大臣会見概要

平成27年8月28日(09時35分〜10時05分)

1 発表事項

 9月7日(月)、北海道札幌市の札幌グランドホテルにおきまして、防衛省の主催により、日・ASEAN諸国防衛当局次官級会合を開催する予定でございます。コ地防衛審議官が議長を務め、ASEAN諸国及びASEAN事務局の次官級等が参加する予定であります。会合では、先般のシンガポール、シャングリラ会合で私が提唱した「シャングリラ・ダイアログ・イニシアティブ(SDI)」について、意見交換を行う予定でございます。この会合におきましては、初めての試みと致しまして、ASEANの本年の議長国であるマレーシアのヒシャムディン国防大臣をお招き致しまして、6日(日)、基調講演を実施をしていただく予定です。これは、昨年11月にミャンマーで開催された日・ASEAN防衛担当大臣ラウンドテーブルにおいて、日・ASEAN次官級会合の強化策としてわが方が提案をし、この度、実現をすることとなったものでございます。このヒシャムディン国防大臣の来日の機会を捉えまして、前日の5日(土)、防衛省におきまして、私との間で、日マレーシア防衛相会談を実施する予定であります。会談では、二国間及び日本とASEANの一層の協力強化に向けまして、幅広く意見交換を実施を致したいと思っております。私からは以上でございます。

2 質疑応答

Q:集団安全保障について伺います。ホルムズ海峡の機雷封鎖などで、政府が存立危機事態を認定する前に国連安保理決議があって、集団安全保障措置が執られた場合は、日本の自衛権行使の国際法上の正当化根拠は、初めから集団安全保障となるのでしょうか。このような可能性があるため、国際法上、集団的自衛権の行使に必要とされる他国からの要請が、法案に明記されていないのでしょうか。

A:国会でお答えを致しましたが、一般に、何らかの事態が発生した場合に、国連安保理で武力行使容認決議が即座に採択をされるということは通常考えられず、国連安保理としては、時として、理事国の意見の不一致により決定をできない場合もございます。また、国際連合憲章第51条は、加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には、国連安保理が必要な措置を執るまでの間、個別的・集団的自衛権を行使することができる旨、規定をしております。このため、わが国と密接な関係にある他国に対して武力攻撃が発生をし、存立危機事態となった場合、その国際法上の根拠は、武力行使を容認する安保理決議が根拠となることよりも、まずは、集団的自衛権の行使となる場合の方が通常であると考えます。また、国際法上、集団的自衛権の行使に当たっては、武力攻撃を受けた国の要請又は同意があることが当然の前提であり、昨年7月の閣議決定時にも、明記をされているとおり、わが国が武力の行使を行うに当たっては、国際法を遵守することは当然でございます。また、わが国は、自衛隊法第88条に基づいて武力を行使することができるところ、同条2項には、「武力行使に際しては、国際の法規及び慣例によるべき場合にあつてはこれを遵守し」と定められているとおり、法律上も十分に担保されるとしておりまして、これは存立危機事態の要件として、敢えて法律上、重ねて規定する必要はないと考えておりますが、いずれにしましても、今、御説明をしたとおり、安保理の武力行使容認決議が即座に採択されることは通常考えられずに、このような考え方を取るということでございます。

Q:通常であるという御説明なのですけれども、ホルムズ海峡の事案などでは、基本的には事前に承認を国会にかけるというふうにお話をされていて、通常でないパターンというのもあり得るのかなあと思うのですが、そうであれば、武力行使の新三要件を満たせば、集団的自衛権の行使だけではなくて、集団安全保障措置も限定的に参加可能になる法案という可能性があると思うのですが、この点について、国民への説明は十分にされているというお考えでしょうか。

A:これも国会で総理などが答弁を致しておりますが、憲法上、わが国による武力の行使が容認されるのは、新三要件を満たす場合に限られます。これは、国際法上の根拠が集団的自衛権となる場合も、武力行使を容認する国連安保理決議が採択されて、集団安全保障となる場合も変わりません。昨年7月の閣議決定以降の国会審議や、平和安全法制の国会審議におきまして、新三要件と集団安全保障についても議論がなされており、これまでも政府としては、累次説明をしてきております。いずれにしましても、今後とも、法案に対する国民の御理解が一層深まるように、丁寧に説明をしていくつもりでございます。参考と致しまして、過去の答弁につきましては、衆議院の本会議、2月16日に「国連安保理決議に基づく集団安全保障措置になったとしても新三要件を満たしている限り、自衛隊が活動を止めることはない」。また、3月3日、横畠法制局長官は「憲法上、武力の行使が許容される要件として、新三要件をお示しをしているところでございますが、国際法上の違法性阻却事由がいずれであるかということは直接は関係をしていない」ということでございまして、「その範囲内におきましてわが国としての武力の行使は可能であるというふうに考えております」と。また、3月18日に安倍総理大臣が「憲法上、わが国による武力の行使が許容されるのは、新三要件を満たす場合に限られます。これは、国際法上の根拠が、集団的自衛権となる場合も、国連安保理決議が採択されて集団安全保障となる場合も変わりません」というようなこととか、玄葉元外務大臣とのやり取り等もございまして、何度か国会でも議論をされたことでございます。

Q:それに関連して、集団的自衛権を行使して、国連で安保理決議が採択された集団安全保障に移行するのは、新三要件を満たしていれば問題ないというのは、国会で何度も大臣以下が答弁されていたと思うのですけれども、対処基本方針には、理由として「他国からの要請があった場合」という集団的自衛権の行使の理由を書くと思うのですけれども、そこの部分は、国連安保理の決議の採択があったという理由が変わったとしたら、対処基本方針は作り直すのでしょうか。作り直して、改めて国会に承認を得るのでしょうか。

A:まず、国際法上、国連の安保理決議を根拠に武力行使をする場合は、武力攻撃を受けた国の要請又は同意は必要となりません。しかし、集団的安全保障措置の場合においても、新三要件では、わが国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生が要件である以上、武力攻撃を受けた国からわが国に対して、事実行為として何ら要請又は同意がないということは、想定をされません。つまり、集団的自衛権を理由にする場合には、要請と同意というのは書かれて、対処方針が決まって、実施をされておりますので、その事実は変わっていないということでございまして、改めて方針を作るかどうかにつきましては、その時の状況によるものでございますが、基本的に開始する際に、こういった要件を満たしていたということで、その後、安保理決議が発動されて、集団安全保障になったと致しましても、その要件は満たしておりますので、今のところ、それを新たにやり直すということは念頭にはございませんが、また、その時の状況に応じて対応しなければならないと思っております。

Q:最初の話をもう少し整理したいのですが、集団的自衛権で参加したものが途中で集団安全保障に変わった時、これは撤退する必要はないというのはよく分かるのですけれども、最初から集団安全保障になった時に行けるのかどうか。これは行けるということでいいわけですね。

A:その通りでございます。存立危機事態において、わが国が行う武力行使の国際法上の根拠が、最初から武力行使を容認する安保理決議となることはあり得ると考えますが、まずは、集団的自衛権の行使となる場合が通常であると考えますので、こういった事態を見越した上で、判断をしていくということでございます。

Q:集団安全保障で、「最初から集団安全保障になる場合もあり得る」とおっしゃいましたけれども、その前の要請というのは、国連決議をもって要請とするのか、それでも被攻撃国からの要請が必要なのか、集団安全保障の場合はどちらなのでしょうか。

A:先程、お答えを致しましたように、まず、わが国と密接な国に対する攻撃が発生をするということで、そういった国から要請・同意があって、集団的自衛権というようなケースが通常考えるわけでございますが、一般論として申し上げれば、国際法上、安保理決議を根拠に武力を行使する場合に、攻撃を受けた国の要請又は同意は必要とはなりません。国連が、みんなが安保理において決議をするわけでありますので、これはいわば、国連からの要請にあたるものでありますので、そういった要請の内容を考えて検討してみなければなりませんが、国連の安保理で決議をしたということは、国連での要請と考え得ると思いますが、基本的にそういう場合においても、安保理決議を根拠に武力を行使する場合には、武力攻撃を受けた国の要請又は同意は必要とならないということでございます。しかし、先程、お話をしましたように、この集団安全保障措置の場合においても、新三要件におきましては、わが国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃の発生が要件である以上、武力攻撃を受けた国からわが国に対しての事実行為として、何らの要請・同意がないということは想定をされないということでございます。

Q:そうしますと、存立危機事態の認定そのものにも他国からの要請が必要だというふうに国会答弁されてきていましたが、その場合、国連決議があった場合は、例外的になくてもいいと。想定はしづらいということをおっしゃいましたけれども、法的には例外的に、他国からの要請がなくても存立危機事態は認定できる場合があるという解釈でよろしいわけですか。

A:要件として、集団的自衛権としての要請・同意、これは必要であるということでございます。

Q:存立危機事態の認定には必要ないと。集団的自衛権の行使にはもちろん必要であるけれども、存立危機事態の認定そのものには必ずしも必要ではない場合があると、そういうことですね。

A:国会で申し上げたのは、集団的自衛権としての要件として、同意又は要請、これは必要になると、要件であると申し述べました。先程お答えしましたが、一般論として申し上げれば、国際法上、安保理の決議を根拠に武力行使をする場合には、武力攻撃を受けた国の要請・同意が必要とならないということです。しかし、集団安保の措置の場合においても、新三要件では、わが国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃の発生が要件である以上、武力攻撃を受けた国からわが国に対して、事実行為として、何ら要請・同意がないということは想定されませんので、そのように考えていくということでございます。

Q:集団安保の場合の存立危機事態の認定は、そうしますと、国連決議があった段階で認定されるのでしょうか。それとも、認定された後に国連決議があるのでしょうか。

A:通常、密接な国に対する武力攻撃が発生するわけですから、それに伴って集団的自衛権で対応するということが前提である場合においては、要請・同意が必要でございますので、そのように対応致しますし、また、集団安全保障措置の場合におきましても、新三要件というので対応しておりまして、わが国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が要件でありますので、その武力攻撃を受けた国からわが国に対して事実行為として、何ら要請・同意がないということは想定されないということでございます。

Q:沖縄の関係なのですけれども、明日29日に、菅官房長官が沖縄を訪問し、辺野古移設に関する協議の4回目が開かれます。協議は5回を想定しているというふうにおっしゃっていて、佳境に入ってきているのですけれども、移設の賛否を巡っては平行線のままです。これまでの討議について、防衛省として、進捗や成果、大臣としてのお考えをお聞かせください。

A:今、現在進行中でありまして、集中的に協議を行っております。私も沖縄に参りまして、名護市の市長さんや基地所在の市町村長さん、また、知事さんとも協議を致したわけでございますが、やはり、問題の解決に向けて、双方の立場の違いというものがありまして、簡単に距離感が詰まるというものではないと考えておりますが、話し合いを重ね、お互いに理解を深めていく中で、問題の対応、また、解決の仕方、これを模索していく機会ということでありまして、このような状況の中で協議を続けておりますので、あくまで1か月ということで、その間に集中的に沖縄の皆様方の考えを聞いてみたいと認識しております。

Q:9月9日までの1か月間だと思うのですけれども、その終わった後、もうボーリング調査の方には着手するお考えはあるのか。即座に着手するのか、その辺りを聞かせください。

A:現在のところ、集中期間が1か月ということでございますので、その間にこの沖縄の皆様方と集中的に議論を進めていくということでございます。

Q:今日、平和安全特委で維新の対案の趣旨説明が行われます。維新の党を巡っては、昨日、橋下氏や松井氏が離党するなど分裂含みの展開となっていますが、この審議に与える影響と審議に期待すること、どのようなものがありますか。

A:政府の閣僚でございますので、この政党の動きとか、また、国会運営につきましては、それぞれ参議院で決定されることもありますので、政府の立場からコメントすることは差し控えるわけでございますが、いずれにしても政党間協議においては、政党と政党の話し合いになるわけで、本日より、与党との協議も始められると聞いておりますので、私は非常に大事な協議になるのではないかと。大分審議においても論点が煮詰まってきておりまして、その整理も行われつつある中での政党間協議ということで、非常に重要な政党間の協議であるし、また、協議する上においては、双方の意見がよく話し合われて、良い結果を出して頂きたいと思っております。

Q:先日24日未明に発生した、神奈川県の米軍相模総合補給廠の爆発火災の関係で、防衛省が再発防止や原因究明の情報提供を申し入れていると思うのですが、その後、米側からその事故原因等の説明はありましたか。

A:昨日、2つプレスリリースがございました。それによりますと、まず、南関東防衛局の座間防衛事務所職員は、在日米陸軍と相模原市消防局が共同で現場検証を開始したということを確認致しまして、昨日の共同現場検証、これは終了致しました。それによりますと、調査を早ければ8月27日に開始を致しますと。そして、太平洋基地管理部隊は火災予防の専門家を日本に派遣をし、調査を支援するということでございます。もう一つは、在日米陸軍司令部からのプレスリリースでございますが、これによりますと、調査が完了したら、米陸軍は日本政府に最終結果を提供すると。調査終了に関するタイムラインはありませんが、共同現場検証等の写真を提供するということでございます。そして、この在日米陸軍第5部からの情報を受けまして、今後調査は続けていくということで、相模原市に対しては、完全な透明性を保つということ、また、今後、相模原市長及び副市長が事故現場に入れるように許可を致しまして、それを実現すると。そして、28日、この在日米陸軍司令官が南関東防衛局、そして神奈川県を訪問致しまして、謝罪を致しまして、最新の調査状況、これを報告する予定にするということで、防衛省が得た情報が以上でございます。

Q:これまでの間、直接、当局からの情報提供という形ではまだないと。

A:このような形で米軍と話し合いをしながら、情報を得ているということでございます。

Q:安保に戻って恐縮なのですけれども、先日の委員会審議、福山さんとのやりとり、紛糾して委員長が引き取った件ですけれども、存立危機事態での後方支援で安全確保どうなんだという話でしたが、これ、そもそも国際平和支援法とか重要影響事態法での後方支援と、存立危機事態とか武力攻撃事態の後方支援とは全く違うと思うのですけれども、そこは同じように安全確保されなければいけないという前提で大臣はお話になっているのでしょうか。

A:これは、状況があくまでも国際社会の支援活動といいますと、わが国の立場によって対応をする場合におきまして、安全配慮義務規定などによりまして、この時はあくまでも現場の判断で、一時活動中止をできると。そして、重要影響事態等におきましても、これの実施に当たりましては防衛大臣が区域を指定するわけでございますので、状況を見て安全かどうかにおいて判断をするわけでございますが、存立危機事態とか、また武力攻撃事態、これはまさに有事事態でありまして、まさに国の存立、国民の命、そして権利、こういうことが根底から覆されるという非常に緊要な事態でございますので、こういった事態を起こさないために、自衛隊が行動するということでございますので、自衛隊はそういった国のリスク、また国民のリスクからいかに安全を確保するということで対応するわけでございます。そういう意味におきまして、あらかじめこういう中止・中断規定を設けることによりましては、行動を制約するということもございますので、こういう規定は設けておりません。しかし、安全を確保していくというのは当然のことでございますので、いかにリスクを下げるかという点におきましては、それぞれ部隊としての対応を実施するというのは当然のことでございますが、法律的には、まずこの米軍との関連措置法の中にも、物品及び役務の提供は、いわゆる後方支援活動であり、その性質上、どのような場合であっても、安全を確保した上で実施をするというのが当然のことでございます。また、物品及び役務の提供を中心とする行動関連措置につきまして、米軍等行動関連措置法第4条が、「武力攻撃及び存立危機武力攻撃を排除する目的の範囲内において、事態に応じ合理的に必要と判断される限度を超えるものであってはならない」と規定をしておりまして、この目的及び限度を定めているということは、その目的及び限度に応じて隊員の安全確保についても配慮した上で、必要な支援を行う趣旨を含むものでございます。以上のような形で、米軍等行動関連措置法においても隊員の安全確保について一定の配慮を行っておりますが、また、それに加えまして、この法律に基づく後方支援の実施に当たりまして、任務の遂行に関して必要な安全確保措置についても十分考慮するのは当然でありまして、その具体的な内容につきましては、その支援の対応に応じて米軍等関連措置法第13条に規定する「行動関連措置に関する指針」を決定するとなっておりまして、そこにおいて担保する考えでございます。

Q:安全確保の方を強調されるお気持ちも分かるのですけれども、そちらを強調することによって、その全く違う後方支援なのだという本質が見えてないような気がするのです。つまり、片や、武力行使と絶対に一体化してはいけない国際平和支援法の方と、自国が防衛出動していて、自衛隊が前線でまさに命懸けで戦っているところへ行く後方支援というのは、武力行使と一体化して当たり前の支援なわけですから、そこは全く根本的に違うのだと。安全確保にはそもそも限界があるのだというふうな説明をされる意向はございませんでしょうか。

A:そういう趣旨におきましては、一時中断とかいう規定は設けておりませんが、実際に対応する場合におきましては、この安全を確保し、配慮をして行動するというのは当然のことでございますので、それに加えて、先程法律で規定をされた要素などをもちまして、隊員の安全に心掛けるということでございます。

Q:その存立危機事態では当然ですけれども、後方支援も武力行使と一体化するという前提ではお話になっているわけですよね。

A:もう一回。

Q:後方支援ですけれども、存立危機事態においては、後方支援といえども、武力行使との一体化は前提ですよね。この武力行使と一体化しても良いという前提の後方支援だと。

A:もう既に、防衛出動が掛かって武力行使もしておりますので、そういう状況ではありますが、あくまでも後方支援というのは武力行使ではないということで、後方支援の対応ということでございます。つまり、物品・役務の提供、これはいわゆる後方支援でありまして、そういう性質上、どのような場合にあっても、そういう認識で実施をしていくということでございます。

Q:ということは、存立危機事態とか防衛出動の事態であっても、後方支援は武力行使と一体化しないという前提のお話ですか。

A:もう既に、武力の行使ができる状況になっておりまして、憲法上、これは問題がない状況でございますが、あくまでも、この米軍等の関連措置法に伴うこの物品及び役務の提供というのは、米軍に対するいわゆる後方支援でございまして、そういう認識で対応していくということでございます。


ご意見ご要望
大臣記者会見概要一覧へ戻る
新着情報一覧へ戻る
トップへ戻る

(C) 防衛省・自衛隊