大臣臨時会見概要

平成25年6月2日(11時32分〜11時45分)

1 発表事項

 それではまず、ただいま終わりましたフランスのル・ドリアン防衛大臣との会談についてお話をいたします。ただいま、日仏間、特に今週オランド大統領が日本に来られ、首脳会談を行うということでありますので、その機会を受けて、日仏で様々懸念になっている事柄について話し合いを行いました。特に日本からは、フランスからの武器輸出、ロシアへのミストラル級の輸出の問題、そしてヘリコプターの着艦技術装置の中国への輸出、この2つについて懸念を表明し、日本側の考え方をフランス側にお伝えしました。その後、安全保障環境についての議論を行い、特に北朝鮮についてはその制裁を国際的に強化することでお互いに一致をいたしました。

2 質疑応答

Q:フランスの武器輸出についての懸念ですけれども、ロシアと中国ということですけれども、具体的に大臣はどういうお言葉で言われたのでしょうか。

A:例えば、ロシアに対してのミストラル級、これは強襲揚陸艦ということになりますが、これは極東に配備されるということを聞いておりますので、この地域の軍事バランスを崩すのではないかという我が国からの懸念、それからヘリコプターの着艦拘束装置、これは荒天においても、天気が悪いときでもヘリコプターが船に着艦するときに非常に有効な装置でありますが、これが中国側に輸出をされ、中国の例えば海監あるいは中国の艦船に装置として付けられた場合、私どもが今、緊張感にあります東シナ海において、またその緊張が高まるのではないかという懸念をフランス側に伝えさせていただきました。

Q:それに対してフランス側としてはどういったお言葉で返事があったのでしょうか。

A:はじめにこの2つのことについて懸念があるという中で、フランス側としては、「これは私たちの分類では、直接武器に当たるものではなく、輸送艦であり、あるいはヘリコプターに付随するような装置である」というような説明をされましたので、私の方から改めて「この揚陸艦が配備されるのは、極東が想定される。これは極東にある様々な国にとっては脅威となるのではないか」ということ、それから特に中国へのヘリコプターの着艦装置については、これは最近中国機が領空侵犯を行っている、あるいは今、東シナ海で緊張関係があり、中国の海監等に設置された場合の懸念を改めて伝えさせていただきました。

Q:フランス側から理解というのは得られたというふうには言えるのでしょうか。

A:これはあくまでも私どもとして、今回懸念を伝えたということですから、フランス政府としてその懸念をどう受け止めるかということだと思います。ただ、この懸念以外については、会議は全般に友好的に行われましたし、特に今回のオランド大統領の日本への訪問については、フランス側もかなり高い期待を持って新しい2国間の構築にこれは前進するものだというそのような意味合いを持った会談だと思っております。

Q:フランスの防衛装備品の共同開発などにも関心を持っていると思うのですけれども、そういったお話は今日は出たのでしょうか。

A:共同開発について、特に日本の技術にかなり関心を持っている中でお話がありました。私たちの方からも「当然これは首脳間で議論される課題の一つでもあると思いますので、そこでしっかりとした話ができるように事務レベルで今積み上げているところです」というお話をさせていただきました。

Q:先方の方からは、前向きな話が今日も出たということ。

A:どちらかというと、フランス側の方からむしろ防衛装備品を含めた防衛協力については積極的な申し出だと思います。今日の会談自体もフランス側の要請によって行われたものであります。

Q:そうするとオランド大統領と安倍首相との首脳会談の場で、その中の装備品に関しての合意事項というのはできあがるということでしょうか。

A:今回その合意事項というところで明確な形になるかどうかは私どももまだ分かりませんが、いずれにしても、そのようなお互いの発言はあるのだと思いますし、基本的な考え方としては、齟齬が無いのではないかと思っています。

Q:今回、演説でも集団的安全保障と集団的自衛権の議論について大臣は演説されましたけれども、フランス側に対しては、今の国内のそういった情勢をお伝えしたことはあるのでしょうか。フランスの国防相との会談で。

A:昨日の昼食会、これはクローズの中で、当然フランスの大臣も出席の中で、様々な議論をすることができました。その中で私の方に、この集団的自衛権の問題や憲法の問題についての質問がありましたので、私の方からは「日本にとって憲法の改正の議論が今行われていることは事実です。だた、安倍総理もおっしゃっているように、国民的な議論が大変重要だ。そのような手順を踏まえて行うということなので、すぐにとか、そういう印象では私はないと思います」というお話をいたしました。それからもう一点、9条について尋ねられましたので、「私どもとしては、9条の平和憲法というのは大変重要だと思っている。ただ、2項に『武力を保持せず』ということがある。」これは私、防衛大臣として、「武力と言えないとは誰も恐らく理解してくれない。このような違和感のある内容については、国民の中にもしっかり自衛のための防衛力は必要ではないかという議論もたくさん出ております」ということは、説明をさせていただきました。あくまでも、昼食会の中での議論ということであります。

Q:沖縄の普天間の関係なのですけれども、名護漁協が、「自民党が参院選の公約で辺野古移設を明記しなければ、出された同意書の撤回も辞さない」という構えを見せていることについて、大臣のお考えをお聞かせ下さい。

A:正式に私どもは、名護漁協からそのようなお話を受けたというふうには報告を受けておりません。

Q:今回のシンガポールの外遊を振り返ってもらう形になるのですけれども、昨日のスピーチで歴史認識に関して発言されて、各国からの評判、受け止めが良かったと思うのですけれども、今回の昼食会、夕食会などでそういった他国の方と話されて、どういう評判、受け止めがあったのか、感じたことをお聞かせください。

A:昨日の大統領主催の夕食会では、私はメインテーブル、大統領の隣の席を用意され、そして各国の代表が私の席に来て昨日のスピーチについて高い評価をして、握手をして帰っていくというのが十数人以上ありましたので、日本のやはり今のスタンス、これは強い日本を目指していくのだが、それは決して軍事的に強くなるとかそういうことではなく、経済的に強くなり、そして、それがアジア諸国に対してプラスに働く、そのような日本のスタンスです、安倍政権のスタンスですということを好意的に受け止めていただいた表れではないかと思いました。大統領の夕食会だけではなくその前の昼食会も、それから様々な機会でも、会う度に多くの皆さんからスピーチについて歓迎する発言がありました。私としても大変意外な受け止められ方のような印象を持っております。

Q:それに関連して、韓国から何か発言がありましたでしょうか。

A:特に歴史認識のことで直接の言及はありませんが、日米韓の会談の最後に締めくくりをそれぞれ各国の代表がお話しをする中で、韓国の国防大臣から「日韓間に関して、2国間の会談をする以上に今回は何度もお話しができ、そして、より理解が深まったと思う」という発言が韓国のキム大臣の方からありました。2国間には様々な乗り越えなければいけない課題はありますが、私どもとしてはこのような信頼を一つ一つ積み上げていくことが大切なことだと思っておりますし、それが最終的に昨日発表させていただいた日米韓の合意文書になったのではないかと思っております。

以上


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