大臣会見概要

平成21年4月14日
(10時06分〜10時23分)

1 発表事項

 本日、国際連合スーダン・ミッションのUNMISですが、第2次司令部要員として陸上自衛官2名が出国をいたします。昨年10月に派遣された第1次司令部要員2名については、第2次司令部要員への業務の引継ぎ等を行った後、今月下旬に帰国する予定でございます。


2 質疑応答

Q:海賊対処法案が今日から審議入りすることになりましたけれども、これについて大臣としての所感、それから法案の意義について改めてご説明いただけますでしょうか。

A:新法に基づく自衛隊の海賊対処については、我が国と関係のない外国船についても海賊行為から防護することが可能となり、また、海賊船による民間船舶への接近を阻止するための武器使用権限が付与されることになるわけであります。このことによって自衛隊がより適切かつ効果的に海賊対処を行うことが可能になると考えております。自衛隊による海賊対処については、新法を整備した上で対応することが基本であると一貫して申し上げてきたところでございます。政府としては、国会において法案の早期成立に向けたご審議をお願いしたいと考えているところであります。

Q:民主党の方が自衛隊員を派遣するにあたって、新設するような形で海賊対処の組織を作りまして、「自衛隊員の任務を一時的に移して派遣する」というような対案と言いますか、修正案の骨子を作っていますけれども、これについてのお考えはいかがですか。

A:法案の意味と言いますか、国会の関与ということになろうかと思いますが、海賊への対処は、海上における公共の安全と秩序の維持を図ることを目的とする警察活動であることから、海上警備行動の例が示すとおり当然に国会への報告、承認等が必要となるものではないこと。また一方、本法案における海賊対処行動については、自衛隊が長期間にわたって海外で活動することが想定され、自衛隊をより適確な統制の下で運用することが求められている観点から、国会でのご議論を踏まえて国会の意志を実施面に反映させることが適当であるといった点を考慮して、内閣総理大臣が海賊対処行動を承認したとき等に遅滞なく国会に報告しなければならない旨、規定したものと承知をしております。いずれにせよ、政府としては、国会において法案の早期成立に向けたご審議をお願いしたいと考えているところであります。

Q:早期成立の目途というのは、現時点でどうお考えでしょうか。

A:これは今日から始まるわけでありますから、現時点で予断を許さないところがあるわけではありますが、この法案についてご議論いただくというのは当然のことであります。その中においても、法律的には海上警備行動等がベースになっておりますので、時間的に長期化する対立点というのは今後、修正も含めて色々なお話しがあるようでございますので、早期に上がることを期待しているというところです。

Q:民主党とも歩み寄れたら良いなということですね。

A:当然、自衛隊を派遣するときには、与党、野党問わずご理解をいただいて派遣するのが、自衛隊にとって一番良いことであると思っていますので、そこは双方議論した中で一つのものが出来上がれば良いなと思っています。

Q:新法ができるということで、我が国に関係のない船も保護が可能になるということをおっしゃいましたが、現在2回行われている不審船への対応というのは、いずれも日本関連船舶ではない船を守る形になっています。本来こういった活動というのは、新法が通ってから行うもので、現在の海上警備行動では想定していないもので、相応しくないのではないかという考え方もできるかと思うのですが・・・。

A:今回の場合の行動においても、色々な制限の中で最低限許容される範囲内で行ったと考えておりますので、そのようなご批判を受けないためにも新法を早く通していただきたいというのがあるわけです。今回の場合には、目の前でそのような行為が行われている際に、「何もしない」ということで本当にそれでいいのかと思いますし、最低限、海上警備行動から逸脱したというような行為ではなかったと思っております。指向性大音響発生装置を使用し、呼びかけを行ったことにより止まったということでありますので、今回の対応が「はみ出ている」というようには思いませんので、そこの曖昧なところをはっきりさせる上でも、新法というのは必要だと思っております。

Q:現時点では、今回の守ることの意義というのは十分理解できるのですが、実際として武器使用は色々と制限されている中で、ぎりぎりのところまでやらなければならないというのは、実際にミッションが始まってわかったということだと思うのですが、やはり海賊新法が成立するまでは、こういった形で、ある意味苦しい形で対処せざるを得ないという現状認識でしょうか。

A:最低限できることを行うということは当然のことだと思いますし、シーマンシップの上からも、やはり「SOS」を発信しているものを見過ごすというのは、あり得ないことでありますので、それに対して指揮官の判断でぎりぎりのところまで行ったということだと思っています。その判断の幅を広げる意味でも、やはり新法で明解にさせていくことが重要であると思っております。

Q:海賊対処の活動が始まって2週間になりますけれども、この2週間の活動ぶりについてはどのような評価をされていますか。

A:「しっかりやってくれている」という感想を持っております。いずれにしても我々の任務は、アデン湾を通行している我が国の船を安全に航海させるということでありますので、そういう意味においては、この2週間しっかりやってくれているという思いはあります。

Q:一方で米軍が海賊船と銃撃戦を行うような海賊の活動の方の現状認識はどのように。

A:マスコミ等の色々な情報を聞いています。各国が船を派遣し、海賊の対処活動をしているわけでありますので、海賊の方も自分達の目的のために色々な形を変え、進化をしているような気がしないでもありません。要するにその航行の地域というのも、その地域ではない地域でまた海賊が起きたり、漁師を装ってという話も聞いております。そういった意味では多様化してきているなという気はしないでもないです。

Q:その多様化してきた中で、今後アデン湾からさらに南の方の海で海賊行為が増えてきたという状況になってきた場合に、自衛隊の活動というのを南側に移すということも考えられますか。

A:日本籍船が、その地域まで出張っているかどうかは現在、把握しておりません。一概にはお答えが難しいわけですが、現在のところはアデン湾の中のことを想定していますので、それ以外を判断するには至っていないということだと思います。

Q:事前ではかなりの応募が殺到して、色々な船が護衛して貰いたいということになるのではないかと予測されていたわけですが、実際には5隻前後ということなのですが、このギャップについてはどのように分析されていますか。

A:自衛艦の隻数は2隻であります。船舶協会とも色々な調整をしながら、今まで進めてきているわけであり、護衛対象船舶もタイミングがあると思います。アデン湾を行き来している中で、対象船舶が集合し、護衛艦が護衛をするという形になっていますから、それに合う、合わないということを調整しながら対応しているわけですから、今後は増えるかもしれません。護衛については、国交省等とお互いチェックしながら行ってきているわけですから、その隻数の少なさの問題ではなく、今後、日程調整が上手くつけば、隻数も増えてくるかもしれませんので、一概に今、この2週間の活動の中で「ギャップ」ということを言うのはなかなか難しいと思っています。

Q:先程の海上警備行動における外国船舶の護衛というか、対処の方法なのですが、今回の場合は大音響やサイレンで追い払ったという形になっているのですが、今後、外国籍船に向けて、海賊が何らかの射撃行為等に出た場合は、基本的には、正当防衛・緊急避難でなければ、自衛隊が対処できない、すなわち応戦が出来ないということだと思うのですが、それに対して、ご懸念とか、今後の心配というのはありますか。

A:心配をし始めたら、きりがないのですが、今の状況下で我々の持っている色々な武器を使わずに効果が現れているのもございますので、出来る限りの能力の中で、指揮官はやってくれているものと思います。今後、そういう状況に際した時というのは、お話がありましたように、武器の使用には制限がかかっているわけですから、指揮官の判断が難しいことになろうかと思うわけでありますので、先程申し上げましたように、今回の新法を早く通していただいて、そういった迷いがないような状況を作っていただければと思っているところであります。

Q:護衛艦2隻が関係船舶の対処で船団を組んで護衛されていると思うのですが、その前後とかに外国籍船が直接な護衛ではないにせよ、一緒に航行することによって、自らの船を守ってほしいと思って、各外国籍船が付いてくるケースがあるかと思うのですが、それは実態としてあるのかどうかと、船団の後ろをついてくる外国籍船への対応として、海上自衛隊としてはどういうふうに対応するように考えておられますか。

A:そういった報告を受けていないので、今ここでお答えするのは難しいわけであります。ただ、あくまでも我々の任務は、日本の船を警護するということでありますので、後からついてくるものに対して、そもそも「駄目だ」とは言えないわけでありますし、そういったことも含めて、もしも海賊が襲ってこないのであれば、プレゼンスだけで十分効果があるならばそれで良いと思いますし、今回のような「SOS」を発信したものに対しては、制限のかかっている中で我々のやれることをやれれば良いのではないかと思います。ですからその仮定ではなかなか申せませんが、実態も含めて、もう少し色々な報告を受けてからではないとなかなかお答えしづらいので、今のところは私の言っていることで限界かと思います。

Q:国連安保理で先の北朝鮮のミサイル発射に関しまして、「先の国連決議に対する違反である」ということを明記した議長声明案が全会一致で採決されました。これについての評価をお願いします。

A:私もその件についてはお聞きしておりますが、本日未明に国連安保理事会において北朝鮮によるミサイル発射を安保理決議第1718号において、これに対する違反として、非難して北朝鮮に対して決議第1718号の完全履行を求め、また決議第1718号の履行を徹底するための具体的手続等を盛り込んだ議長声明を発出したということは私自身も聞いております。我が国を含む関係各国が自制を求めたにもかかわらず、北朝鮮がミサイル発射を強行したことは安全保障上の重大な挑発行為であると言わざるを得ず、当然、容認できないと思っているところであります。

Q:当初日本政府としては、「制裁決議などを求める」という話もあったのですが、こういう形に落ち着いたことに関しては、議長声明に落ち着いたことに関してはどうですか。

A:色々お話があるように、この議長声明にすることによって制裁の委員会を開いて、「明確な制裁をする」ということも聞いておりますし、「実」という部分では、議長声明というのは「実」を取った部分があろうかと思います。これは決議であれ議長声明であれ、我々とすれば効果があると思っております。今回の議長声明によって、まさに北朝鮮に対する「制裁」という「実」を取ったと感じているところであります。


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