大臣会見概要

平成24年1月13日
(10時32分〜10時58分)

1 発表事項

 先ほどの閣議において、全閣僚が辞職願に署名をしてまいりましたので、今日恐らく午後から内閣改造が行われると思っております。私が防衛大臣に就任にしたのは9月2日ですから、大変短い期間であったわけですが、皆さん方に大変いろいろとお世話になりましたことをこの場を借りて御礼申し上げたいと思っております。

2 質疑応答

Q:全閣僚が辞表を取りまとめられたということですけれども、防衛大臣としての在任4ヶ月余りを振り返られまして、感想を一言お願いできますでしょうか。

A:私、最後の日程で10日から12日までの間、モンゴル国を訪問させていただきました。最も寒い時期にモンゴルという国を訪問させていただいて、モンゴルで1945年から47年にかけて、日本の抑留者が大変厳しい環境の中で大勢の方がなくなっているわけですけれども、その慰霊碑に献花をさせていただいた折りの心境としては、大体自分の気持ちが集約されていると思っておりました。やはりこのアジア地域の平和と繁栄、それから我が国の安全を保つという重大な使命を防衛省・自衛隊が担っているわけでございますので、そういうことを改めて献花をしながら、多くの日本人の方で当時厳しい労働なり寒さなり飢餓の下で亡くなった方々に対して、そういうことを自分の心境として再確認させていただいたのと、日本という国もこれからモンゴルと友好関係をしっかりと保ちながら防衛省・自衛隊としても新しい時代にふさわしい役割をしっかりと担っていく必要があるということを再認識させられたということが、一番、つい先日ですから、印象が特に残っております。また一方で、私は沖縄問題というのは常に就任以来、皆さん方からもいろいろな質問等も受けておりましたけれども、普天間飛行場の周辺を意識的に踏査させていただいたわけでございますけれども、周辺住民の皆さん方からの直接の声というのは、なんとかして普天間飛行場の周辺の住民の皆さん方の日常生活上の厳しい危険性を除去することとか、騒音を軽減するということにもっと防衛省はしっかりと責任を持って対応できないのかという気持ちを常に持っておりました。それが十分果たせないままこういう状態になっているというのは非常に残念で仕方ないということが自分の今の心境でございます。沖縄問題というのは、私自身は、本土復帰以来ずっと沖縄の仕事を担当してきたという経緯もあり、人一倍、沖縄という県のこれからの将来に向けて大変な愛着を感じておりましたので、なんとか今回のいろいろな懸案事項、沖縄県民の皆さん方が納得できるような方向で解決したいという思いは強く思っておりましたけれども、これからまた後任の方々にそれをしっかりと対応していただきたいと思っているところでございます。あとは、4ヶ月余りだったのですが、防衛大綱の考え方に基づいてしっかりと予算を作るとか、あるいは諸々の政策を軌道に乗せるということも、私が就任してから大変重要な政策課題であると思っておりましたので、そのことは常に注意をしながら対応してきたつもりでございますし、またその間、F−X選定の問題とか、それからまた私の地元でのF−15戦闘機の燃料タンクの落下事故というこれまたあってはならないことが発生いたしました。こういうものの原因究明はもちろんでございますけれども、再発防止対策ということについて、私なりに本当に基地を抱えている周辺住民のことを考えれば、しっかりとしたものをある程度時間をかけてでもやるべきだという思いで取り組んでまいりました。そのことについても、ある程度のものが出来上がったと思っておりますし、そういうことも大変印象深い出来事でございます。また、南スーダンに対するPKO活動、自衛隊もいろいろな国々に相当な数の人が派遣されておりますけれども、また一方では、海賊対処といったようなことも含めて、国際的な平和協力活動的なものに、これからもおそらく自衛隊はしっかりとした責任を果たすべき時代だとは思いますが、皆さん方がより安全な環境の下で、しっかりとした任務を果たせるようにするためにどうするべきかということで、この南スーダンの問題も、事前調査的なものを3回ほどやらせていただきました。そういうことも大変印象深いことでございます。また、北朝鮮の金正日死去という出来事の中で、改めていろいろな情報収集とか警戒監視・危機管理について、防衛省は期待されているわけでございますから、しっかりとした責任ある対応を毎日毎日、皆さんにお願いしてまいりました。これは引き続きの懸案事項であろうと思っております。それから、当然ながら東日本大震災の復興に向けて、政府を挙げて取り組むわけですが、災害当時の10万人体制で自衛隊が臨んだということに対する評価というのは、大変高いものがあったわけでございますし、また一方では、災害を通じて、いろいろな教訓を得たことも事実です。自衛隊の第一線で現場で大変な苦しい体験の中で、ご遺体の捜索とか収容、それからいろいろな面で緊急的な対応ということで、自衛隊の皆さん方が大変ご苦労されて、精神的にも相当ストレスが溜まったようなこともお話しを聞きましたけれども、そういう面では、自衛隊の皆さん方もそういう経験を乗り越えてきたということを、逆に自信と誇りをもって頑張っていただきたいと思います。また原子力発電所の事故という、これまたあってはならない事故があったわけでございますけれども、まだまだ最終的には時間のかかる原発事故対策でございますけれども、常に自衛隊は新たなそういう分野についても、しっかりと訓練するところは訓練をして、対応できるような体制をとる必要があるというようにも思っております。また、防衛省・自衛隊としてベースに流れているのは、基本的には日米同盟の在り方だと思っております。日米同盟というものの安保条約に基づいての我が国の基本的なスタンスではありますけれども、今日米国も国家戦略を立て直すという状況でございますし、我が国もこれからの新しい時代に向けて、アジア太平洋地域の平和と安定という観点で、これまでの日米同盟の内容を点検するところはしっかりと点検して、常に問題意識をもって対応すべきであるということを強く印象に持っておりますし、防衛省としましても、在日米軍の問題も含めて、しっかりと米国側と議論する必要があるのではないかと私自身はそう思っているところでございます。そういったようなことが、これまで4ヶ月余りだったのですけれども、大変、諸々のことがまだまだ他にもあったような気がいたします。特に、直接我が省が表には出ておりませんけれども、武器輸出三原則に関わる見直しの問題とか、あるいはPKO活動における武器の携行の在り方とか、こういうこともいろいろと話題になっている事項でございますが、私は常にやはり平和国家としての理念というものを忘れないで、よその諸国からいろいろと懸念を持たれるようなことがあってはいけないと私は思いますので、やはり日本という国は国際社会のいろいろな活動においても、武器を携行しなくてもしっかりとした責任のある仕事をやってもらえる国だというふうに印象付けるということが非常に大事ではないかと私は思っております。ですから必要最小限の武器の携行の中でしっかりとした役割を担うというのが今回の南スーダンにおいてもそういう形でございますけれども、新しい流れの中でコスト削減とか技術開発、いろいろな面で装備品の性能がアップしているという中にあって、どうしていくかという観点での議論は大いにしたらいいと思いますけれども、そういう面ではこの武器の扱いということは我々防衛省にとっては常にしっかりと国民の目線で物事を考える必要があると私自身は思っております。ちょっととりとめのない話でございますけれども、大体私のこの4ヶ月半くらいの就任期間中の印象でございます。期間の割には2年間程やってきたような感じがいたします。そういう印象を持っております。

Q:就任の時から「素人の目線というものはすごく大切なんだ」ということを会見の場でも何度も仰っていたと思うのですけれども、素人だから防衛省に残せたもの、あるいは素人だからこだわったところというのは何か。

A:それは常に防衛省内部のいろいろな決裁事項等々におきましても、やはり一般の国民がこの内容について理解してもらえるかどうかという感じで私は決裁に臨んでおりました。ですからいろいろな予算の執行等々も含めて、またいろいろな装備品の問題も含めて、相当やはり装備品そのものは高価なものを扱っておりますから、常に厳しい経済環境の下で国民の皆さん方は税金を納めているわけですから、そういうことを忘れないで対応すべきだというふうに言ってきたつもりでございます。また、先程日米同盟の話もしましたけれども、対アメリカとのいろいろな折衝事も、やはり我々としては疑問に思っていることをこうすべきだということについてはしっかりと米国側に物を言えるという格好にすべきだというふうに私自身は務めてきたつもりでございます。私は今もシビリアン・コントロールというのは国民の目線でしっかりと監視していくと、専門的な知識を持った人は防衛省・自衛隊の中には沢山いらっしゃるわけです。そういう人達が十分、専門的、事実的に検討された結果を防衛大臣として国民の目線でそれを判断していくということが大変重要なことであると私自身は思っております。

Q:後任が田中直紀議員というふうに内定したと、ご本人も認めているのですけれども。

A:私は全然聞いておりません。

Q:同じ参議院のベテランとして後任に期待するところ、あるいは前任者としてアドバイスのようなことがありましたら聞きたいのですが。

A:アドバイスというそういう大袈裟なことを考えておりませんが、私はやはり先程言ったように、防衛省という役所は省に昇格してまだそんなに時間が経過していないわけでして、そういう面では防衛省という官庁が真の本当の政策官庁的にしっかりと幅広く国民の方々の信頼の中で物事がやっていけるようなそういう役所に早く成長すべきだというのは事実だと思います。それは防衛大綱なり、ひとつの方向付けがなされているわけですから、そういう中でこれからしっかりと取り組んでいただきたいと思います。特に沖縄の問題については、本当に我々がアセスメントを今提出したという状況でございますから、これからの手続きというものはある面では非常に重要であり、また、大変難しい面がたくさん残されていると思いますので、その辺りを後任の方にはしっかりと沖縄県民の目線に立った感覚で対応していただきたいと思っております。

Q:先程、素人目線の話がありましたけれども、就任時に「安全保障に関しては素人だ」という発言が、最後まで尾を引いた感があると思うのですが、これについては大臣はどのように。

A:私は、そのこと自体は、先程言いましたように、間違っているとは思っていません。ただ、非常に皆さん方の報道の中でそれがちょっと短絡的に報道されているという面はちょっと非常に残念だったのですけれども、自分は国会議員になった折から、こういった安全保障とか外交には関心を持ってやってきたつもりでございますし、感覚的には素人目線ということは当然思っておりますけれども、国民目線という感覚で取り組んできましたが、内容的には自分の考え方はそれなりに整理したものを持っているつもりでございます。

Q:大臣が仰ったように、沖縄には大変愛着を持っておられたということなんですが、これでまた大臣が代わって、また一から人間関係を作り直して、それでまた普天間問題に当たっていくということになると思うのですが、その点は、ご自身として忸怩たる思いというのは何かあるのでしょうか。

A:自分自身は、志半ば的にこの問題を最後まで責任持って対応仕切れなかったということはある面では残念な思いはしておりますけれども、しかし、民主党政権として後任の大臣が、その人なりの感覚で、沖縄の問題というのは戦後67年、あるいは本土復帰40年という長きにわたって沖縄県民の皆さん方がいろいろな面でご苦労されてきたわけですから、その気持ちをしっかりと肝に銘じて物事に対応していただく必要があるのではないかと思っております。

Q:今回、大臣、問責決議を受けて、その後、内閣改造という形になったのですが、問責を受けて退任されるということをどうお考えかということと、総理なり輿石幹事長からこの問責を受けて交代という点について何か説明等はあったでしょうか。

A:たくさんありましたけれども、そんなことはあまりここで喋るとまた問題になりますから。確かに問責ということは、ある面では一つの手続き上のことでございますけれども、大変重要な意味があると思っております。ただ、今回私が受けた問責の内容そのものは、自分としては、防衛省の政策、自衛隊のいろいろなこれからの在り方ということについて考えてみた場合に、そのことについての何か政策的に間違っていたということを責任を問われたというふうには思っておりませんので、自分自身、政治家としてちょっと不徳の致すところがあったという面では反省すべきだと思いますが、防衛省・自衛隊の皆さん方はしっかりと自信を持って取り組んでいただけるというふうに思いますし、国民の皆さん方からは「防衛省・自衛隊、しっかりしてほしい」という思いは非常にひしひしと感じておりますので、がんばってほしいと思っております。私が問責受けた後からも、受ける直前もそうだったのですが、野党の皆さん方からもある意味、変な意味ですけれどもいろいろな激励も受けておりましたので、私自身は、期間が短いという面では残念ですけれども、それなりに自分は責任を果たしてこられたというふうに思っております。

Q:報道で出ているのですが、統幕長の人事について、あと、空幕長の人事について、折木さんの後任が岩崎さんというのと、あと片岡さんの名前が挙がっているのですけれども、これについてお願いいたします。

A:人事の問題は、今ここで具体的に話をするわけにはいきませんけれども、10日付で事務次官を先頭にした人事が一部ございました。あと、制服組の幹部の人事ももうそろそろ交代すべき時期に来ているという問題意識は持っておりました。あとのことについては、これは私自身、ここで言うべき問題ではないと思います。

Q:北朝鮮のミサイル発射について、把握している範囲でお願いいたします。

A:それも一応、我々は、そういうこと(※)があったという事実関係は承知いたしております。ただ、我が国の国民に直接の危害があるような状況でもないというような状況でもありますから、それ以上具体的なことはここで説明する必要はないと思っております。

Q:特に脅威になるとか。

A:それは無いと思っております。

Q:先程の問責に関して、ご自身の「政治家として不徳の致す点はあった」ということですが、ブータンの件ですとか、95年の少女暴行事件についてであるとか、「もう少し発言を慎重にしていた方が良かったな」という反省は。

A:慎重にするというか、確かにブータンの問題はちょっと軽率だったという感じは当然しておりますし、反省いたしております。ただ、私、大臣に就任して間もないということもあって、欠席届けは早々と出していたのは事実でございますし、また、出席した同僚議員がブータンの議員連盟の役員をしていたということもあって、出席させていただきました。その他のことで言いたいことというのは、私のちょっと舌足らずな面がたくさんあったと思いますが、先ほどの「素人発言の問題」は言ったとおりでございますし、沖縄に関する問題は、私自身はいろいろなことをそれなりに承知しておりますけれども、ただ、あの質問を受けた委員会が沖縄に関係する直接の委員会ではなかったということと、そういう場であまり、「まだまだ当時の被害者が健在なこの時期に詳しく物事を喋るということ自体は差し控えたい」と、そういうふうに言えば良かったのでしょうけれども、自分自身は、ああいう場で不意打ち的に質問されたということもあったりして、「詳しいことは、知りません」というふうに答弁したことが、いろいろな面で誤解されたのかもしれません。ただ、少女暴行事件というのは、米軍基地返還運動の引き金になっている大変重大な事件であったということは、十分わかっておりますし、また、沖縄県民の怒りが、この事件の結果を受けて、大変集約されて、日米のSACO合意に繋がってきたということも事実でございます。ただしかし、その問題が、15、6年も経って、解決できていないというところも、また事実でございますから、そこはそことして、大変難しいことがあるということを、我々、政治家は知るべきであると思っております。前自民党政権時代に何をやっていたのかという感じも少しはしますけれども。

Q:「普天間問題を何とか解決したかった」と仰いましたが、沖縄側は、普天間の撤去と県外移設を切望しています。4ヶ月余り、大臣をなさっていて、沖縄を何度も訪問していますが、本当に辺野古移設が実現可能だと思いますか。辺野古移設が実現可能かと。

A:辺野古移設は、実現可能かどうかというのは、まだ、今の段階では判断できないというふうに私は思います。ただ、普天間周辺の、普天間飛行場の負担軽減と言いますか、危険性除去とか、いろいろな騒音対策とか、そういうことは、ある程度、政治家が覚悟を決めて取り組むという必要が私はあるのではないかと思いますので、そのことはもっと努力すべきだと。我々の努力も足らなかったと言えば、足らなかったわけですけれども、私自身はできるだけ地域の皆さん方の生の声を聞いた中で、少しでもできればいいと思っておりましたけれども、残念ながら、こういう状況ですから、しかし、それは後任の方にやはり、しっかりと問題意識を持って取り組んでほしいと思います。移転の問題という話は今、アセスの手続をとっている最中でございますから、それは一応、代替飛行場の環境に及ぼす影響のアセスメントでございますから、そのことで、「アセスメントが分かったから、はい直ぐ着工」ということではないですから。それは、これからまた、いろいろな地域の合意形成がしっかりとなされる中で、物事が進んでいくわけですから、それに向けての努力というのは、これまで以上の大変な努力がないと、なかなか明るい見通しというのは非常に難しいのではないかという感じは率直に今、受けておりますので、そういう状況だというふうに現在思っております。

以上

※後刻、下線部を以下のように訂正。
 我々は、そういう報道があったという事実関係は承知いたしております。


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