大臣会見概要

平成23年11月04日
(10時50分〜11時10分)

1 発表事項

 海上自衛隊が保有、運用しております砕氷艦「しらせ」が11月11日に第53次南極地域観測支援のために出発いたします。その折りに、かねてからオーストラリア・モーソン基地の沖合で、海氷を切り開いてほしいという強い要請を受けておりましたので、今回、そういう協力を併せて出発するということになりました。基本的には文部科学省で南極観測の業務を遂行するわけですけれども、我々も日本とオーストラリアの友好関係を深めていくという観点で、オーストラリア・モーソン基地の沖合の砕氷活動をしっかりと協力していきたいと思っております。

2 質疑応答

Q:南スーダンのPKOなのですが、自衛隊施設部隊を派遣する地域として想定されます首都ジュバの周辺に関して、治安は良好ということなのですが、逆に「治安が良好なだけに民間業者が活動できるのではないか。そうであれば、自衛隊を派遣する必要がそもそもないのではないか」という意見もございますが、大臣のご所見について伺います。

A:それは、かねてから私が問題意識を持っていたことでございます。この場でもお話ししたことがあると思います。ですから、わが国自衛隊が現地に入ってPKO活動として取り組む分野と、民間の力で対応できる分野というのは、当然、役割分担をしながら、我々が永久にいるわけではございませんから、それをしっかりとまた民間の方に引き継ぐということも必要なことであろうと思っております。今回、我々2回に渡って現地に調査団を派遣したという目的の中には、そういうことも含めてしっかりと確認した中で、一方ではまた、治安がある程度安定したところでないと自衛隊を派遣すること自体もおかしいわけでございますので、基本的には、新しい国造りのスタートの段階で、世界的にも注目をされている国でもありますから、その新しいミッションにしっかりとまたわが国が役割を果たしていくという姿を見せるということも、我々の今回の大綱で示しているような国際的な平和協力活動という一環の中では、大事なことではないかと思います。また、今の南スーダンの国造りの問題といった、我々サイドだけで判断するのではなくて、国連なり南スーダン政府サイドからの強い、日本の施設部隊に対する期待と要請があったということを前提に判断させていただいております。今回こういうものに派遣するということの準備を指示したという段階でございますから、実際に派遣されるタイミングはもう少しあとだと思いますが、それまでの間、いろいろな情報をキャッチして、しっかりと施設部隊が入った段階で、当初の段階でどの程度のことを取り組むのか、またその後、どの範囲でしっかりと施設部隊として活動するかということについては、具体的な実施計画的なものを詰めて参りたいと思っておりますので、今ほど問題提起のあったようなことについては、我々もしっかりと整理をして取り組んでいきたいと思っております。

Q:活動の範囲ですが、そういった状況から国連の方もジュバ以外での活動というものを望んでいると聞いておりますが、それについてはどのようにお考えでしょうか。

A:その件についても、この前の現地調査が入った段階で国連の担当の方からもそういう類の話は既に聞いてきております。しかしそういった国連サイドの意見としても、当面はジュバ周辺地域で日本の自衛隊にしっかりと対応していただきたいという要請を受けております。それ以降の事として、そういうこともお願いするかもしれないというようなことがあったと思いますけれども、我々自衛隊としては、やはり最初に乗り込んだ部隊がその地域でどういう事が可能かということを明確にする中で、しっかりと活動するわけでございます。過去のいろいろなことからすると、日本の自衛隊に対する期待感が非常に強いと思いますし、またしっかりとした仕事をすると私は思っておりますけれども、そういうものを見れば、もっと広げてほしいとかあそこもやってほしいというような期待は持たれるかもしれません。そこは事前の調査はしっかりとやりながら、なおかつ先程お話しがあったように、民間と我々自衛隊施設部隊がやる役割分担をしっかりと明確にした上で、そういう問題に対処しなければならないと思っております。

Q:ジュバで活動する当面というのは、大臣のお考えとしてはどの位の期間を考えられているのでしょうか。

A:それは向こうにまだ、先発隊が行っていないわけですから、行って実際に現地を見た上で、向こうの関係者とのいろいろな話し合いの中で、そういうものは詰めていく問題であろうと。我々がここに居て判断する問題ではないと思っております。

Q:野田総理がカンヌでG20の全体会合の中で、消費税10%増税を決めた法案提出について言及がありまして、「今年度中に法案提出して、その後に信を問うというやり方が良い」という、いわゆる解散総選挙の時期についても言及したのですが、これについての大臣の受け止めをお願いいたします。

A:消費税の扱いも含めた税と社会保障の一体改革的な問題は、民主党の中でずっと議論してきている問題で、一つの方向としては、2010年代半ば頃をメドに消費税の問題をある程度引き上げるということを前提に議論するということで合意していると思います。ただ、それを実際に引き上げるかどうかも含めて国民の信を問うた中で判断するということになっておりますから、今現時点でそういう発言をされるというのは私はごく自然なことだと思います。具体的に何年度から何%どうのこうのということはまだ仰ってないと思います。だから政治家としては、国のリーダーとしては、しっかりと「国民に対してそういう姿勢で臨みたい」ということだろうと思いますから私は別に異論はございません。ただ、消費税の問題以前に、いろいろなところでその当時も議論されましたけれども、基本的には無駄使いを排除すると。今の税収の中で最大限どこまでできるかという中でしっかりと余分なものを点検していくということはこの内閣の基本的な姿勢があります。当然、歳出の見直し的なことも含めてしっかりと取り組むとうことは大前提にあると思っております。

Q:関連ですが、野党側は「法案成立の前に信を問うべきではないか」という声も一部では出ているのですが、解散総選挙の時期についてどうあるべきだとお考えでしょうか。

A:私は総理大臣ではないから何とも言えませんが、今の任期は、衆・参共に2年弱という任期になってきます。ですから、この間にこなす重要な政治課題というのはいくつかありますから、私は、そんなに今、急いで解散という問題ではないと思っております。それまでの間、やはりしっかりと国民の皆様に政策課題なり、また、それに対して野田内閣はどういう姿勢で臨むかという基本的な態度を示していくという中で、それぞれの政党が訴えていくのが宜しいのではないかと私は思っております。

Q:航空自衛隊の新田原基地で、またF−15からアルミの部品が落下したという事故があったようですけれども、この間、タンクが落ちて、総点検して訓練を再開したばかりなのですが、どのように受け止めていらっしゃるでしょうか。それから、航空自衛隊に指示したことがあれば教えて下さい。

A:私は、10月7日の小松基地でのF−15からの落下事故を受けて、これは過去に例のない大変重大な事故であると受け止めておりましたので、原因究明なり、再発防止的なことについては、しっかりと専門技術的に究明するということを指示しました。ただ、余り時間が掛かり過ぎると、国民の皆さん方にも、いろいろな面で不審を抱かれる件も当然出てくる可能性がありますから、中間的に分かる段階からしっかりと対応して、そしてなおかつ航空自衛隊として、果たすべき任務はしっかり果たしていくということを平行して考えていくべきだと思っておりました。10月20日に中間報告をさせていただいて、それで機体本体は落下事故とは直接関係がないということを、専門的に明らかにしていただきましたので、パイロンと燃料タンクを切り離す中で、訓練の再開をそれぞれの地方自治体の了解を前提に考えてみたらどうかということで、対応いたしました。その直後に今回の今仰ったような件が出てきたわけでして、私としては大変そういう面では遺憾なことでありますし、残念だと思いました。ただしかし、小さな部品であったとしても訓練を終えた段階で、基地に戻った段階で、それが明らかになったということを公にするということは、私は、それはそれで情報をしっかりとオープンにするという面ではよかったと思います。ただこのようなことは当然あってはならないことでございますし、この事前の点検の中で、そういったことがしっかりと対応できなかったのかどうかということは、また検証したいと思っております。当面は、パイロンという取り付けの金具を外しての訓練ということで、そこの取り付けるところに埋めてあった金具が落ちたということなので、これも今まで前例のないことであったことは間違いないことだと思いますけれども、それであれば尚更のこと、しっかりと事前の点検をして飛行すべきだと私も思いますので、大いにまた反省をしながら、二度とこういうことがないように、しっかりと指示をしておりますし、現場の各基地においては、機体はもちろん、機体本体のほかに、今のパイロンとか、燃料タンク、それをいろいろと分解をして、点検をしているということは今までなかったことですけれども、この機会にしっかりと点検をするというふうに思っております。

Q:来週を目途にTPPへの日本としての交渉に参加するかどうかという判断を迫られていますが、党内ではやはり結論が出るような、議論が二分していて、結論が出るような様子を見せていません。民主党等と政府のこの現状についての大臣の受け止めと、大臣ご自身のお考えをもしお伺いできればと思います。

A:このTPPの話題というのは、菅政権のときから出てきた話題ですけれども、私は貿易立国である我が国としては、そういう自由貿易というのは基本的なひとつの大きな流れであることは間違いないと思っておりますけれども、各国とも皆国内事情を抱えておりますから、我が国のTPPという問題を議論する場合の中で、いろいろな面で影響を受けやすい分野というのがいくつか指摘されております。特に農業サイドとかそういうところについては。私も防衛大臣になる前はそういうことの担当の座長もさせていただきましたけれども、逆にいろいろな面で心配される分野は国民的な関心が強いこの時期にしっかりと対策を講ずるということもひとつの考え方だと思って議論して参りました。ですから、野田内閣が最終的にどういうスタンスを取るか分かりませんけれども、日本の国内でいろいろなことが心配されている問題について、この機会にしっかりとした政策を打ち立てるということにもっと力を入れた方がよろしいのではないかと思っております。私は個人的には食糧という問題は非常に国造りの基本だと思っておりますから、特に防衛大臣を拝命したこの時期においては、食糧安保という観点から見ましてもやはり安全保障の大前提として、基本的には国民が食べていける食料をしっかりと賄えるような政策が前提にないといけないと思っております。食料自給率を向上させるという面で、しっかりとした農業政策を展開してほしいというのが私の気持ちでございます。

Q:南スーダンの関係で、自衛隊の施設部隊の全体の派遣期間の方はどのくらいを想定しているかということが一点と、もう一点は先程、民間との役割分担ということなのですけれども、どういったことが自衛隊で、どういったことが民間なのかという、例えば考えていらっしゃることがあるかと思うのですが。

A:派遣期間はまだ明確には決めたものを持っておりません。ですから、これも現地に入ってからのいろいろな状況判断の中で当然隊員の健康問題とか、体力維持の問題も含めて、兵站的な支援作戦と絡んでどうなるかということもありますから、大変遠い国ですし、輸送的にもコストのかかる地域だろうと思っております。また衛生面でも、やはり対策が必要だと思っておりますので、そういうことを総合的に派遣期間というものは考えていかなければならないと思っています。今、この時点で何年ということとか、期間を決めている問題ではありません。それから、民間との仕事の役割分担みたいなものは、当然、民間の会社等で対応できる仕事というのは、日本では国内の仕事を見ていても、そうですけれども、海外でこれまで開発途上国的なところで取り組んでいる事例を見て、大体、想像できますけれども、私はやはり、自衛隊の施設部隊というのは、まだ民間レベルとしては、採算的にも非常に見通しがはっきりしないというような中で取り組むような分野を、施設部隊としては取り組んでいくのが普通ではないかなと。ある程度、民間レベルでも行っていける見通しなり、採算的にも大丈夫だというような見通しが立てば、私は、その治安の問題を含めて、民間に仕事を委ねるということは当然あって良いと思います。少し、抽象的ですけれども、そういう判断ではないかと私は思っております。

Q:TPPでちょっと、お聞きしたいのですが、APECが今週土曜日から始まります。その前に与党・民主党内の議論、結論を出すべきだということで、政調も動いていますけれども、一方、党内ではまだ、慎重に議論を進めるべきだという意見もまだ根強く残っていますが、APEC前に結論を出すべきかどうかというのは、大臣のご見解をお願いします。

A:それは私、まだ具体的に野田内閣がどういう方針で行くというのを聞いておりませんけれども、これだけいろいろな議論が出てくれば、いろいろな情報を正確にまず発信するというのが大事だと思います。そういう中で、野田内閣としては、どういう方向を採るかということを、ある程度、腹構えを固めて、国際会議に臨むというのは、あって良いと思いますけれども、ただ、その情報が少し正確に伝わってきていないというのが現実ですから。そういうことでは、推進派的な人達も反対派の人達も、正確な情報を前提にあまり議論していないような気がします。少し情緒的になっているというか、感情的になっている面も見受けられますから、もっと冷静に判断できる材料はしっかりと把握するというのは、大前提にあるのではないかなと思います。そういう中で、しっかりとまだ最終的な結論という段階ではないと思いますから、実際のTPPに参画する結論めいたものはもう少し後になると思いますから、それまで十分、国内で議論した方が私は良いと思います。

以上


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