大臣臨時会見概要

平成26年5月7日(17時52分〜18時03分(日本時間))

1 発表事項

 本日、私とピノッティイタリア国防大臣の間で、日本とイタリアの防衛大臣会合がありました。防衛大臣がイタリアに来るのは7年ぶりということであります。またイタリアはNATO、EU、G7の一員でありますが、特に7月からはEUの議長国になるということで、大変わが国にとっては重要な国だと思っております。今回私の方から、特に日本で現在行われております集団的自衛権に関する議論、あるいは防衛装備移転三原則についての新たな原則について丁寧な説明をさせていただきました。その中で特に関心が強かったのは、集団的自衛権に係る、現在日本で行われている議論について、私が紹介をいたしましたら、「イタリアにおいても、これは日本とイタリアが過去の戦争からの様々な歴史的な教訓がある国でありますが、イタリア憲法11条におきまして、国際紛争を解決する手段としての戦争の放棄という日本の憲法と同じような規定がございます。そして武力の行使については、同じような制限があります」という紹介がありました。ただしイタリアの場合にはこの11条の中で、国際平和の促進のため国家間の正義を保障する態勢に必要であれば、集団的自衛権として行使することが可能であるという説明がありました。日本の現在置かれている立場については、深い同様の感情を持つ中で日本としての現在の議論については、深く理解するという先方からの報告がありました。また、その他私の方からは特に日本とイタリアは海洋国家でありますので、海洋の安全保障についての議論がなされ、双方がやはり力による一方的な変更は、これはあってはならない、両国とも国際法あるいは対話によってこのような問題については解決すべきだというような議論で一致をいたしました。特にお互いに、例えば現在クリミア半島における状況、あるいは東シナ海、南シナ海における状況について説明をする中で、同様の合意があったと思っております。また、特に我が方としまして、昨年1月におきましたアルジェリアの人質事案がある中で、今後防衛省の防衛駐在官を、これは北アフリカを中心に多くの国に防衛駐在官を今後派遣するということになりますが、その際、これらの国々に長年様々な関係と、そしてまた情報を有するイタリアの防衛当局との情報の保護協定を早期に締結したいというお話をさせていただいたところ、先方からも「なるべく早くこの締結に向けて促進をさせたい」という議論がございました。この中で、先方の統合幕僚のトップが日本に近々訪問したいという申し出もありました。いずれにしても、今回の防衛交流の中で、日本としては、特にこの海洋の安全についての同じ足並みをそろえていくこと、それから防衛駐在官の北アフリカ各地への派遣の中で、情報保護に関する協定を両国で結ぶということ、さらに今回は、防衛装備移転の原則についての見直しを行った中で、特に先方から「新しい防衛装備について今後とも技術協力をしていきましょう」という申し出がありました。いずれにしても、日本とイタリアの間で防衛交流が今後とも進むことになると思います。

2 質疑応答

Q:先ほどの情報保護協定の話なのですけれども、これは今後北アフリカに関して情報収集をする上で、非常に日本にとっては有益になるというそういう判断になるのでしょうか。

A:北アフリカの各国に、日本として防衛駐在官を今年度中に配備することになりますが、その際、それぞれの国には歴史的にも文化的にもイタリアが深く関わっております。そこの軍同士の情報交換というのは、大変重要な状況になると思います。特に、テロ、あるいは様々なこの地域の安全保障上の問題については、この防衛駐在官を通じた軍同士の情報交換というのが大変重要だと思っております。

Q:締結のメドというのは、何か時期的なものは決まっているのでしょうか。

A:先方からは「なるべく早く」というお話もありました。私どもとしても防衛駐在官を今年度中に配備する中で、すぐに万全の活躍ができるためにも、この情報保護法の枠組みが重要だと思っております。

Q:確認ですけど、防衛駐在官が扱う情報に限らずに、日本とイタリアの防衛当局間での情報に関する保全の協定という位置付けでよろしいでしょうか。

A:防衛当局間の情報保全の協定ということになりますし、当然、防衛当局間で得た情報というのは、それぞれの国の中で共有されるものでありますので、国と国との間でしっかりとした、それぞれ情報の共有が更に深まるという方向につながるのだと思っております。

Q:確認ですけれども、交渉を近く始めることで今日は一致をしたという理解でよろしいですか。

A:それも、速やかに締結に向けた方向にもっていきたいというのが先方のお話でありました。

Q:装備技術協力ですけれども、これは装備品の共同開発とかそういったことも視野に入ってくるのでしょうか。

A:これはまだ、そこまでの深い議論は今日はなされていないと思います。現時点では、今後の装備協力について、特に日本の防衛装備の移転原則、新しい原則ができたという中で、その紹介の中で先方として高い関心を持ったということだと思います。

Q:大臣の中で、個人的にイタリアとかだと、こういうことで交流できたら、防衛装備品おもしろいなというのはありますか。

A:例えばイタリアは日本と同じように海洋国家です。長い海洋面積を持っていますので、そしてまた周辺には、例えば今でもそうですが、「アラブの春」以降、多くの難民が寄せてきたり、あるいは対岸には紛争を抱えている国がある。こういう所に対しての警戒監視がしっかり出来ている国だと承知をしています。こういう中で、必要な装備というのが今後日本としても参考になるものがあるのではないかと思っています。

Q:大臣自身は集団的自衛権の行使に関する議論について、どういった言葉でご説明されたのでしょうか。

A:私としては、安保法制懇で議論が行われている、例えば北朝鮮のミサイル問題についての日本の防衛の中で、アメリカのイージス艦が配備をされた中で、日本が攻撃される前にアメリカのイージス艦が攻撃された場合、日本としてその防御について非常に対応に困るような事態が想定として実際あるのだと。その時に、今後しっかりとした日本の安全保障のために必要な議論を、今日本国内で行っているそういう話をした中で、先方の大臣が非常に深く肯かれて、そして、おそらくイタリアも同じように憲法の規定の中で、戦争の放棄を謳われていますので、その情報を引き出されて、その中であるけれども、例えばこういう場合には武力の行使が出来るというような、そういう集団的自衛権の議論を先方からむしろ紹介をしていただいたということだと思います。

Q:ウクライナ情勢に絡んで、イタリアは平和維持部隊を派遣する用意を表明しているようですが、その辺についてご意見がありましたでしょうか。

A:今日はウクライナ情勢については概略についてでありますので、特に軍の派遣についての具体的な言及はなかったと承知しています。

Q:先程おっしゃったように、イタリアは地中海で難民救援などの活動を行っていますが、そういった部分で技術交流と言いますか、実際に取り締まっている方の交流などについての話はされましたでしょうか。

A:具体的にまだ部隊間の交流というのは、あまりにも今まで距離的にも遠い国でありますので、部隊間の、例えば軍同士の訓練みたいなところは、明確には行われていないのだと思いますが、先方からお話がありましたのは、先方の、日本で言えば統合幕僚長、参謀長が日本に近々来られますので、その際に日本の様々な防衛技術を見ながら、軍同士での議論を進めていきたいというお話はありました。

Q:今回の会談を通じて、イタリアとの関係というのは、今後どういうふうにしていきたいとお考えですか。

A:特にイタリアは、北アフリカを中心に長年の歴史的・文化的な交流があります。私どもとして、アルジェリアの日本人の人質事案があったときにこの問題に対して、やはり情報を今後ともしっかり収集しながら、日本人の保護の重要性、これは全国民が認識したと思います。その中で今回、防衛駐在官を特にアフリカの各国に派遣するという方針を決めましたが、その中でやはり、そこに多くの知見を持っている国との情報共有、これは大変重要なことだと思っています。早くこの情報についての保護協定ができること、これは日本の例えばアフリカで活躍される多くの日本国民のためにも重要な情報として活用できるものだと思っています。

Q:集団的自衛権の件なのですけれども、今国会中にも閣議決定するのではないかという報道でもありますけれども、大臣としては、今国会中に集団的自衛権の行使容認というのが、閣議決定できるようなペースで協議が進めば良いというふうにお考えなのでしょうか。

A:私どもとしては、今国会の中で、今総理がお話をされておりますように、安保法制懇の報告が来週にも出され、そしてそれを受け政府としての一定の方向性を出す中で、今後最終的にはやはり与党の中での協議、そしてこれは与党協議を通じた中で閣議での一定の方向ということが手順だというように総理は説明をされておりますので、その手順に従って、進まれるものと理解をしております。

以上


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