次官会見概要

平成20年11月06日
(15時00分〜15時22分)

1 発表事項

なし


2 質疑応答

Q:田母神さんの論文の件ですけれども、今朝の民主党部門会議の方で、例の懸賞論文に応募していた現職の自衛官の方の調査の現状が報告されたと思うのですが、全員が航空自衛隊の人で、特に小松基地に数字としては偏っているという状況なわけですけれども、これについて次官はどのように分析されているのか、その辺をお願いします。

A:私どもは、いわゆる懸賞論文と言われているものに、田母神前空幕長以外にどのような者達が応募していたかということについて調査を行っているところでございます。現在のところで確認された事項では今ご質問にありましたように、田母神前空幕長以外に78名の航空自衛官が応募したことが分かってきております。ご指摘のように78名の航空自衛官のうち、60余名が小松、第6航空団という部隊になりますけれども、そこの所属であるという事実がございます。なぜこのように特定の部隊に応募者が集中しているかという点でございますけれども、今までの我々の調査で分かってきている点は、経緯を言いますと、今年5月に全国紙に掲載されたこの懸賞論文の募集について、その趣旨が隊員の自己研鑽に役立つと航空幕僚監部の方で考えまして、全国の部隊に懸賞論文の応募について紹介をしたという事実があります。その上で、第6航空団では、当時行っていた所属幹部に対する教育の一環としての幹部論文の課題選定にはかりまして、この紹介文書を受けまして、懸賞論文と同じ表題を選定して論文を作成させたということです。この経緯から第6航空団で幹部論文を作成したものを懸賞論文にも応募して、それが結果として多数を占めることとなったのだろう、というところまでが今分かっているところでございます。更にこの経緯については調査する必要がるのだろうというふうには思っておりますけれども、現在のところ今申し述べたような経緯でございます。

Q:受賞すれば公表が前提となる論文ですから、問題は自衛官の方々がどういう手続をとられて、公表前提という意味ではどういう内容だったかということも関わってくると思うのですけれども、今後の調査の方針と結果をまとめる目途みたいなものがあれば教えてください。

A:今までの調査の中では、完全かどうかは別として届出はしていたというふうに報告があがってきております。ただ、今の届出の部分ですと、上司に届出るということと、必ずしも内容をすべて届出るという形ではございません。そういった流れの中でどういったことだったのかなということについて、今後調査を行っていきたいというふうに思っております。

Q:時期的な目途は。

A:時期的な目途については簡単に申し上げにくいので、できるだけ早くということに留めさせていただきたいと思います。

Q:午前中の委員会の方で、浜田大臣が「田母神さんの退職金の自主返納を待ちたい」とおっしゃっていまして、省として田母神さんの方にその旨の要請なり何なりをしているのかどうかと、本人からの返答があったのかどうか、その辺をお願いします。

A:防衛省として、まだ田母神前空幕長に対して自主返納ということについて伝えているわけではございません。そもそも退職手当がどのくらいになるのかということは、私どもはまだ精査中でございますので、お伝えできる段階にもなっておりません。そういう状況でございます。

Q:今後、自主返納を求めていく方針と理解してよろしいのでしょうか。

A:自主返納を求めるという考え方でございます。

Q:この段階で本人には伝えると。

A:はい。

Q:これは近々にというか・・・。

A:ですから、それは少なくとも「退職手当法という法律に基づいて計算される額はこういう額です」ということが、今はまだ精査中ではございますけれども、そこが確定した段階以降にその金額をお伝えして、その上で自主返納を求めていきたいというふうに思っております。

Q:空幕はなぜこの懸賞論文を全国の部隊に紹介したのですか。他にも色々懸賞論文はあると思うのですが。

A:そこのところは調査中です。今、分かっているのは先程述べたような空幕の中で一般紙に掲載された懸賞論文を見て、その主旨が自己研鑽に役立つものと考えたので部隊に紹介したという形で報告があがってきているところでございます。ですから、ご質問のところの「では一般的にそういうことをいつもやっているのか、それともこれだけが選ばれたのか」ということについては、これから調査をしていきたいと思っております。

Q:まだその辺の話は出ていないと。

A:はい。少なくとも私はまだ聞いておりません。

Q:事実関係で教えていただきたいのですが、幹部論文が提出されたのは時期としてはいつなのでしょうか。

A:その点については、まだ私のところまであがってきておりませんので、今の時点で明確に申し上げることができません。

Q:自主返納を求める方針ということですけれども、田母神さん自身は「今回の内容に間違っているところはないのだ」という立場を主張されていますが、それを要請した際の防衛省としての見通しというのはいかがでしょうか。

A:これからまさに求めることでございますので、求められた相手方の反応について、今この場で私が予測を申し上げるのはいかがなものかと思いますので、コメントを差し控えたいと思います。

Q:「一般的に論文の内容をもって、思想に偏りがあるとかで処分の対象には当たらないのではないか」という、確か大臣会見での見解だったと思うのですけれども、論文の内容で処分するということは一般的にできないのでしょうか。

A:私どもとして、論文と言いますか部外への意見発表、考えの発表というようなものがあろうかと思います。過去にも、例えば表現が不適切だったという形で「訓戒」であるとか、「注意」であるとか、そういう措置を行ったことがございます。

Q:今回の「侵略国家ではない」というような見解というのは、もし十分な審査の期間があって審査をしていたとしたら懲戒処分に当たるものなのでしょうか。

A:結局、懲戒手続きを進めておりませんので、なかなか予断を持って言うということは難しいのですけれども、少なくとも私どもとして政府の見解と異なることを航空幕僚長という立場にある人が部外に発言するということは適切ではないというふうには感じておりますので、そういう懲戒に当たるような方向なのではないかと予測をしております。ただ、いずれにしても手続きをしっかりやっていくということによって結果が生まれてくるわけでございますし、他方で田母神前空幕長は私どもに対して「規律違反に該当するか否かについては議論をしたい」というふうにおっしゃっておられますので、今の私の述べた私どもの見解と田母神前空幕長の認識とは異なるのではないかというふうに認識をしております。

Q:小松基地の幹部論文のテーマですが、今回の懸賞論文のテーマは「真の近現代史観」というテーマだったのですが、幹部論文のテーマも全く同じテーマが設定されたということなのでしょうか。

A:確認をさせていただきたいと思いますが、私もご質問と同じような認識でございます。間違っていれば訂正させてください。

Q:幹部論文としてそういうテーマ設定というのは適切なものだとお考えですか。

A:そこは、それぞれの部隊なりで色々なことを考えてやっているところだと思いますので、直ちに「適切ではない」と言うのは控えたいと思います。

Q:多数の方が応募されていて、その内容に関して調査した上で、官房長官の午前の会見で、場合によっては何らかのことを考えるのは当然だというような発言がありました。これはどういったことを意味すると考えますか。

A:それは、懸賞論文に応募した論文の内容について、内容も把握をしたいと思っております。その内容がやはり部外へ発表するという考えに立ってのもので、また政府の見解と大きく異なったりとかいうような状況があれば、それは何らかの措置というふうに繋がっていく可能性もあろうと思います。他方で、果たして公表が前提であったのかどうかとかいうことも、またそれに関する本人の認識とかいうこともよく吟味しなければいけないというふうに思っております。

Q:論文の内容についてですが、少なくとも研修で設定されて提出された論文自体については、既に細かいところまで内容を把握されているという・・・。

A:いや、それも今のところ少なくとも、市ヶ谷地区では把握をしていないと私は理解しています。

Q:小松の方では、把握して・・・。

A:ですから今、それがどういう状況にあるのかまだ調査中でございます。それから、要するに色々本人の任意といいますか、自主的な判断を待たなければいけないところもございますので、その辺のところも勘案しながら調査を進めているということでございます。

Q:佐官級、尉官級の方が主ですけれども、問いかたも内容が政府見解と大きくかけ離れたようなものであった場合は、やはり処分の対象になり得るとお考えか、また処分の対象にならなくても問題であるというふうにお考えでしょうか。

A:いくつかの要素が考えるべきものとしてあると思います。今、ご質問にありました、その人の立場、自衛隊は階級によって律せられたる部分がかなりございますので、階級の高い人は責任が重いという点もありますし、影響力も大きいというところがあろうと思います。それからもう一つは、考えられるのは例えば、公表若しくは部外というものがどのくらい前提であったのかということも加味しなければいけないと思いますし、またその内容が政府の見解と異なるというときにどの程度、どういう形で異なっているのかというようなことも勘案すべき要素になるということ、その他にもあるかもしれませんが、そういう要素を勘案しながら判断すべき問題であろうというふうに思っております。

Q:田母神さんの問題を受けまして、国会の方で参考人招致ですとか、補給支援特措法改正案の審議に影響が出ているのですけれども、こうした状況についてどのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。

A:今ご質問の中で言われたテーマ、事柄につきましては基本的に国会のご判断になることであろうと思いますので、私の立場からコメントすることは差し控えたいと思います。私どもとしては、今提出している補給支援特措法の改正案というものができるだけ早く成立していただきたいという思いを持っているということの一点でございます。

Q:先程の委員会で大臣が田母神さんを3日付で定年退職にしたのは、空将に留まって色々なことをしゃべられると困るからという趣旨のことをおっしゃったのですが、これは政府、防衛省の公式の見解ということでよろしいのでしょうか。

A:大臣が今の質問のように正確におっしゃったかどうかは分かりませんが、私どもの考え方は、まず懲戒手続きというものについて審理の辞退ということについて、「審理は辞退しない」、「議論をしたい」と、自分のしたことが規律違反に当たるのかどうかというお考えだということでございます。そういった意味では、懲戒手続きに時間がかかることが考えられます。他方で、この法律の規定によりまして、その階級の定年から勤務延長というのは半年に限られておりますので、来年の1月に辞められると、必ずそこまでで終わりというふうに理解をしているところでございます。そうしますと、処分の手続きの入ったはいいが、そこで終わってしまうと、しかしその間給料は払い続けて、処分も出来ないまま終わるということは避けたいということが第一でございます。そして、その上で空将という立場で、まさに自分のお考えが正しいというご判断に立って言われているわけですから、そこは私どもとしては、その地位にある者がそういう考え方を持つことは不適切だと思っておりますので、それはやはり困ることだという認識は持っております。

Q:大きく分けて2つの理由でということですか。

A:大小はあると思いますが、2つの要素があろうかと思います。

Q:後者の大ということですか。

A:前者の方が大だろうと私は思っております。

Q:今回の事態を受けて、文民統制を確保するという観点から何かしなければいけないことというのはありますでしょうか。

A:非常に難しいご質問だと思います。私どもは防衛省改革会議の報告書も受けまして、いわゆるシビリアン・コントロールについてもしっかり徹底していこうということであり、こういう方向でやっていくべきだというご提言もいただいているところでございます。それをまさにしっかりやっていくことがシビコンの徹底になるのだろうというふうに思うわけでございます。まぁ、今回の件がそういう方向性にどのぐらい影響するのかということについては、また今後考えていくところかなというふうに思っております。

Q:現段階で空幕から各部隊に、自己研鑽ということで作文を、経緯の中に田母神さんの意向を汲んでやったのだという話が出ているのでしょうか。

A:今のところ出ておりません。

Q:それはないというふうに言っているという理解でよろしいでしょうか。

A:私が今述べた答えにつきます。そういう要素の報告は来ておりません。

Q:懸賞についてですが、主催者のアパグループの会長は小松基地の民間の支援団体、後援組織みたいな形で応援されている方のようですが、その主催者側から航空自衛隊の方に「是非参加してみないか」といような働きかけというのはあったのでしょうか。

A:今のところご質問の点も出てきておりません。

Q:小松基地の中に応募要項が貼られたりとか・・・。

A:まさにそういうことが、「あった」とか「なかった」とかということについての事実関係の報告は上がってきておりません。

Q:「ない」という報告も・・・。

A:「ない」という報告もございませんが、「ある」という報告もございません。先程申し上げた経緯としては今報告が来ているのはいわゆる一般紙に懸賞論文の応募が載っていたので、空幕の方でこれは自己研鑽に役に立つのでということであり、全国の部隊に回して、そこで小松においては先程言ったような経緯で、課題と一致したというようなことであったということです。

Q:あくまで読者として空幕のかたが見られて発見したということ・・・。

A:はい、今のところですね。今までの調査での話です。

Q:6空団ではどなたかがまとめて提出したのでしょうか。それともそれぞれが出しているのでしょうか。

A:それも今後調査を待ちたいと思います。

Q:先程から次官がおっしゃっている、どのぐらい公表が前提だったのかということをおっしゃっていますけれども、出しているということは公表が前提で書いているということではないでしょうか。

A:そこはそういう経緯かどうか、本人の認識がどうかということについて、よく調べる必要があろうというふうに思っております。

Q:ということは誰かがまとめて本人に断りなく提出した可能性もあるということですか。

A:それは少なくとも、一人一人に全部確認したものを見ているわけではないので分かりませんが、本人が届出を上司に出しているというところから見ますと、それぞれの個人の判断でやったのだろうなというふうなのが今日現在の推測です。

Q:自己研鑽に役立つということで全国に紹介したという、これは空幕長の決裁をとった上でやっているのでしょうか。

A:それは確認が必要です。

Q:一般論としてこういうのは幕長の決裁が必要なのでしょうか。

A:一般論として、私の理解では必ずしも幕長の決裁は必要ないと思います。この件に関してどうだったかというのは確認が必要だと思います。役所というのは、それぞれ組織で、例えば大臣のお名前の文書であっても大臣まで決裁が上がらないものもございます。幕僚監部においても、例えば航空幕僚長というお名前の文書であっても、空幕長まで決裁が上がってなく、その前の部長のレベルで決裁を留める、我々専決とか代決とか言っている制度でやっている部分もかなりございます。

Q:幹部論文のテーマと何故これが一致したのかということについての検証というか、そこら辺は。

A:事実関係としてはそうなってしまっているので、どうしてこうなったのかというご質問のような点も調査をしてみたいと思っているところでございます。


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