大臣会見概要

平成21年10月28日
(11時09分〜11時30分)

1 発表事項

 昨夜の「くらま」の事故について、その後、判明したことに対してご報告を申し上げます。それに先立ちまして、幹部職員、自衛官に対して私の方からお話しを申し上げました。「まず基本的にこの事故の責任は、お互いが責任は我に有り」という自覚をまず持っていただくということと、「果たして我が心に慣れはなかったかということをもう一度、問い直していただきたい。国家国民に奉仕する誇り高い使命を再び自覚して、職員、隊員に対してさらなる規律、技術の練磨に努めていただきたい。そして、再び国民の皆様に心配や迷惑を掛けることのないようなことに誠心誠意、心を込めていただきたい。」ということを申し上げました。さて、昨日21時30分頃に海上自衛隊の事故調査委員会を設置するとともに、そのメンバーを現地に派遣しました。事故原因については、海上保安庁の捜査等に配慮しながら、早期に究明できるように努めてまいりたいと思っております。調査委員会のメンバーは、大湊におりましたので、そちらから移動するように指示をしました。さらに、「くらま」は28日5時16分頃に門司港に接岸して、6時30分頃に火災が鎮火しました。負傷者につきましては、「くらま」の乗員1名が裂傷を負った他、乗員3名が煙を吸い込んだということでありまして、4名が病院に搬送されました。また、その後わかったことでありますが、消火活動に従事しておりました2名の乗員が脱水症状を訴えて治療を受けましたが、極めて軽微であり、防護服を被って活動しますので、ままあることのようです。なお、相手船については、昨夜と同じで負傷者はいなかった模様であります。それから、今朝9時30分、派遣した副大臣から電話連絡がありまして、北九州市長を訪問して、消火にご協力をいただいたことに御礼を申し上げると同時に、ご迷惑をおかけしたということを申し上げたということでした。また、先程の連絡ですと、福岡県知事にもお会いして、同様のことを報告すると同時に、福岡県知事の知事室を出て、記者対応をしていただいたという報告がございました。私の方から新たに申し上げることは以上であります。

2 質疑応答

Q:事故の状況について、お互いがどういう形で衝突に至ったのか、現時点でわかっていることを説明して下さい。

A:今、海上保安庁の方で調査をしていただいておりますので、我が方が一方的に言うことは、なかなか難しいわけでありますが、艦長から電話で連絡がございましたので、申し上げることのできる範囲で申し上げますが、通常ですと夜間は3分の1の見張りで通過するところでありますけれども、今回はちょうど関門海峡の一番狭いところを通るということで、航海保安部署を発動しまして、総員で配置についていたということであります。また、民間船が接近してきまして、衝突の危険性を察知した艦長が、前部の隊員に対して退避の命令をいたしました。その直後に衝突が起きたということであります。

Q:コンテナ船との位置関係について、分かっている範囲で教えて下さい。

A:今、私どもの方から申し上げますと、海上保安庁の調査に予断を与えるということが懸念されますので、私の立場で今それを申し上げることは控えさせていただきたいと思います。公正な審判を仰ぐためにもそういう姿勢をとらせていただきたいと思います。

Q:海上保安庁の方の捜査で、相手の韓国船の船長が船を追い越そうとしたという主旨のことを言っていると聞いていますが、こちらの護衛艦の艦長の方からそれに沿うような形の報告は来ていませんか。

A:衝突の直前に、海上保安庁から「民間船が近づいている」、「最接近している」という情報がありましたが、ただ今申し上げました前部の隊員の退避を命令するのが精一杯だったようであります。

Q:前部というのは、前の部分ということでしょうか。

A:はい、前の部分です。

Q:そうすると、海上保安庁の方から、無線連絡か何かで、民間船が接近していると。これは要するに衝突の危険があるという連絡があったということですね。

A:言葉でそれを確認はしておりませんけれども、「近接している船があるが大丈夫か」という連絡はあったようであります。

Q:そこで、まずはぶつかる、それは要するにぶつかる可能性が高いので、まずは隊員を避難させたということですか。

A:そうです。

Q:そしてその直後にぶつかったと。

A:そうです。

Q:回避動作はとれなかったのでしょうか。

A:停止のために後進をかけたのですけれども、間に合わなかったということです。

Q:回避動作はとったということですか。

A:もちろんそうです。

Q:公正な審判に委ねると。海上保安庁の捜査に委ねるということでしたが、防衛省としての姿勢として、今後捜査に対してはどういう協力の姿勢で臨まれるのでしょうか。

A:ただ今、海上保安庁の方々が乗船しておりまして、我々の方は事故調査委員会も含めて、海上保安庁の許可があるまでは乗船をしないということにしております。

Q:現地にいらっしゃっている副大臣ですが、今後どのような動きをされるのか、お願いします。

A:この後、午後、下関市長を訪問し、さらに14時頃、山口県知事を訪問するという予定であります。

Q:今日お戻りでしょうか。

A:今日戻ります。

Q:事故の状況ですけれども、艦長からの報告では、海上保安庁から連絡がある前に相手の行動の様子については気づいたという話でしょうか。

A:そこのところは、特段報告はありませんが、総員で配置していますので、当然目視ということはできたという認識です。

Q:一夜明けて、総理や官房長官の方から何か新たな指示や連絡はありましたか。

A:ただ今申し上げているようなことを整理する中で、長島政務官に徳地運用企画局長も随伴して官房長官の方へ報告に行ってもらいました。なお、私の立場としても、総理にご報告を申し上げなければいけませんので、この記者対応を終わった後で、総理の時間を見て官邸の方に伺おうということにしております。

Q:今のところ何か新たな指示が出ているわけではないと・・・。

A:ありません。

Q:時系列の確認なのですが、あそこはかなりくの字に曲がっていて見づらいところだというふうに聞いていますけれども、要するに総員体制で相手の韓国船は1回確認したけれども、その後海上保安庁から、「接近している」という連絡を受けたと。そこの間のところがちょっと繋がらないのですけれども、そこはどういうふうになっているのですか。

A:我々としてもある程度のことは承知しておりますけれども、今、海上保安庁が調査をしている段階で、我々がそれについて申し上げるのは控えさせていただきたいと思います。

Q:要するに、海上保安庁の調査である程度わかっている、「追い越した状況」というのはあると思いますけれども、目視をしていた船は最初に走っていて、無理に追い越してきて急に接近したという形になったということですか。

A:それは審判の帰趨にも直接影響しますので、今私の立場からそれを申し上げるということは控えた方がよいと思います。公正な審判に委ねるということで、報道の皆様方も既に色々と取材をして報道されている向きもありますが、私どももあらゆることは情報を収集しておりますけれども、公の場で申し上げることはかえって海上保安庁にご無礼にも当たりますので、控えさせていただきたいと思います。

Q:1点だけですけれども、回避行動を取った、要は後進をかけたタイミングですけれども、それは海上保安庁からの連絡がある前、後どちらですか。

A:多分、前だと思いますが、そこのところはまだはっきり承知しておりません。総員を配置して、あの海峡を通っているということもまたご承知おきいただきたいと思います。

Q:艦長からのご報告の中で、通常、関門海峡を通過する際にいわゆる護衛艦の「くらま」が操作として取るべき、正しい操作はできたという報告だったのですか。非常事態が起きて、回避行動を取ったということはわかるのですけれども、それに至るまでに通常航行するものと何かイレギュラーだとか異常というか・・・。

A:異常とかそういうことに関しての報告は全くありませんでした。

Q:総員の見張りというのは、関門海峡そのポイントを通過する上においては、通常の手段でしょうか。通常の体制といいますか。

A:関門海峡は、極めて狭隘な通路ですから・・・。

Q:通常の体制だと。

A:はい。

Q:確認ですけれども、海上保安庁から連絡がある前に後進をかけているということでいいのでしょうか。

A:そこのところは、艦長から特段報告がありませんでしたから、これから確認をしていくことになると思いますが、多分、海上保安庁でその辺のところはしっかりと聞き取り調査をしていただいていると思います。

Q:後進のほかに、舵を切ったりとか、そういう回避行動は取ったのでしょうか。

A:そこのところは、艦長からの報告の中には、まだありませんでした。ようやく電話を掛けられる状況の中で連絡をしてきましたので。

Q:汽笛は鳴らしましたか。

A:汽笛は鳴らしませんでした。

Q:鳴らしていない。

A:それは先程から申し上げていますように、衝突の危険があり、前部の隊員を待避させました。汽笛を鳴らしますと、隊員に対する指示が聞こえなくなりますので、まず、それを優先して隊員を後ろへ下がらせている最中に衝突したということであります。事実関係として申し上げればそういうことです。

Q:「後進をかけた」というのは、時間的に見れば、本当に衝突の数秒前とかそういったレベル、その直前だったのでしょうか。

A:緊急の事態に、対応してそういうことをしたということですから、もう少し時間が経てば、その辺のところははっきりしてくると思います。今のところ、防衛省とすれば、とにかく海上保安庁の立場でよく調査していただくまでは、自己主張のようなことは控えるという基本的な考え方はご理解いただきたいと思います。

Q:そうしますと、事故調査委員会としては、海上保安庁の捜査が終わるまでは乗組員に話しを聞けないという・・・。

A:多分、今のところはそういうことだと思います。乗員は下船しませんから。

Q:艦長からの電話は大臣が直接お受けになったのですか。

A:海上自衛隊の幹部のようであります。

Q:経由して、その報告を大臣が受けたということですか。

A:それを私が受けました。

Q:艦長から電話があったのは何時頃の話しですか。

A:28日の6時半頃です。

Q:朝のですね。

A:はい。

Q:前回の「あたご」の時は、航海長をこっちに呼んでということが問題になりましたけれども、大臣から見られて今回の艦長からの報告の範囲は海上保安庁の捜査への邪魔にはならないという判断ですか。

A:「あたご」の時の事後処理というのは、社会的にもかなり批判を受けたり、国会の中でかなり濃密な議論もありましたので、今回の事故の対応には、特に初動のところで効果が上がったと言いますか、教訓になったということだと思います。

Q:細かい話しですが、「目視で確認していた」というのは、ずっと離れた、距離的にも何キロも先から目視で確認していたのか、それとも直前に確認したという話しなのか、どっちなのでしょうか。

A:私はそのような細かい報告を受けているわけではないので分かりませんが、船首のところに隊員が配置されていますから、その辺のところは、多分適切な処置を取っていたのであろうと思います。ただ、今の段階で再三申し上げますけれども、海上保安庁の捜査が一段落するまでは、私どもが申し上げますと返ってご迷惑になりますので控えさせていただきたいと思います。

Q:疑問なのは、待避させるのが精一杯だったという段階まで、特に何も対応を取らなかったのかなと思ってしまうのですけれども、これはいかがでしょうか。

A:そういうご懸念は十分理解できますが、停止のための後進をさせたが間に合わなかったということから、ご判断いただきたいと思います。


御意見御要望
大臣記者会見概要一覧へ戻る
新着情報一覧へ戻る
トップへ戻る

(C) 防衛省・自衛隊