大臣会見概要

平成24年12月21日(10時41分〜11時12分)

1 発表事項

 本日の閣議において、ハイチに出している、いわゆるハイチ国際平和協力業務に係る派遣期間の延長が決まりました。これは、先般ハリケーンの影響によって、本来であれば来年1月末に部隊の撤収が完了する予定であったわけですが、これが困難となったことを受け、来年3月31日まで2か月間、派遣期間を延長するものです。また、ハイチ安定化ミッションに対する物資の協力についても、本日の閣議で決定されました。譲与の対象は、ハイチから撤収する自衛隊のプレハブ式建物等であり、所要の手続を経た後に、速やかに安定化ミッションに引き渡される予定です。一方、ハイチ政府の要請に基づいて、自衛隊の施設機材についても譲与してほしいと。この問題については現在、外務省がハイチ政府との間で最終的な調整を行っているというところでございます。これが本日の閣議で決まったことです。

2 質疑応答

Q:情勢判断に、撤収の判断に至った判断で、政権が間もなく交代しようとしている中で判断となったわけですが、そのことは判断に影響はあったのでしょうか。

A:シリア情勢は絶えず今の政府の元で現地の情勢の評価・分析を続けていて、関係府省などと緊密に何度も何度も協議をして、情勢の好転を期待しつつ何とかこの活動を続けられないかと思って、今まで模索してきたわけですが、情勢が悪化するばかりで、これ以上置いておくということにしても、今、申し上げたように要員の安全を確保しつつ、かつ我が方がUNDOFに出している本来の目的を達成するような意味のある活動を続けられそうにないと判断して、撤収をしようとしたわけです。これはもちろん日本だけで簡単に決められるという問題ではなく、国連全体の活動に関わる問題なので、国連本部を通じて、国連の本体並びに現地UNDOF司令官の意向、周辺国の大使館のいろいろな意見、調整に時間がかかりました。もちろん、これはご承知のとおり日本政府では防衛省だけでやっているのではなく、内閣で主管をしている業務なので、内閣府にお願いをして国内においても調整を続けてきたわけで、結局現地の調整を見ながら関係省庁と調整をして、今のような時期になったわけです。しかしながら今のご質問のように、なぜこの政権で最後にこういう決断をしたのかという疑問が多分出るでしょうけれども、この問題については、したがって自公両方にきちんと然るべきルート、チャンネルを使って説明をし、了解をきちんといただいて今日の安全保障会議、閣議で決めたというわけであり、今の移行期の政権で我々が恣意的にというか、勝手にこの決断をしたというわけではありません。この点については非常に丁寧に自民党だけではなくて公明党、両党にも説明をして、きちんと了解をいただいて決断をしたということでございます。

Q:調整を始めたのはいつ頃でしょう。

A:調整というのは、現地のシリア情勢の分析・評価というのは、これは事態、つまりシリア情勢がどんどんと悪くなってきた今年の夏ぐらいから、ずっと分析・評価を続けていましたが、その間、各省、これは細かくは申し上げられませんけれども、日本の国内においても、あるいはいろいろな見方、考え方があって、それを全体として調整するには相当時間と労力を要したということだけは申し上げられると思います。

Q:今回の撤収判断をするに至って、オーストリアの被弾とか、その撤収判断をするという大きなきっかけというか、重要な出来事、事案だったというのはどういうところなのでしょうか。判断に一番影響を与えた。

A:一つだけではありませんで、いくつも事例があるのですけれども、そういうふうに敢えて聞かれれば、やはりダマスカス周辺の治安が悪くなって、我が方は輸送任務を持っているわけですから、シリアの中で自由に輸送業務ができにくくなってきたということが、一番この情勢判断をするきっかけになったということは言えると思います。

Q:先ほど国際的にもこの活動は高い評価を受けるとおっしゃいましたけれども、この16年余りにわたる活動はおそらく自衛隊の海外派遣活動の中で最も長いものになると思うのですが、総括してどのような意義があったかということをもう一度お願いできますか。

A:ご承知のとおり日本はゴラン高原に相当早くからPKOに部隊を送ってきたわけですが、これは日本の広い意味での中東外交、どのように中東の和平、中東の平和と安定のために日本が必要な貢献ができるのかという、日本の中東外交のコンテキストで一番最初の決断をしたわけです。もちろんそれだけではなくて、日本のPKO活動の中できちんと停戦合意ができていて、少なくとも日本が行う輸送業務というのが、現地のUNDOFという全体で1000人以上の部隊にとって大変重要な役割を果たすことになるという目的と、我が方が出している意味合いというものの費用対効果を考えた場合に、このUNDOFに出している部隊の輸送業務というのは、大変UNDOF全体の、ひいては中東における平和と安定のために大変意義のある活動だということを総合的に評価して出して、シリア情勢が安定している間はUNDOFでの日本の活動は、大変UNDOF全体にとって重要な役割を果たしてきたわけです。シリア情勢がこういう状態になってしまうということはもちろん当時は必ずしも予期していませんでした。「アラブの春」と称する現象が、ちょうど今から2年前に起きて急速に中東が情勢変化をきたして、シリアの中も政府側と反政府側が部分的に言えば戦闘するという状態になり、徐々にUNDOFを取り巻く一般的な環境が悪くなってきて、UNDOF全体が果たす本来の役割というのが、徐々に制約要因を受けてくるということになったので、我が方として、我が方が出している役割と任務、それからそれによって我が方が受けるリスク、つまりコストとリスクとトータルで考えて、この活動をどうするかということを、ずっと政府内で議論をしてきたわけです。その結果としての決断だというふうに理解していただければと思います。

Q:今回、UNDOFの撤収は日本だけですか。UNDOF自体の活動への影響はどういうふうに。

A:その他の国については、その他の国それぞれに意図があるので、細かくそれぞれの国が何を今検討しているかということを申し上げるのはあまり適切ではないと思いますが、ご承知のとおり、これは日本で言うPKO法の下でのPKO5原則を適用して、この条件が当てはまるから撤収したというのではなくて、どちらかというと我が方が現地の情勢を見て、先ほど申し上げたように、要員の安全を最優先しながら安全を確保しつつ意義のある活動を行うことが大変難しいという我が国独自の判断に基づいて、撤収を決断したということでございます。

Q:シリア情勢が悪化する中で、自衛隊の部隊が危険を感じるような場面というのはあったのでしょうか。

A:シリア情勢の中で、UNDOFがどういうオペレーションを個々に毎日して、どういうリスクがあったかということは、これは現に今いるUNDOFに残るUNDOFの部隊の安全にも関わる問題なので、細かく申し上げられません。

Q:シリアの情勢がまた好転した場合には、再度派遣を検討するのでしょうか。

A:シリア情勢がどうなるかというのは、まだ我々として見通しがつかないところですが、仮定の問題として、シリア情勢が好転するとはどういうことを意味するかというのは私にはよく分からないのですが、具体的にはなかなか政府側と反政府側がどこかできちんと妥協して平和的な情勢に戻るというのには、相当な努力とあるいは極めて思い切った情勢の変化というものをもたらす政治的妥協というのが必要になると思いますので、私は外交面から考えて、今のシリア情勢がそのようになるとはなかなか見通しにくいとことですが、仮に理論上今おっしゃったようなことが起きて、再び停戦合意を監視するためにもう一度各国に要請が行われるということになった場合は、日本として現地のシリア情勢を再度評価・分析して、そのときにPKO活動に再びどういう任務をもってどういう規模で入るかというのは、またプロセスを経て判断されるべきものと思います。

Q:今回、UNDOFから撤退することで、国際社会、特に国連でのプレゼンスについて、どういう影響があるとお考えでしょうか。

A:さっき申し上げたように、我が方には我が方のPKO活動に関する基本的な価値判断基準というのがあって、撤収するに際しては、広く国際社会、特に国連の理解と協力が必要だと考えたので、先ほど説明しましたが、かなりの時間とプロセスを経て、国連本部のみならず現地のUNDOFそのものの司令部、司令部の指揮官、その他と長い時間をかけて理解を得て協力をしていただいて、日本が撤収するというプロセスを経るに至ったわけで、はっきり申し上げると、UNDOFそのものは日本が今まで16年以上17年間近く行ってきた活動を、大変高く評価しつつも、現地の情勢がどんどんと悪化しているという状況を見ながら、日本が日本国として決断したことを重く受け止めて理解をしていただいたということであって、我々は我々だけの判断でこの行動をやろうとしたのではなく、広く国連を含め国際社会に随分と説明して理解していただいて、今回の手続きを取ったわけです。したがって、さっきから繰り返して申し上げますけれども、大変な時間と努力を要する作業であったということは理解していただきたいと思います。

Q:PKO活動は、南スーダンだけになるかと思うのですけど、今後のPKO活動に関してどのような考えをお持ちでしょうか。

A:PKO活動というのが、我が国にとって国際平和協力の重要な手段であるということには違いなく、まず、基本的にPKOというのは、要請されて出すものですから、要請に基づいてどのようなPKO活動にどのような規模の要員を何の目的で出すのかということを、国連と協議をしながら決めるというプロセスを今まで経てきたところです。ハイチも、近くすべての要員が撤収を完了し、今回UNDOFも来月しかるべき時期に撤収を完了し、あとは南スーダンであります。PKOではないですけど、もう一つ海賊活動にソマリア沖アデン湾に約600名くらい出しております。この種のいわゆる広い意味での国際平和協力というのは、日本は日本国として、世界の枢要な国の国際平和協力というのを進めていくということは、これは非常に必要だろうと思います。その場合、今申し上げたように、原則はあくまでそういうPKOが、所要がまずあるということがあって、その所要に応じて、参加協力の要請があって、それから我が方は必要ないろいろな評価分析を行い協議も行い、必要に応じて調査団も出し、決断をしていくというプロセスを今まで取ってきて、このプロセスには変わりはないと思います。今のところ、私は「PKO活動に今すぐ出てください」という要請を受けているとは承知しておりません。一方、今までのPKOの活動の中で、PKOそのものの在り方については、常続不断に法的な在り方について見直しが行われてきたことはご承知のとおりであり、これは次の政権になったら引き続きこの作業が継続されるのではないかと私は推測しています。

Q:PKO関連とは別の質問なのですが、大臣の就任時に重要な課題として日米同盟の深化・強化と並んで、普天間問題の解決というのを掲げていたと思うのですが、現に就任期間中、まだ少し残ってはいますが、あまり目に見える前進というのは、普天間に関してはなかったと考えているのですけど、その要因というか、何が一番問題になっていたのか、信頼関係構築の上で何が支障になっていたのかという点と、今度自民党政権で引き継いでいくわけですが、その新政権に対する期待する部分なり注文等あれば教えてください。

A:大臣の就任当初から、私は総理の指示というのを受けて、この指示に基づいて、自分なりに職務上の優先課題を決めて職務に取り組んできましたが、皆さんにご説明したとおり、とりわけ普天間問題と日米同盟の深化、特に日米防衛協力のガイドラインというこの二つの大きなテーマに一定の方向付けをするということを、自分の職務上の大きなテーマとして取り組んできました。後者については、日米間で合意ができて事務的にも進展しており、これは次の政権に間違いなく引き継がれて、このガイドラインの作業が進んでいくものと考えています。普天間問題は、職務上の重要なテーマであると同時に、私にとってもライフワーク的な仕事の一つであり、これに正面から取り組んできましたが、もう皆様に申し上げる必要はないと思うぐらい明らかなことは、この普天間問題そのものを進める際、オスプレイという問題が今年の春から起きて、これが無事に普天間の中に動いて、飛行運用されるまでの3か月間、相当この問題に専ら取り組んできたために、普天間問題の進展がその分だけ停滞をしたということは、後から振り返るとそういう結果ではなかったのかなと思います。その後、政府はオスプレイだけの問題で普天間問題がなかなか進まないという問題を、できるだけトータルな問題として解決をするために、一大臣、一役所だけではなく、関係閣僚全体として普天間問題に取り組むという枠組みを作って、5関係閣僚と知事、関係市長との協議を始めたことは、ご承知のとおりであります。これがもし、政治に「仮に」という話はありませんけれども、仮にこれが順調に進んでいれば、来年度予算を編成するにあたり、いろいろな問題が少し進むということも期待できた可能性があると思いますが、政治の現実は必ずしもそうならなかったわけで、そういう意味でこの普天間問題というのは、私にとっては道半ばという感じで次の政権にお譲りするということになりそうです。しかし問題の解決は、日米間で何度も合意しているわけで、これを新しい政権は、沖縄との関係においてどのように進めていくかということを、恐らく過去3年半にわたる民主党が行ってきたことをもう一度レビューをして、与党政権としての普天間問題への取組方というのを自ら方針を決めて取り組まれるということになるのではないかと考えています。

Q:大臣は民間人から防衛大臣になられたということで、政治家ではない防衛大臣であられましたけれども、実際、専門家から防衛大臣になられて施策を進めたことのメリット、デメリットというのはどのようにお感じになられたかというところと、実際、例えばこのゴランもそうですし、普天間のアセスの関係もそうですけれども、総選挙の後に重要政策を進めたことに議会制民主主義の観点からはどのようにお考えを整理つけられているのかということを。

A:最初のご質問は、非常に私の個人的な主観を述べることになるので、国務大臣としての客観的なコメントとは少しほど遠いものですが、やはり専門家が閣僚になった場合のメリット、デメリットというのは明らかにあって、メリットというのはなかなか難しいのですが、割合自由に今までの政府の基本的な物の考え方の縛りを受けないで発想して物事を考えていくということができ、その自由な発想を政策の中に持ち込むということができる幅というのが、恐らく政治家の方より少し広いのではないかと思います。それがどれだけ自分にとって、政策上の幅を広めたかというのは、これは全く主観的な問題で、客観的に外から見ておられた人が評価すべき問題だと思います。他方、欠陥というのは何かというと、やはり政治家でないということから来るマイナス部分というのは明らかにあって、なかなか政党への根回しだとか、あるいは地元とのいろいろな調整というもの、日本社会の中で政治家で議席を持っていない状況であるがゆえに難しさというのが常にあって、どうやって補ったかというと、もちろん政務三役である副大臣や政務官に随分と補佐してもらいましたし、役所の方々に十分補佐してもらった以外に、総理、官房長官に随分助けてもらってやってきたということで、それがなかったら恐らく自分の業務を無事に終わるということができなかったのではないかと推測します。これはしかし、私の個人的な推測で、繰り返しになるけれども、客観的な評価というものではないということはお断りしたいと思います。最後に言われたことは、何か最後に駆け込みでいろいろなことをやっているようにご質問の趣旨は受け止められたのですが、決してそうではなくて、今の政権が続いていようがいまいが、やらなければならないことというのが、こういうタイミングで来ていたわけで、先に行った環境影響評価書の補正も「できるだけ早く補正の作業を進めて努力をしろ」ということを沖縄防衛局に絶えず言って、結果としてこういうタイミングになってしまったということで、今回のUNDOFの問題も随分長い間掛かっていろいろな調査を行って、結果としてこういうタイミングになったと。したがって、先ほど申し上げたように、UNDOFだけではなくて、補正についてもこれから政権をとる次の政権側の要路にはきちんと事情を説明して、了解をもらって進めたわけで、そういう意味では次に出てくる政権から今のところ何の異論も出ていないことは、ご承知のとおりであります。

以上


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