日豪外務・防衛相共同記者会見概要

平成26年6月11日(19時54分〜20時17分)

※ビショップ外務大臣及びジョンストン国防大臣の発言及び英語の質問については、通訳者の発言を記載しています。

1 発表事項

(岸田外務大臣)
 それでは私の方から発言をさせていただきます。本日、オーストラリアのビショップ外務大臣、そしてジョンストン国防大臣をお迎えして、2012年9月以来となります、第5回日豪外務・防衛閣僚協議(「2+2」)を開催いたしました。今回の「2+2」におきましては、日豪間の安全保障面の協力を新たな特別な関係に引き上げる観点から、4閣僚で率直な意見交換を行い、多くの成果を残すことができたと感じています。まず首脳会談で交渉開始につき一致をいたしました防衛装備品及び技術移転に関する協定の実質合意を確認いたしました。この協定は、第三国移転や目的外使用の事前同意を義務付け、日豪で防衛装備品や技術の移転を可能とするものであります。今後早期署名に向けて作業を進めてまいります。また首脳会談で作成が指示されました、両国の実質的な防衛協力を強化するための提案についても議論を行いました。今後米国と連携しつつ、日豪の安保・防衛協力を一層強化するための各種施策を検討してまいります。更に、日本の集団的自衛権等の検討を含む積極的平和主義について、豪州側から改めて強く指示をいただいた他、地域情勢等の様々な課題も議論をいたしました。法の支配の原則の重要性を再確認し、地域における力を背景とした一方的な現状変更の試みに強く反対することで一致するとともに、米国の関与の重要性や日米豪の協力の強化も確認いたしました。また本日の中国戦闘機による自衛隊航空機への異常接近事案についても議論をいたしました。拉致問題を含む北朝鮮情勢や、太平洋島嶼地域においても議論をし、協力強化を確認いたしました。地域の安全保障環境が一層厳しさを増す中、特別なパートナーである豪州とともに、地域の安定と平和に積極的に貢献していきたいと考えております。私からは以上です。

(小野寺防衛大臣)
 先ほど岸田外務大臣からもお話がありましたとおり、今回の「2+2」において、両国の実際的な防衛協力を強化するために、両首脳へ提案する内容について、4閣僚で合意をいたしました。特に、防衛当局間では、共同訓練を今後拡充していくことで合意できたことをうれしく思います。今後ジョンストン国防大臣と緊密に連携し、防衛当局間の関係を更に強固にすべく努力してまいりたいと思います。また防衛装備・技術分野においても、防衛装備品及び技術移転に関する協定の内容に実質合意したことに加え、船舶の流体力学分野の共同研究について、来年度の事業開始に向けて研究内容の具体化を進めていくことで一致をいたしました。最初の防衛装備・技術協力として良い成果が出るよう期待しております。

(ビショップ外務大臣)
 ありがとうございます。再び東京を訪れることができ、第5回日豪「2+2」外務・防衛閣僚協議に出席することができ、大変うれしく思います。岸田外務大臣、小野寺防衛大臣、今一度暖かくご歓待いただいたことに感謝いたします。オーストラリアと日本は共通の利害と価値観を共有していて、民主主義国家であり、自由、法の支配、人権にコミットしていますし、経済問題についても、似通った立場を取っています。開放的な自由な貿易にコミットしています。日本とオーストラリアが自由貿易協定、経済連携協定、EPA、大筋合意したことを大変喜んでおりまして、近々署名、批准されることを期待しています。我々は地域の一連の危機に対処する上で、ますます直感的にお互いをパートナーとして当然のように選んでいます。今日は前例のない絶好の機会で、実際的な我々の防衛・安全保障協力を強化するやり方について話し合いました。既に幅の広い、多様な分野にわたって緊密な協力を行っています。昨年、私が小野寺防衛大臣にお目にかかったのは、フィリピンのタクロバンの空軍基地でありました。我々二人とも、悲惨な台風ハイヤンに対する対応のために行っていたわけでありまして、日本とオーストラリアがこういった人道的な危機、自然災害がフィリピンに打撃を与えている中で対処した端的な例でした。小野寺防衛大臣は、私のふるさとの西オーストラリア州を最近訪れていただきまして、日本とオーストラリア、他の国々が行方不明のマレーシア航空機370便の捜索で緊密に協力しました。緊密な協力の端的な例であります。リソースと情報を共有することによって、我々両国のコミュニティ、グローバルなコミュニティのために協力しています。また4月に来日して岸田外務大臣のご招待にあずかり、オーストラリアと日本は、核兵器のない世界の目標を実現するためにまいりました。核の不拡散という目標を達成することを目標としております。岸田外務大臣の広島の選挙区で、NPT(核兵器不拡散条約)の広島会合(第8回軍縮・不拡散イニシアティブ外相会合)を成功裏に主催されたことをお祝いします。両国の首脳が4月に首脳会談を開いて、本日の我々の基礎を築きました。「実際的な形で両国がより広く、より深く防衛と安全保障分野で協力する手段を探せ」ということで同僚のジョンストン国防大臣がより詳細にそのことを説明してくれると思います。また本日は、その他の一連の問題についても話し合いました。我々、似通った物の考え方をしている分野です。繰り返し述べたのは、緊張維持、一方的に変更するような行動は、東シナ海で支持することはできないと確認しました。挑発的な調整を伴う行動は南シナ海に関して、非難に達します。また、情状的なアプローチを北朝鮮に対して取っていくということも確認しました。またその他の紛争や危機の戦域における協力の在り方についても話し合いました。またサイバー・セキュリティの分野での協力の機会について話し合いました。第1回のサイバー対話を今年の後半、オーストラリアで開催することになっております。いわゆる、ワーキング・ディナーでもこの話を続けると思いますが、首脳が我々にチャレンジを投げかけ、課題を投げかけ、一連のイニシアティブで提言を首脳に出すということでありました。安倍総理、来月オーストラリアを訪問する際に、更に話し合っていただくということで、我々諸手を挙げて安倍総理とオーストラリアに歓迎するものでありまして、オーストラリアの議会、両院を前にして演説をしていただくことになっております。4月のアボット首相の来日、7月の安倍総理の訪豪、そしてまたG20首脳会議が11月にブリスベンで開催され、また両首脳が顔を合わせる機会になると思いますが、この強力な2国間の関係というのは、更に特別な関係へと発展すると確信しています。親しい友人である、隣人である皆さんと協力することによって。

(ジョンストン国防大臣)
 ありがとう。私自身も、ビショップ外務大臣と来日することができて大変嬉しく思いますし、小野寺防衛大臣、岸田外務大臣、親しい友人の方々とお目にかかれて、日本のおもてなしをビショップ外務大臣と私に与えて下さって、この重要性の高い「2+2」会合を主催していただいたことに感謝いたします。今日、大変重要性の高い、生産的な議論を行いました。国防の観点から今後の関係をどう展開していったらいいかということについて話し合いました。これは当然のことでありまして、ジュリー・ビショップ外務大臣が言ったように、これは当然、自然に防衛と安全保障ということに日豪がお互いに期待するわけです。カンボジア、東ティモール、イラク、そして今や南スーダンでオーストラリアは日本と協力してきました。こういった関与を通じて、我々、非常に高いレベルの信頼関係を構築し、お互いの理解、相互運用性を確認し、更に重要なのは、友好関係というのを深めることが出来ました。これは、今後非常に役に立つ成果だと思っています。防衛と安全保障協力をオーストラリアとしては、日本との2国間関係の中で重要な柱と位置付けております。40年以上オーストラリアは産業面で、日本とあらゆる分野に渡って、鉱物資源、石油、ガス、自動車等にまたがって協力関係を構築してきました。防衛協力、今後演習の回数を増やし、技術を交流していくということは、まさに強力かつ良好な関係の当然の延長線上に存在するものだというふうに位置付けております。どうすれば、これらの問題を前進させることができるか非常に率直に友好的に話し合いました。最後に申し上げたいのですけど、ビショップ外務大臣に先取りされてしまいましたけれども、私が発言したかった内容。しかし、岸田外務大臣、小野寺防衛大臣の温かいおもてなしと友情に感謝いたします。どうもありがとうございました。

2 質疑応答

Q:防衛装備技術協力についてお伺いいたします。両国の大臣にまずお伺いしたいのですけれども、今回の協議で協定の合意に向けた交渉の実質合意を確認したということですけれども、協定の署名の時期など今後のスケジュール具体的にどのようにお考えになっているのかをお聞かせ下さい。それと併せて、オーストラリア側は日本の潜水艦の技術に高い関心を持っていると伝え聞いているのですけれども、日本の潜水艦の具体的にどのような能力に関心を持っていて、協力を得たいと考えていらっしゃるのかお願いできますでしょうか。

A(小野寺防衛大臣):まず日豪間の装備技術協力については、平成24年9月の日豪防衛相会談で、防衛次官級の協議の枠組みが設置されております。実務者間でこれまでも意見交換を実施しております。防衛装備品及び技術移転に関する協定については、本日の日豪「2+2」でその内容について実質合意をしております。今後可能な限り早期に締結できるよう外務省をはじめとする関係省庁と共にオーストラリア側と詰めの協議を行ってまいりたいと思いますが、締結時期についてはここではまだ詰めをしているということでお許しをいただければと思います。

A(ジョンストン国防大臣):小野寺防衛大臣がおっしゃったように、我々最終的にまとめるのに大変近づいておりまして、実施署名に繋げる適切なやり方を検討しています。潜水艦に関して言えば、私から言えることは、非原子力の潜水艦ということでは、日本製は大変質が高いものであります。オーストラリアは新しい潜水艦建造の計画がありまして、何カ国かの指導を求めています。非常に複雑な技術ですので、フランスのDCNS、ドイツのDKMSとも関与していますし、アメリカとも、イギリスとも協議をしています。日本の潜水艦、大変賞賛していますので、安倍総理、小野寺防衛大臣に対して日本の潜水艦技術について話す機会があったのですけれども、技術の分野としては4200トンのディーゼル・サブマリーンでありまして、これはディーゼル潜水艦としては世界で最も大きな規模の物でありますので、センシティブに、日本のまさに技術と助言を求めてオーストラリアの潜水艦の建造に繋げたいということで、日本の支援にもなることになっています。

Q:大臣こんばんは、オーストリアン紙のブレンドン・ニコルソンですが、この質問は小野寺防衛大臣と岸田外務大臣あてのものなのですけれども、明らかに日本では懸念が存在していて、この地域の状況についての懸念があります。どういう懸念を抱いていらっしゃるのか、どういう脅威について懸念を持っていらっしゃるのか。そしてオーストラリアはどういう役割を果たしうるのか、もう少し具体的に話していただけるでしょうか。日本がオーストラリアに対して、潜水艦の開発についてどういう支援をすることができるでしょうか。日本では憲法その他の理由から、軍事技術を共有することができなかったわけですけど、つい最近まで。潜水艦の部品なのか、一般的な技術なのか、全体の潜水艦の技術なのかということをお話いただければと思います。

A(岸田外務大臣):どのような脅威を想定しているのかという話ですが、アジア太平洋地域における安全保障環境につきましては、近年厳しさを増していると承知しております。具体的な事案は様々なものが指摘されるかと思いますが、今日の「2+2」の中においても、こうした安全保障環境の中にあって、日本とオーストラリア、更には日米豪3カ国における連携の重要性が指摘をされたところであります。地域の安定を考える際に、米国の関与は大変重要であるということについて、両国で一致したところでありますし、是非、日本とオーストラリアにおいても様々な連携を深めていかなければならない、このように考えております。この地域におきましては、様々な議論の枠組みが存在いたします。EAS(東アジア首脳会議)をはじめとするこうした枠組みを重視しながら、是非、関係国との意思疎通をしっかり図っていきたいと考えております。こうした意思疎通や連携を通じまして、個別な事案に対して、しっかりと協力をし、働きかけを行っていきたい。このように考えております。

A(小野寺防衛大臣):それでは私の方から、潜水艦のご質問がありました。端的にお話をさせていただきたいと思います。まず、ジョンストン国防大臣から、日本の潜水艦技術について高い評価を表明していただきました。改めて、その評価に感謝をしたいと思っております。日本は、防衛装備移転三原則というものを今回、新しく原則といたしました。その際には、移転先の適切性や安全保障上の懸念等を厳格審査し、原則として国際約束により適正管理を確保することということを前提にしております。その中で、今回、日豪の「2+2」の中で、このような防衛技術の移転を適正に管理するための国際約束として、日豪防衛装備移転協定について、実質合意が行われました。また、今日の議論の中でも特に具体的な内容として、流体力学分野での共同研究について、来年度の事業開始に向けて研究内容を具体的に進めていくということで一致をしております。具体的な研究内容についての詳細については、差し控えさせていただきたいと思いますが、潜水艦を含めたいかなる種類の船舶にも、応用可能な技術になると思われます。なお、これらの協定については、憲法上の問題はないと承知をしております。

以上


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