大臣会見概要

平成23年8月2日
(10時37分〜10時56分)

1 発表事項

 平成23年版防衛白書について、37冊目となるわけですが、我が国防衛の現状と課題及びその取り組みについて、広く内外への周知を図り、その理解を得ることを目的としているものでありまして、本日の閣議におきまして、私から説明を申し上げて了承をされたところであります。それから、人事についてでありますが、本日の閣議において平成23年8月2日付、運用企画局長交代の人事について内閣の承認が為されました。既に先程、官房長官の方から発表があったかと思います。

2 質疑応答

Q:平成23年版防衛白書について、新しい防衛大綱の作成であったり、東日本大震災があったり、防衛省としては大きな事案がいくつかあった中での1年であったと思いますが、今回の白書に対しての大臣の思いをお聞かせください。

A:今年は37冊目になるわけでありますが、非常に特筆すべき大きな事案があったということでご理解いただければ大変ありがたいと思います。先程も申し上げましたように、我が国の防衛政策に対する内外の理解を得るため、毎年刊行しているわけでありますが、国の防衛というのは、どうしても国民の皆様の信頼と支持がなくては成り立ちませんので、国民の皆様の我が国の防衛に対する理解を深めていただき、また、防衛政策の透明性を担保するという観点から極めて重要であると防衛省として認識しております。また、先程もお話のあったように、東日本大震災、新防衛大綱・新中期防の策定、「2+2」の開催、こういったものが重なったわけでありまして、これらの事象を始めとして、我が国の防衛政策について、分かりやすくかつしっかりと紹介・説明をするということで作成したわけであります。今年は特に電子書籍版を作成いたしまして、無料で提供するということにしております。また、国民の皆様に馴染んでいただくために、今、マンガ版を作成させていただいております。

Q:菅総理は自らのグループとの会合で特例公債法案が成立しない場合、9月以降も続投するというふうに明言されました。また一方で、民主党の岡田幹事長は昨日の記者会見で、「特例公債法案が成立しない場合、真っ先に政党助成金を差し止めするということを考えざるを得ない」として、野党側に法案成立に向けての協力を求めました。こうした動きについて、大臣はどのようにお考えになるでしょうか。

A:当然のことを言ったと言えば当然のことだろうというふうに思います。そもそも、予算が成立して、その財源である特例公債が国会で承認されなければ執行ができないわけでありますから、そのことについての危機感を表明したのだろうと思っております。1日も早く野党の皆さんにご理解をいただいて、これが成立するようお願いをしたいと思います。今のところ、報道等を通じて承知しておりますのは、民主党のマニフェストの根幹をなすものを全部削除しなければ認められないといったような話が出ているようですけれども、これは4年間政権を担当するという前提で我々はやっているわけでありますから、今、道半ばのところでそういうことが特例公債法、即ち国民生活に直結するものと政党同士の争いの中にそれを混在させるのは、必ずしも妥当ではないと思っています。

Q:防衛白書についてお伺いします。今回、南シナ海の領有権問題ですとか、こういったところで中国に対して「高圧的」というような表現も使って、海洋の摩擦の問題ですとか、そういったものを取り上げられています。こういった中国や海洋での権益の摩擦、そういった記述について大臣はどのように評価されていらっしゃいますか。

A:初めて「高圧的」という表現を使ったわけでありますけれども、この記述は、他国と利害が対立する問題等を巡る最近の中国政府の姿勢に関する国際社会の見方の一つとして、各種政策文書や報告文書等で最近よく用いられております“Assertive”という英語表現の対訳として記述したものでありまして、特段改めて大きな懸念を表面するということでなくて、国際社会全体がそういう見方をしているのであろうということの中で、この表現を使ったわけであります。それは中国という大国が、ASEAN諸国の国々と摩擦を起こすと、どうしても大国というイメージが強いものですから、高圧的に感じられるということですから、そういう意味では国際社会の中で、問題を解決していく上では、中国に対して、友好的な関係の中で問題の処理をして欲しいという願望の現われでもあるということでご理解をいただきたいと思います。

Q:先ほどの「高圧的」という表現ですけれども、大臣ご自身の考えでは、具体的に中国のどういった部分が「高圧的」だったのでしょうか。そしてこれから東シナ海で、「中国海軍の常態化」を図っていくということが、白書の中にも記述がありますけれども、日本としてはどういうふうに対応していくのでしょうか。

A:日本と中国との関係においても、さまざまな訓練の時に日本が監視活動をすることについて、拒否反応を示したりしておるということも経験しておりますし、それと同じようなことがASEAN諸国の中でもあるということから、我々とすれば今、中国との間で不測の事態が起きないように、海上連絡メカニズムを早く構築したいということで、つい先ごろ、馬暁天副総参謀長もおいでになって、事務次官レベルの会議を4時間ほどいたしました。そこでも、なかなか厳しいやり取りもありましたけども、方向性とすればやや前進しているだろうということから、そういう中でも、中国側の対応については、それぞれこちらからいろいろ注文をつけさせていただいたというようなことであります。

Q:一部報道にある次期哨戒機の問題の報告が挙がってきているかということと、当面の警戒監視態勢に与える影響についてお伺いたします。

A:次期哨戒機P−1のことですか。これは地上において機体の強度を確認するために行う試験を実施中に、複数の亀裂等が発見され、現在その原因と対策について検討を行っておりまして、今後、試験機に対して補強対策を施すための改修を行うということにしております。

Q:これまで予定していた、もしかすると今年度中の配備に与える影響についてはいかがでしょうか。

A:この開発は23年度中に終了する計画であるわけですけれども、改修に要する期間が、試験スケジュールにどのような影響を与えるのかということについて、まさに今、精査を行っているところでありまして、現時点で配備を来年度以降に先送りするというような報道もあったようでありますけれども、そこのところはまだ固めきっていないというのが現状であります。

Q:大臣が冒頭仰った震災への対応に関して、3月に発災から今回の白書は6月下旬くらいまで3ヶ月に及ぶ活動なのですけれども、その割には全体像がどういうふうに部隊が動いたとか、大臣がいつも仰っている「総力を上げての活動」を分かり易い図表などが乏しいような気がするのですけれども、一方で原発対応を巡って、自衛隊や防衛省も一体となって活動したりした部分については、政府内で混乱が見られたり、指揮系統をどうするかという反省もあったかと思うのですけれども、そういう部分の記述も少ないように思うのですけれども、その辺は何か事情があるのか、あるいは、大臣はその辺をどうご覧になっているのでしょうか。

A:我々は成果を誇示するような組織ではありませんから、国民のために粛々と任務を遂行するということに尽きるわけで、統合任務部隊指揮官の君塚陸将が度々言っているように、「自衛官にはヒーローは必要ない」という基本的な姿勢で行っているわけであります。しかし一方で、今、お話がありましたように、どういう展開をしたかというようなことについては、我々としてもまだ任務が遂行中でありますから、まとめの段階入っているわけではありません。そういうことについては、然るべき段階で国民の皆さんには理解をしていただけるようなものは作っていって、今後の糧にする必要があるだろうというふうに思います。何と言っても自衛隊発足以来、10万人態勢で動いたというのは初めてでありますから、そういうものは歴史にきちんと刻み込んでいく必要があると思っています。

Q:今回の白書を見ますと、震災の対応、原発の対応、海賊の対処、PKO、もちろん、中国やその周辺諸国に対する事態対処、こういったもの、要するに役割が非常に拡大してきている現状がよく表れているのですが、その辺についてどう思われるのかというのと、ここにも書いてありますが、予算の制約が非常に厳しくなる中で、今後、防衛省・自衛隊としてはどういう形で改革を進めていくのか、もしくは形を変えていくのか、あるべき姿を作っていくのか、この辺りをお願いします。

A:これほど重なったということも我が省の歴史においては初めてであるわけですが、そこのところは我々の努力で任務を遂行してきたというふうに考えております。今度の新しい大綱で「動的防衛力」という新しい形を構築していくことになって、そのための構造改革の議論も間もなく纏まるという段階に来ておりますので、そういう中で様々な問題点があって、一つ例を挙げれば、分かりやすいのは輸送力の強化、そういったものをどういうふうにこれから構築していくか。今お話しのように、財政が厳しい中で新しいものを常備するだけの余裕があるかということになると、なかなか厳しいわけでありますから、民間の力をどういうふうに活用するかといったようなことも想定していかなければいけないだろうと思っています。いずれにしても、国内・海外への活動について、我々とすれば出来る限りの活動はしていきたいと思っています。

Q:そういった、この中にも書いてありますけれども、諸外国では選別というか優先順位を付けた活動の仕分けと言いますか、そういったものをやっていますが、自衛隊についてもそういったところが今後必要になってくるのでしょうか。

A:そうですね。我々とすれば、持てる力を十分に発揮するということは重要ですけれども、余りにも背伸びをするというようなことにはならないように、きちんと気をつけながらやっていきたいと思っています。

Q:米国の方も非常に財政難で、昨日も共和党と民主党で合意がなされましたけれども、国防費も影響が避けられないと思いますが、その国防費の削減が今後、防衛省・自衛隊に与える影響をどうお考えでしょうか。

A:日米が同盟国であるということからすれば、そこまで影響が出るかどうかということは軽々に私の立場から言えませんけれども、ゲイツ長官が退任されて、新しくパネッタ長官が就任されて、電話会談をいたしましたが、今のところ日米に大きな影響を与える、我が方から言えば沖縄再編でありますが、米国からすればグアム再編、これについては日米の合意をしっかり続けていくと。それから私とゲイツ長官との間で様々な会談をしてきましたが、その2人の意向については、「引き続き私もしっかりと踏襲していきたい」言っておられますから、当面すぐに何か問題があるとは認識しておりません。


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