大臣会見概要

平成21年1月16日
(10時52分〜11時11分)

1 発表事項

 なし


2 質疑応答

Q:海賊対策について、昨年総理から検討指示を受けていると思いますけれども、防衛省内でも検討作業が進められ、昨日、与党PTでも防衛省側から武器使用基準、派遣準備に関して課題を整理して報告がされていまして、与党PTの方は来週にも海上警備行動に関して一定の結論を出す方向ですけれども、それに合わせて総理に防衛省内の検討内容について報告する考えはありますでしょうか。あるいは、総理にはある程度の報告は終えているのでしょうか。

A:新たな海賊法の整備とか現行法の中で、どんな対応ができるのかということについては、総理からも「早く検討しろ」ということは言われているわけでありますから、現在しっかりと検討を行っているところであります。ですから今の状況からすれば与党PT等でも議論されているところでありますので、それに合わせて我々もしっかりと検討を進めている途中でありますので、そこは遺漏無きようやっていきたいと思っています。

Q:派遣準備の面については、例えば教育訓練とか装備調達などがあるようですけれども、日数的にはどのくらいを見込んでいますか。

A:基本的な方針がまだ決まっていない段階で、どのくらいの日数がかかるかというのはなかなか私の方から、まだ今のところお話ができるような状況にはないと思っています。

Q:海上警備行動について、「艦船を出せないことはない」というようなことをおっしゃっていましたけれども、出すための条件、出せるための条件はどのようなものがあるのでしょうか。

A:それも含めて今議論、検討をしているところであります。ただ、法律自体を読んでいただければ分かると思うのですが、そもそも今までの自衛隊を海外に出す時の法律とはちょっと違いますので、皆様方にご説明をしつつ議論をしていかなければならないところというのはかなりあると思います。「新法」と我々が申し上げているのは特にそういった海賊に対する法律がないわけですので、そことの整合性をとりながらやっていかなければならないものがあると思うわけであります。そもそも海上警備行動というのが前々から議論がありますように、海上保安庁の下支えとして海上警備行動があると思っているわけでありますので、これはそもそも「海外へ出す想定の基に海上警備行動ができているのかどうか」とかいろいろ議論があるわけですので、そういったところのご理解をしていただくためには、本来はやはり一般法というのは当然のことでありますが、時間がかかるということであるならば、そのつなぎというような発想をどこかでしなくてはいけないということであれば「現行法で」というようなことになろうかと思いますので、そこは我々とすれば慎重に検討をしていかなければいけないことだと思っているところであります。

Q:そうしますと、一般法がもうかなりできるというのがはっきりしてくれば、現行法での対応というのは、それは容認することになりますか。

A:そこは当然条文を読んでいただければ分かるように、特に細かく色々な規定が書いてある法律ではないわけでありますので、そこのところは判断すれば当然出せるわけでありますけれども、それをすぐ使って本当にいいものなのかも含めて、またそこのところのご理解が得られるかどうかも含めて判断しなければいけないと思っておりますので、そういう点での検討を我々とすればもっともっとしっかりと行いたいという思いでありますので、条件になるかどうかは別にして、やはりそこは慎重に対応していかなければならないと思っているところであります。

Q:与党PTの方で、昨年インド海軍が海賊に乗っ取られた漁船を撃沈した例、海賊と交戦して相手を射殺したというような事例が正当防衛や緊急避難に当たるかどうかというような議論がありましたけれども、これは憲法との兼ね合いもあると思いますが、即自衛隊の行動基準として適用できるものなのかどうか、その基準というのはどういうふうにお考えなのでしょうか。

A:そこも含めて今議論しているところでありますし、またPTの方でも今後ご説明を申し上げていくことだと思っておりますので、当然そういった各国の軍隊とは違った制約の中で我々は行動しなければならないということでありますので、そこは他の国と同じような権限が与えられるかどうかも含めて今議論をしている最中だと私は思っておりますので、そこのところの判断というのも含めてPTと我々の方で議論をさせていただきたいと思っているところであります。

Q:省内の検討とかPTでの議論というのは、海上警備行動で海自を出すにあたって、大臣が抱かれている懸念というものを払拭できるものに近づいているものだと今お考えでしょうか。

A:そもそも海上警備行動というのは私自身が命令を出せば、出せるわけでありますが、しかしそれと今回の海賊対策というのは、政府として海洋基本法ができ、なおかつ海洋政策本部の方でこれに対して法律を作るということで動きが始まっているわけでありますので、そことの整合性ということを考えれば、当然海賊法制というものをしっかりと作り、準備をしておくべき話だと私は思っておりますので、そこがやはりメインのはずであります。海上警備行動というのはもう既に我々の自衛隊法の中で書かれている法律でありますので、それがメインではないと私自身は思っておりますので、海賊法の成立というのが極めて重要なのかなと私自身は思っております。

Q:そうすると、大臣は先程「つなぎ」という言葉を使われましたけれども、メインであるはずの海賊法がない中で結局は海上警備行動で出さざるを得ないということになった場合は、大臣にとっての懸念というのは残ったままの発令ということになりますが、その辺りは大臣の中ではどのように捉えられますでしょうか。

A:海賊法制というものは、しっかり作ることが重要であると思っています。ご存じのように海上警備行動の法律の規定と言いますのは、今まで海外に自衛隊を出したときの要件とは一致しないものが多いわけでありますので、そこのところがどうなのかということもあり、海賊法制というものを作るということが大前提でありますし、議論だけであればいくらでもできるのですが、現実としてソマリア沖で海賊が横行しているという事実、そしてまた我々にとっては重要なライフラインと言いますか、そこを多くの日本の船が走っているということであり、船主協会の皆様方もそうでありますけれども、それに対して大変な不安を抱いておられるという状況をそのままにはしてはおけないという現実というものを如何に解消するかということは大変重要であることは事実でありますので、国民の皆様方からすれば「現状の法律があるならばそれを使えばいいではないか」というのは当然の話であると思います。しかしながら我々とすればその際には判断をしなければならないことというのはあるわけですので、そこはきっちりと区分けをして、この現行法というものをしっかりと見ていかなければならないことだと思いますので、今お話にあったようなことで議論だけの議論ではなくて、現実と併せて我々として対応していかなければいけないと思っているところであります。

Q:今回、ソマリア沖に海上警備行動で仮に派遣した場合に、この議論を一般化していくと海外の海で日本人の生命、財産が脅かされているという事態が起きた場合に海上警備行動を直ぐに出せばいいと、そういう議論につながる可能性はないのでしょうか。

A:ですから、私自身はそういったことを想定しながら考えているわけではなくて、現実問題としてソマリア沖の海賊というのがあるが故に極めて限定的に解釈をした中で、多くの皆様方の思いは、「出られる法律があるならば」ということで海上警備行動ということをおっしゃっているかと思いますので、そこは法律的には何処でも行けてしまうという地理的概念のない法律でありますので、そういう意味では慎重に扱う意味でも、そういうふうな解釈をされないようにしっかりと運用面でも考えていかなければならないと思っているところであります。

Q:そうしますと、やはり新法の成立、骨格なり中身がもう少し詰まって、しかも今回は本当に特殊なケースだということをはっきりさせた上であれば海上警備行動というのは出せるということですか。

A:色々なことを考えあわせれば、色々な条件というのはあるのかもしれませんが、しかし緊急を要するものであるのならば、これは我々とすれば判断をしなければならないわけでありますので、そこは条件とかというのは確かに重要ではありますけれども、現状とそしてこれからの課題、色々なものを含め併せて検討させていただいているとこでありますので、そこのところはもう少し頭の整理をしなければいけないのかなと思っているところであります。

Q:海警行動を出すべきだとおっしゃっている方々の中に、実際に自衛隊が出た場合に、「海賊は近寄ってこない」と、「自衛隊が武器を使用するような場面というのは考えにくい」という意見があって、そういう見方というのは、現地の危険性ということと、自衛隊がどこまで実際に行動しなければならなくなるかという可能性の問題だと思うのですが、その辺について大臣は現時点においてどのように認識されていますか。

A:そういった事態というのを限定的に考えて、「それでいい」ということではないと思っていますので、そこは色々な事態を想定しつつ、色々なその時の際の対応の仕方というものを、あくまで現場の部隊の長に全ての判断を任せるというのはかなりプレッシャーのかかる話だと思います。あらゆる事態を想定しつつ、そしてその中で適切な対応がとれるというものをできるだけ簡素化しておくことが、部隊の行動にとってはプラスなことだと思いますので、そこは色々なお考えをお持ちの方がいらっしゃって、そのように言い切ってしまえば楽な話でありますが、部隊を出す側として、責任ある立場としては、なかなかそれには簡単に与すことはできないので、可能性のあるあらゆる事態を想定しつつ、対応できる、任務に支障がない形をとるのが我々の責任だと思っておりますので、そういった形をとっていきたいと思っております。

Q:昨日、鴻池副長官が厳重注意というものを受けましたけれども、政権が今こういう状況の中にあって、この出来事なのですが、閣僚のお一人としてどのようにお考えになっているでしょうか。

A:報道でそのようなことがあって、なおかつ鴻池副長官も記者会見をし、そして謝罪をしながら対応しているわけですから、そういった対応の仕方にはご本人のご判断等も色々あり、そして政府内でもそういったこともあり、謝罪という形をとったということもあるわけですので、一つの区切りはついていると思いますが、後は鴻池副長官のお考え一つということだと思いますので、敢えてそのことに関して私自身からコメントというものはあまりしたくないという思いであります。

Q:海賊の新法に関してですが、海上警備行動、自衛隊の活動できる範囲、行動できる範囲について、現状の姿勢のまま、例えば外国船籍を対象にできるというように、要するに自衛隊の活動はそのままで、対象だけを広げるのか、要するに例えば武器使用基準の緩和とか、それをしないで外国船を守れるけれども、自衛隊の活動の範囲はそのままだと。そして使用基準はそのまま新法でも踏襲するというような考えもあるかと思うのですが。

A:新法での武器使用基準となってくると色々な議論が出てくるのかなと思います。これからの議論なのでしょうけれども、例えば部隊に任務を与えるわけですから、その任務を遂行するための武器使用とか、そういうことも色々な部分で出てくると思うので、今この時点で私がお答えするというのは大変難しいかなと思います。それも含めて今後検討することだと思いますし、また、与党のPTでも今後新法の、海賊法の議論をされていくと思いますので、その中の議論を見ながら深めていきたいと思っています。


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