大臣会見概要

平成23年9月5日
(18時00分〜18時27分)

1 発表事項

 この度防衛大臣に就任しました一川保夫です。参議院議員でございます。防衛省という役所で仕事をするのは初めてではありますけれども、防衛省の仕事というのは、国家にとっては大変重要な任務を担った役所でもありますし、国民の生命・財産は勿論のこと、国家の存立を左右する分野の仕事になりますので、その使命感をしっかりと持ちながら頑張ってまいりたいと思っております。就任して間もないわけでございますので、いろいろな懸案事項についての具体的な経緯の内容等については、これから順次事務方からお話を聞きながら、これからのいろいろな懸案事項を判断するに当たっての整理をしてまいりたいと思っております。野田総理大臣から、いくつかの点を頂いておりますので、そういう問題をベースにしながら、当面の課題について、できるだけいろいろな懸案事項が前進するように、最大限努力をしてまいりたいと、このように思っております。まだ皆様方からこれからもいろいろなお話しがあるかと思いますけれども、そういう前提でひとつよろしくお願い申し上げたいと、そのように思います。以上です。

2 質疑応答

Q:大臣も今おっしゃったように、懸案としては日米同盟の深化をどう進めるかという問題、それから普天間の移設問題、それから中国の軍事力増強にどのように対応していくかという幅広い課題があると思いますけれども、今伺った3点について、大臣としてどういうふうに取り組んで行かれるか、順にお聞かせいただければと思います。

A:まずは日米同盟の問題だと思いますけれども、日米同盟は我が国の同盟関係というか、あらゆる面において日米の関係というのは基軸になる部分でございますし、特に安全保障の面では、そういう同盟関係にあるという中で最も重要な部分であるという認識を持っておりますので、いろいろな意見交換、交流等をしっかりと促進させながら、更に日米関係の有効な状態を深化させていきたいというのは私の気持ちでございます。それから、普天間問題というのも、これもまた非常に重要な懸案事項でございます。我々が政権交代後もいろいろな経緯の中で、昨年の5月における日米合意、それから本年の6月における日米の合意というのがございますので、またその経過をしっかりと尊重する中で、しかし一方では沖縄県知事はじめ県民の皆さん方のお考えがあるわけでございますから、粘り強くしっかりと沖縄県の方とあるいは地域の住民の方々とそういう交渉をする中で、普天間問題、普天間基地が固定化するのは私はやはりまずいと思いますし、できるだけ沖縄県における諸々の負担を軽減させるという観点で、少しでも前進できればいいなと思っております。そういう観点で普天間問題はこれまで努力してきた皆さん方のいろいろなことに対しての敬意を表したいと思いますが、また我が政府においても財務大臣なり、官房長官なり、いろんな関係する閣僚もいらっしゃいますから、そちらの方とも連携を密にしながら、解決に努力してまいりたいなと基本的には思っております。それから、中国の問題は、隣国として大変経済的にも急成長している国でございます。ただ一方では、経済の成長に伴っていろいろと我が国の周辺で不可解な、そういう行動が目立っていると聞いておりますし、中国の軍事的な情報というのは、まだ正確に把握しきれていない部分もありますけれども、ただ一方においては中国と日本の関係というのは重要な国であると思いますので、信頼関係を更に向上させようという面では、お互いに交流を促進させながら、いろいろと意見交換をしていくという中で、日中の防衛上のいろいろな信頼関係についても更に向上できればいいなと思っておりますので、そういう観点で努力していきたいと思っております。日中というのはアジア太平洋地域のいろいろな課題を解決する上では、やはり両国がしっかりと連携をとるということも非常に重要な関係にあると思っておりますので、そういう観点で対応してまいりたいと思っております。

Q:普天間に関連して、大臣は就任なさって、アメリカで向こうの国防長官も代わりましたけれども、訪米とか沖縄訪問についてはいつ頃行きたいというようなお考えでしょうか。

A:まだ具体的な日程は固めたものは持っておりませんけれども、事情が許せば、出来るだけ早くアメリカの関係者との意見交換なり、沖縄の知事を始め、関係者のご意見を聴くなり、また現地をしっかりと自分の目で確かめるということも含めて対応することは重要であると考えております。ただ、具体的な日程等はまだ固めたものは持っておりません。

Q:大臣が就任の組閣の日に、「安全保障に関して素人であるが、それが本当のシビリアン・コントロールと言うのだ」というふうに発言したと報道されています。これに対して、自民党サイドから批判の声も上がっていますが、改めて大臣のシビリアン・コントロールに対する考え方を教えていただけますでしょうか。

A:報道されている内容は、私がしゃべったことを正確に表現されていないと思っておりますけれども、私は政治家、国会議員になって以来、防衛のみならず、あらゆる分野について国民の目線で物事を判断していくと。国民の皆さん方に国の政策を理解していただくという中で、国の政策をしっかりと管理するというのが私の基本姿勢でございますから、そういう観点であらゆる分野というのは、ある面では国民的な感覚というのは、一種の素人的な感覚でしっかりと対応したいということは、自分の政治姿勢として持っております。そういったことがそういうふうな表現になったのかもしれませんけれども、基本的にはシビリアン・コントロールということは民主主義国家においては最終的には政治の責任でしっかりと判断していくということですから、私はそういう国民の目線で物事をしっかりと国民の方々に理解を求めながら、最終的にその政策を政治の判断で最終判断していくと。今、制度的にも総理大臣を先頭にして、そういう仕組みになっていますから、そういう面で私はお話しを申し上げたので、今後ともそういう姿勢でしっかりと国民の方々にも安心していただけるように防衛政策を進めてまいりたいと思っておりますし、私たち地元においても、そういう感覚については十分に理解していただいていると思っております。

Q:台風12号についてお聞きしたいのですけれども、今回の台風はここ10年で最大規模と言われているのですけれども、野田総理が指示を出して、災害対策本部が設置されたのが昨晩ということで、政権初期ということもあって対応が遅れているのではないかという指摘もあるのですけれども、政府の初動体制に問題がなかったというお考えかということと、自衛隊の方は既に捜索救助活動を現地で行っていると思いますが、その過去に例の無い被害ということで、今後、自衛隊の活動にも困難が予想されるものと思われるのですが、大臣の方から、週末から今日にかけて特に指示等をされたことはあるのでしょうか。

A:私は、台風12号で特に紀伊半島の和歌山県、奈良県、三重県の地域で大変な水害なり土砂崩れ等が発生しているというニュースを聞いた時に、防衛省の担当の方には、「自衛隊はいつでも対応できるように準備をしてほしい」、それから各県知事等を通じての派遣要請があれば迅速に対応してほしいという旨の指示はしておりました。防災担当大臣の平野大臣なり国土交通大臣の前田大臣からも電話で協力要請等のお話も受けておりましたので、私は初動態勢としては、立ち後れているとは思っておりませんが、特にやはり東日本大震災の折に活躍した自衛隊に対する評価というものは非常に高いものがあると思っておりますので、特にこうした大きな自然災害で集落が孤立化したり、土砂崩れ等で河川がせき止められて大変な事態になっているということであれば、その地域の住民が大変な不安感を覚えるわけですから、そういう不安感を払拭するためにも、自衛隊の出動というのはある面では非常に重要であると思いますので、そういうお話をさせていただきましたし、自衛隊の皆さん方も派遣要請を受けて割と迅速に対応していただいていると私は承知しております。本日の閣僚懇談会でもそういう話題はありましたけれども、私はそういう面ではこの野田政権も派手な対策本部的なものを立ち上げた格好にはなっていないかもしれませんけど、現実、現場ではしっかりと対応されていると。明日、平野防災担当大臣も現地に入るというお話でございますので、そういういろいろな批判が起こらないようにしっかりと責任を持って対応していきたいと思っております。

Q:普天間問題についてですが、先程、「粘り強く地元、県との交渉したい」というお話でしたが、アメリカから先の6月の「2+2」で、「1年以内の具体的な進展」というものを要求されておりまして、先般、大臣が就任される直前ですが、中江事務次官が沖縄を訪問されて、知事に対して年内のアセス完了というような目標も示されました。「粘り強く」というお話ですが、一方でかなり期間も限られているという状況ですけれども、この1年間で具体的にどのように沖縄との交渉を進展させようというふうにお考えでしょうか。

A:この普天間問題というのは、私が知る限りでは、一番最初に話題になったのは、約15年位前にこの普天間基地の返還問題というのがあったと思います。それからすればもう15年間経過しているし、そういう中にあって、最近我々が政権を担ってからも、先程言いましたように、昨年と今年に入って、そういう確認の合意事項があるということですから、アメリカサイドからすれば、いろいろなことを早く促進してほしいという言い方は、私は一方では理解できると思います。ただ、アメリカにもいろいろな経済事情等があって、財政的にも厳しいという話で、いろいろな動きがあるということもある程度承知しておりますけれども、そういうこともあればあるほど早く合意した方向に向かって何とかして欲しいという思いが出てくるのは自然なところであると思います。しかし、一方で我が国は我が国としての事情がございますから、これはあくまでも沖縄県民の理解がないと現実問題前に進まないお話だと思います。私は実は、防衛関係ではないのですけれども、沖縄が日本に返還された直後に、農林水産省という役所にいたのですけれども、沖縄を担当したことがあるのです。当時、相当な回数、沖縄に出入りしたことがありますけれども、そういう面では沖縄という県は、立地特性からしてもいろいろな懸案を抱えている県であることは間違いないわけなので、そういう意味では、そういうことを理解しながら、この米軍基地の相当部分が沖縄にあるということは現実でございますから、そういうことも含めて、しっかりと粘り強くというのは、そういう交渉、態度を持たないと私はいけないなという気持ちは持っておりますので、そういう観点で、私は申し上げたわけでございます。一方、事務次官が9月1日に行かれたということも承知しておりますけれども、環境アセスメントに基づく諸々の手続きというのは、当然、その法律に基づいた手続きというのは必要になってくるわけでございますから、今この段階で、具体的な、何か意見交換をしたということは、当然、事実だと思いますが、その内容について公にするということは、私は差し控えた方が宜しいのではないかと考えております。

Q:米軍再編の関連なのですけれども、馬毛島という鹿児島県にある離島について、米軍の訓練を移転してはどうかという話があると思うのですけれども、この点についても、先ほど普天間の件でおっしゃったように、これまでの経緯を尊重して対応に当たっていくというような認識で宜しいのでしょうか。

A:そうです。馬毛島に関わるような問題も、我々、自衛隊の施設という観点からすれば、一つの懸案事項の一つだろうと思います。しかし、当然、こういったものも、地元の理解と協力がなければ、現実問題できないわけでございますので、そういう施設の必要性なり、地域の皆さん方のいろいろな思いというものをしっかり受け止めながら、どのような解決方法があるか、そういったことも含めて誠心誠意粘り強い、そういった交渉がやはり必要だなと私は思っています。

Q:普天間問題についてお聞きします。先ほど大臣は、国の理解を求めながら、最終的に政治が判断するというのが、シビリアン・コントロールだとおっしゃいましたが、辺野古移設について、県民の理解が得られない場合、政治の判断として地元の意向を無視して、日米合意を強行するという選択肢はありますでしょうか。

A:我々は、そういう沖縄県民の皆さん方に、先ほど言いましたように、粘り強くいろいろと説明をしながら、理解を求めていくということの目標で、努力するということに尽きると思うのです。その後の選択肢の云々というのは我々も特段、現時点で私は考えておりませんし、基本的には沖縄の県民の皆さん方、県知事をはじめ、関係者の皆さん方の理解と協力がなければ、こういう懸案事項ではありますけれども、なかなか前進するのは難しいということは、十分承知しておりますので、そういう観点で対応してまいりたいと思っております。

Q:武器輸出三原則の見直しについて、大臣はどのようなお考えを持っておられるのかということを聞きたいのですが。前の北澤大臣のときに、防衛体制の中で見直しを検討するという、自民党政権時代にはなかなか政府レベルでの議論というのは、文書化するということはなかったのですが、民主党政権になって初めて議論を検討するというところまで高めたという一定の評価があるのですけれども、この武器輸出三原則の見直しについて具体的にどのように対処していかれるのか、考えをお願いします。

A:私、まだこのことについては、十分まだ自分の頭の中を整理しきってはおりませんけれども、基本的なスタンスからすると、私はやはり武器輸出三原則を取り決めた当時の時代背景、いろいろな技術水準等々からすると、大変いろいろ世の中が変化してきているというのは事実です。ですから、防衛装備品等の技術、そういったものを作り上げるときの技術力だとか、あるいはまたいろいろな面で、財政負担がそれぞれの国々の非常に重荷になってきているという中で、その生産コストを極力下げていきたいという思いがあって、皆さんあるわけでございます。そういう中でその三原則の基本的な平和国家としての理念的なものを、目標を、当然曲げてはいけないわけですけれども、そういう中で検討する余地が最近の技術の進歩なり、いろいろな経済的な背景なり、財政的な背景ということを考えたときに、いろいろと検討を勉強するということは、私は別にあっていいと思っております。最終的にどういう結論を出すかということであれば、それはもう当然ながら、政治家の責任で判断する分野でございますから、平和を目指す日本としては、間違った結果を出してはまずいと思っております。

Q:政策から離れるのですが、大臣は長年小沢一郎元代表と政治行動を共にされて、今回党内融和の象徴と見る向きもあるのですが、今回の就任に際して、小沢元代表から何か言葉があれば教えていただきたいのと、本日副大臣と政務官もかなり小沢元代表のグループから多くの方が入られているのですが、こういった党内融和の挙党態勢ということについて、どのようにお考えになるか、この2点お伺いします。

A:今回の野田内閣のスタートというのは、党内の融和を図ると、党内を一致結束して、今、我が国の懸案事項に全力で対応しようという姿勢でございますので、私は民主党の中の小沢グループのそういう一つの線引きの中で、私は人選はされていないと思っております。ですから、野田総理大臣の思いの中で、人選が行われていると思っております。私自身は、国会議員になった折から、小沢一郎代議士とはずっと政治活動を共にしてきている人間でございますし、私自身は、国会議員になったのは少し遅いですけれども、新進党、自由党、そして民主党というふうに来ました。しかし、自分の政治的な基本姿勢なり思いというのは、曲げていないつもりでございますけれども、そういう中で、私は小沢一郎という政治家は、今日これだけ注目される政治家というのは、基本的にはやはり、政治家としての理念なり基本的な考え方に、相当見習うべきことがあるのではないかなと思っておりますので、閣僚の一員としては、この政府の一員でございますから、しっかりと責任を持って対応はしていきますけれども、小沢一郎という政治家との付き合いは、引き続き行ってまいりたいと思っております。

Q:小沢元代表から何か就任に際して、言葉とか感想とかというものはございましたでしょうか。

A:「野田政権に、しっかりと野田さんも挙党一致でがんばろうとしているのだから、君もそういう閣僚の一員として入る以上は、しっかり協力してやってくれ」というような言い振りだったと思います。

以上


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