次官会見概要

平成21年3月12日
(15時00分〜15時19分)

1 発表事項

 私の方から発表事項が2つございます。いわゆる国際会議の開催の件でございます。今般、自然災害や海賊・テロなどの地域の安全保障課題への対応に関する防衛省の新しい取り組みとして、会合とセミナーを開催することとなりました。会合の方は来週17日にASEAN各国の防衛当局者を招きまして、対話を行い、緊密な人的関係を構築することを目的としております。会合の名称は、「アジア太平洋地域における共通の安全保障課題に関する防衛当局高級事務レベル会合」です。私がとりまとめ役を務めますけれども、それぞれのASEAN各国の次官級の方々と率直に議論できることを楽しみにしております。また翌日18日には東南アジアの諸国、またわが国の有識者等を招きまして、「第1回共通安全保障課題に関する東京セミナー」を開催をいたします。こちらは公開セミナーでやらしていたただこうと思っているところでございます。それから発表事項の2点目は、「部外に対する意見発表手続の見直し」ということでございます。今日、「部外に対する意見発表の際の手続の徹底について」という通達と、「部外に対する意見発表の際の手続の実施について」という通知をそれぞれ発簡をいたしました。この件は、前空幕長の事案を受けまして、再発防止策の一環として、部外に対する意見発表手続の改善を検討していたところでございますけれども、表現の自由等に配意しつつ、自衛隊員の部外に対する意見発表の際の手続を明確にし、周知徹底を図るものでございます。具体的には届出対象の明確化、届出内容の明確化、届出先の明確化等、3つの次元についてそれぞれ明確化を図ることで内容が成り立っているところでございます。手続について部内に周知徹底の上、4月1日から施行する予定でございます。


2 質疑応答

Q:北朝鮮のいわゆる弾道ミサイル問題なのですけれども、北朝鮮が4日から8日の間に人工衛星を打ち上げると国際海事機関に通報したと報じられております。防衛省としてはまずどのような内容を把握しておりますでしょうか、また防衛省として、警戒監視態勢を強化する等どのような対応を取るお考えでしょうか。

A:今ご質問にありました報道については、私どもとしても承知しておりますけれども、具体的な事実関係の詳細につきましては、現在確認中ということでございます。引き続き情報収集に努めて参りたいと思っております。いずれにいたしましても政府としては、これまで何回も申しあげておりますけれども、地域の安定と平和を損なうような行動を慎むよう、北朝鮮に求めていくことが重要であると考えております。また、警戒監視態勢云々のお話もございましたけれども、この点についてはこれまで同様、必要なことを必要に応じてやっていくということで態勢を続けていきたいというふうに思っているところでございます。

Q:それでは海賊対策についてお伺いいたします。昨日、与党政策責任者会議で海賊対策法案が了承されました。武器使用権限については、警職法7条の補完に、新たな規定も設けられたのですけれども、改めまして防衛省として十分な内容だと評価されていますでしょうか。

A:私は何回かこの場で、いわゆる海賊新法とものの中で、特に武器使用につきましては、「現場で判断に迷うことのないような形になることが望ましい」、そういうことで議論をさせていただいているということを、申し上げさせていただいてきたと思っております。基本的には今回の新法の中で、いわゆる危害許容要件というものがかからない形での武器使用というものが、認められるというような方向になると思っていますので、その点は私どもの考えというものが反映されているというふうに思っているところでございます。

Q:海賊対処というのは、自衛隊の海外活動の歴史の中でどのような意義があるとお考えでしょうか。

A:まず私ども防衛省・自衛隊としてはかなり前になりますけれども、PKO法ができた上でカンボジア(UNTAC)に部隊を派遣し、それ以後、例えば今も続いている2001年の9月11日の事案を受けて、テロ特措法に基づくインド洋に海上自衛隊の艦船等を送り、その後、2003年にはイラク特措法ができ、この法律に基づいて部隊を派遣しました。この他にもいくつか、いわゆる海外でのミッションというのを行ってきているところでございます。そういった一環として、時代というか国際社会の必要性というものに応じて、海賊対策に自衛隊が対応するということは時宜にかなったものではないかなと思っておりますし、それから、防衛省が庁から省に移行時の法案の中で国際平和協力活動というものが本来任務に加えられたということを踏まえてみれば今回の活動もあるのかなということを思っております。公共の秩序の維持ということもありますけれども、日本に近海を離れて活動することは事実でありますので、そういう要素もあるのかなと思っております。更に付け加えれば、今、過去にあげましたいわゆるPKO活動であるとか、インド洋の活動であるとか、イラクでの活動というのは、インド洋の活動、イラクの活動がどちらかといえば後方支援の活動でございます。またカンボジアの活動はいわゆるPKO活動というものでございましたけれども、今度は海警行動ということでございますので、ある意味で前面に出て自衛隊が活動するというものになるだろうと思っておりますので、新しい分野かなと思っている次第でございます。

Q:そうすると、大臣も次官も懸念を示されていた海賊対処の中身としては、今回の新法は「満足である」という認識でよろしいですか。

A:基本的に武器使用の点について、もちろん色々な視点がございますけれども、一つの方向性もしくは一つの成果として、我々の考えていた点というのが反映されているというふうに思っております。

Q:意見発表手続の見直しの件ですけれども、これは基本的には今回の田母神さんのような、懸賞論文への応募自体は否定しないということでしょうか。

A:それはそうです。要するに考え方としては、仕事としてであれ、プライベートな立場であれ、職務に関する内容を部外に発表する場合には届出を出して下さいということでございます。先程、明確化3点と申しましたが、今まではいわゆる官房長通知という形で行っておりまして、必ずしも届出内容や、届出対象などが明確でなかったというふうに思っているところでございますので、そういうことも明確化したということでございます。

Q:事務次官通達というのはどこまで・・・。

A:まず通達がありまして、細部を官房長通知で定めるという形になっております。通達は大臣で、通知は官房長で発出します。

Q:海賊の対処なのですけれども、先程「前面に出て自衛隊が活動する」とおっしゃいましたが、今後、国際平和協力活動などで、後方支援ではなく、例えば警備であるとか、そういった部分で自衛隊がまさに前面に出て活動することに今回の新法がつながるという期待というのはお持ちなのでしょうか。

A:期待というものを持っているつもりはございません。今回の海上における警備行動という、元々自衛隊法82条にある条文に基づく活動でございますけれども、いわゆる支援というよりは、具体的に海上における法令の秩序の維持のために活動するというそういう部分を持っているというのは私が申し上げたのは、今までの活動とは少し側面が違うのではないかということでございます。ですから、それはこういう部分の活動については、それぞれの分野で色々な議論があろうかと思いますので、まさにそういう議論を踏まえて考えていくべきことだと思っております。

Q:細かいことなのですが、海賊対処で、これは海上警備行動でも海賊対処法案が成立した後でも同じだと思うのですけれども、アフガニスタンとソマリアで密輸船が行き来していると言われるのですが、密輸船を見つけた場合の自衛隊の対処というのはどのような形になるのでしょうか。

A:基本的には密輸船というものがどういうものであるかということによると思いますが、少なくともそういう船舶の情報を関係者に提供するということはあり得るのであろうと思っております。

Q:取り締まりということはできないと。

A:そこは、厳密に法解釈等を詰めて考えていくべき分野と思っております。

Q:別件なのですけれども、沖縄の普天間基地の移設問題に絡んで辺野古での環境影響調査が始まってから1年を迎えます。ということはその後に準備書が県側に提示されると思いますが、その準備書の内容の方向性含めて提示のタイミングなど、今の状況はどういう状況なのでしょうか。

A:いわゆる普天間の移設の問題につきましては、環境影響評価のプロセスを進めているところでございます。昨年、方法書を公表し、それに基づいて県とも調整して評価をしておるということでございます。今年の3月で1年になりますので、これまでの評価というものを取りまとめて、準備書という形で県に提出しようと思っており、その方向で作業をしているところでございます。

Q:その中身の方向性なりは定まってきている状況なのでしょうか。

A:この3月で評価も1年になりますので鋭意、事務的に煮詰めているところでございます。

Q:地元はずっと沖合移動を求めていて、表向きは膠着状態というふうにうつるのですが、次官ご自身はこの移設問題について現状認識はどういうふうにお持ちですか。

A:現状認識ということで全体として言えば、普天間飛行場の移設返還というものは、この普天間飛行場の周辺住民に対する危険性の除去や、航空機騒音の低減を図るというものでございますので、沖縄の方々の負担を軽減するという観点に立って是非とも実現しなければならないという考えでございます。移設そのものについては、平成18年5月のロードマップで示されているように、いわゆる運用上の能力を確保しながら安全性や騒音及び環境への影響という問題に対処するものとして、地元の名護市等との合意を踏まえて米側と合意したものでございます。私どもとしては、これは生活環境や自然環境、また実行可能性についてバランスが保たれているものと考えているところでございます。したがって、合理的な理由なく変更することは困難であるという認識でいるところでございます。それと地元との間では、「普天間飛行場の移設に係る措置に関する協議会」をこれまで既に8回開催して参りまして、逐次この環境影響評価なり、建設計画等について意見の交換を行ってきているところでございますし、昨年の7月には第8回協議会の合意に基づきまして、2つのワーキングチームを設置し、事務レベルでも既に3回の会合を開催し、密接に協議をしているということで、これまでできるだけ早くこのロードマップに従ってプロセスが進むことを期待してその方向で努力しているところでございます。

Q:今、合意というふうにおっしゃったのですけれども、むしろその中でも沖合移動を求めている一つの背景に、具体的に建設計画も示されたわけではないし、その中に書かれている結論も得ていないと、「最終合意ではない」と地元は言っているのですけれども、これについてはどういうふうに・・・。

A:私どもとしては、地元と密接に意見交換をするために設けられている普天間協議会という場を通じて政府の考え方を説明し、地元のご理解を賜りたいと考えている次第でございますし、更にいわゆるワーキングチーム「建設計画」、「危険性の除去」と2つのものを設けておりますけれども、事務レベルでもそういうワーキングチームを通じて地元の皆さんの意見を聞きながらプロセスを進めて行くということが一番重要なことだと思い、そういう観点で努力をしていくところでございます。

Q:つまり、「合意なのか合意じゃないのか、あいまいな図しか示されていない」と言っているのですけれども、そのことについては、きちっと合意されているものを提示したということ・・・。

A:それは先程触れました当時の合意文書というものがありまして、その上でその合意に従って日米間で協議をし、ロードマップで合意したもの。それに基づいて、今色々な協議をしてプロセスを進めていこうという考え方でいるところでございます。

Q:そのプロセスということになると、沖合移動の可能性というのは、つまり修正というのはあり得るのでしょうか、それとも全くないのでしょうか。

A:繰り返しになるわけでございますけれども、現在の案は生活環境や自然環境、実行可能性についてバランスが保たれているものと私どもは考えております。したがって合理的な理由なしに変更することは困難だということでございます。

Q:合理的理由があれば、逆に言うと可能性はあるというふうにとっていいのでしょうか。

A:受け取り方は色々あると思いますが、私どもとしてはこの案が一番バランスのとれたものだと考えておりまして、合理的な理由なく変更することは困難だと思っております。


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