日米防衛相共同記者会見概要

平成21年10月21日
(11時10分〜11時36分)

※ゲイツ国防長官の発言及び英語の質問については、同時通訳者の翻訳を記載しています。

 

1 発表事項

(北澤大臣発言)
 本日、ゲイツ米国国防長官をお迎えして、約45分を少々オーバーしましたが、日米防衛相会談を実施いたしました。長官は、前政権も含めれば、今年3回目ということでありまして、このように頻繁に会談が行われてきているが、我が国において新政権が発足してまもなく、日米の安全保障分野における諸課題について、議論する機会が生まれたことは極めて有意義なことだと思っております。ゲイツ長官の訪日を心から歓迎を申し上げます。
 さて、内容でありますが、本日の防衛相会談においては、まず日米同盟の意義を改めて確認して、地域情勢に関する意見交換、それから来年の日米安保条約改定50周年に向けて、具体的な協力アイテムを検討していくことなどを話し合いました、政策面では米軍再編やアフガニスタン、パキスタン支援といった同盟及びグローバルな安全保障上の重要な問題について協議をし、我が方の考え方を説明するとともに、米国側の考え方も率直に聞くことができました。また、日米のミサイル防衛分野における協力が着実に進捗しておるということを確認して、引き続き協力を推進していくということであります。また、防衛計画の大綱の見直しとQDRとの関係につきましても意見交換をし、今後ともしっかりした協調体制をとって行きたいという意見交換ができました。それから、情報保全に関する協力については、当然のことではありますが、これはお互いしっかり信頼性のあるものに高めていきたいと考えております。災害救助分野における協力、それからグローバルな運営について、大変有意義なものであるということで、今後ともしっかり進めていきたいというお話しがありました。それから、HNSの問題については、今、我が国はやや減少傾向になっておるわけでありますが、米側に対して、私の方から、「極力透明性を高める中で継続をしていきたい」と、米側からも、「この件については、積極的に協議を進めていきたい」といった発言がございました。先程申し上げた災害援助については、ゲイツ長官との間で意見が一致しましたので、日米関係の絆の最も太いところで協力をしていきたいと考えております。米側とこれから色々な協議を進めていく中で、ゲイツ長官が言われた言葉が私には大変印象的でありまして、様々な問題があるけれども、「今の時期は日米の関係を深めるいいチャンスにすべきだ」と、こういう率直なお話しがありました。言いにくいことも言い、聞きにくいことも聞く中で、日米が共通の認識を高めることが極めて重要であるということで意見の一致をみました。今後、日米同盟の更なる強化のためには、私も関係閣僚とよく話を詰めながらしていきますが、特に米軍再編については、私は国防に対する決意の共用というのは極めて重要なことでありますから、この問題にそんなに時間を浪費する暇はないと考えておりまして、この問題を乗り越えるためには、日本側の努力が重要であると、さらに日本側の努力を米側が理解してくれるような方向に進むことを期待をいたしております。私からは以上であります。

(ゲイツ長官発言)
 大臣、どうもありがとうございます。大変生産的な協議のホストを務めてくださってありがとうございました。もうすぐ日米安保条約の50周年を迎えます。半世紀のパートナーシップ及び協力であり、これは共通の国益と共通の価値観に基づくもので、我々のアジアの安全保障政策の礎であるわけです。これから一年間色々お祝いをするチャンスが出て来ますけれども、この50年間の真の遺産というのは、これから関係を強化し対等の2国の同盟として、色々な安全保障のチャレンジにこれから挑んでいくということであります。さて、北澤大臣と色々なテーマについて話をしましたけれども、来月、オバマ大統領の訪問の時に多くの同じのような問題は議論されるわけですけれども、総理大臣と外務大臣にも言いましたけれども、オバマ大統領は大変訪問を楽しみにしているわけです。例えば、ロードマップのアメリカと日本と地域にとっての戦略的な恩典について話をしました。そして、合意されたとおりでロードマップをそのまま進めていく要請について話をしました。また、アフガニスタン、パキスタンは、日本の自衛隊はたくさん支援しているわけで、給油、経済復興支援、安全保障の支援など、そのことを大変評価いたしました。また、海賊対策など日本はリーダーシップを発揮しているということを大変評価しているわけなのですけれども、これからも地球規模の安全保障問題について日本は指導力を発揮することを期待いたします。例えば、地域の災害救援などが両国政府にとって優先課題ですけれども、その協力を強化したいと思います。また、北朝鮮が核を廃絶するという共通の目的については、どのように協力をすれば良いのかということに続いて、同盟の観点から話をしました。日本の接受国支援も我々の同盟の戦略的な柱であります。私は日本の新しい政権、特に北澤大臣と協力していくことを楽しみにしています。特に我々のパートナーシップを将来のために強化するためです。

2 質疑応答

Q:最初に、普天間飛行場の移設問題でお二人にお尋ねいたします。まず、北澤大臣に、ゲイツ長官は、「現在の計画をそのまま実行していくことが重要である」と今もおっしゃいましたけれども、昨日も、「今の計画が唯一実現可能な案だ」とおっしゃられておりました。これに対して、大臣からは日本の考え方をどのように伝えたのでしょうか。かつて浮上していた嘉手納統合案とか、下地島案についても検証を進めたようですが、これについても会談に取り上げたのでしょうか。それから、ゲイツ長官への質問ですが、日本側は今の計画の検証を通して、県外、国外へも含めて検討したいという考えであります。また、鳩山総理は、「時間をかけて良い結果を出したい」とおっしゃっております。長官は時間的なリミットについては、どのようにお考えでしょうか。また、国防総省の高官は、「滑走路を50メートル程度移設する微修正なら容認する」という考えを示したとのことですが、これについても長官の考えは如何でしょうか。

A(北澤大臣):私からまずお答えをいたしますが、ゲイツ長官からは日米合意について非常に強いメッセージを受け止めました。ただ、私の立場から、政権交代と沖縄政治の変化については十分お話しをしました。私も早期に現地を見て、普天間飛行場の移設・返還は、私に対する天からのミッションであるような気持ちになったことも事実でありますので、しっかりこれに対応していきたいと思っております。現在に至った経緯について、我々日本として、レビューを行っておりますが、このことに米国側が非常に協力をしていただいたことに感謝を申し上げました。日米両国にとって、余り時間をかけることは建設的ではないという認識を私が持っておりますので、そのこともゲイツ長官にお話しを申し上げました。極めて難しいハードルがいくつもありますけれども、そのことを乗り越えることが日米の良好な関係を継続する上で極めて重要だという認識を持っております。私の方から以上です。

A(ゲイツ長官):新しい日本の政権は、「再編ロードマップを見直したい」という望みは、大変共感できるところです。オバマ政権は、発足の時に同じような見直しをしました。クリントン長官は、日本の外務大臣と一緒にグアム移転協定を2月に署名できる形で間に合わせました。我々の意見は、はっきりしています。普天間代替施設は、ロードマップの要であるわけです。普天間代替施設なしでは、グアムへの移転はありません。グアムへの移転なしでは、沖縄において、基地の統合と土地の返還もありません。これは、誰にとっても完璧ではないと思うのですけれども、今の案は、全員にとって一番良い案になっていると思います。本当に前に進めていく時期が来ていると思います。この合意は大変複雑で長年かけて交渉されたものです。それぞれの部分の相互関係は深く、一つだけの部分を取り出すということは、非常に複雑で非生産的であります。全ての代替案を大変詳細に検討した結果としては、「政治的に維持不可能」、「運用上実行不可能」という結論になりました。期限についてですけれども、このような話ではなくて、できるだけ早く進展をする必要があるという話だけでした。最後に、滑走路の位置を少しだけ、数十メートル程度変えることについてですけれども、これは沖縄県、そして東京の中央政府との間の問題だと見なしております。一つだけ注意事項があるとすれば、実施プロセスを遅延させないことだけです。

Q:ゲイツ長官に、アフガニスタンについて聞きたいと思いますけれども、アメリカの軍隊とホワイトハウスの間に意見の相違が出てくるかもしれません。アフガンの戦略について、かなり遅れが出ているということなので、12月7日の選挙前に決断をすることは重要でしょうか。そして、一番良い道は、長官としては何でしょうか。

A(ゲイツ長官):まず最初に、これらの報道は面白いかもしれませんけれども、現実を反映していません。大変、緊密な協力的な努力は我々の軍の将校達と政府の文民達の間にありました。毎日のように会談を開いております。戦場の司令官を含めてそうです。アフガンの選挙問題は大変複雑ですし、マクリスタル将軍が就任したときに、もっと難しい状況だということは分かったわけなのですけれども、それらの難しい問題を処理するためにやっているということで、意見の相違という噂は正確ではありません。我々の軍隊と文民の間の緊密な協力を反映していないと思いますし、国防総省もそうですし、他の省庁もそうであります。アフガニスタンの問題は、大変複雑でそれを処理しようとしているわけです。昨日、正当性について懸念を表明いたしましたけれども、それはアフガン政府全般の、アフガン国民に対する正当性ということで、これは大統領選挙の結果を遙かに超えるようなコメントでした。選挙を行って、先に進めていくことは、確かに重要ですが、物事をはっきりさせることは、大変もっともだと思います。なぜならば、かなり速やかに処理できると思われるからです。ただ、汚職問題、ガバナンス問題、アフガン政府と協力しようとしているわけなのですけれども、これは大統領選挙の結果だけでそれが解決できるわけでありません。これは、継続的な努力で深化的なものであって、現実的に見ていく必要があります。

Q:インド洋給油活動とアフガニスタン支援についてお伺いします。北澤防衛大臣に対してですが、来年1月15日に期限が切れるインド洋での海上自衛隊の給油活動の方針についてですが、アメリカ側にどのように伝えられたのでしょうか。また、アフガニスタン支援について、大臣は記者会見で、「民生支援だけで代替案になるかと懸念がある」と発言されていましたが、どのような貢献策があると示したのでしょうか。あと、ゲイツ長官にお伺いしますが、日本は給油活動を1月に撤退する可能性が高いですが、どのように受け止めていらっしゃるでしょうか。それに代わるアフガニスタン支援として、自衛隊の関与も含めて日本にどのような貢献策を求められるのでしょうか。

A(北澤大臣):給油活動については、ゲイツ長官の方から、その貢献について大変高く評価をされた発言がありました。それと同時にこの政策を、「継続する」、「継続しない」は、あくまでも日本の決定することだということをはっきり言われております。それから、代替案でありますけれども、私は既に申し上げておりますが、世界世論からすれば、民生支援だけで日本がそれに耐えられるかどうかというのは、なかなか難しいところもあるという認識を持っております。しかし、では自衛隊がどういう活動をするのかというところまでは詰めてはおりませんが、今、防衛省の事務方にはどういう形が可能かということを検討するようには指示はしております。それを、「採用する」、「採用しない」は鳩山内閣の決定に委ねるということであります。

A(ゲイツ長官):私自身の意見を大臣からかなり正確に描写がありました。給油活動に対する感謝を表明いたしました。これは、いくつかの国に対して貢献をしたというふうに認めました。現実は、一番恩典を受けているのは、アメリカではなくて、他のパートナー国がそうです。給油活動がもし、終了した場合、代替案を考える必要があるわけなのですけれども、ただ、はっきりと言いましたけれども、これはアメリカとしては、日本国政府が決断する問題であって、それ以外にアフガニスタンに支援する可能性は色々とあります。日本において、経済復興支援、また、農業開発支援に対する関心があると聞いていますけれども、一つの重要なニーズとしては、財政的にアフガンの国軍と警察の拡大と維持を支援するということですけれども、日本の貢献は世界の一つの大きな大国に相当するような貢献になることを期待します。

Q:お二人に対する質問ですけれども、日米関係において、たくさんの変化があります。同盟関係が作られて以来、日本の新しい政権は同盟を変えたり、挑戦したいということですけれども、具体的に日本はどのような同盟の変化を考えているわけですか。改善するために、何を考えているのでしょうか。アメリカのゲイツ長官に対してですけれども、この地域において、アメリカの軍隊の役割のあり方について、これを縮小すべきでしょうか。変えるべきでしょうか。

A(北澤大臣):新しい政権ができて、確かに改めて対等な日米関係ということを鳩山政権は言っておりますが、では今までの日米関係が果たして対等であったかどうかというそういう次元で言っているわけではなくて、これから新しい鳩山内閣としての、民主党政権としての考えを十分に米国側に伝えていくということです。また、喫緊の課題としての沖縄の米軍再編について、橋本総理とモンデール大使との間で合意を受けてから13年、この間、ちょうど我々は政権交代を目指して野党でやってきました。したがって、正確な情報が入っていませんでした。それを今、検証しているということ、その検証に対して米国側から極めて濃密な資料をいただいているということ、こういった一つ一つの積み上げの中で新しい日米関係を築いていくという考え方でありまして、あくまでも日米関係を基軸にしてアジア・太平洋地域の安全・友好というものを進めていくということです。従いまして、世界的には一歩前進と受け止めていただければ幸いだと思います。

A(ゲイツ長官):今朝、大臣に申し上げました。私は1993年に政府から離れて、2006年に復帰しました。その13年間において、一つ本当に気がついたのは、日米関係は大変改善された、日米同盟は13年前と比べて、15年前と比べて、大変緊密になってきたということでした。私としては、軍事的な観点からは同盟の一番の目的は、日本の安全保障を確保することだと思います。この防衛の傘は日本を約50年間防衛してきました。おかげで日本の防衛予算は、自衛隊の予算ですが、GDPの約1パーセントであることを可能にしています。それだけではなく、同盟は日本とアメリカの共通の関心をも示しているというふうに思います。地域の安全保障についてですが、我々は、日本が持っている能力は、地域の安全保障に重要な貢献をしているというふうに思います。今の時代は、北朝鮮などその他の動きのために、過去と比べてもっと複雑になっているわけです。日米関係を拡大するためのチャンスはたくさんあると思います。MDについて大臣からお話しがあったように、既にたくさん行っていますが、軍と軍との協力をどのように拡大できるか話しているわけです。相互運用性を災害救援、人道支援などについて改善していくチャンスはあると思いますが、共通の関心があります。会談の時に大臣に申し上げました。この地域を考えますと、インドネシアやフィリピンの最近の動きを見ると、一番の敵は自然災害であるということで、日米が共同して自然災害に対策を行う多くの機会があると思います。そういうことで、地域の他の国との関係を改善しながら、日米関係をも改善したいと思います。


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