大臣会見概要

平成28年4月22日(10時04分〜10時30分)

1 発表事項

 熊本の地震ですが、発生してから一週間経ちました。自衛隊・防衛省いたしましても、懸命の救援活動を実施をいたしております。昨日は、大変激しい雨が降りまして、捜索活動においては、中断しつつも、生活支援等につきましては、全力で行っております。特に、被災者の皆様方が長い時間、避難所におられ、また、車の中におられて、非常に心身共にお疲れになっておられること、また、様々なストレス等によって、非常に不安な状態にあられるわけでございますので、そういった方々に、少しでも支援ができるように、全力で行っております。現在の、防衛省・自衛隊の態勢につきましては、人員約2万4,000人、航空機125機、内108機のヘリ、艦船が12隻、この態勢をもって組織的な活動を実施をいたしております。本日中に2万5,000人、そして、23日に2万6,000人態勢を確立いたしまして、救援活動にあたっていきたいと考えております。昨日、天候不良によりまして、捜索活動を中止いたしましたが、土砂災害等に警戒しつつ、二次災害の防止にも注意を払いながらも、関係機関と連携をいたしております。本日の、捜索活動につきましては、先程、ヘリコプターによって情報収集活動を行いました。現在、対応等を検討するために、消防、警察、また、地元自治体と協議を実施いたしております。避難者への生活支援につきましては、給食活動は、32ヶ所で、昨日から14ヶ所減りました。これは、避難所が減少したということでございます。給水支援も、19ヶ所、増加をいたしております、149ヶ所で実施。入浴は2ヶ所増加をしまして、17ヶ所、そして、医療支援は7ヶ所で実施をいたしております。本日の予定でありますが、エコノミークラス症候群の対策として、水分を十分摂っていただくと。そのために、トイレなどに気を遣わないようにということで、仮設トイレを約80棟、輸送を、航空機、自衛隊車両によって実施してまいります。また、食料の輸送も、引き続き、物資調達輸送班と連携しまして実施をいたします。米軍機オスプレイによる飲料水、食料等の生活支援物資の輸送も実施いたしております。発生から一週間過ぎました。被災者の方々が、一刻も早く安心をし、そして、生活の基盤が構築できますように、総理からの指示も踏まえまして、関係機関と連携して、被災者のニーズに応え、きめ細かな対応ができるように全力を挙げてまいりたいと思っております。もう一点、報告事項でございます。先程、先進技術実証機(X−2)の初飛行が、無事行われました。8時47分に、県営の名古屋空港を離陸し、9時13分に、航空自衛隊岐阜基地に着陸いたしました。今回の初飛行は、これまで地上テスト、また、技術研究開発をしてまいりましたが、将来の戦闘機を開発するために必要な、技術力の確保に目途をつけるものでありまして、大変重要な意義を有しております。また、航空機産業全体の技術の革新、他分野への応用に、大変期待が持てるものだと感じております。細部につきましては、この会見の終了後、防衛装備庁長官から会見を行わさせていただきます。

2 質疑応答

Q:震災関連で質問させていただきます。大臣は熊本、現地に入って視察するお考えはあるのでしょうか。

A:一週間が経過をしたこと、そして、23日に2万6,000人の態勢が確立をされるということ、こういったことをもちまして、被災地の皆様の、現在おかれている状況、こういうことを私なりに確認をさせていただくということ、そして、自衛隊の活動も、どういう状況であるのか、この目で確認をする必要もありますし、なんといっても、JTF司令部、熊本市の健軍にありますけれども、小川方面総監が、状況報告をさせると同時に、隊員も相当疲労している状況にあろうかと思いますので、活動中の隊員を激励をしたいと思っております。今後につきましても、その話を伺いまして、やれることは全てやっていこうという決意の下に、今後の被災者支援にあたってまいりたいと考えております。

Q:別件になりますが、オーストラリアの次期将来潜水艦の共同開発国の選定を巡って、現地の報道では、日本が選考から脱落したものとみられるという報道がありました。これについて、防衛省、今、把握しているところ、また、オーストラリア側から何か連絡はあったのか、教えてください。

A:オーストラリア政府から、何の連絡も入っておりません。正式な決定がなされていない段階でありますので、コメントは差し控えさせていただきたいと思っておりますし、また、日本政府といたしましては、オーストラリア政府が、パートナー選定のための評価を行っているわけでございます。引き続き、政府としては、最善の努力をしてまいりたいと考えております。

Q:現地では、日本の熱意が足りなかったというような報道もされているそうです。それについて、受け止めをお願いします。

A:最初、申し上げましたとおり、まだ、決定をしたという連絡もなければ、オーストラリア政府の方から話がございませんので、現時点で、そのようなことに、お答えするということは控えさせていただきたいと思います。

Q:関連しまして、最善を尽くすということですけれども、発表まで間近だと思います。日本政府として、何が、短い時間にできるとお考えでしょうか。

A:既に、昨年の段階でオファーに応えた提案をし、その後も、必要に応じて説明等も行ってきたわけでございまして、累次、それぞれの段階でベストを尽くしてきたつもりでございます。官民チームというものを立ち上げて、昨年以降、豪州の主要都市において、インダストリー・ブリーフィングを開催しまして、日本の協力提案、考え方を説明してまいってきております。以上をもちまして、決定するのは、オーストラリア政府で、プロセスの過程にあるわけでございますので、我々としては、これまで、最大限の努力はしてまいりました。オーストラリア政府の結果を待っているところでございます。

Q:関連して、大臣から豪州のカウンターパートへ何か、電話で働きかけるとか、そういったことは特に考えていないのでしょうか。

A:もう既に、説明すべきことは十分説明をいたしましたので、残りはオーストラリア政府が決定することでございます。その決定を待っているということであります。

Q:地震の、オスプレイの件ですけれども、オスプレイの必要性というのが、どうしても理解できないのですが、説明していただけますか。

A:当時、10万人を超える方々が避難所におられ、また、水や食料も十分に手元に届いていないという状況でありました。もちろん、自衛隊にとりましては、持てる限りの総力を挙げて、対応をしてきたわけでございます。そういう中で、米国から、何か支援することがあったら、米国も、全面的に協力をするというようなオファーも来ておりまして、そういう点で、防衛省・自衛隊としても、できることは一つでもやっていきたいという関連で、米国の支援も検討し、そして、その状況において、日米間で答えをまとめて、総理に報告をして、実施をしたということでございます。

Q:当初、17日の朝、安倍総理は、「申し出はあるが、今直ちに支援が必要だという状況ではない」とおっしゃいましたけれども、その2時間半後に、「大変ありがたい申し出だ」と態度を一変させていますが、その間に何があったのですか。

A:それまで、日米間で調整をしておりまして、その結果を総理に報告に行きました。

Q:なぜ、陸自が、CH―47いっぱい持っているのに、その上に、積載量の少ないオスプレイが必要なのですか。

A:当時の状況というのは、自衛隊は、全能力、持てるヘリ、全て使って、実施をしていた訳でございます。それ以上の所要があったということで、我々としては、できる限りの努力をしたということです。

Q:3.11みたいな広範囲な大震災と違って、非常に、熊本の阿蘇地方という局地的な地震ですよね。そこで、なぜ、オスプレイみたいな、航続距離が特徴の飛行機ですよね。航続距離が必要ない訳ですよね。非常に短い、高遊原と、それから南阿蘇の間をピストン輸送すればいいわけで、なぜそこで、オスプレイが必要なのか全く理解できない。

A:当時は、道路が寸断しておりました。また、大渋滞でした。そういうところに、物資を届ける手段としては、航空機、ヘリしかございません。したがいまして、自衛隊の持ち得るヘリは、全て投入して実施をしておりましたが、当時の状況は、やはり水や物資、そういうものが届かないという状況にあります。現実に、オスプレイは、こういった中、山間の地域においても、それを運ぶだけの能力がございますので、そういうことで、実施が可能であると、私は思いましたので、そういう点で、米側と調整したということです。

Q:当時も、CH−47も、陸自で全部使った訳ではない訳じゃないですか。

A:使えるヘリは全て使っておりました。

Q:そんなことはないと聞いていますが。

A:いや、そういう訳ではありません。こういった非常災害時において、自衛隊の持ち得る装備、当然、他の任務もありますし、その修理・点検、こういった必要もありますが、こういった災害にあたる装備につきましては、全て利用して、全力で災害対策にあたれということを指示しております。

Q:今回のオスプレイの投入と、佐賀空港の配備問題と関係ないのですか。

A:全く関係ありません。被災者の救援が第一です。

Q:それでは、日米同盟の象徴として、オスプレイを入れたという側面はありますか。

A:いや、全く、これは被災者の救援のために何ができるかという視点で、やはりそういった能力を、最大限、活かしていくということ以外考えておりません。

Q:今の質問に関連して、当時、能力をフルで使って実施をしていたが、それ以上の所要があったという御説明でしたが、自衛隊の能力は、その時点では、不足していたということですか。

A:自衛隊の能力を全て挙げてやっておりましたが、それ以上にニーズがある訳です。物を運んでほしい、いろいろな声が上がっておりましたし、また、捜索救助活動も続いておりまして、一刻も早い救援が求められたと。そして、成し得る限りの支援が求められたということであります。

Q:では、自衛隊の能力は充足されていたのか。その当時の状況に対して、十分対応できていたのか、できていなかったのか。

A:隊員は全て、現場に可能な限り出動し、そして、自衛隊の使用し得る機材、こういうものは全て使って、対応していただいたということです。

Q:それでもなお、能力が不足していたから、米軍のオスプレイに支援いただいたと。

A:できる限りの支援ということで、考える限りの支援をしたということです。もちろん、自衛隊の能力、隊員の方も相当無理を言って、急遽、災害派遣をかけまして、全国至るところからこちらへ集結をしております。そのためにも、航空機も要れば、艦船も必要です。陸海空全て、みんなが省一丸となって、対応しておりまして、少しでも救援活動ができるように調整したということであります。

Q:関連ですけれども、そもそも、このオスプレイの利用について、調整段階で、いつ、日本側からの要請だったのですか。アメリカ側から、最初、「使えるよ」というお話があったのか。委員会でも説明されていますが、詳しく時系列確認させて下さい。

A:地震発生直後に、15日未明に、アメリカのカービー国務省報道官によって、記者会見で表明されましたけれども、支援の申し出がありました。また、同時に、米軍からの支援につきましても、同日、在日米軍司令部から統合幕僚監部に対する支援の申し出がありました。私の方も、その報告を聞きまして、事務方に対して、米軍による支援のニーズがあるかどうか、検討するように指示いたしまして、自衛隊としては、より効率的、また、迅速な救援活動を行うためには、自衛隊の輸送力に加えて、米軍の輸送支援が必要と判断をしまして、輸送協力を得るべく、米側と調整をしたところ、17日に、米側から、「航空機による輸送支援が実施可能である」という連絡がありました。これを受けまして、私が安倍総理に、17日午前、報告したところ、安倍総理から、大変ありがたい申し出があり、速やかに具体的な輸送ニーズを調整するように指示がありまして、事務方に、更に調整を実施させました。そして、その後、当時は本当に物資が不足しておりまして、その状況を踏まえまして、やはり、ヘリを含む輸送が求められていたということで、自衛隊として、全力で取組んでいるものの、その輸送力には自ずと制約があるということで、ヘリによる輸送手段も有する、米軍の支援を得て、避難所で不自由な生活を強いられる被災者の皆様に、一刻も早く、支援活動を届ける必要があります。そのような調整におきまして、やはり、被災地の状況、対応可能な航空機の能力、運用状況、具体的なニーズを総合的に考慮しつつ、輸送する航空機の機種を含めた詳細が決定されましたが、その結果、MV−22オスプレイを含む、米軍の輸送機による輸送が実施されたということでございます。このほかにも、UC−35、C−130による輸送支援も行っております。再度申し上げますが、防衛省・自衛隊といたしましては、熊本地震への対応のために、やれることは全てやるという決意の下に、被災者支援の取組みを行っているところでございます。

Q:その中で、総理に報告をした後、日米間の協力、その中での話に、オスプレイというのが出てきたのでしょうか。

A:これは、調整をずっと行っておりまして、調整、支援可能であると、米側から話がありましたので、総理に、その内容を報告した訳でございます。その後、さらに調整を重ねまして、オスプレイを含む、米軍の空輸輸送を実施していただくということが、決定されたということです。

Q:調整の中で、オスプレイを使う、使ってほしいというのは、日本側から提案したのか、アメリカ側から「オスプレイ使えるよ」と言ったのか、どちらなのでしょうか。

A:調整でありますので、どういったことが可能であるのか、その間は日米間で、調整してきたということです。

Q:17日の時点では、オスプレイはフィリピンにいたと思うのですけれども、そのような、外国に展開しているという説明もあったのでしょうか。

A:オスプレイを含む、米軍からの航空機による輸送支援が可能であるという返事が、17日の早い段階で防衛省の中に届きましたので、それをもって総理に説明に行ったということです。

Q:米軍の方は、フィリピンで訓練しているのを、熊本の支援のために、帰ってきたという理解でよろしいですか。

A:そういう支援が可能かどうか、調整中でありました。当然、オスプレイも含めて、米軍の持ちうる能力、どういう点が可能であるか、という点も、調整はしていたということです。

Q:X−2の初飛行ですけれども、大臣としては、今回の飛行を、成功したというふうに、捉えていらっしゃるのかどうかということと、今後の実用化という言い方は良いのか分からないのですが、あらましのスケジュールを、どのようにお考えになっているのか、お願いします。

A:この事業は、次期戦闘機をどうするか、ということを目標にして、航空能力の、基礎的な技術能力の向上というものを、意図したものでございます。これまで、地上走行ということで、それに伴う、必要なデータを集めてまいりましたけれども、これからは、航空飛行を通じたデータを収集いたしまして、目的は、高度な技術を向上させるということでありますが、そのためには、やはり、熟練した技術者を維持して、そして、継承していくと。それから、ステルス機をインテグレーションする技術の習得に繋がるということで、わが国の航空機の技術、こういったものを、対外的にしっかりと示して、今後の検討のために、わが国の航空機、戦闘機開発の能力をしっかり向上させて、そのレベルを、対外的にも示したいということが目的です。具体的には、平成30年度までに、開発に係る判断を行って、必要な措置を講じますが、そのための、情報等の技術の実験を積み重ねるということです。

Q:オスプレイの件ですが、17日の時点で、陸自のCHが、機数が足りなかったとすれば、それは、装備の充足が足りなかったということではないでしょうか。3.11みたいに、10万人態勢でやってて、今は2万6千っていう、人員でもそのレベルじゃないですか。極めて3.11と違って、限られた、熊本と大分、特に熊本の阿蘇地方、或いは、熊本地方という限られた場所であって、そこのピストン輸送をヘリでするのに、何で、航続距離が自慢のオスプレイが必要なのか全く理解できません。

A:当時の状況は、17万人ぐらい、一時、避難所におられて、また、情報も錯綜しておりまして、全く、電気も水道もガスもない、また、物資も届かない、そういう中で、被災者の方が非常に不安に、心配に感じておりました。これに対して、やはり、一刻も早く、物資を手元に届けるそのためには、航空輸送力が必要ですが、自衛隊、もちろん全機種を使って、可能な限りの態勢を作って、支援しておりましたが、やはり、それだけでは確実に物資もまだ届いていない状況でありましたので、そういうことを計画したということです。

Q:そんなに自衛隊の輸送力ってないのですか。

A:全力でやっています。全機種使って。

Q:限られた地域で輸送できないのですか。オスプレイの応援がなければ。

A:自衛隊の使えるヘリは、全て投入してやっております。一刻も早く、そういった事態を解消する必要があったということです。

Q:陸自のヘリの装備が足りなかったと、不備だったと。防衛省は、陸自のヘリをもっと増やしておくべきだったということですか。

A:一刻も早く、被災者を救援するということが、こういった災害の時、必要なわけでありまして、自衛隊も、警察も、消防も、すべて総力を挙げてやってきておりますので、できる限りの支援体制は国としてとるべきではないのでしょうか。

Q:間もなく部隊が代わる南スーダンの、治安情勢の認識の関係で、つまり、これまで武力紛争が発生していないかどうかという認識について、改めて確認させていただきたいのですが、情報公開で開示されました、陸自の第5次隊の教訓要綱などの資料でも、2013年末頃の情勢について、自衛隊の宿営地の周辺で、発砲事件が何度かあったりとか、トンピン地区周辺で、戦闘が起きる可能性が否定できないという認識が示されています。確認ですが、政府としては、自衛隊がUNMISSに派遣されて以降、現在まで武力紛争は発生してないという認識でよろしいのでしょうか。

A:毎日のように、現地とは、こちらのPKOの本部と連絡をしまして、現地の情勢、確実に掌握をしております。そういった報告の中に、PKOの5原則に基づく原則が失われたり、また、こういった武力行使を伴う、戦闘が状況にあるというような報告は、ないということです。

Q:つまり、これまで武力紛争は発生していないという考えでよろしいですね。

A:PKOの原則を失わせるような、状況ではないということです。

以上


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