大臣会見概要

平成20年12月26日
(11時00分〜11時23分)

1 発表事項

 私の方から一点申し上げます。閣議の前に総理に呼ばれまして、総理から指示を頂きました。予てから海賊の取り締まりの対策について検討するように関係省庁に対して指示をしておられますが、この海賊事案に関して「関係省庁と連携の上、自衛隊が海賊対策に早急に対応できるよう検討作業を加速するように」という指示を受けたところでございます。我々としてもこれに対して検討していきたいと思っているところでございます。


2 質疑応答

Q:今お話があった総理大臣からの指示ですけれども、浜田大臣は以前、「海上警備行動そのものは足らざるところがある」ということをおっしゃっていましたけれども、今後の対応の検討の中で課題というのはどういうところにあるとお考えでしょうか。

A:我々が検討しなければいけないのは、防護対象というものに限定があり、それに対して国際協力の観点からどういうふうに考えるのかということがございます。また海賊が色々な重火器を武装しており、他国の軍に対して銃撃で抵抗しているということもあったり、それに対して的確に任務を遂行するにはどうすべきなのかとか、また部隊を派遣するに当たって、色々な状況を想定して相応の準備を行う必要があるのではないかということもあります。こうした点について十分に検討していくことが必要だと考えております。総理は「現行法制の中で自衛隊がやれることという意味では、海上警備行動」とおっしゃったのでありますので、海上警備行動に限定しての昨日の発言があったとは考えておりません。 当然、海洋政策本部においても一般法の議論、法律的な部分でもどういったことがいいのかということを検討してきたわけですから、その中で今回色々な海賊対策に対する早急な対応ということを考えれば、自衛隊の発動というのも視野に入れつつということだと思いますので、昨日来、海上警備行動というのがかなりクローズアップされておりますけれども、あくまでもそれは検討の中の一つというふうに私自身は理解をしております。そういった意味においては我々の任務の中にあるものを検討することは当然のことだと思っておりますので、これは今まで海洋政策本部の中でも議論されていることでありますから、その中で我々なりの検討はしてきたわけでありますが、今回の総理の指示は「それをしっかりと検討せい」という意味だと私自身は思っております。

Q:この件に関しては、既に調査団の派遣というような話も報道の中で出てきたりしましたけれども、今後この検討に要する時間を含めて、どういうふうにスケジュール感を含めてご覧になっているのでしょうか。

A:今回の場合は、時期的なものというご指示は一切ございません。ただ、対応に当たって如何なる状態が起きるか分かりませんので、「検討をしっかりしておけ」ということだと思っております。そして調査団というお話があるのですが、これは何処から出てきたのかよく分かりませんが、我々とするとそういったことは一切具体的な指示も受けておりませんし、そういった必要性も今のところ無いと思っています。ですから、これからの検討次第ということになろうかと思いますので、調査団というのは私としては今、聞いてもおりませんし、そういった事実はありません。

Q:昨日、麻生総理が「事は急いでいる」というふうにも発言されましたけれども、政府の受け止め方としてはやはりそういった切迫性といいますか、そういうものは共有されているという理解でよろしいのでしょうか。

A:海賊の案件に関しては色々な国連においての決議ですとか、また各国の対応状況、そしてまた特に船主協会の皆様方から色々なお話等もあるわけですから、これに対して我々のできることを考えるのは当然だと思いますので、そういう意味では海賊問題というのは国際的にも対処しなければならない重要な案件であることは間違いないわけでありますので、それに如何なる対応をするか、我々のできる範囲内の、「できることは何なのか」ということも含めて検討するということだと私自身は思っております。ですから、総理自身のお考えとすれば以前から「これに対応することを検討せよ、海洋政策本部においてやれ」ということもこれは今までやってきたことでありますので、そこを「問題意識の中でしっかりと対応せい」ということだと私自身は思っております。

Q:報道で陸上自衛隊の富士学校で秘文書63点が紛失されていて、この件については陸上幕僚長まで報告をされていましたけれども、その後大臣に報告が上がるまでに2年間時間を要していたという報道がありました。これについての事実関係と大臣ご自身の受け止めをお願いします。

A:事実関係については、担当部署の方からご説明をさせていただきますが、大臣まで報告が上がってなかったということに関しては、極めて遺憾でありますし、これは問題だというふうに思っているところであります。今後、こういったことの無いように努めて参りたいと思っているところであります。

Q:確認ですが、総理指示というのは海上警備行動に限らず、一般法での対応も含めたという・・・。

A:ですから、指示の中には海上警備行動という言葉は入っておりませんし、とにかく、私を呼んだということは防衛省に対して私の所掌であるものに対して「しっかりと検討しろ」ということだと思っております。特に海上警備行動ということが総理からの指示の中に出てきてはおりません。

Q:富士学校の件ですが、富士学校に限らず陸上自衛隊はサミットのヘリコプターの要人輸送計画、この秘文書を一時紛失していたり、それ以外にも文書のずさんな管理が見受けられるのですが、そういった点を総合的に踏まえてどのように文書管理についてお考えでしょうか。

A:これは、部署部署に対して任務に対する緊張感、秘文書というものの認識をもう一回徹底して、指導していく必要があると思っています。今の状態が良いとは思っておりませんので、今後そういったものも含めて、つかさつかさに注意喚起していきたいと思っているところであります。

Q:秘文書の数が非常に膨大なのですが、あまりに多過ぎるという点についてはどうお考えでしょうか。

A:秘文書に関しては、厳格に管理をしなければいけないのは当たり前のことであって、数の問題ではないと思っています。数が多いからそういうふうにして良いということではないと思いますし、当然秘文書というのは厳格に守るということをまず徹底することが重要だと思います。ご指摘のように数が多過ぎるということを言われれば、数の問題ではなく、秘の部分を厳格に守るという意識が重要なはずでありますので、私とすれば、今後まずは秘の部分を認識し、そしてその文書の扱いをしっかりとするということを徹底していきたいと思っております。

Q:富士学校の件は現在調査中なのですけれども、調査がまとまれば関係者の処分ということは・・・。

A:当然、処分も含めて考えていくことになると思います。

Q:海上警備行動なのですが、過去の2例というのは領海侵犯という事案発生が起点になっていますけれども、今回日本船への海賊被害が起こる可能性が高いという段階での予防的措置としての発令というのは可能というふうにお考えでしょうか。

A:予防的措置というのは・・・。

Q:海賊被害にあったという時点で発令するのではなくて、その可能性が高いという前の段階での発令は可能かという・・・。

A:それは可能だと思います。そうでなければ、海上警備行動というのが選択肢の中に入ってこないはずなので、そこのところは明確に説明できるように、今後の検討によってどのように国民の皆様方に説明するのかという問題もありますので、「発令する、しない」は別として、そういった議論は与党の皆様方でも色々なご議論をされていることは承知をしておりますので、そういった意味においては今後の議論というものを、与党の議論も含めて我々は検討の中に入れていかなければいけないと思っていますので、現時点では今後の対応ということになろうかと思います。

Q:先程、海上警備行動の課題で国際貢献との関係、武器の使用のことをおっしゃっていましたが、大臣としては一般法や特措法で派遣する方がどちらかというと望ましいということでしょうか。

A:先程申し上げたように、他国の艦船はそれこそ日本を問わず、今までも日本の船が助けられたりとかというのがあるわけで、そういったことを考えれば、我々が日本国籍の船だけということで本当に国際協調の面からいって良いのかという部分が必ず出てくると私は思っていますので、緊急ということと国際協調という狭間にある中で、現場の隊員が任務の遂行にあたって明確に自分たちの判断が下せる状況というのが作れるかどうかというのを含めて今後の検討だというふうに思っています。

Q:昨日の次官の会見で、「海上警備行動というのはわが国の秩序の維持に使うものであって、国際協力とマッチングするかというとどうなのだろうか」という指摘をされていましたが、その考えは大臣も共有されているわけでしょうか。

A:確認の話になると思います。それでも必要だから出すのか、それとも国際協調の面からいけば、当然あの地域において全ての艦船に対して我々の存在を示すことによって、そして色々なときにしっかりと理解をしていただけるような行動が出来るかどうかというのは極めて重要だと思いますので、その点の判断というのは難しいのかなという想いはあります。

Q:予想される論点の一つに、海賊対策が前提としてあるわけですが、「自衛隊の船が世界中どこでも行けるのか」とか、「地球の裏側まで」というお話もありましたが、そういう声というのも恐らく予想されると思うのですけれども、その点に関して大臣はどのようにお考えでしょうか。

A:そこは、その目的によると思います。当然、我々は独立国家として国民の生命、身体、財産を守るということが使命でありますので、国民の権利を守るために我々は存在しているわけですから、そこを守るということであれば当然だとは思いますが、しかしながら、「何でもかんでも良いのか」ということではないと私は思っています。国際協力、当然そこに法律の根拠というものが国会で議論されて、そこで決定されたことが一番良いわけでありますし、法律があってこそ我々は活動できると思っていますので、「何でもかんでも」ということではないと思っております。

Q:海賊対策を受けて、国会の方でようやく、例えばエスコートの場合、「軍艦が守っていれば海賊が近寄ってこないだろう」というような声もあったわけですけれども、そこはどこまで楽観できるのかという部分もあるかと思うのですけれども、そういう海賊対策における危険度というか、その辺は大臣は現時点でどのようにお考えですか。

A:そこは全く予測がつきません。ですから、そういったことも含めて今後検討していきたいと思っています。

Q:そこの検討の中にはP−3Cの派遣というのも検討課題になりますでしょうか。

A:検討という幅というのは、これは限られたものではないと思いますので、 色々な可能性というものを、ニーズとか色々なことを考えながら検討していくことになろうと思います。

Q:総理から時期的な目途のお示しはなかったとのことですが、大臣の側にむしろ検討をいつまでにしなければいけないというようなお考えは今のところあるのでしょうか。

A:「いつ」までということではなく、基本的に海外に自衛隊を出すときの日数というのは、「今日決めたから明日出す」という話にはならないわけで、当然その為の準備というものがあるわけですから、そういった意味合いにおいて、今までの一般的な海外に出す日数というのが目安になることは事実だと思います。しかしながらあくまでもそれは一般論の話であって、今回総理から時期的な明示があったわけではありませんので、我々とすればいつ言われてもいい形というものも検討しなければいけないわけですから、それはあくまでも検討の範囲内ということだと思います。

Q:先程、大臣は法的な海上警備行動の制約についてお話されたのですけれども、部隊運用上、護衛艦を派遣したり、P−3Cを派遣したりというは、そういう面での課題というのはないのでしょうか。護衛艦をあまり海外に派遣すると国内が手薄になってしまうという懸念があるとは思うのですけれども。

A:当然、我々の物理的な限界というのはあろうかとおもいますが、しかし運用の面で対応できる部分というのはあるわけですから、それを可能にできるかどうかの検討もしなければいけないということだと思いますので、そういった意味においては、そこのところの対応ができるかどうかも含めて検討していかなければいけないということで、今回総理からの指示というのはそういったところにあるのかなと思っております。

Q:今年最後の会見になりますけれども、一年間色々防衛省ではありましたけれども、今年一年間の総括と来年の課題をお願いします。

A:今年、それこそ私が就任してから3ヶ月になるわけでありますが、自衛隊にとって色々な問題が起きたのは事実であります。そしてやらなければいけない課題というのが、まだまだいっぱいあるわけでありますので、そういう意味では今後これをどのように、併せて事案処理と、我々の本来の任務というものをもう少ししっかり冷静に対処していかなければいけないのかなと思いました。特に私が就任してからの間も次々と色々な事案が起きましたので、それに対して自衛隊がどのように存在していくべきなのかということも問われていることもあるわけであり、田母神さんの問題についても本当に根源的に自衛隊の教育等々を含めて色々な懸念を示されたわけですから、それに来年どのように答えていくのかということだと思います。ですから、私自身は防衛省・自衛隊に対しての信頼というのを持っていきたい、信じたいと思っています。 また、その能力はあると思っておりますが、国民の皆様に信頼を得るためのノウハウというのがないわけで、いかに実直に自分たちの任務を遂行することによって、「ああ、やっぱり自衛隊だな、しっかりしているな。」と言われるものは、我々の行動で示さなければならないと思っていますので、そこをしっかりとやりたいと思っております。ですから、ある程度のご批判を忍耐に忍耐を重ねて自分たちの任務の遂行によって、我々の存在をしっかりと理解していただけるようにしていきたいと思っているところであります。色々な形で記者クラブの皆さんにはご指摘をいただきながら、今後とも頑張って参りたいと思います。そして、来年はいい年になればいいなと思っておりますけれども、それも含めて、前向きにやっていきたいというふうに思っているところであります。ありがとうございました。

Q:海警行動ですけれども、今給油活動をしている船に対して、補給艦を護衛している護衛艦に海上警備行動を発令するという考え方というのはあるのでしょうか。

A:それは海上警備行動を出すことはできるかもしれませんが、しかしながらあくまでもこれは特措法によって出しているわけですし、そしてまた補給艦1艦につき護衛艦1艦を付けているということでありますので、これは補給活動を実施する上で最低限の規模の派遣でありまして、特に護衛艦につきましては、補給時に脆弱な状態にある補給艦を護衛する任務があるわけですから、この任務にあたる艦に海上警備行動で命令を下令して、わが国の船舶の航行の安全の確保といった任務をさらに付与することは基本的には困難だと私は思っていますので、ちょっと考えられないと思います。


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