大臣会見概要

平成20年12月05日
(10時30分〜10時57分)

1 発表事項

 なし


2 質疑応答

 Q:海賊対策についてですが、先日、大臣もメンバーでいらっしゃる超党派の議連の方で、3つの考え方が示されまして、現行法の海上警備行動の場合と、ソマリアに限定した特措法の場合と、それと海賊対策全般の恒久法と、メリット、デメリットもそれぞれ示されているのですが、この3つの考え方に対する大臣の受け止めと、政府としてどこが可能性が高い、どのような検討のしかたを今後されていくのか、その辺をおうかがいできればと思うのですが。

A:今週の2日、お訊ねの件についての議論が行われたことは承知しておりますけれども、立法府でのご議論について、私の立場からコメントすることについては差し控えたいと思います。政府としては海上交通の安全の重要性に鑑みて、総合海洋政策本部において海賊に対する取り締まりのための法制度上の枠組みについて検討を進めているところでありますし、防衛省が関係省庁の一員として積極的に本件等に参画をしているところであります。現時点では海賊行為の取り締まりのための措置として、自衛隊が如何なる対応をとるべきかについて一定の結論が出ているわけではございませんけれども、防衛省としては政府全体としての海賊対策の在り方、自衛隊派遣の根拠等の法的側面、そして部隊運用上の課題、そして諸外国や関係国際機関との協力の在り方等の様々な点について、関係省庁と連携して具体的な検討を積極的に進めていきたいということでございます。

Q:今朝の国防関係部会で、防衛医科大学校の独法化について、見直しというか仕切り直しということで了承されて、大臣もその見直しの方向で指示なされたやにうかがっていますが、急遽だと思うのですが、こういった方向性になった経緯と狙いについて大臣の方からお話しいただければと思うのですが。

A:今日の自民党の国防三部会において、防衛医科大学校の独法化の延期についてはご了承いただいたところでございますが、防衛省において、平成22年4月から防衛医科大学校を独法化することを念頭において、事務的な作業を進めていたところでありますけれども、与党のご指摘等も踏まえて、今般独法化に関わる問題点について更なる検討が必要となったことから、当面の対応として平成22年4月の設置を見送ることとしたところであります。防衛省としては、防衛医官を育成するという防衛医科大学校の設立趣旨と、合理化、効率化を重視する独立行政法人との関係について再検討をして整理する必要があると考えております。具体的な一例として言えば、本来国で行うべき自衛官としての教育についてどのような実効性を確保すべきかについて更なる検討が必要であると考えているところであります。

Q:今大臣がおっしゃったように、公的機関の独法化というのは一定の流れというものがあるかと思うのですが、その中で防衛医科大学校について、もう少し具体的にどういった点で再整理が必要なのかということを、そこを少しうかがいたいのですが。

A:防衛医大の場合は、病院も当然関係があるわけですので、そちらの方を見るとやはり独法化し易い部分があるかと思いますが、我々とすれば自衛隊の医官を育てるということが主題でありますので、それを考えれば本当にそれが担保できるのかどうかということ、そしてまた、自衛隊の医官、片や高度医療ということの整合性、また、独法化した場合に、我々として自衛隊という存在を考えたときには、どちらがどちらなのかという区別が大変難しいということもございますし、そういったことも含めてもう少し検討させてもらいたいということであります。

Q:省内で独法化について検討されていたと思うのですが、今後どのような形で再検討を進めて、いつ頃までを目途に結論を得たいとお考えでしょうか。

A:我々とすれば、いつまでも検討しているだけではすみませんので、来年の概算要求でしょうか、そういったところまでということになるのかなということであります。そういう意味ではこれから積極的に検討を進めていきたいと思っております。色々なところの問題点というのは、これから党の方でもご議論いただけるものと思いますし、我々としても独法化した場合の医官というものに対する考え方、そして独法化した後の病院の在り方も含めて考えていかなければならないと思いますので、そこはいたずらに時間をかけるということはしたくないと思っているところです。

Q:独法化する方針を決めた時、大臣が今おっしゃっていた視点も当然わかっていたと思うのですが、その辺は検討が足りなかったという認識でしょうか。

A:私が大臣になって2ヶ月が過ぎたわけですが、その中において、ある程度既定路線の中で進んでいたと思うのですが、やはり私自身も良く見させていただいたら、その部分が足りなかったということがありますし、党にお諮りしたときも党からも色々な懸念が示されたということは、当然それはもう一回検討すべきだろうという思いもありますので、判断したところであります。

Q:クラスター爆弾の関係ですが、禁止条約に署名したことに伴いまして、来年の通常国会にもその条約を担保するような法案を提出するという一部報道があるのですけれども、事実関係はいかがでしょうか。

A:報道は見させていただきましたが、これは私の方というよりも、外務省、経産省の方がメインだと思っております。そして批准をしたら、そういった法律の整備というものが出てくるかと思いますので、これに関しては、私どもとすれば政府全体としてどういうふうに進めていくかによるものだと思っているところであります。

Q:田母神氏の更迭からおよそ1ヶ月が経って、相当調査も進められ問題も整理されてきたと思いますけれども、今回文民統制される側の問題というのが論じられておりますが、今回の問題が起きたことを受けて文民統制する側にはどのような問題があったというふうにお考えですか。

A:我々の立場からすれば、当然これは言論の自由等々あるわけですから、極端な話を言えば「右から左まで」というお話もあるわけで、それをバランス良くいかに吸収して、その中で自分の任務にどのように反映していくかということが極めて重要だと思っております。私自身はこれからもそうでありますけれども、シビリアンコントロールといってもそこで何かが起きたわけではない、ただ航空幕僚長という大きな立場でそのことを論ずることが果たして適切かどうかと言えば、私は「適切ではない」と思ったからこそ今回のようなことになったわけでありますので、そういう意味では、どんなお考えを持って、色々な考え方を醸成するのは当然の権利であり、そしてまたそれをお述べになるのは自由でありますが、シビリアンコントロールという面でどうかと言われれば、それに対して「どれだけの影響があったか」ということも含めて調査をしているところでありますので、それが果たしてどのような影響を与えているか確認しつつ、今後のシビリアンコントロールする側としてどこまで入って良いのかというところも含めて考えていかなければいけないのかなと思います。我々の方に問題があったとは、私自身はあまり思っておりません。そこは今後さらにここで問題提起をして考えていくことなのかなと思っているところであります。

Q:田母神氏は、ずっと論文をこれまで部内に発表されたり、そういう歴史観を持っているというのはある意味知られてもいました。そして、今年の4月の「朝雲」にも出ておりますけれども、部外に漏れ伝わる形で同じような歴史認識を示されたことも報道されております。ある意味ずっと田母神さんがそういった歴史認識を持っているということを気付く機会は何度もあったと思うのですけれども、それはなぜ問題視されてこなかったのでしょうか。

A:それも含めて、そのチェック体制というのはどうなっていたのかも併せて今後検討していかなければいけないと思っているところであります。私自身は、先程来申し上げております様に、色々な考え方を出すというのは否定しないというふうにお話ししました。ですから、チェックする側がそれが妥当かどうかも含めて、我々が考えていかなければいけないことなのかなと思っています。その発言をして、例えば実際の任務に当たって色々な支障が出たとか、そういうことは我々としては感じていないわけでありますので、ただそのことを言っただけによって、その議論を封殺するというのは本当にできるのかどうかも含めて慎重にやらなければ、信条等に関わるものでありますので、我々とすれば難しい点も含めて考えていかなければいけないのかなと思います。当然、これは昇進の際も色々な考査の中に入れていくのかどうかも含めて検討しないと、今ここで「どうこう」と言えませんので、これからしっかりと検討していきたいというふうに思っております。

Q:全てをチェックするというのは、なかなか難しいことだと思いますけれども、やはり問題意識とか認識とかそういったものが非常に重要になってくるかとは思うのですが、今回そういう意味において、田母神さんがずっとそういう歴史認識を示し続けてきたことを文民統制する側として問題視してこなかったというのは、つまり見過ごしてきたのではないかというふうには思われませんか。

A:「見過ごしてきた」という表現がどうなのか良く分かりませんが、私とすれば、自分の任務というのがどのように判断するか、そして言っていることによって、例えば自分の任務を遂行するにあたり何か問題があったのかどうかと言えば、それはそういうことはないわけでありますので、そういった意味において、我々とすれば判断を見過ごしたというよりも、その点について、色々な考え方の問題で何かが起きていない、確かに今おっしゃったように言わんとするところは、そういった考え方を持っていることによって何が起きるのかというご指摘なのかもしれませんが、その時点では誰もそれに対して色々な行動が起きていないわけですから、発言したことに関してのこういう考え方を持っているのだなということをどこまで我々が把握をし、それに対してどういった評価をするのかということをこれからもっと明確にしなければいけないのではないかなとは思っています。

Q:田母神氏はこういった歴史認識を披瀝した背景について、安倍政権で言われた「戦後レジームの脱却」ですとか、その他諸々の政治家による歴史認識への発言というものが自分に影響したというふうにおっしゃっていますが、それについてはどのようにお感じになりますか。

A:それはご本人の感じるところでありますので、私がコメントすることではないと思いますけれども、ただ、時代背景など、当然それは問題意識というのは常にどこにでもあるわけでありますので、ご本人がそれを感じたということであればそうなのかもしれませんが、今まで防衛関係等々安全保障関係に携わった人間にしてみれば、色々な問題意識が起きているのは当然ですし、足らざるところもあったでしょう。ですから、我々とすれば、どれだけ政治家として、この議論を進めていくのかということが重要なのではないでしょうか。私は今政府側に立っていますので、そういう意味では、今の個人にどういう影響を与えたかというのは、個人がどのように感じることでありますのでコメントはしませんが、私なりにそれは政治家としての国防、安全保障に対する思いはあるわけですから、そういったところも含めて私なりに考えていきたいとは思いますが、影響を受けたと言われれば、「そうなのでしょう」と言うしかないでしょう。

Q:防衛医大の独法化の仕切り直しで、非定員化する予定だった1000人について今後どうするのかといった問題があるかと思うのですが、それについてはどうなのでしょうか。

A:今回、独法化の話については、総人件費改革というようなことも含めてあるわけでありますけれども、この総人件費改革については行政改革推進法において、国の防衛を担う自衛官は行政機関の一般職とは異なるという特殊性を有することから、行政機関のような平成18年以降5ヶ年で5%以上純減というような数値目標を明記せずに、行政機関に準じて民間委託等により実員を純減するというふうにされているわけでありますが、防衛省としては、行政機関の職員とは異なる自衛官の特殊性に留意する必要がある一方で、歳出歳入一体化改革は政府の重要課題であることから、自衛隊の任務遂行能力を低下させないことを前提に総人件費改革に可能な限り協力する観点から、民間委託をはじめとする施策によって自衛官実員の純減を行うこととしているところであります。なお、併せて総人件費改革を契機として行うこととしている防衛医科大学校の独立行政法人化による事務官等1065人の減も合わせると防衛省全体では9750人の減となります。このような考え方の下で、防衛省としては平成22年4月から防衛医科大学校を独立行政法人にすることを目指して作業を進めているところでございますけれども、今般の独立行政法人化に係わる問題点について、更なる検討が必要となったことから、当面の対応として設置を見送るということにしたところであります。今後、防衛医科大学校の独立行政法人化に係わる問題については、更に検討を行って可能な限り早急に結論を出していきたいと思っているところであります。

Q:今回、即時更迭につながるような歴史認識をずっと持ち続けてきた人を幕長に掲げながら、それを問題視してこれなかった中で、その間に大臣はこの2年間で6人代わられていますけれども、そういった問題というのはあったかなかったか、どのようにお考えでしょうか。

A:どうなのでしょう。私は人事というのは、大変そういう意味ではその時その時の状況によって変わるものでありますので、そういったものにおいて6人代わったから今回の問題が起きたわけではなく、ご本人が確信的に問題意識を持って言われれば、これは一人の大臣が何年やっても同じようなことが起こるわけですから、当然それは影響がなかったということをご指摘を受ければ、その間に見落としたのではないかというような思いがおありなのかもしれませんが、しかし我々とするとそれ以前の航空幕僚長になるまでのチェックというのを更に検討して厳しくしていくのは当然のことだと思いますので、そこのところはご本人の問題意識、そしてまたご自分のお考えがあって今回のこのようなことをされたのかもしれませんが、我々とすると任命も含め今後しっかりと人事管理というものをしていくことしかないのかなと思っているところであります。

Q:田母神さんの件は、なぜこれまでは問題にならず、今回はこういう大騒ぎになったのか、その点はどんなふうにお考えですか。

A:今回問題になったというよりも、そういった論文を発表されることによって、航空幕僚長の地位にありながら、閣議決定によって航空幕僚長になられているわけですから、そしてその中でそういう論文を発表されてご自分の意見をされたというのは、政府の方針と違うお考えということでありますから、政府の方針に従えないということであるならば、即お辞めいただくというのは当然のことでありますので、私の判断としてお辞めいただいたということであります。

Q:幕僚長というお立場が前提ということですか。

A:そうです。

Q:幕僚長になるまでのチェックの話を前段でお話になったのですけれども、そうするとやはり田母神さんがなったということ自体が、そういうチェックが十分なされていなかったということではないのでしょうか。

A:そうではなくて、そういう地位にたって、そういうことをおっしゃることが問題であって、そういった考え方をお持ちになっていて、今回たまたまそうやって発表されたからわかったわけであります。それをずっと繰り返して言ってきたということに対するチェックというのはありますが、それでは他の人がそういったことで言っているという事実は今のところないので、極めて特異な例だと私は思っていますが、しかしそれを我々として受け止めて「今後どうするか」という問いをされれば、当然それはチェックして色々な人事の査定等の時の参考にするのは当然のことだと思いますので、そういうふうに申し上げているところであります。

Q:先程、田母神さんの問題に関して、安倍政権、政治家が影響したというような質問がありましたけれども・・・。

A:政治家が影響したとはどういう意味なのか・・・。

Q:つまり、即時更迭につながるような問題発言、あるいはその政府側からすれば誤った歴史認識を持っているということだったですよね。だけれども、そのことに関して、ある種背中を押すというか、非常に支持する声というのが政治家の中にも確実に存在しています。例えばこの間の自民党の国防部会でもこれを支持する声がかなり発言としてもありました。統制する側の政治の側にこういった空気だとか声がある、そのものについてはやはり発言の自由だとか思想信条の自由ということだけで片付けられるという問題でしょうか。

A:私はそれは言い訳だと思います。政治家がそういうふうに言ったから、「私が言っていい」ことには繋がらないので、まさに自衛官としてふさわしくない、幕僚長としてふさわしくないと私は思っております。逆にそういう理由付けをしないでご自分の信条を訴えてやったというなら私もまだ分かりますが、しかし「政治家に影響されて私は言ったのです」というような発言というのは極めておかしい発言だと私は思います。

Q:文民統制の観点から、政治の側にこれを背中を押すような空気だとか支持の声が広がっているとすれば、そこは大臣はどのようにお考えですか。

A:政治の場は、議論はいろいろあっていいと思います。その中で自分の任務を遂行するに当たって冷静にいろんな判断をして、自分の任務をしっかりとやっていくことが自衛官としての任務であると私は思っていますので、そういった今回のような特異な例で我々政治家の議論が封殺されるのはおかしいと思いますし、政治の場での議論というのは色々な議論があるわけですし、また、マスコミ界、言論界においても色々な議論があるわけですから、その中において自分の立場は何であって、自衛官だということをしっかりと考えて、その中で自分の任務は一体何なのかと考えることです。それはもう自分の国を守る、そして国民の負託に応えてしっかりと仕事をするというのが自衛官の役割でありますので、雰囲気に流されるようなことがあってはならないという思いでありますので、そこのところは少々言い訳のような気がしてなりません。

Q:今、私人の立場になられて、田母神前空幕長は講演会などでも発言を続けていますけれども、これは「自衛隊をどう見られるか」というようなことに関して影響があるとお考えですか。

A:個人の活動でありますので、それをどうこう言う立場にございません。ただ、我々とすればそういって自衛官に対して、「こういうことがあってはならない」ということを示すには、プラス・マイナス両方あるのかなと思っています。

Q:国防に対する自分なりの思いもあるというように先程もおっしゃっていましたけれども、例えば集団的自衛権などの自衛隊の在り方に対して、問題提起を田母神さんはされていますけれども、こうしたことに対して傾聴すべき点はあるとお考えですか。

A:傾聴ではなくて、前から議論の中で常に安全保障、そして国防を考える人間であればずっといろんな形で議論してきたことでありますので、そういったものを目新しいとも思いませんし、影響をいただいていると思っていませんので、当然色々な議論を政治の場でしているというのは当たり前の話でありますので、私の立場からすれば防衛大臣としてしっかりと政府の方針に従って仕事をするのは私の方針でありますので、その点については私の思いと、また防衛大臣という立場においてやることについて、これは別物でありますので、そこはしっかりと防衛大臣としての任を果たしていきたいと思っているところであります。


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