次官会見概要

平成21年4月9日
(15時02分〜15時25分)

1 発表事項

 なし


2 質疑応答

Q:一昨日、北朝鮮は中央テレビの臨時ニュースで「人工衛星」と主張している飛翔体の映像を公開しましたけれども、当該飛翔体は長距離弾道ミサイル「テポドン2号」で3段式の改良型と思われるわけですけれども、防衛省としてこの映像を見た上でどのように分析していますか。

A:発射の映像から判別できる形状等から構造や性能の分析に資する場合はあると認識しておりますけれども、いずれにしても各種の情報とあわせた総合的・専門的な分析を行う必要があると考えております。北朝鮮が運搬ロケット「銀河2号」は3段式であると表明していることは承知をしておりますけれども、北朝鮮が発射したものに関して、これがテポドン2であるのか、また、そもそも弾道ミサイルの発射か人工衛星の打ち上げかを含め、引き続き分析を行う必要があると考えており、現時点で確たることを申し上げることは困難であると認識しているところでございます。

Q:北朝鮮の発射から一週間近くを迎えようとしているわけですけれども、米国は「2段目、3段目が一緒になって太平洋に落ちた」という見解を発射の翌日にしているわけですが、防衛省の分析結果はかなりかかっていると思うのですけれども、報告の目途はいつぐらいになりそうですか。

A:今般の発射事案に関しては、飛翔高度、時間、速度などの色々な飛翔体に係る詳細かつ正確な情報についての総合的・専門的な分析を行う必要があると考えておりまして、これらについて相応の時間を要することになると思っております。着実に分析を進めて参りたいと考えている次第です。

Q:北朝鮮の発射に関して、与党内からは「早期警戒衛星の導入も考えたらどうか」というような意見も出ているのですけれども、次官はどのようにお考えでしょうか。

A:早期警戒衛星については、午前中の国会の委員会でも議論があったと承知をしているところであります。いずれにしても我々として、早期警戒衛星というものが全体としての弾道ミサイル防衛システムという中で有用性があることは否定できない事実であると思っています。そういった意味では、考えていかなければいけない課題であると思っているところでございます。いずれにしても年末に向けて防衛計画の大綱、また中期防衛力整備計画の議論が行われていくことが予定されていますので、そういった中で色々議論をしていく課題であろうと思っているところでございます。

Q:例えば、ミサイル防衛システムの整備計画の前倒しですとか、東北地方等へのPAC−3の導入ですとか、それについてはどういうふうにお考えでしょうか。

A:今、我々は皆様もご承知のようなBMDシステムの整備計画に基づき、進めているところが今日の段階でございます。先程もお答えさせていただきましたが、年末にかけてこれからの防衛計画の大綱であるとか、今後の5カ年の防衛力整備計画というのが政府部内で議論をされると思っておりますので、今のご質問の点も「どのように取り扱うのか」ということが議論されていくのであろうと思っております。

Q:今日の午前中も色々議論があったのですが、いわゆる4日の誤報の件なのですけれども、「発射」というふうに声を上げた方が運用企画局の管理職ということですが、この方はそういう役割を与えられていたのでしょうか。

A:まさにそういう役割を与えられておりました。「発射」なり、そういう声を発する、そういう立場でございました。

Q:実際のオペレーションというのは、統合幕僚監部の方でやっていることだと思うのですが、そういう方に対するしかるべき助言というのはなかったのでしょうか。

A:4日の時点の誤報が何故起こったのかというのは、これから詳細な検証を行わなければならないと思っているところでございます。ただ、いずれにしても4日の誤報を受けまして、もう一度、色々なプロセスの確認をいたしまして、5日の時点では中央指揮所の中でしっかりと確認をして連絡をするという体制をとったと承知をしております。

Q:例えばその方が声を発するときに、統合幕僚監部の運用部長なのか運用1課長なのか分かりませんけれども、しかるべき方にこれで「発射」というふうに言って良いかと確認して、「良いです」と逆に統幕の方からその方に「発射と言って下さい」というふうなやり取りがあるのが自然だと思うのですが、そういうシステムにはなっていなかったのですか。

A:SEWの情報というのは、かなり客観的な事実として情報が参りますので、いわゆる情報の分析、そのプロセスを経てまさに「これが何であるか」ということをするようなものではないと思っております。ただ、5日の時点ではもう一度しっかりと確認をして、連絡をしたと聞いております。

Q:例えば、統幕の方であればSEWの情報が入っていないということが分かるわけです。本当は内局の方もわかっていると思いますが、声として「SEW入感」というのはあっても、その警報なりで、SEWが入感しているということはその場にはないわけですよね。その瞬間は。ですから、統幕の人も普通「おかしいな」と思うわけですよ。SEWの警報とかが鳴っていないのにもかかわらず、何故か「SEW入感」という情報が流れてきている。だから例えば、内局の方と統幕の人の間にそういうようなシステムがあれば、統幕の人も内局の人に「SEWが入感したので発射と言って下さい」と言ったかどうかわからないわけですよね。そこで躊躇があったかも知れないのですよ。

A:私の理解では、統幕であるとか、内局であるとかいう組織を意識して、地下の指揮所で作業をしていると認識しておりませんので、たまたま運用企画局の管理職の者が、その伝達をする係であったということだろうと思っております。要するに5日の時点においては、そこは前日の誤報も踏まえて、よく確認をして通報をしたと聞いております。

Q:実際にどうだったかは別にして、4日の時点では、例えば統幕の人が内局の方に「発射と言って下さい」とか「SEW入感というふうに声を上げてください」というふうに助言するようなシステム、逆に、内局の人が統幕の人に「こういうふうに言っていいですか」という確認する手続きというのは、その時点ではなかったのですか。取り決めはなかったのですか。

A:取り決めというようなものが、必要だとは認識しておりません。要するに取り決めというのであれば、例えば、統幕から運用企画局に連絡という手段があるというような組織の原理の整理になると思っておりますけれども、要するに同じ部屋にいて、ひとつの端的な事実が情報として出てくるわけですから、それを伝えるということだろうと思っております。

Q:今回は端的な事実はなかったのですけれども・・・。

A:ですから、「誤報」になったということだと思います。ですからそれは、端的なヒューマン・エラーだろうというふうに認識をしております。

Q:どうして統幕の人は告げられなかったのかと思うのですが・・・。

A:私が申し上げたいのは、統幕の人であれ誰であれ、その場にいるものが本来止められるのであれば、止めるべきであったろうと思ってはおります。

Q:止めるというか、その伝達をする人が、どういう形かは知りませんが、大声を上げれば、官邸でモニターしている方にも事実として伝わってしまっているわけです。その声を上げる人が、統幕の人であれ内局の人であれ、その前に確認するという手順は定まっていなかったのですか。

A:ですから、そこが今回の問題点の一つであろうと思っておりますけれども、要は基本的に端的な事実でございますので、その場でそれを把握したものが伝達をすればうまく伝わるのだろうというところに今回のエラーのもとがあったのだろうと思っています。

Q:機械的に聞いたことを、中央指揮所でもSEWでもいいわけですけども、聞いたことを伝達するという意識になってしまったということですか。

A:そういうことだろうと思います。

Q:4日に「発射」と言ってしまった人は、5日も同じ役割を果たしたのでしょうか。

A:はい。役割を果たしたと承知しております。

Q:別件ですが、今回のミッションにおいて、政府の情報収集衛星というのがあると思いますが、それはどのように活用されたと認識していますか。

A:政府の情報収集というものがあるわけでございますが、それが情報の分析の過程において、どのように活用されたかということについてはお答えを差し控えたいと思います。

Q:今、同じ役割を5日も運用企画局の方が担われたということは、要はその人が声を発したことで、それが即座に官邸にイコール伝わるということではなくて、統幕長の方で確認してから官邸に正式に伝えるという本来の手続きが踏まれたということか、それとも官邸があくまでもモニターをして・・・。

A:ですから伝達をする役割というのは、同じように担いました。ただ、今ご質問にもありましたように、5日の時点では、統幕長との認識の整合を取った上で、電話で連絡をする手続きを踏んでいると聞いています。

Q:そうすると官邸では、4日も5日も聞いてはいたが、官邸で聞こえたことでゴーを掛けたりとか、そういう手順はなかったと。

A:そこの詳細までは、今後の原因分析といいますか、検証の中で明らかにしていきたいと思っております。

Q:ただ、システムとしては、「官邸がモニターするシステムを第一報として使います」という説明が先程あったかと思うのですけれども、そうすると4日が失敗したので、結果的に誤報になったので、5日はちゃんと中央指揮所としての判断を、聞こえた音声を向こうがキャッチするというのではなくて、地下の指揮所の判断を、ちゃんと指揮所の側から主体的に伝えるようにしたということですね。

A:5日の時点ではモニターもありましたけれども、電話による伝達も行っております。

Q:するとモニターはあまり要らないのでは。

A:そこは、要らないかどうかではなくて、何をもって最終的に意思を伝えるかという手順について確認して行ったということでございます。

Q:問題意識というのが、こういう軍事オペレーションで、いわゆる専門家である統幕がそういう役割を担っていなくて、内局の方が声を上げてそこで伝達をするというふうに組み込まれているわけですよね。その軍事オペレーションの中に。そこで間違った情報を発してしまったということを軍事専門家ではない内局の人がそういうふうな役割を担っているということが問題ではないかと。例えば、そもそも統幕の人が専門的な知識を有して、判断して、声を上げるというふうにしておけば、今回のことはもしかしすると免れたのではないかなという気もします。そこの体制として問題はなかったのでしょうか。

A:私どもとしては、いわゆるご質問の中にある軍事専門家でないとこのような伝達ができないとは認識をしておりません。それともう一つは、この防衛省の中央において、また自衛隊の中央において、今の防衛省改革会議の報告書に沿って省改革を進めておりますけれども、いわゆる自衛官と事務官等も一緒になってオペレーションをやっていくという認識に立って対応しているところでございます。

Q:確認なのですけれども、4日から5日になって初報を発する上で手続きを変えたのは、まずはモニターではなくて電話で意思を官邸に伝えたということと、いわゆるSEWが入感した後の確認作業で統幕長が確認されたということ、この2点だったのか、それ以外にも手続的に確認作業を具体的に増やしたという項目はありますか。

A:確認の方法として、非常に細かい一つ一つ全部は私も承知しておりませんけれども、大きくいえば今ご指摘の2点については4日の誤報を踏まえて整理をしたと理解をしております。

Q:沖縄の宜野湾にある米軍のキャンプ瑞慶覧から出された廃棄物にアスベストが含まれていたということが明らかになったのですけれども、それについてどのように受け止めていらっしゃるかということと、省として現在何処まで詳細を把握しているかということを。

A:大変恐縮でございますけれども、今ご質問の事実について私承知をしておりませんので、今ここでお答えすることは差し控えたいと思います。

Q:沖縄防衛局からも情報は上がってきていないということですか。

A:ですから、私は今承知しておりません。

Q:早期警戒衛星のことなのですけれども、「全体としての有用性については否定できない」と先程おっしゃったのですが、2006年の米軍再編のロードマップの中で、「ミサイル防衛についてもお互い調整していく」ということが盛り込まれていますけれども、もう既にアメリカが持っている同じ衛星を日本も保有しなければならないということをおっしゃっているわけですか。

A:私はそういうことを申し上げたつもりではなくて、ミサイル防衛システムを行っていく上で、今我々が進めているBMDシステムの整備というのは、センサーについて代表的な意味でFPS−5、またイージス艦のレーダーを中心とするセンサー、それから府中の航空総隊で処理する指揮システム、それからSM−3やPAC−3というウエポン、このシステムによって一応、完結したシステムが出来上がっていると思っております。現状では、その上で、例えば米側からの色々な情報があれば、よりシステムとしての能力は高まると思っているところでございます。それが今日時点のBMDシステムについての、防衛力整備の認識でございます。ただ、早期警戒衛星の用法というものが、米側からも今回も情報がきたように、このBMDシステムのために役に立ち、有用であろうと思っております。ですから、宇宙基本法というものも議員立法で整備していただいたところでもありますので、今後、先程述べたように防衛計画の大綱の議論なり、中期防衛力整備計画の議論の中で、議論をされていくべきものだろうと、若しくは議論がなされていくだろうと思っているという認識でございます。

Q:次官は、日本のミサイル防衛システム、今アメリカに頼らなければならない早期警戒情報というものも日本が独自に取れた方がより良いだろうと思っているのでしょうか。

A:日本が独自にというかは別として、早期警戒衛星の情報というものがBMDシステム全体の能力を高めることに役立つだろうと認識をしております。他方、その衛星を我が国が持つべきなのかどうかということが、今後の議論であろうと認識しております。

Q:昨年、宇宙基本法ができたので、議論の盛り上がりがあるだろうということは分かるのですが、例えば、日本が持っていないセンサーとしてXバンドなどがありますよね。日本が保有していないけれども、アメリカが持っているというセンサーはまだ複数あるわけです。そういったものは、今年行われる大綱、中期防の議論の中で、「さらに日本独自のセンサーを持つべきだ」ということも話し合われた方が良いというふうにお考えでしょうか。

A:どういう議論が行われた方が良いとか悪いとかいうのは若干、私がお話しするのは僭越かなと思っております。ただ、いずれにしても今ご質問がありましたように、例えばセンサーの問題についていえば、早期警戒衛星に限らず、世の中には米側が持っているような他のセンサーもあるわけですから、そういうものをどう意識するのか、どういうふうに考えるのかということは、結論がどういうふうにでてくるにせよ、議論がなされてしかるべきであろうと思っているところでございます。

Q:それは、「議論された方が良い」という文脈でいえば、例えば今回東北にPAC−3が配備されたことで、東北地方の一部議員から「東北にも常備してほしい」という声がありました。PAC−3の更なる配備というものも含めて議論された方が良いと言うことでしょうか。

A:そういう「東北地方にもPAC−3を配備した方が良いのではないか」という議論があることは、今ご質問にあったとおりであります。ですから、そういう議論も頭に置きながら、これから年末に向けての大綱や中期防の議論を行っていくということは、当然そうなのであろうと思っております。

Q:議論があるという意味においては、敵基地攻撃についても、既に自民党などの一部から話が出ておりますけれども、これも議論があった方が良いとお考えでしょうか。

A:いわゆる敵基地攻撃能力というのは、今の日米防衛協力のための指針の中でも、基本的には我が国は防勢作戦を担っていくと、その他の作戦というのは米側にというような役割分担が今行われているところであります。ですから、我々としては、基本的にはそういう役割分担の中で物事を考えていくということだろうというふうに認識をしているところでございます。


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