につきましては、事柄の性質上、コメントは差し控えさせていただきますが、現時点において、わが国の国内におきまして、飛翔体というものは確認されておりません。また、わが国の安全保障に影響を及ぼすような事象・事態が発生したということは、認識いたしておりません。北朝鮮の動向について申し上げますと、先だって、党大会が開催され、北朝鮮は、今後とも核・ミサイル開発を進めていく姿勢を崩しておらず、今後とも、核・ミサイル開発を継続していくものであると認識いたしております。このような動向を、十分念頭においた上で、防衛省といたしましては、今後とも、米国や韓国とも、よく緊密に連携いたしまして、引き続き、緊張感を持ちながら、重大な関心を持ちまして、北朝鮮の動向を注視をしてまいりたいと考えております。

Q:今日の飛翔体ですけれども、防衛省として、報道では「ムスダン」とみられるというような報道がありますけれども、防衛省として、どういうような認識をされているのでしょうか。「ムスダン」だと認定されているのでしょうか。

A:報道があったということは認識しておりますが、北朝鮮による具体的な対応等につきましては、インテリジェンスの入手に関わることでありますので、具体的な内容につきましては、事柄の性質上、お答えすることは差し控えさせていただきたいと思っております。

Q:今回の北朝鮮の挑発行動ですけれども、先程、大臣が仰られた、G7で、かなり、北朝鮮に対して、厳しい非難することが固まっています。それに反発したという見方もできるのでしょうか。

A:先だって、北朝鮮が党大会を開催して、自らの体制を固め、新たな体制の下に、事態が推移したわけでございますが、北朝鮮に関しましては、先程、申し上げましたように、党大会等においても示されたように、核・ミサイル開発は、今後とも進めていく姿勢を崩しておりませんし、核・ミサイル開発の活動を、継続をしているものであると考えておりますので、こういった方針の下に、北朝鮮として、判断をしたことではないかと思っております。

Q:関連ですけれども、今後の発射の、現下の朝鮮半島情勢を見て、今後の挑発行動の可能性というのは、どのように御覧になっていますでしょうか。

A:注視をして、北朝鮮の動向におきましては、わが国の安全保障に関わることでありますので、情報収集、また、分析に努めてまいりたいと。また、対応等につきましても、米国や韓国とも緊密に連携をしまして、緊張感を持って、対応してまいりたいと思います。いずれにしても、党大会が開催されて、その宣言、また、体制などを見ると、今後とも、核・ミサイル開発は、続けていくものでありますので、それに伴う動向等については、常に注視しながら、今後、一般論として申し上げても、ミサイル開発の活動の一環としての弾道ミサイルの発射、こういったことが行われる可能性というものは、否定できないのではないかと考えております。

Q:PAC−3の現在の展開状況について伺いたいのですが、防衛省の敷地内にはあるのですけれども、前回同様、習志野、朝霞にも、PAC−3は展開しているのでしょうか。

A:今回、様々な状況を勘案しまして、防衛省としては、いかなる事態が起ころうとも、国民の命と、こういった平和な状態を守ることのために、万全を期すという観点から、PAC−3部隊を、朝霞、市ヶ谷、習志野に展開・移動をいたしております。命令の発出の有無も含めまして、これ以上、具体的な自衛隊の対応について、明らかにするということは、差し控えさせていただきたいと思いますが、いかなる事態が起ころうとも、しっかり対応できるように、緊張感を持って、全国的に、自衛隊は、情報収集・警戒監視・分析等の必要な態勢をとって、対応しているということであります。

Q:関連なのですが、PAC−3の展開をさせているということなのですけれども、この状況というのは、当面、維持されると考えてよろしいのでしょうか。

A:様々な状況を勘案しながら、情報収集・分析を行いまして、いかなる事態に対しましても、国民の生命等がしっかり守れるような対応をとっていきたいと考えております。

Q:「様々な状況を勘案しながら」というお話がありました。冒頭に、外遊、外国出張の発表がありましたけれども、こうした状況でも、大臣としては、予定どおり、行かれるという。

A:北朝鮮の動向は、常に注視いたしておりまして、緊張感を持って、警戒監視をはじめとする、必要な対応をとっていくわけでありますが、今度のシンガポールの会合というのは、様々な国の国防大臣、ほとんどのアジア地域から、国防大臣が集まって、地域の安全保障問題について意見交換を行い、また、北朝鮮の問題等につきましても、各国と、意見交換もしていきたいと考えておりますので、特に、日米、日米韓、こういった防衛相会談において、北朝鮮への対応について、各国と連携を図るという意味では、非常に、よい機会でありますし、重要な場であると認識をしておりますので、出席をさせていただいて、こういった問題にも意見交換をして、対応していきたいと考えております。

Q:今回の発射、失敗と言われている、「ムスダン」と言われていますけれども、今回の「ムスダン」かどうかは別にして、「ムスダン」が先月15日、28日にも発射されてますが、「ムスダン」の開発、これについてはどのように分析していますでしょうか。

A:北朝鮮におきましては、4月28日、早朝及び夕刻に2回、「ムスダン」と推定される弾道ミサイル2発発射したものの、成功しなかったわけでございます。北朝鮮は各種の弾道ミサイルを開発いたしているわけでございまして、「ムスダン」等につきましても、この射程を考えますと、約2,500〜4,000キロに達するという指摘がありまして、わが国全域に加えて、グアムがその射程に入る可能性もあり、また、TELという移動型車両、これはIRBM用のTELが、最大50両保有をしているとされております。このような中で、北朝鮮の弾道ミサイル等に関する動向等につきましては、重大な関心を持ちながら、注視をしているところでございます。

Q:沖縄の事件に関してお伺いしたいのですけれども、先週、沖縄県議会が初めて「海兵隊の撤退」という文言を入れた抗議決議を可決しました。そういう沖縄の声には防衛省としてどう応えますでしょうか。

A:現在、日本の安全保障という見知で、防衛省といたしましては、防衛計画を作り、また、日米安保条約に基づく在日米軍の基地等を通じて、日頃から、わが国の防衛体制・安全保障については、考えを持っているわけでございますが、今回の事件につきましては、あってはならない、極めて残忍な事件でありまして、こういったことが二度と起こらないようにするために、実効性のある再発防止策を、米側に求めておりますし、綱紀粛正にも努めている中で、県民の皆様方から、安心・安全の信頼を得られるように、努力をしているというところでございます。

Q:先程、カーター国防長官とシャングリラでも会談するというお話がありましたが、海兵隊の撤退を求めているという沖縄の声自体、長官の方に伝えるお考えはありますでしょうか。

A:米軍の再配置ということで、できるだけ、沖縄の負担軽減をさせる、グアムへの移転や、本州・本土への訓練移転等も含めまして、現在、統合計画によりまして、基地の縮小、まだ途中段階でありますので、こういったことが、より迅速に進んでいくように、この点については、協議をしていきたいと思っております。

Q:先程、ミャンマー・タイ・東ティモールに訪問する予定ということでしたけれども、改めて、狙いと意義、どういうような成果を得たいかというのを、お聞かせ願いますか。

A:ミャンマーにつきましては、ASEANに加盟をしまして、日本とも、古くから、外交関係等がある中で、親しい関係であります。今回、政権が変わりまして、新しい体制もできたわけでございます。あまり、安全保障の分野で、ミャンマーと会談が実施されたり、交流事業が行われたわけではございませんが、今回、訪問しまして、関係者に面会をして、意見交換することによりまして、日本とミャンマーとの関係を強化し、また、防衛交流も進めていきたいという狙いがございます。

Q:タイと東ティモールに関しては。

A:タイも、ASEANの中央に位置して、非常に、歴史と伝統の文化がございますが、プラウィット副首相は国防大臣をかねておられますけれども、2013年の9月以来、3年ぶりになりますけれども、タイと日本の国防相会談を行う予定でありまして、地域における防衛政策、また、二国間の防衛協力・交流、防衛大学校には、タイは、1番早く、国際留学生を受け入れしておりまして、40年近く、交流が続けられております。そういった意味におきまして、改めて、二国間の防衛関係の進展、また、交流の深化、こういうことを図ってまいりたいと思っております。そして、東ティモール、これも、現在、留学生を、防衛大学校にも受けるような関係にありますが、そもそも、PKO活動におきまして、20年ほど前に、東ティモールで、PKOが活動したときに、日本がカンボジアに続いて2番目に参加をした国であります。グスマン大統領や、各閣僚とも、日頃から交流が続けられておりますので、今回の訪問につきましては、私が防衛庁長官でありました、2002年8月、このときもPKOが実施されておりまして、現職の防衛庁長官として、現場の部隊の激励をいたしましたが、14年ぶりになるわけであります。わが国が、国作りの支援をしてきた事にたいして、コミットメントを確認をしまして、今度は、クリストバウン国防大臣、先だっても、日本に来られましたが、防衛交流・協力について、幅広く意見交換を行ってきたいと考えております。

Q:全く防衛省とは関係ないのですけれども、総理が、消費増税の2年先送りの方針を固められましたけれども、必ず上げるというふうにおっしゃっていたわけなのですけれども、この点について、大臣はどのようにお考えなのでしょうか。

A:所管ではないのですが、昨日、安倍総理は、与党の幹部、また、公明党の山口代表とも、官邸において、意見交換をいたしました。適時適切に判断をされまして、夏の参議院選挙の前には、自らの考え方を明らかにすると言っておりますので、私も、政府の一員といたしまして、安倍総理の判断、これを踏まえて、適切に対応してまいりたいと考えております。

Q:野党などは、アベノミクスはもう破綻している、失敗しているのではないかという指摘も出ておりますけれども、アベノミクスの評価ということについて、大臣のお考えは、どうでしょうか。

A:政府としては、常に、国民の生活のことを考え、また、将来にわたる政策等も踏まえて、政策判断をしているわけでございますので、今回の対応等におきまして、不信任案などを提出するということが報道されておりますけれども、そういった動きがされた場合は、与党、政府といたしましては、否決をするということになろうかと思います。

以上

※ 橙線部「40年近く」を「60年近く」に、「20年ほど前」を「15年ほど前」に訂正。


ご意見ご要望
大臣記者会見概要一覧へ戻る
新着情報一覧へ戻る
トップへ戻る

(C) 防衛省・自衛隊