日米外務・防衛相共同記者会見概要

平成23年6月21日
(09時30分〜10時17分)

※クリントン国務長官及びゲイツ国防長官の発言及び英語の質問については、通訳者の翻訳を記載しています。

1 発表事項

(クリントン国務長官)
 「2+2」として知られる日米安全保障協議委員会のため、ゲイツ長官と共に、外務大臣と防衛大臣をワシントンDCにお迎えできたことを嬉しく思う。50年以上もの間、日米同盟は、アジア太平洋地域の平和と安全の礎であった。本日の議題は、発出した文書に体現されているが、日米同盟の幅と深さを反映している。我々は、これまでになく幅広い問題や課題において、より緊密に協力している。数万の人が亡くなったり行方不明になり、何十万の人が家を失った3月11日の悲劇的な出来事から3ヶ月以上が経過した。日本国民は、前例のない危機に直面して驚くべき強さを示した。全ての米国民は、日本国民と共にあり、復興への努力を支持することを誇りに思っている。本日、日米間の継続的な共同作業について議論し、必要な限りこれらの努力を維持していくとのコミットメントを再確認した。また、日本の防衛とアジア太平洋地域の安全保障に対する様々な脅威に対応する我々の能力を拡大するためのいくつかのイニシアティブに関し、重要な進展をみた。例えば、日米間の防衛技術協力をより幅広く深化させる方策を進めた。ゲイツ長官から後ほど述べるが、駐留米軍による沖縄への影響を軽減するための進展があった。我々は、幅広い地域及び国際的な問題を議論した。北朝鮮については、南北間の対話を支持し朝鮮半島の完全で平和的な非核化を促進しつつ、北朝鮮による更なる挑発的な行為を抑止していくことにコミットし続ける。我々は、様々な多国間枠組みやインドとの三か国間の対話を通じ、地域協力を進展させる努力について話した。国際的な問題については、アフガニスタンにおける平和と和解を進展させ、イランによる核拡散禁止条約上の義務の履行を確保し、アフリカの角の海域での海賊対策に向けた共同の努力について議論した。全体としては、過去50年間にわたり日米間でうまく機能してきた相互尊重と共通の価値を心から祝った。日米同盟は次の50年に入り、アジア太平洋地域の平和と安全、経済的なダイナミズムにとって不可欠であり続ける。今次会合を主催し、これらの大変重要な問題を共に議論する機会を持てたことを誇りに思う。

(松本外務大臣)
 日米安保条約署名50周年の昨年の1月以来、日米両国は同盟深化に向けた協議を続けてきたが、その結果に基づき、本日4年振りの「2+2」開催に至ったことを嬉しく思う。この4年間、日米双方で政権交代があったが、特に日本では本格的な政権交代があり、今回民主党政権下で初の「2+2」が開催されたことは、大変意義がある。この間、我が国や地域をめぐる戦略環境は大きく変化した。また、本年3月11日には我が国は東日本大震災に見舞われた。この震災時の米国からの格別の協力に改めて感謝し、こうした中で、日米同盟の重要性が一層高まっていることを改めて申し上げたい。今回の日米安全保障協議委員会では、まず東アジアにおける地域情勢を議論し、地域の安全保障環境は一層不確実なものになってきているとの認識を共有した。このような基本認識に立ちつつ、新たな共通の戦略目標を策定した。次に、今後の日米安全保障・防衛協力について協議し、幅広い分野において協力を深化・拡大していくことで一致した。核を含む拡大抑止協議の定期化に加え、いわゆるグローバル・コモンズに関しても、宇宙、サイバーに関する協議を進めていくことで一致した。また、日米韓、日米豪の三カ国協力等、地域における価値観を共有する国々との協力を更に進めていくことでも一致した。米軍再編に関しては、現在の日米合意を推進していくとのコミットメントを確認した。米軍再編の目的は、抑止力の維持と地元負担の軽減であり、この両立が現在の日米合意である。また、事件・事故の防止や騒音の問題を含む地元の負担軽減についても緊密に協力していくことを確認した。また、今回の日米安全保障協議委員会は、幅広い分野において今後の日米安保協力の方向性を示すという極めて重要な成果を上げることができたと思っている。今回の共同発表に基づき、日本安保関係をさらに発展、深化させていくべく努力していきたい。最後に、本日の「2+2」を主催してくださったクリントン長官、退任間際まで日米関係に尽力してくださったゲイツ長官、国防省及び国務省関係者、ルース大使をはじめとする在京米国大使館の方々にお礼申し上げる。また、ホワイトハウスの方々にもお礼申し上げたい。

(ゲイツ国防長官)
 本日は大変よい議論を行うことができた。北朝鮮の非核化、アフガニスタンにおける継続した進展に対する支持、海上安全を含む、アジア太平洋地域が直面する最も重要な課題について焦点を当てた。我々は、共同生産するミサイル防衛の第三国移転のための枠組み、人道支援・災害救援における協力の深化、宇宙とサイバーセキュリティにおける新たなイニシアティブの開始に合意した。米軍と自衛隊による3月の地震と津波の被災者に対する救援活動の実施は、米軍と自衛隊の相互運用性の高さを示した。また、日米両国が訓練と能力に対して長く行ってきた投資を確認した。日米両国の若い世代に対し、両国民の緊密な繋がりと日米同盟の価値を示した。米国は、太平洋地域の大国として、東アジアにおける強固な前方展開の維持にコミットし続ける。2006年の再編ロードマップの他の要素と共に、普天間飛行場代替施設に関する本日の決定は、地域における米軍の前方展開の近代化に向けて、着実に進展していることを示している。普天間飛行場の移転及びグアムへの米海兵隊施設の設置を進展させていくことは重要である。そうすることにより、日米同盟に不可欠な能力を維持しつつ、米軍の存在が沖縄の人々へ与える影響を軽減することができる。2006年末に国防長官に就任した後、前回政府にいたころに比べ最も積極的な変化が日米関係の極めて大きな進展である。これらの関係は、近年成長し深まったものである。日米同盟の将来が輝かしいものであることを確信しながら、現在の職を去りたい。

(北澤防衛大臣)
 私は、2009年9月に防衛大臣に就任したが、4年ぶりの「2+2」会合に出席でき、クリントン長官、ゲイツ両長官にお会いし、極めて有意義な議論を持てたことを大変嬉しく思っている。特に、民主党政権で初めて「2+2」を開催して、防衛面で多くの成果が得られたことは、日本の民主主義の成熟を示すものであり大変意義深い。日米同盟の過去50年間は日本の国では自民党政権が中心になって行われていた。過半数ではあったが、一定の反対勢力や批判勢力があったわけだが、今回民主党が政権を獲得して「2+2」が開かれたことにより、日本の政治勢力の80%以上がコミットしているという点において、次の50年に向け大変意義深いものだったと思っている。今回の会議の内容を防衛大臣として申し上げたい。新たな防衛計画大綱と米軍の態勢見直しに言及し、様々な分野での安全保障・防衛協力を強化することで一致した。SM−3ブロックUAの第三国移転が認められ得る基準や協議機関等について合意できたことは、大きな成果であったと考えている。更に世界的に国際共同開発・生産が進む中、防衛装備品の高性能化やコスト削減のため、現在日本政府が行っている検討についてこれを促進し、米国政府もその努力を奨励することとなった。普天間飛行場の移設問題については、滑走路の形状をV字型に決定した。これは移設に向けた重要な進展であると考える。2014年の完成目標は外すこととなったが、普天間飛行場の固定化を避けるため、できるだけ早い時期に移転を完了させることを確認した。最後に、私から、東日本大震災に際しての米国からの多大なる支援と米国の優しさに改めて感謝申し上げ、「トモダチ」作戦に対し、日本人が感謝し、勇気を与えられたことを申し上げた。今回の震災から学び、状況の変化に適応していくことが重要であるということで、例えば災害救援の後方支援の拠点を整備することやロボットや無人機などの最新の技術を活用することについて日米間で議論していくことが重要であり、このことを議論の中で十分に説明し、賛同を得たことは大変うれしく思っている。今回の震災では沖縄の海兵隊をはじめ米軍が日本に駐留する意義、安心感が改めて示されたところであり、今回の「2+2」成果と相まって、両国の絆を更に強固なものとし、同盟を深化・発展させていくべく努力していきたいと思っている。今回でゲイツ長官との会談は最後となるが、これまで私は7回ゲイツ長官と会談した。去りゆくゲイツ長官に対し惜しみない拍手を送ると同時に、今後も卓越した能力を是非民間の立場で発揮して、できればシャングリラ会議に常に長官がご出席いただければ大変うれしく思う。これまでの大きな貢献にエールを送って私の言葉としたい。

2 質疑応答

Q(日本側記者):普天間移設問題など在日米軍再編について北澤防衛大臣及びゲイツ国防長官に伺う。日本の民主党政権になってから、米軍再編計画は一時混乱した。今日の合意では、とりわけ普天間問題については、自民・公明連立政権時代のものに回帰している。一連の交渉とこの結果をどう考えているか。また、一方で厳しい財政事情を背景に、アメリカ議会から、普天間移設問題について見直し論が出ている。将来的に米国政府の政策見直しの可能性について伺う。

A(北澤防衛大臣):民主党政権になって前政権の案に帰ってきたと言うが、新しい政権は、本件が我が国の政治の中で特筆すべき大きな事案であったことから、前政権の下で行われた合意についてしっかり検証し、様々な検討を行った結果、今日、先ほど申し上げたような施設の位置、配置、工法について合意したわけであって、これがもし時間のロスであったという論評があるとすれば、それは政権交代に基づく民主主義のコストだと理解している。この件については、沖縄の姿勢には極めて厳しいものがあるので、仲井眞知事始め地元の理解を得るべく、最大限の努力をしていくことを先ほど確認したところである。要は、米軍再編の目的は抑止力の維持と地元負担の軽減にあるわけであり、この2つを両立するために現在の日米合意があるので、今後も引き続き最大の努力をしていきたいと考えている。

A(ゲイツ国防長官):クリントン長官と私は、今朝、我々の同僚に対して、再編に関するウェブ・レビン両議員の書簡は、進展の欠如に対する、大きくなりつつある議会の不満が表面化したものであると説明した。我々は、2006年の再編計画に対する米国政府のコミットメントを再確認した。しかし、同時に、来年の間に具体的進展が得られることの重要性も強調した。


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