大臣臨時会見概要

平成21年4月5日
(13時25分〜13時42分)

1 発表事項

 北朝鮮による飛翔体発射事案につきましては、判明している点としては、本日11時30分頃、北朝鮮から東の方向に飛翔体が1発発射され、11時37分頃、東北地方から太平洋に通過したものと推定をしております。落下物については、11時37分頃秋田県の西、約280qの日本海上に落下したものと推定しております。その他飛翔中の物体に関する情報については、11時48分頃、日本の東、約2,100qの太平洋上で追尾を終了したところであります。

 防衛省においては、事案発生直後の11時34分頃に、状況把握のための緊急幹部会議を開催し、さらに、先刻、本件に関する関係幹部会議を開催したところであります。現在までのところ、自衛隊においては、自衛隊法第82条の2第3項に基づく破壊措置は実施をしておりませんが、引き続き、艦艇及び航空機により警戒監視活動を実施中であります。私からも情報収集・分析と警戒監視活動に万全を期すよう重ねて指示をしているところであります。

 今回の事案については、先般からの我が国を含む国際社会からの自制の要求にもかかわらず、北朝鮮が飛翔体の発射を実施したことについて、大変遺憾であると考えており、今後、関係国と緊密に調整をしつつ政府全体として毅然とした態度をとることになると考えているところであります。


2 質疑応答

Q:今回破壊措置は行わなかったということですけど、そのミサイル防衛システムが十分に機能したかどうかというところをお伺いいたします。追尾を終了したのが約2,100q先ということなのですが、北朝鮮はもともと2,150qキロくらいのところを危険区域として指定していました。これが2,100qで追尾を終了したのは、何か技術的な問題があったのでしょうか。

A:これは技術的な問題というより、制限性もございますし、我々のレーダーの能力から行けば、当然、「きりしま」の、太平洋側に出ている我々のイージスのレーダーも当然水平線が切れてしまえば、これから先がなかなか追えないということもありますので、そういったことも考え合わせてということだと思います。

Q:先程、午後1時から行われました官房長官の記者会見では、1,270q付近に2つ目の落下物が落ちたということを説明されていますが、先程の防衛省の説明とは食い違うのですが、これはどうなっていますか。

A:これは食い違いではなくて、我々とするとその件に関しましては、推測というふうにお伝えしたわけでありますけれども、いずれにしても分析結果が出てみないと、そこでまた内容に差が出るといけません。これから解析をした上で、もう一度発表をさせていただくことになろうかと思います。

Q:2段目以降の行方なのですが、現状はどのように把握されていますか。人工衛星の投入は出来たのでしょうか。

A:それはまだです。これからの分析を待っているところでありますので、今おっしゃったように人工衛星云々というお話は少々時間が掛かるというふうに私どもとしては考えているところであります。

Q:自衛隊の警戒監視体制を継続するということですが、自衛隊法82条の2に基づく破壊措置命令はいつ解除するお考えでしょうか。

A:これに関しましては、10日までの命令を出しているわけでありますので、随時その状況に応じて撤収することになろうかと思います。

Q:いわゆる2発目、3発目の発射の兆候というのはあるのでしょうか。

A:これはあくまで情報にかかわることでありますので、今ここでコメントは差し替えさせていただきたいと思いますが、情報収集活動は今後も続けているところであります。

Q:市ヶ谷のPAC3は、もう既に発射台を下ろしている状態になっていますが、警戒は基本的には解いていると考えてよろしいですか。

A:警戒していたものについては、頭上を越したわけですので、PAC3等々については、一旦は発射台を下ろして、今後の色々な状況に対応するということです。近隣住民の方もご不安な事だと思いますので、一旦はこれを下ろしたということでございます。

Q:昨日は情報伝達の関係でドタンキュウな状況もありましたけれども、今日の政府の一連の対応について、防衛省としてどのようにお考えですか。

A:昨日は、大変遺憾な形になったわけでありますが、本日につきましては、大変上手く情報の伝達態勢がとれたものと思っております。

Q:第1報が入ったのは早期警戒衛星又は日本が持っている自衛隊のレーダーだったのか、その辺をお聞かせ下さい。

A:そこは我々のシステムに係わることでありますので、全ての情報を勘案しての形で判断したということであります。

Q:早期警戒衛星からの情報は入っていたのでしょうか。

A:それも併せてということです。色々な情報を全て勘案して判断したということであります。

Q:北朝鮮が予告していた4日から8日の間に発射されたわけなのですけれども、日本に落下することもなく飛行したということなのですが、この北朝鮮のミサイル開発の技術水準についてはどういうふうに分析されていますでしょうか。それは日本に対しての脅威が増大したというふうにお考えでしょうか。

A:これから分析をしなければならないと思っていますし、今ここで技術的なことを私が申し上げる段階にはないと思っております。ただ、技術は日進月歩のところがあるでしょうし、また我々の方もそれに対応して色々なシステムを考えているわけでありまして、そういう意味では今回の情報の伝達にしてもほとんどリアルタイムで情報が出てきたということも技術水準が高くなったということでございます。技術という面においては、年数の積み重ねがあると考えられますが、確たることは分析の結果を待った後に評価すべきことだと思っております。

Q:分析結果ですが、まず一定のものがまとまった段階で、公表されるお考えがあるのかどうかと、例えば1ヶ月とか、もし公表されるお考えがあるのであれば、公表される時間と目途というのはどれくらいをお考えでしょうか。

A:飛翔体発射が今日でございますので、分析結果については、具体的な日数というのはなかなか申し上げられませんが、お伝えできる範囲はお伝えしていきたいと思っているところであります。

Q:今回初めてミサイル防衛のシステムを実任務として行われたと思うのですが、一方で住民への説明とか新たな課題も出てきていると思うのですけれども、今の段階でミサイル防衛について大臣はどのような評価をされているのですか。

A:我々の持っている色々な機能というのは十二分に果たしたものと思っております。機能としての部分での追跡、いわゆるレーダー等々のものに関しては、能力を十二分に発揮したものと思っております。ただ、今回の場合には、北朝鮮が国際機関に色々なものを通報したりとか、そういったことがあったわけですので、今回の場合の対応とまた他の場合というのを区分けして判断するのは難しいところだと思っています。ですから、今回のような場合とそうでない場合、これは国民保護法制の関係にも係わってくると思うのですが、住民に対する説明等々、不測の事態にどういった対応をするかというのはもう一度検証する必要性があると思っています。ただ、今回のように事前に国際機関へ通報された中に関しては、我々とすれば確たるものができたと思っております。

Q:今回のオペレーションで米軍との連携を密にするというお話があったのですが、今回米軍との連携、協力というのは十分に機能したとお考えでしょうか。

A:お互いの情報交換等々については、日頃からこれを行ってきているところでありますので、そこに問題点があったというふうには考えておりません。

Q:今回、北朝鮮は発射を予告し、さらに地域・海域も指定し、段取りをきちんと踏み、さらには衛星からの監視網にも公然とミサイルを立てるような行動を取った上で綺麗に発射したという印象を持ちます。この北朝鮮の行動全体についてはどのようにお感じになりましたか。

A:我が国の上を飛ばすというのは、極めて不愉快でもありますし、こういったことがない方がいいわけであります。如何に手続を取ろうとも他国の上に飛翔体を飛ばすというのは極めて問題があると思っておりますので、これに対しては国際機関に対してしっかりと対応していかなければいけないと思っております。今後、政府全体として対応を決めていかなければならないと思っているところであります。

Q:秋田県沖に落ちた落下物等を回収するお考えはございますか。

A:それが果たして出来るかどうか、今ここでお答えするだけの情報を持っておりませんので、今後、対応を考えることであると思っております。

Q:平成10年の弾道ミサイルの発射の場合、「北朝鮮は弾道ミサイルの長射程化を睨んだニュース的課題の検証が目的であったという可能性が高いと判断される」というふうに防衛省の方は分析結果をとめていたのですけれども、今回の発射についてはどういうふうに見ていらっしゃいますか。

A:これは、如何なるものであっても技術的な部分というのは、運搬手段としての能力を上げて検証するというのは、どこも考えていることだと思います。頭に乗っているものの違いだけで、ロケットかミサイルかというものもあるわけです。それを運ぶ手段としては色々な材料がとれるわけでありますから、技術的な部分というのを検証するということは、ミサイルでもロケットでも同じことだと思いますので、今おっしゃったように北朝鮮がどこに意図があるのかわかりませんが、しかし、そういった色々な要素を含んだものを今回のことで得たということは間違いのないことだと思います。

Q:今の時点で、人工衛星であればあるであろう電波の発信というのは受信できているのでしょうか。

A:これは時間のかかる話だと思います。それを確認する術がございませんので、色々な情報を収集した上で、そうであるのか無いのかというのはわかると思いますが、これはすぐには結論は出ないことだと思っておりますので、時間を要するものと認識しているところであります。

Q:2段目のロケットですが、まだ推定の段階かも知れませんが、切り離しについては成功したかどうかということについては・・・。

A:航跡も含めて確認、分析をしてみないと切り離したかどうかは最初のブーストの燃焼も含めて、全ては解析してからではないと判断が付きませんので、その点についてもお時間をいただければと思っております。

Q:太平洋の2つ目の指定海域よりも手前に、2個目の落下物が落ちた可能性はまだ念頭に置かれているということでしょうか。

A:それに関しても、まだここで継続的に見ている部分もありますから、その部分の解析をしてみないと、特定できるだけの材料がないので、そこも含めて時間をいただきたいと思っております。

Q:これまでに北朝鮮が危険地域などを想定して告知してきていますが、そこから考えた「北朝鮮がこう飛ばすだろう」というような想定と、今回のものは合致しているものでしたでしょうか。

A:わが国の遙かかなた上空を飛んでいったラインというのは、ほとんど合致しているのではないかと思っております。ただ、距離的なものは解析してみないとわかりませんので、今後しっかりと検証してみたいと思っているところであります。

Q:当初は4日から発射する予定だったのですが、昨日見送られ、今日発射が実施された要因というのはどのように見られていますでしょうか。

A:そこは判断するだけの情報がまだ揃っていません。昨日からも色々なことが言われているわけでありますけれども、今のところ判断する材料を持っておりませんので、これも含めどうなのかということもわかるかどうかわかりませんが、可能な限り考えてみたいと思います。「これだ」というものが今はないものですから、コメントはできません。

Q:アメリカ政府の方は、「テポドン2」というふうに声明を出しているようですが、今回、日本政府としては、これは「テポドン2」若しくは改良型とか、どういうふうな調査をされていますか。

A:これに関しては、今はっきりと決めるだけのもの持っていませんので、それを含めてもう少しお時間をいただき、解析をさせていただきたいと思います。

Q:国民に対して、今回のオペレーションを通じて、どうだったかということを一言最後にお願いします。

A:昨日、誤報ということをしてしまいまして、国民の皆様には大変申し訳なく思っているところでございますが、しかしながら、今回、発射の情報収集の態勢というのは確実にできたと思っております。そういった意味で昨日のようなことがないように、今後もしっかりと情報伝達も含めて対応して参りますので、国民の皆様にご理解、そして色々なご指摘をいただければと思っているところであります。


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