大臣会見概要

平成20年11月21日
(10時00分〜10時12分)

1 発表事項

 本日閣議がございまして、当省案件として、「衆議院議員鈴木宗男君提出政府見解と異なる歴史認識を発表し更迭された前航空幕僚長に対する防衛省の任命責任等に関する質問に対する答弁書」他について閣議決定がされました。


2 質疑応答

Q:昨日のSM−3の発射実験についてですが、迎撃に失敗したという形になったそうですけれども、弾頭を切り離した後に最後のところで標的を見失ったというようなお話でありましたが、大臣の方から試験全体の評価と今後の課題についてお願いします。

A:昨日、日本時間11月20日11時21分にハワイ州のカウアイ島沖で、イージス艦「ちょうかい」がSM−3の発射試験を実施しました。標的発射後、「ちょうかい」は標的を探知・追尾してSM−3ミサイルを発射して、大気圏外に誘導するまでシステムは正常に作動しておりましたが、迎撃に至らなかったというものであります。今回の発射実験において、弾道ミサイル模擬標的の迎撃に至らなかったことから、日米協力して原因の特定について今後調査を行って、適切な処置を講じていきたいと思っております。いずれにせよ、我が国のBMDシステムは、弾道ミサイル攻撃に対して、我が国国民の生命・財産を守るための純粋に防御的で他に代替手段のない唯一の手段でありますので、我が国の安全を確保する上で不可欠なものであるということから、今後とも引き続き、BMDシステムの着実な整備に努めてまいりたいと思っているところであります。

Q:田母神前空幕長の統幕学校長時代に作った歴史観・国家観の講座についてですけれども、先日、講師名と講義の一部の内容を公表されましたが、自衛官への歴史教育についてバランスが取れているのかどうかという指摘もあるわけですけれども、大臣としての考え方をお聞かせいただければと思います。

A:統合幕僚学校におきまして、これまで行われた「歴史観・国家観」等の講師名につきましては、ご本人の了解を得た上で先日明らかにしたところであります。また講演の内容については講義記録が残されておらず明確にお答えすることは困難でありますけれども、関係者からの聴取等から同課目の一部の講義の概要について明らかになったところでございます。一般に部外講師による講義は、歴史認識を含めた様々な事項についてバランスの取れた見解と幅広い視野を有する自衛官を育成するために有意義であり、幹部自衛官が多様な見解に触れ、視野を広げ、識見を深め、考える力を身につけることは必要であると考えております。「国家観・歴史観」の講師名のみによって、教育が偏向しているかどうか否かを論ずるのは適当ではないと考えますが、見方によっては、ややバランスを欠いているとの印象を受ける方がいるかもしれません。自分としても「国家観・歴史観」の講師の選定について詳細に分析しているところではございませんが、これが適切であったと判断することはなかなか難しいのではないかと考えているところであります。また、受講した自衛官が、偏向した歴史認識を有するに至ったかどうかというのは、これを確認することが困難であります。いずれにしても、ご指摘を謙虚に受け止めて、今後色々な見方があることを踏まえ、より幅広くバランスの取れた適切な教育を実施し得るように、講師の選定も含めて、課目「歴史観・国家観」の見直しについて検討してまいりたいと思っているところであります。

Q:昨日、自民・民主などの超党派の議連でソマリア沖の海賊対策について、護衛艦や哨戒機の現地派遣の特措法の検討に入るという話がありまして、大臣もその議連のメンバーでいらっしゃるとお聞きしていますけれども、今政府側でいらっしゃるわけですが、政府側でもこの件についての検討状況というのはどうなっているのか、それと憲法との兼ね合い、武器使用基準について、大臣のお考えをお聞かせ下さい。

A:昨日、お尋ねの件については議論が行われたというのは承知しております。立法府での議論でございますので、私の立場としてコメントすることは差し控えたいと思います。海上交通の安全確保というのは、これは海上貿易に依存する我が国の繁栄と発展に不可欠なものでありますし、特に海賊行為への対処については、今日の国際社会が一致して対応するべき重要な課題であるということは十分に認識をしているところであります。政府としては、総合海洋政策本部におきまして、海賊に対する取締りのための法制上の枠組みについて、検討を進めておりまして、防衛省は関係省庁の一員として積極的に検討に参加しているところでございます。また、武器使用基準については、現時点では海賊行為の取締りのための措置として、自衛隊はいかなる対応をとるべきかについて一定の結論が出ておりませんし、防衛省としては今後さらに具体的に検討していく必要があると考えておりますけれども、武器使用権限については、海賊が保有する武器の種類も含めた海賊行為の具体的な状況を勘案しながら、隊員の安全確保や任務に対応した適切な武器使用権限が確保されることが必要であるというふうに考えているところであります。いずれにせよ、現時点では、海賊行為の取締りのための措置として自衛隊がいかなる対応をとるべきかについて、一定の結論が出ていないという状況でありますので、防衛省としては政府全体として海賊対策のあり方、自衛隊派遣の根拠等の法的側面、部隊運用上の課題、諸外国や関係国際機関との協力のあり方等、様々な点について関係省庁と連携して具体的な検討を積極的に進めてまいりたいと思っているところであります。

Q:先程の統幕学校の歴史教育についてなのですが、自衛隊の中には、制服自衛官の中には、今回田母神さんが示された認識を支持する声もないとは言えない向きもあるのですが、そういった教育も背景にあるというふうにも考えられるのですが、この底流に流れているもの、その背景というのは大臣としてどのようにお考えになっていますか。こういった歴史観が底流に流れていることについて。

A:様々な歴史認識というのは色々な研究がなされ、そして色々な方が色々な考え方を発表になられているわけでありますので、底流というよりもそういった様々な意見に接する機会があって、その中でやはり自衛官自身が、自分の考え方というものに合ったもの、合わないものというのは当然あって然るべきだと思いますが、ただ一つ問題なのは、色々な議論があっていいと私は思うのです。だた、自分の立場、自分の任務というものをどのように把握するかという方が問題であって、その部分が第一義的にあるべきだというふうに私は思っています。ですから、自分たちがそれを持って何をするかではなくて、そういう意見がある中でいかに任務を果たしていくかというのが一番重要だと思っていますので、その点を考えれば、考え方で一致するというのは、皆さんは色々な考え方を持っていらっしゃるので、そこまでは我々も把握できませんが、問題は我々が与えられた任務の中で果たしうるべきことをしっかりやるということが重要であって、そのことによって自分の考え方、そしてそういった歴史認識等で自分の任務に色々なことが作用されるということがあってはならないということの方が重要だと思っています。

Q:逆にそこは欠けている部分かも知れないということでしょうか。

A:色々な考え方に接するということは決して悪いことではないと思います。ただ、我々が提供する側として、もしも教育をする場合に、それに偏りがあってはならないし、それははっきりと我々も今後直していかないといけないと思っているところであります。

Q:防衛省改革の関係ですが、基本的な考え方のとりまとめの時期がずれ込んでいるように思うのですが、今後どのようなタイミングで取りまとめていきたいというふうにお考えでしょうか。

A:我々とすると防衛省改革というのは大変重要なことでありますし、官邸の方でも会議を持たれているということでありますので、今まで様々な事案等が、その後新たに起きているわけでありますので、それを今後それに加味することが必要なのかどうかということも含めて、今検討しているところであります。ある程度の時間が遅れたのは確かに事実でありますが、これは我々の方で今までそういう状況ではなかったものですから、考え方をまとめていきたいと思っているところであります。


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