大臣会見概要

平成25年7月26日(11時21分〜11時43分)

1 発表事項

 今年1月の閣議で現防衛大綱を見直す旨の決定がなされて以来、防衛省内に副大臣を長とします「防衛力の在り方検討のための委員会」を設置いたしまして、これまで22回にわたる検討を行ってまいりました。この程、論点が整理され、一定の取りまとめができましたので、先ほど防衛会議を開催し、報告を受けたということであります。報告の内容として、まず今回の検討の最大の特色である統合運用を踏まえた能力評価を実施し、その検証を踏まえて警戒監視能力、あるいは水陸両用機能、そして統合輸送力、そして弾道ミサイル対処対応などの総合的な能力の向上、このようなことから今後重視すべき自衛隊の体制の方向性を導き出したという点であります。それに加えまして、現大綱以降、新たな国内外の情勢、例えば日米同盟の新たな深化、そしてまた、国際的な安全保障環境の変化、サイバー、情報といった新しい分野の安全保障問題、人事教育、装備政策・研究開発、このような部分に関しても議論を行い、本報告によって検討の方向性が出されたということであります。私からは防衛会議におきまして、中間報告において提示された論点を引き続き検討しまして逐次報告すること、そして、防衛力の能力評価の作業については、早急に結論を得るように指示をいたしました。今後、本格化します防衛大綱の見直しに向けまして、政府全体の検討に資するよう、引き続き防衛省としても努力をしていきたい、そのように思っております。なお、今日の中間取りまとめに関しましては、江渡副大臣が明日から訪米をいたします。その際に米国の国防省、国務省、そして議会関係者等に説明をいたしますし、私も来週、ヨーロッパに行きますので、その際には欧州安全保障協力機構等を通じて日本の考え方を説明していきたい、そのように思っております。

2 質疑応答

Q:中間報告ですが、内容について大臣の所感を伺いたいのと、今後、防衛大綱策定をどのような形で進めていくのか、また概算要求にどういった形で反映していくのか、この3点をお願いします。

A:今回は、我が省としての防衛力の在り方の検討ということで、このような報告書を作成していただきました。内容として大変よく議論をされ、まとまって整理されていると思っております。また、この内容については今後、与党側にも提示し、また、与党側でも様々な意見があると思いますので、その意見を聞くとともに、官邸で今議論されていますNSCの議論についても今後、加味しながら最終的に防衛大綱の策定に向けて努力していきたいと思っております。概算要求のことにつきましては当然、私どもこの中間報告の中で一定の必要な能力が分かってまいりましたので、その能力の整備に向けて、まず第一歩という形で要求に盛り込まさせていただきたい、そのように思っております。

Q:今回の中間報告の中で、自民党の提言にあった敵基地攻撃能力の保有については、直接的な文言が無いのですけれども、北朝鮮のミサイル対応を念頭にこの課題も今後検討していくということでよろしいのでしょうか。

A:このような策源地に対する打撃力については、憲法上も許される範囲ということが国会でも整理をされております。私どもとしましては、基本的には専守防衛をしっかりしていくということ、そして日本が様々な脅威に晒されたときには、我が国の防衛力を使ってしっかりそれを防ぐということでありますが、例えば、累次にわたる攻撃が繰り返されるような場合、これは自衛のためにその策源地を打撃力をもって攻撃をするということは当然、安全保障を預かる私どもとしては検討すべき内容だと思っております。ただ、これに関しては、特に日米同盟の中で今までも役割分担をしてまいりましたので、今後もやはり政府内、そしてまた日米間での議論が必要だと思っております。

Q:今の打撃力に関してなのですけれども、大臣が現時点で想定している打撃力に関する具体的な装備について、何かご所見があるのかということと、この打撃力についての検討をいつ頃までに結論を出したいというお考えなのかお聞かせ下さい。

A:打撃力の具体的な装備については、これはまずどのような能力を持つべきかという前提から始まりますので、具体的な装備を今のところ念頭に置いているわけではありません。ただ、いずれにしても、この議論というのは大変大きな議論になりますので、我が国がこの打撃力を持つことについては、まず能力の評価、そして周辺国、特に北朝鮮に対しての脅威の問題、そして日米同盟に対しての議論、そして周辺国にしっかりとした理解を得る、こういう様々な努力があっての能力構築だと思っておりますので、一つ一つそのようなことを検討する必要があると思っております。

Q:基本的なところなのですけれども、敵基地攻撃能力についてなのですけれども、専守防衛の概念との整理をどのようにつけられているのかという点と、先制攻撃との線引きについてご説明下さい。

A:私どもとしましては、専守防衛の基本姿勢は何ら変わっておりません。あくまでも我が国に攻撃があった場合、どのような形でしっかりとした防衛態勢がとれるか、そのいくつかの検討項目の中で今言った策源地に対しての打撃力という議論が出てくる内容だと思っています。現在の防衛態勢の中では、日本が言ってみれば防衛力に関しては盾の役割、そして策源地に対しての打撃力は、日米同盟の中の米国の役割ということで今まで整理がついておりますが、今後様々な安全保障環境の変化の中でこれは日米も含めた幅広い議論が必要だと思っております。先制攻撃ということは、これはもちろん私どもとしては想定しておりません。あくまでも我が国に対して明確な攻撃が行われる、そのような状態、すでに我が国に対して脅威となりうる事態が起きている、それをもって初めて私どもとしては策源地に対しての打撃力についての検討を行うということであります。

Q:米国との議論が今後必要になるということなのですけれども、今の時点ではどの位進んでいるのか、それと日本側としてはどういう話をしていきたいのか、お考えを聞かせて下さい。

A:日米間では、それぞれガイドラインを含めた様々な議論をしている最中であります。その詳細については、差し控えさせて頂きたいと思いますが、私のほうからも日本が抱える安全保障環境の現在の状況、例えば北朝鮮に対する問題については、累次米側と会談する折には触れさせて頂いております。

Q:中間報告では海兵隊的機能の充実という内容が盛り込まれていると思うのですけれども、今後米海兵隊が持っているオスプレイを日本の自衛隊に導入するというようなお考えはあるのでしょうか。

A:まず、水陸両用の機能を持つ部隊のことでありますが、これは日本の海洋権益は世界で6番目の広い面積を持っております。そしてそこには約6,800の島があります。こういう島の防衛に関しては当然水陸両用の機能というのが今後必要だということで、今その整備については今回の中間報告の中でも触れて頂いているのだと思っております。当初から、オスプレイという名前ではなくて、いわゆるティルトローター機の研究については予算はつけております。今後、その導入については、能力評価が出た段階で考えていくことになるのだと思っています。まだ決まっているわけではありません。

Q:能力評価というのは、大体どれくらいの目途を考えているのでしょうか。

A:今まで、能力評価は陸・海・空それぞれが独自に行っていた内容だと承っております。しかし、私どもが防衛省を預かる立場になって、やはり統合運用というのが現実的な事態対処になりますので、陸・海・空を統合した形での初めての能力評価というのを今回させていただきました。その中で、明確になってきた防衛力の整備の内容を今回、防衛大綱の中に盛り込むということになると思います。そして、その能力評価ですが、最終的には防衛大綱の整備に併せて、しっかりとしていきたいと思っております。

Q:日米同盟のところに、沖縄の負担軽減の話も出ていたのですけれども、その中に、基地負担の分散という言葉があったのですが、大臣としてはどのようなものを沖縄からの基地負担分散という形で考えているのでしょうか。

A:日米の合意でも例えば、普天間飛行場の辺野古への移設というのは合意の中にありますが、他にも本土、岩国も含めたところへの分散移転というのも、その中に合意として入っていると思います。また、今後訓練移転についても本土でしっかりとできるような協議を、今、米側と鋭意行っていますので、そういう全体のことを踏まえて、そのような中間報告になったと理解をしております。

Q:この報告の中で、中国が何回か出てきまして、その中で例えば無人偵察機の導入であるとか、あるいは海兵隊的機能の強化であるとか、これはすべて中国、あるいは島を巡る情勢を意識しての内容でしょうか。

A:特に特定の国を意識して考えているわけではありません。先ほどもお話ししましたが、日本は6,800の島を抱え、そしてまた海洋の権益では世界で6番目という広いエリアになります。ここの警戒監視に関しては、例えば、現在行っている有人の偵察機等では、乗員を含めた負担が今後ともかかることが想定されます。そういう中で、無人の偵察ということも検討の中の一つであるということで、今回の中間報告が出てきているものと思います。特定の国を想定したわけではないということです。

Q:現在の防衛大綱では、大規模災害についてはほとんど触れていないのですけれども、今回の中間報告では、首都直下や南海トラフと具体的な名前に触れた上で、輸送力だとか米軍との連携について指摘しているのですけれども、それがどういう問題意識によるものか教えて下さい。

A:一昨年の3.11東日本大震災において、防衛省・自衛隊が果たした役割というのは、国民に広く信頼の醸成も含めて、新たな能力として要求されるものだと思っております。また、私自身も被災地出身の一人として、防衛省・自衛隊に、やはり国民の生命と財産を守るという中で、大規模災害に対しての役割、これも担っていただきたいという思いもあります。そしてまた、東日本大震災の後に、首都直下型、あるいは南海トラフといった新たな災害が近々起こるかもしれないという、そのような予測も出されております。こういう中で、防衛省・自衛隊の役割として、この災害に対する任務というのも大変重要だと今回の中間報告では位置付けているのだと思っております。

Q:昨夜、中国の艦船5隻が沖縄本島と宮古島の間を通過して、太平洋から東シナ海に通過したのですけれども、北海道を含めた日本列島を中国の艦艇が行き来するのは初めてのことだと思うのですけれども、今回の事態について、大臣はどのように評価しているのかということと、今後の警戒監視態勢についてどのようにお考えでしょうか。

A: 公海上を航行されたということで、これは特に国際的なルールに違反している話ではありません。ただ、このような海域を中国の戦闘艦船が航行するというのは初めてのことでもありますので、注目をしているというくらいに止めておきたいと思います。

Q:中間報告ですけれども、我が国の防衛の要は我が国自身の防衛努力であるという記述があったのですけれども、この意味するところなのですが、米国のプレゼンスの低下など長期的に見越して、我が国独自の防衛力をさらに強化していくという、そういった意味でお考えなのでしょうか。

A:どこの国も、自国の防衛はまず一義的に自国で行うというのが前提だと思います。そしてさらに同盟国、あるいは近隣諸国と安全保障環境を築き上げていくというのが、一番幾重にも渡った安全保障環境だと思います。言ってみれば当然のことを当然に書いたわけなので、従前から考え方に何か大きく変更したというわけではありません。あくまでも私どもとしては、自ら守るための防衛能力を装備し、そして同盟国としっかりとした関係を結び、近隣諸国と友好関係を作っていく、このスタンスは変わっているわけではありません。

Q:中国が早期警戒衛星の開発を急いでいることが明らかになったという報道が2日前、水曜日にありました。これに関して、防衛省の認識、受け止めなどをお伺いできますでしょうか。

A:報道については承知をしておりますが、これはそれぞれの国がそれぞれの防衛力整備を行っている内容でありますし、また私どもとして特に評価をするような事案でもないと思いますので、報道については承知をしているということであります。

Q:今現在の防衛大綱を民主党が作って、自民党政権で今の防衛大綱を変えたいというお考えはどうしてなのでしょうか。それと、どういうところを踏まえて日本の戦略がどういうふうに変わるのでしょうか。

A:民主党政権というか、前回作られた防衛大綱は22年の防衛大綱ということになります。平成22年以降、起きている事案は、例えば北朝鮮のミサイル能力が大変強化されている、そして、今年2月にも3度目の核実験がありました。また、例えば周辺国との海洋をめぐる緊張関係があったり、それからさらに大きな課題は宇宙・サイバーという新たな脅威が出てまいりました。そして何より、東日本大震災がその後に起きて、防衛省・自衛隊が災害に対してもしっかりとした役割を果たして欲しいという要請も出てまいりました。こういう、ここ数年でかなり安全保障環境、そして私ども防衛省・自衛隊に対しての国民の期待が変わってきているということがありますので、今回見直しということに当たらせていただいていると思っています。

Q:日米の役割の話もされたのですけれども、これから日本の役割はどういうふうに変わりますか。

A:日本は日本の安全保障をしっかり守っていくということですが、私どもは、これは米側とも共通していますが、日米同盟はこの東アジアの安全保障の公共財だと思っています。この役割は相変わらず変わらないと思いますし、米側に確認をする中で、例えば、米軍のリバランスの中で、この東アジアを重視するという姿勢も実際発言されておりますので、そういう意味で日米同盟の重要さは従前と変わらないと思っております。

Q:日本がこれ以上できるところはどこですか。例えば、今まで米軍がやっていたところで日本がこれからできるところが、例えばどういうとこでしょうか。

A:米軍がやっていることを私どもが肩代わりするとか、そういう議論ではなくて、日米のどういう協力ができるか、そういう大きな意味での議論というのを、今、日米ガイドラインの見直しという議論で、数年かけてやるということは合意をしております。

Q:武器輸出三原則が今の現状に即しているのかということの検証を始めるということが中間報告に書いてあるのですけれども、大臣から見て、今の武器輸出三原則、あるいは民主党政権下で作った海外移転の新基準というものを、どういうふうにご覧になっているのでしょうか。国際共同開発というのが進んでいる中で、どういうふうなお考えをお持ちでしょうか。

A:防衛力整備、様々な装備については、高度化をし、そして国際運用がかなり定着化しています。そういう中で、民主党政権下でも武器輸出三原則について一定の見直しをしていただいたというのが評価できる点だと思います。ただ、更に今回、例えばF−35の導入にあたっての新しいALGSというシステムに関しては、更に官房長官談話でそのことについて政府としての方針を示させていただいております。全般として、このようないわゆる「武器」という考え方、あるいは「新しい装備」という考え方、これが国際化する中で、今の三原則等について、どのような考え方をすべきかというのが、もちろん政府全体で議論される内容だと思いますが、現場を預かる防衛省としても一定の考え方、これを今後も検討していきたいと思っています。

Q:先制攻撃の定義なのですけれども、例えば、相手国が弾道ミサイルを発射しようと準備しているときに、例えばローンチ・カートに載ったら自衛権が発するのか、あるいはこれが発射するという会話をキャッチした時点でもう自衛力が発生するのか。

A:まず、先制攻撃という言葉は私どもは使っておりません。基本的には、策源地に対する打撃力という言葉です。日本は専守防衛ですので、先制ということはあり得ないと思います。そしてどのような事態になったら、これは明白に我が国に対しての攻撃かという判断は、あくまでも私どもの中での判断ということになりますし、こういう内容については、表に言えば相手はここまでやっているということになりますので、そこは差し控えさせていただきたいと思いますが、基本的にはあくまでも私どもは専守防衛の国でありますので、我が国に対してこれは急迫不正のどうしても避けられない、そして他に対抗手段がない、そのような事態にあった場合に初めて我が国の攻撃力を使えるという国ということは、改めて理解していただきたいと思っています。

以上


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