次官会見概要

平成20年11月13日
(15時00分〜15時30分)

1 発表事項

なし


2 質疑応答

Q:今回の懸賞論文の問題で、昨日新たに応募していた自衛隊員の数というのを追加されましたけれども、これはもうこの辺りで調査の結果としてはもう打ち止めになるのか、それともまた新たな調査が行われていて、今後増える、あるいはまた中身についてもまた新たなものが出てくる可能性があるのか、今の調査状況を含めてお願いいたします。

A:今ご質問にありましたように、昨日新たに3名の人がこの論文に応募していたということが分かりまして、発表させて頂きました。トータルそういった意味では97名ということになるわけでございます。ほぼこれで終わったのではないかと思っておりますけれども、要は全件的に調査というのはなかなか難しいところもございますので、あえてほぼ終わったというふうに説明させていただきます。

Q:そうすると政府の方針と異なる見解を示したということが一つの問題となったわけですけれども、その論点について今後更に調査を深めることができないということでしょうか。

A:いえ、論文を出した方々との間で、今どのような内容であったかということについて把握をしようとしているところでございます。今までの調査の中では、「問題がある」というような見解を示したものがあるという事実は出てきておりません。

Q:引き続きその点についてはまだ続く・・・。

A:その点については引き続き調査を行っていきたいと思っております。

Q:それと今日午前の参議院の外交防衛委員会の中で、かつて国会の答弁で防衛省の教育訓練局長が「自衛官として政府の見解と異なる方針を述べた場合、非常に問題である」ということも答弁されていて、その頃から部内においても色々なものを発表するときにチェックをするということを答弁しているようですけれども、それ以来、防衛省としてはどういうチェック機能を構築して、そしてそれが何故機能しなかったのか。どのように総括なさっているのでしょうか。

A:まず、今のご質問の点はいわゆる私的サークルと称するものについて、これは防衛省としてこれを管理や統括しているものではございません。それぞれの内容について、それぞれの部署で適宜その内容を確認しているというのが現状でございますけれども、そういった中で本来、私的サークルのものであっても適切でないという意見の表明があれば、それは把握をして必要な措置を講ずべきだと思っております。ただ、大臣も今日の国会の答弁の中で「我々のミスだと思っている」という答弁をなさっておられます。私どもとしてこの辺のチェックといいますか、そのようなことを今回の事案の経緯を見ますと、十分でなかったなと思っているところでございます。現実の問題として、それではどうすればいいのかということについては、今後早急に検討していきたいと思っているところでございます。

Q:今の関連で、この平成4年当時の答弁なのですけれども、これは内局で論文をチェックするという趣旨での発言なのでしょうか。

A:今から16年前の平成4年の答弁でございますので、今のご質問のようにこのときに答弁された政府委員が今のような意図であったのか、違ったことを念頭において答弁しているのか、今となってはわからないところでありますけれども、私として理解する限り、必ずしも内局に限られるものではなく、しかるべき部署というところで、それをどうするかということをもう少し明確にしておかなければならないと今考えている次第でございます。

Q:この答弁の後、一時期はチェックみたいなものは部内でやっていたということなのでしょうか。

A:恐縮でございますけれども、この答弁はなにぶん16年前のことでございますので、この答弁をされた時点で当時どのようなことが行われていたかということについては、今事実関係として把握ができていない状況です。

Q:先程、大臣の答弁についても次官はおっしゃっていたのですけれども、やはり全くチェックの機能は働いていなかったと理解すべきでしょうか。

A:結果として、少なくとも防衛省としてというときには防衛大臣であるとか副大臣、政務官、また大臣を直接に支えるべき私とかが、こういう点に問題があれば、当然把握できるようなシステムがない、若しくはそういうことが行われていなかったという点は問題であったろうと思っております。

Q:今日の午前中の審議で統幕学校の教育の話が出ましたけれども、共産党委員から新しい歴史教科書を作る会のメンバーの方を講師として招いていたということに対して首相側の答弁がありましたけれども、次官は今ご覧になって、田母神さんの在職中の教育内容についてどのように見解をお持ちでいらっしゃいますか。

A:今日の午前中の国会での質疑を聞いてのご質問でございました。今日の午前中の質疑を必ずしも丁寧に聞いておったわけではございませんので、あるいは明確にお答えできない部分もあるかと思いますけれども、私としては歴史観とか国家観というような課目があって、その中で課程の学生たる自衛官に教育されるということは、それはそれで必要なことであり、また適切な部分があるのだろうと思っているところでございます。しかし、そこで行われる教育というものが偏っているとか、バランスを欠いているとかいうことはまずいと思っております。ですから、そういった意味ではそこで教える内容、また講師の選定等というものは慎重に行う必要があると考えております。

Q:今日の国会でもお話していましたけれども、今後講師や授業の内容を防衛省として公にする考えというのは現段階で・・・。

A:講師の点につきましては、国会でのご答弁でも講師本人の了解を得た上で、若しくは得られれば、公表したいという立場でございますし、教育内容につきましてもどの程度まで出せるかということについては、検討していきたいと思っております。

Q:次官が今お聞きになっている範囲では、やはり若干偏りがあるのではないかというふうにお考えですか、それともある程度はこういうところも必要だというふうな話で・・・。

A:今の時点でこの課程での内容が適切であったか否かという点については、私もよくまだ把握しておらない部分もございますので、お答えを差し控えたいと思います。

Q:先程の大臣答弁で「チェックできていなかったのは、我々のミス」ということがありましたけれども、平成16年3月の鵬友掲載のチェックを怠っていたことについては、新たな処分につながるものなのでしょうか。

A:そこはまず平成16年のときの鵬友の田母神さんの記述内容等をよく吟味する必要もあろうかと思いますし、その当時の体制がどうであったかということをよく把握した上でないと、今のご質問にそうであるとか、そうでないとかいうふうにお答えするのは適当でないと認識をしております。

Q:調査の内容の点なのですが、6空団が大量に応募していること、外部からの働きかけ等は確認できましたか。

A:6空団でかなり多くの人が応募している点についての外部への働きかけという点については、未だそういう情報といいますか、そういう部分が出てきているわけではございません。

Q:そうすると、司令はなぜあれに「応募させた」、「取りまとめて応募した」と言っているのでしょうか。

A:その辺については、調査中でございますので、調査がまとまった段階でお答えをしたいと思います。

Q:文民統制についてお伺いしたいのですけれども、いわゆる背広組といわれる内局の官僚の方々、次官を含めてですが、文民統制を受ける側なのかどうかというところはどのような見解なのでしょうか。

A:今のご質問に対して、今まで公式にどうであるということを明確な形で記述したりということはなかったと思っております。まず文民統制そのものは、例えば防衛白書で言えばシビリアン・コントロールと言われているものだと思います。一言でいえば民主主義国家における軍に対する政治優先とか、軍事力に対する民主主義的な政治統制と言われているものがシビリアン・コントロール、文民統制だというふうに私も理解をしております。そういった意味で言いますと、政治が軍事をコントロールする、若しくは軍事力、防衛力というものをコントロールするものだとしますと、例えば私も防衛省の一員でございますし、自衛隊員でございます。そういった意味では「統制の対象」という言い方もできるのかなというふうに認識をしております。

Q:「見方もできる」ということは、そこは曖昧なのですね。

A:ですから、「シビリアン・コントロール」と言ったときに一つ一つの制度を捉えて、ここからここまでが統制の対象でここからは違うとか、そういう概念であるとは必ずしも私は思っておりません。要は先程言ったように、民主主義国家における軍事に対する政治優先であるとか、軍事力に対する民主主義な政治統制いうことであろうと思っております。ですから、自衛隊、我が国の防衛力というものが政治の決定によって、内容が決まる。政治の決定によって軍事力が運用されるということが物事の本質であろうと思っているところでございます。私が「と言えるのではないか」と言ったのは、役所として若しくは政府として公式に、例えば私が統制の対象であるというふうに、公式の見解として言い切ったものは無いのではないかと思うものですから、敢えてそういうふうに若干ヘッジをかけさせていただいてお答えをさせていただきました。

Q:調査の方の件で、もう一点教えていただきたいのですけれども、5月19日に空幕の教育課から懸賞論文の報告がありました。幹部会議で、当時幕僚長だった田母神さんも居たわけですが、田母神さんはそれを受けてその場でどのように発言したのでしょうか。

A:私どもが当時その現場にいた者達から聞いている点を申し上げますと、5月19日に田母神前空幕長以下、航空幕僚幹部の部課長クラスが出席する定例のミーティング、これは基本的に各幕でそれぞれ毎日このようなものが行われていると思いますけれども、その5月19日のミーティングの中で担当の班長にこの懸賞論文の募集を紹介させました。その場にいた教育課長を含めた複数の部課長によれば、田母神前空幕長からは「アパなら知っている。そんなことをやっているのか。」という発言があったというふうに聞いておりますが、その場で特段の指示等はなかったということも聞いております。

Q:「鵬友」の件なのですけれども、次官はお読みになったのですか。

A:正直申しまして、この件が明るみに出るまでそういうものがあるということも知りませんでした。

Q:見解の表明とシビリアン・コントロールということの関連についてお尋ねしたいのですけれども、今回シビリアン・コントロール上、不適切であったと言われているのが、政府見解と異なる歴史認識を外部に発表すること。あるいは政府の憲法解釈と異なる憲法解釈を発表しているというのが、今回の田母神論文で2つ出ている。これが不適切だと答弁しているのは分かるのですが、部内の雑誌に出すのも良くないわけですよね。

A:最初の点について、今回、田母神前空幕長の応募した記述というものが私どもの目から見て問題なのは、まず政府の先の大戦に関する認識と明らかに見解が異なる。それはいわゆる村山談話であり、10月2日の衆議院本会議におきまして、麻生総理大臣も引き継いでいくという見解と明らかに異なる部分を言われているという点が一つ。それから、憲法に絡んだ議論としての集団的自衛権なり、その他のポイントにつきましてマインド・コントロール云々という表現で我が国の基本的防衛政策について論じるというのは、表現として不適切であろうという観点から、私どもは問題であると思っているところでございます。その上で、私どもとしては航空幕僚長という、航空自衛隊で一番上にいる者が、まさにそういう立場でご発言なさるということは極めて問題であるという認識でございます。部外にそういうことを公然と発表するということと、部内のサークルの中でいろいろ意見を述べるということは、やはり自ずと差があるのであろうと思います。分かりやすく言ってしまえば、問題の度合いというのは、外に堂々と言うよりは、これは部内のサークルでございますので、その部分についての問題というのは軽いのだろうとは思っています。ただ、他方、そうは言っても「何を言ってもいいのか」ということでもないのだろうと思っておりますので、そういう観点からのチェックというものはするべきであろうと思っております。

Q:そうしますと例えば、幹部を要請する課程の学校であるとか防衛大学校とか、そういう教育機関の中で政府の歴史認識と異なる歴史教育を行うということ自体は、それはいけないのですか。セーフなのですか。

A:今のご質問の趣旨を上手く理解できたかどうかは分かりませんけれども、例えば課程教育の中で、ある分野について、世の中に色んな見方があるということで、色んな見方の方を、例えば部外講師を呼んで、Aという方はある部分について間違いであると、Bという方は正しいと、そういうふうな認識を教育するということは教育の場においてあって然るべきなのであろうと思います。そういった色んな見方が世の中にあるということを学ぶ、もしくは教育するということは必要なのかなというふうには思っております。

Q:例えばそのカリキュラムが適切なものかどうかというものは誰がチェックするのですか。

A:まず学校の教育を担当する当事者というものが、一義的に考えるべきことだろうと思いますし、それは例えば各自衛隊の学校であれば、各幕僚監部にも教育を担当している部局がございますので、そういうところが更にチェックなり指導をするということがあろうと思いますし、更に内局には人事教育局というのもございます。そういったところで大臣を支えるためにどうあるべきかということをチェックしたり、指導監督するということによって行われていくべきものだと認識をしております。

Q:もう一つ前の質問で、要するに「部内のサークルと部外に意見を表明するのは自ずと違う」と。部内のサークルの中であればその政府見解と異なる歴史認識や憲法解釈を語り合うということは、それ程問題にはならないということでしょうか。

A:私が申し上げたのは、「公表されることが前提という部外へのもの」と、「部内のサークルで」というものについては差があるだろうということを申し上げただけであって、「部内は問題がほとんどないだろう」と申し上げたつもりはございません。ただ、どうしても差はあるのだろうというふうに思っております。

Q:今回、田母神さんが政府の認識と明らかに異なる見解を公にされたというのは、これはシビリアンコントロールに服さなかったということになるのでしょうか。これまで、極めて問題になるというような表現をされていたと思うのですが。

A:「公的にどのような表現で」というと難しいことでございますが、シビリアンコントロール上、文民統制上問題であるというふうに認識をしております。「服す」とか「服さない」とかいう問題ではないようにも思いますが、そこは表現の問題ですので、私どもが「文民統制上問題である」というふうに感じております。

Q:話が変わるのですが、アメリカ側の海兵隊の実弾射撃訓練についてうかがいたいのですが、米軍が20日から矢臼別演習場で本訓練を行うのですが、これ以降の各地の訓練について、地元には訓練の公開とかあるいはブリーフィングというのをやらないと地元に通知をしてきました。基本的には米軍の話ではありますが、沖縄からの移転、どこに移転するのかということと、日米共同で選定をしてきたという経緯があります。そうした経緯をふまえて、今回の米軍側の対応をどういうふうにご覧になるか見解をいただきたいのですが。

A:今ご質問にありますように、米軍としては104号線の訓練移転につきまして、今回、訓練の公開であるとか記者会見を実施しないというふうにしたものと承知しております。一方で米軍としては、訓練の公開、記者会見に代わるものとして、海兵隊のホームページ上に詳細な訓練の状況やその質問や回答というものを掲載する等の処置を講ずることとしているものと承知をしております。他方、昨日北海道副知事さんを座長とする矢臼別演習場関係機関連絡会議が、札幌におります北海道防衛局長に対しまして「例年同様に訓練の公開や記者会見等を実施すべき」との申し入れがあったというところでございます。私どもとしては米軍の話でもございますけれども、矢臼別演習場関係機関連絡会議からの要請について、在日米軍司令部に申し伝えることとしたいと考えているところでございます。

Q:「鵬友」ですけれども、何冊かの「鵬友」は内局にも統幕学校の方から来ているようなのですけれども、中身を読んだりとか、チェックするような体制みたいなものはあったのでしょうか。

A:ですから、先程お答えしましたけれども、少なくともそういうことをちゃんとやるような業務処理体制というものが十分ではなかったと感じておりますので、改善をしていきたいと思っております。

Q:部署でいうとどこに。

A:これからの検討になりますけれども、基本的には、こういうものについては人事教育局とか、そういうところが中心になるのかなと思っているところでございますが、これから検討いたします。

Q:これまでも人事教育局の方に寄贈はされていたのですか。

A:確認をいたしますが、そうであったろうと思います。

Q:次官は「鵬友」の存在自体はご存じなかったのですか。

A:「鵬友」の存在自体は、記憶が明確ではないので不正確かもしれませんが、存在自体は認識をしたことがあったかもしれません。色々な部内の雑誌が羅列している中にあって、私の目にとまっていたかもしれません。正直、雑誌そのものは今回問題になるまで見たことはございませんでした。

Q:読んだことはないと。

A:はい。

Q:部内誌に出すのと今回のアパグループの論文のように部外に出すのでは、そこも自ずと重さは違うと。

A:それは、そう思っております。

Q:田母神さんは「鵬友」を始め色々なところでそのような歴史認識は色々語っていたようですけれども、田母神さん自身と色々お話になる中で、田母神さんのそういう歴史認識というのは今回の論文以前に感じられたことはございますか。

A:今回のような、まさに言い切る形で歴史認識を書いておられますけれども、ああいう明確な形でのお考えをお持ちだということは、これまで承知しておりませんでした。

Q:歴史認識を持つことが問題なのですか。それを公表することが問題なのですか。両方ですか。

A:私どもが問題にしているのは、正確に申しますと先の大戦に関する政府の認識というものがあります。その政府の認識と今回の論文に書かれた内容は明らかに異なるというところが問題でございます。

Q:それは分かります。そういうふうに思っていること自体・・・。

A:そうではなくて、この論文の中に異なることが書いてあるということが問題だということでございます。

Q:本人は「歴史研究の成果だった。職務に関わるものではない」とおっしゃっていると思いますが、これは政府としては職務に関わるものだと・・・。

A:職務に関する、関しないという議論は、要するに上司等に届け出るということを官房長通知で出しております。航空幕僚長の場合には官房長に届け出るということを官房長通知で言っております。その場合に、職務に関して発表する場合は届け出るという、そこの「職務」に関しての議論だろうと私どもは受け取っております。田母神さんのこの応募したものを読みますと、私どもとしては、先程私も少し述べましたが、基本的防衛政策、憲法解釈ということについて触れられていることは間違いないと思っておりますので、少なくともこの部分を見る限り、これは職務に関してのものであろうというふうに認識をしております。ちなみに、東大の5月祭で憲法の部分についてもう少し色々なことをその時に述べられたのではないかと記憶しておりますけれども、そのときは届け出を出しておられます。

Q:歴史認識の部分は職務には関しないと。

A:私は「職務に関して」というのは、少なくとも憲法の部分はそうであろうということを言っております。

Q:歴史認識の部分は職務には関係ないと。

A:そういうことを申し上げているつもりはないので、届け出の対象は職務に関して発表する場合であると思っています。今回の場合には明確に憲法の部分というのは職務に関してだろうということですから、それは私どもの理解は、届け出の対象になるのではないかという理解をしているということでございます。


御意見御要望
大臣記者会見概要一覧へ戻る
新着情報一覧へ戻る
トップへ戻る

(C) 防衛省・自衛隊