大臣会見概要

平成26年4月25日(10時08分〜10時31分)

1 発表事項

 なし。

2 質疑応答

Q:日米首脳会談について伺います。尖閣諸島について日米安全保障条約第5条の適用対象との首脳レベルでは初めて明言されました。また、集団的自衛権の行使容認に向けた安倍内閣の取組みを歓迎・支持するということも記者会見でも会談でも述べられました。日本の安全保障や防衛分野にどのような成果があるとお考えですか。

A:まず、今回、尖閣諸島が日米安全保障条約第5条の適用対象である旨をオバマ大統領から明確に発言をしていただいたこと、そして米国は尖閣諸島に対する施政を損なおうとする、いかなる一方的な行動にも反対するという意味の強い発言ということで、私どもとしては、これは日本の安全保障に大変重要な発言をしていただいたということで歓迎をしています。また併せて、集団的自衛権については、日本で行われている議論についての内容での説明を安倍総理からされたと承知をしております。いずれにしてもオバマ大統領から我が国のこうした取組みについて歓迎と支持が示されたということであります。また、両首脳間で「日米防衛協力のための指針」(ガイドライン)が、当初の予定通り今年中に見直しを行うということで一致したということでありますので、私どもとしては、そのスケジュールに沿って、今後とも米側と調整をしていきたいと思っています。また併せて、沖縄の負担軽減について、特に仲井眞知事から発言がありました5年以内の運用停止について、安倍総理からオバマ大統領に直接説明をし、沖縄の負担軽減について米側の更なる協力を要請したということ、これも沖縄の負担軽減にとっては意味のある今回の会談だったと思っております。

Q:関連で、そうした日米同盟の連携が強化されているということに対して、中国は反発を強めております。それについての受け止めをお願いします。

A:これはどこの国でもそうですが、各国がそれぞれ関係を密にして、安全保障の様々な協力をする中で、平和の維持を努めるということは大事なことだと思っています。中国側の発言については、その意図は私どもには図りかねますが、いずれにしても日米の関係を強化すること、あるいは力による一方的な変更に対して、両国が共に国際法、あるいは国際的なルールに従って対応すべきだというスタンス、これは平和目的の流れの中で出ている内容でありますので、そのことについて周辺国の皆さんの理解も今後とも深めていくような努力は必要だと思っております。

Q:北朝鮮の動向なのですが、韓国の方で「いつでも核実験ができる」という報道が出ています。防衛省としては、どういう情報を収集して、どういう分析をされているのか。あと、破壊措置命令が報道によると今日まで出ていたということですけれども、これを延長されるということはありますか。

A:まず、北朝鮮の動向については、関係国と連絡を密にし、我が方としても警戒監視をしっかり行っております。いずれにしても常に警戒監視態勢を強化していくことが重要だと思っておりますが、例えば、先月ハーグでの日米韓の首脳会談、その時に北朝鮮が弾道ミサイルの発射を行ったという事案もありますし、今日は北朝鮮の建軍記念日でしょうか、そういうこともあります。今日は米韓の首脳会談もあるということですので、私どもとしては様々な警戒監視をしっかりしていくということだと思っております。

Q:日米首脳会談の関係で、オバマ大統領が日中関係について「事態がエスカレートし続けるのは正しくない。日中は信頼醸成措置をとるべきだ」という発言をしていますが、この発言に対する受け止めと、今後、日本と中国、それぞれどのような努力が求められるとお考えでしょうか。

A:至極当然のことをお話しされたと思います。日本もそうでありますが、防衛当局の役割が地域で様々な紛争を起こさないこと、衝突事案を起こさないこと、平和を守ること、これがどの国においても防衛当局の役割だと思っております。そういう意味で、日中間であっても平和な関係を維持することは重要だと思っております。その中で、例えば日中間で従前から一つの懸案になっています日中の海上連絡メカニズム、これは衝突事案等が起きないように、事故等が起きないように未然に回避するシステムでありますが、これが今最終的な段階で交渉が止まっているということがあります。私どもとしては、この交渉を速やかに進めていくことも大事だと思っており、これは中国側に働きかけもしております。また今回、河野海上幕僚長が中国に行き、国際的な枠組みの中の、西太平洋の海軍のトップの会議という中ではありましたが、中国の海軍のトップであります呉勝利司令官と会談、立ち話でありますが、15分程度意見交換をしたということで、こういう積み重ねが重要だと思っています。同時に、この会議の中で、「海上で不慮の遭遇をした場合の行動規範」(CUES)が合意されたということも多国間ではありますが、例えばレーダー照射事案、あるいは攻撃と誤解されるような特異的な行動はとらないということが各国で合意されたということは、第一歩につながるものだと思っております。

Q:先般、訴訟で判決があった海上自衛隊護衛艦「たちかぜ」の乗組員の訴訟に関してなのですけれども、政府の方針として今後最高裁への上告ということも選択肢としてあるかとは思うのですけれども、どういった対応をこれからとられるお考えなのでしょうか。

A:もう10年前の事件になると承知をしております。平成16年10月、尊い命を自ら絶つことになりました「たちかぜ」の乗員、故入野1士並びに裁判の途中でお亡くなりになられましたお父様のご冥福を心からお祈りを申し上げたいと思っております。また残されたご家族、お母様、お姉様をはじめご家族の皆様に、改めて心からお悔やみを申し上げたいと思っております。今回の裁判、判決、これはしっかり受け止める内容だと承知をしております。今回の判決では、当時の上官等は自殺を予見可能であったとして、「暴行・恐喝」等と自殺の相当因果関係を認めるとともに、平成17年の情報公開請求に対し、当時の横須賀地方総監部監察官及び「たちかぜ」艦長の二人が、アンケート原本等の文書を隠匿したという判示をいただきました。判決の今後の取り扱いについては、関係機関とよく調整の上、適切に対応してまいりたいと思っておりますが、私としては今般の判決を重く受け止め、速やかに新たに意識面を含めた再発防止を徹底していきたいと思っております。今回の判決は大変重いものだと思っております。

Q:遺族側に告発をしたということで処分対象にもなっていると報道でも出ていますけれども、3佐に対してのこれからの防衛省としての処分に対しての対応というのは、今後どういうふうにお考えなのでしょうか。

A:私は公益通報をしたということを理由に公益通報者に対して不利な取り扱いをすることはあってはならないと思っております。

Q:今の大臣の「不利益をあってはならない」というのは、3佐に対して処分などはしない、懲戒処分などは考えていないということでしょうか。

A:これは、公益通報をしたことを理由に公益通報者に対して不利な取り扱いをすることはないということであります。

Q:今回の3佐の行動は、1回隊内でも公益通報をされているのですが、大臣は一連の行動は公益通報に当たるとお考えなのでしょうか。

A:基本的には公益通報ということに当たると思っています。ただ、この3佐だけではなくて、今回少し枠を拡大して、例えばその時どういうことがあったのかということは、この判決を受けて私どもとしてしっかり検証する必要があると思っています。

Q:今おっしゃったのは、3佐の取扱いについてまだご判断はしていないという意味でしょうか。

A:いずれにしても私がお話をさせていただいたのは、公益通報したことを理由に公益通報者に対して不利な扱いをすることはないということであります。

Q:今の関連ですが、公益通報については不利益な処分はしないということですけれども、今回公益通報のために文書を持ち出したということについて処分の検討はされていると思うのですが、持ち出しも含めて公益通報と考えるのか、それは別の問題だというお考えなのかその点はいかがでしょうか。

A:後半の話は部内での文書等の取り扱い等の内容についてのことだと思っておりますが、今回の事案全般のことを考えると、基本的に裁判の判決の中で、例えば隠ぺいの問題とかそういう事が指摘されている中で、今回公益通報されたということであります。そういうことを勘案しながら判断をするものだと思っています。

Q:上告のことなのですけれども、いろいろご検討はされていると思うのですが、「重く受け止める」というような大臣の先ほどのお話を伺うと、上告しない方向で検討されているのかなという気がするのですが、その点はいかがでしょうか。

A:これは防衛省だけではなくて、関係機関と協議をすることが必要となりますし、今回対象となっているのは国もありますし、当時の関係者ということもあります。いずれにしても関係者、関係機関との協議は必要だと思っていますが、私としては今回の判決は大変重いものだと思っています。

Q:大臣個人としては上告しないでもいいのではないかということですか。

A:判決は重いものだと思っております。

Q:今の関連ですが、自衛官の自殺率は、他の国家公務員と比べて多いという統計なのですが、なぜ自衛官の自殺率が高いのか、もしくは後を絶たないのか、その背景みたいなものについてお考えがあればお願いします。

A:他との比較ということではなくて、一名であってもそのような自ら命を絶つ職員が出るということは、防衛省・自衛隊を指揮監督する私にとっては、大変重要な問題だと思っております。今、全国各地の部隊を回らせていただいております。そして部隊の中で例えばどのような形で自殺防止についての対応をしているかという説明もそれぞれの司令の方から説明を受けております。最近、部隊を回れば回るほど、いろいろなところに自殺あるいは心の悩みのケアのための相談窓口とか、電話の受付窓口とか、あるいは専門の職員とか、そういうことを丁寧に配置している状況を把握しております。ただそれにつけてもやはり、任務の特異性があるのかそこは分りませんが、自殺をする隊員、職員がいることも事実ですので、これからもそのようなことがないように日々対応のための努力をしていきたいと思っています。

Q:話変わりますけれども、来週から世間ではゴールデン・ウィークが始まると思うのですけれども、一部の報道によりますと大臣がゴールデン・ウィーク中に海外に出張されるという話もあります。言える範囲の狙いと目的について伺いたいのですけれども。

A:まだ最終的に日程がしっかり調整されておりませんが、今国会を含めて官邸等と日程調整をしている最中であります。私としてはこのゴールデン・ウィーク期間中も日本の安全保障のみならず積極的平和主義の役割の中で、日本の外で懸命に任務に励んでいる隊員諸君がいるということ、そしてまたその隊員諸君が関係国にそれぞれさまざまな形で支援を受けているということ、そういうことを受け止め、できるだけ激励をし、またそれぞれの関係国との関係を強化していきたいという考えはあります。

Q:昨日の日米首脳会談の件ですけれども、オバマ大統領が記者会見の中で北朝鮮対応の部分で、集団的自衛権の行使は非常に重要だということをおっしゃっていますが、それについての受け止めと、情勢についてどう感じられるかを教えて下さい。

A:私は首脳会談に出ているわけではなかったので、後の状況などを考えますと、例えば安倍総理がよくおっしゃいます北朝鮮のミサイル防衛に対して、日本を守るために出ている米国のイージス艦がミサイル防衛態勢を取っている中で、イージス対応になっていると通常の航空機からの攻撃等には非常に対応が弱くなります。それをカバーするために日本の護衛艦やあるいは日本の航空機が対応するような事態になった場合、こういう様々な想定の中で、今有識者の中で議論されております。こういう状況を見れば、当然この関係が補完されるようになれば、北朝鮮のミサイル対応に対して日米両国ともさらに対応能力が向上する、そういう意味合いではないかと私自身は推察をしております。

Q:集団的自衛権の行使容認の取り組みを今進めていますけれども、オバマ大統領が支持している、歓迎すると明言されたことは追い風になるとお考えですか。

A:あくまでも我が国の政策の話になりますので、そこはこれからいつになるかは分かりませんが、有識者からの報告書を受けて、政府としての方針を考えて検討していく、最終的には決めていく過程の中で与党の内部で、あるいはこれは国会の中でもおそらく議論があるのだと思います。その方向を待つことだと思いますが、基本的には我が国の中の議論の中で、この問題というのは一定の方向が出るのが基本だと思います。ただ同時にやはり同盟国・周辺国、ここにもしっかり理解を得ることが必要だと思っています。そういう意味では同盟国のアメリカからのこのような歓迎の発言というのは、周辺国に対しての配慮の中では重要な一つだとは思っています。

Q:先程の質問に戻るのですけれども、後半の部分はともかくとして、前半、明日からはオーストラリアとマレーシアを訪問する方向だと思うのですけれども、それぞれ国防大臣と会われて、具体的にどういうことを話し合われたいかということと、訪問の目的をお願いできますか。

A:日程についてはまだ、皆さんよく分かる通り、国対の方の了承が今日になる形になると思いますので、それ前に具体的な内容というのはお話しできない、差し控えたいと思います。ただ今回、訪問を予定している関係の中で言えば、やはり例えばオーストラリアは、先般アボット首相が来日されまして、首脳会談そしてまたNSCの中に入っていただき、様々な意見、あるいは考え方の交換をさせていただきました。今後とも防衛当局間では、日豪の関係は大変重要だと思っています。そういうことについて、しっかり議論ができればと思っております。また、もう一カ国につきましては、今私どもとして、国際緊急援助で現在も今日も捜索活動を行っておりますので、そういうことに対しての意見交換、これは大変大切なことだと思っております。

Q:日米首脳会談の関係で一閣僚として伺いたいのですけれども、TPPの交渉が難航して全体的な共同文書がまだ発表されていないと思います。それについて安全保障分野では結構満額回答だというか、全体的に日本の主張が取り入れられているという見方も強いわけですけれども、その共同文書が出ていないことについて、どのようにお考えでいらっしゃいますか。

A:今まだ大統領が日本にいらっしゃいますので、いずれにしても外務省を中心に最終的な詰めを共同文書については行っていると承知をしております。また、TPPについては、これは大変難しい交渉事の案件でありますので、今後ともそれぞれの当局間が議論をして、納得いく形で一定の成果が出ることを、これは閣僚の一人として期待をしたいと思っています。

Q:大臣冒頭で、日米首脳会談で普天間の5年以内運用停止の負担軽減にも意味があるとおっしゃっていました。一方、大臣は国会などで沖縄の負担軽減は仲井眞知事からの要望なので、要望の意味するところについては政府の立場で答えるのは適当では無いと何回も強調されております。これは運用停止の状況かというのはまだ分からないというふうにおっしゃっているのか、どういう意味の発言でしょうか。

A:これは、仲井眞知事からの発言が有り、それに向けて政府としてできることを全て行うというのが安倍総理のご発言であります。わたしもそれと同じ発言を繰り返しさせていただいております。今回の日米首脳会談の中でも安倍総理の方から仲井眞知事の発言についての紹介があり、それに対して米側から日本と同じスタンスで日本に協力していきたいということの発言があったと承知しておりますので、これからもそのような日米共に沖縄の負担軽減に努力をしていきたいと思っております。

Q:目標、定義がはっきりしないと目指すにも目指せないと思うのですけれども、その辺は検討チームに明確にしたり指示をしたり、確認をしたりという作業をされているのでしょうか。

A:これは仲井眞知事のご発言ということで、私どもその発言を受け止めているということであります。ちょっと詳細がどうなっているかということについて、それはあくまで現時点において仲井眞知事のご発言ということを受け止めるということだと思います。

Q:グアム改定議定書が国会で認定されたと思うのですけれども、グアムの米側のアセスも完了して、今後上院へのマスタープラン提出とかの動きが出てくると思うのですけれども、日本政府としてはグアム移転に関連して米国に対してどういったことを今後求めていくのでしょうか。

A:これは、嘉手納飛行場以南の土地の返還を含めて沖縄の負担軽減の中でグアム移転が速やかに進むことは重要だと思っております。私どもとしては、今回、マスタープランを含めて前進があったことは歓迎する内容だと思っております。今後とも米側に少しでも早くグアムへの移設が進むように努力をしていただきたいとお願いしたいと思っております。

以上


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