寺田政務官臨時会見概要

平成20年3月28日
(15時32分〜15時47分)

1 発表事項

 今日は、本日昼に行われました10回目の総合取得改革推進PTにおいて、報告書がとりまとめられました。そのご報告をさせていただくわけです。昨年の10月以来、10回にわたりましてこの総合取得改革検討を行ってまいりました。防衛省改革の三つの大きな柱の一つであります、この取得改革、それに対する提言を取りまとめることが出来たのは、本当に私も嬉しく思います。当然のことながら、今回の守屋事件に対するこたえであるとともに、守屋事件のみならず広く防衛調達全体に対し包括的な検討を加えて一定の結論付けを行うものでございます。そして、もう一つの大きな特徴といたしまして、今般、この一般輸入事案への対応、あるいはライフサイクルコスト管理の開始、また包括的なコスト目標に見られますようにかなり具体的に、定量的に、かつ時期が明示できるものは時期を明示して実施・実行していくという具体的なアクションプランを伴う形になっております。したがって、これまでも過去こうした調達・取得改革が何度も行われてきたわけですけれども、より一層具体的で包括的で、かつ実施できる案というふうなことでとりまとめをさせていただいたわけです。したがいまして、今回得ました成案を下に、4月の頭にも予定をされております官邸で開催されます防衛省改革会議、この場にもご報告をするとともに、関係各方面にも報告の内容を周知徹底させていきたいというふうに思っているところであります。

2 質疑応答

Q:  挨拶でもおっしゃっていましたけれども、制度設計ができたということで今後実効性が求められると思います。例えば、海外メーカーからの直接調達がどのくらいになるのかとか、ちょっとやってみなければ分からない面もあると思いますが、今後の課題や検証方法について、どのように進めていかれますか。

A: それが非常に大事な点でして、これを確実に実施・実行に移すというのは私も申し上げたとおりでして、例えば一番最初の一般輸入調達問題、これはまさに山田洋行のケースを受けた一つのこたえですけれども、そこにもありますとおり、直接照会をはじめチェックを強化する、あるいは直接契約を推進していくと。この項目については、輸入統括部門、これは予算要求事項で21年度になりますけれども、それ以外の項目は全て来年度、即ち20年度から実施をしていく。具体的にどれだけ直接契約ができるか、あるいは具体的にどれだけチェックが行われるか、これはもちろんやってみないとわかりませんが、少なくとも主要装備品については、これを実施していき、次のライフサイクルについても、21年度から完全実施というふうなことで、既に今月、20年の3月から着手をしております。また、コスト削減目標、これは今回初めて包括的に15%という削減目標を設定させていただきました。これは既にスタートしております。即ち、19年度から23年度までの5カ年間において15%のコストダウンという包括的な目標でございます。また、その他の項目にいたしましても、例えば既に民間委託を進めておりますけれども、民間委託の推進を一層拡充をしていく。また、統合運用の視点に立った装備品の取得、これは21年度、即ち今度の概算要求、そして21年度予算案から確実に実施していくというふうなことで、かなり具体的な年度を伴って着実に実施をします。したがって、当PTもこれでおわりではなくて、オンゴーイングで続けていって検証をさせていただくということにいたしたいと思います。

Q: 今のお話の中で、主要装備品については原則直接調達が最終的な目標としてあるという取り方でよろしいのでしょうか。

A: これは、全て直接調達するという意味ではなくて、トータルコストを比較するわけです。即ち今回このライフサイクルコスト、LCC管理をやりますから、直接調達の方がより有利なのか、あるいは商社関与取引、商社を通した取引の方が有利なのか。実は、一般論でいうと確かに商社を通すとその分の手数料がオンされますから、直接契約の方が安いだろうというふうに思われる方も多いと思います。現にそういうケースもあります。しかし実際に商社関与の方がその分のアフターケアをかなり安価でやってくれたり、あるいは保険の付保の問題、あるいはその後の部品調達等において、実は商社関与の方がトータルコスト、即ちライフサイクルで見て実際有利だというケースが多々ございます。例えば車、ベンツなんかそうです。系列の代理店を通した方が、値段も安いと。これはそれだけそういう価格政策をとっているわけです。従って、両方を比較してみて有利であれば、有利な方をとるという意味であります。従って、全てについて直接行うというふうにシフトするという意味ではありませんが、直接契約の可能性は全てについて追求をいたします。

Q: 当初石破大臣は、商社が介在する仕組みそのものについて、相当問題があるというふうに公の場でおっしゃられたかと思うのですが、チームの中でもそういった在り方について検討されていたと思うのですが、そういった介在の仕組みそのものを現時点で変えなかったという理由については。

A: これは商社関与による問題点、これは今回の一つの大きなテーマとして非常に掘り下げた議論を行いました。商社関与によって直接メーカーからのチェックがしにくくなる点、あるいは不正が介在しやすくなる点、これは確かに大きな問題点なのでそれを防ぐためのチェック体制の強化、そしてまた直接照会の実施、また現地の輸入調達専門官の大幅増員といった体制強化、更には外部から公認会計士、あるいは専門家を組織の中に任期付き任用で登用して、チェックの目を光らせるというような体制、更には違反をしたときの罰則強化です。今回初めて3倍返しと、即ち不正をした、水増しをしたその不当利得の3倍を返させるという3倍返しの制度を導入します。これは罰則の強化です。これも具体化をいたします。従って、色々な意味でこの商社取引に伴うマイナスの問題点を全て除去をした上で、トータルコストを比較して直接契約の方がより有利なのか、あるいは商社関与取引の方が引き続き有利なのか。即ちマイナス点を除去した上で、純粋にコスト比較をしてより有利な方を決めていくという体制。したがって、LCCが確立するのは21年度ですから、21年度から完全にそういう比較は定量的にできるようになるということであります。

Q: 不当利得の3倍返しと言われましたが、それは過払い分と違約金が2倍になったというのを払ってくれと・・・。  

A: おっしゃるとおりです。過払い分はまず丸々返す。これは1倍ですね。しかしそれだけだと全くディスインセンティブにならない。不正をはたらいても不当利益だけ返せば良いというのならば、いくらでも不正をします。したがって、プラス2倍分をペナルティーとして返してもらう。したがって、トータルの返す額としては3倍増しという言い方です。

Q: 国際共同開発の課題として議論されていた武器輸出三原則が報告書に盛り込まれなかったのはなぜでしょうか。

A: これは、言葉としては確かに武器輸出三原則という言葉自体は、ご覧の通り報告書に書いてありませんが、様々な国際技術交流に伴う諸問題については、検討していくというふうな記載がなされています。これは、当然その中には色々なことを検討するわけですが、この武器輸出三原則を含む様々な問題が引き続きの検討として入っているわけです。現にBMDの時は武器輸出三原則の例外として、この技術協力を進めたこと。今回、様々な技術協力について検討すべき論点があるわけで、武器輸出三原則以外にも、例えば、この国際共同事業体の運営の是非の問題、即ち共同開発すると言っても他の国がペースダウンした時に自国がいくら一生懸命やってもものにならないというふうな問題、あるいはお互いのリスク分散をどのようにしていくかという問題、あるいはデュアル・ユース技術分野について一体どういうふうに進めていくかという問題、こういうトータルの問題を今後も総合的に検討してまいります。従って、国際技術協力を今後活発化していく中で、わが国としてどのようなことを検討したら良いかというものの一つとして、やはり我々は扱ってまいりたいということです。

Q: 検討の場としてはどう考えていらっしゃるのでしょうか。

A: 具体的な場としては党の場になろうかと思います。武器輸出三原則というのはご存じの通り政府の方針ですが、今回の調達の問題の側面というよりむしろ、平和国家としての基本理念です。あるいは、様々な他国に対してこの軍事大国にならないとか、脅威にならないとか色々な側面から、佐藤内閣、三木内閣において樹立をされた原則です。従って、この原則をどういうふうに取り扱っていくか、最終的には政府の方針になるわけですけれども、当面としては党の場で検討していただくということになろうかと思います。

Q: 確認ですが、この報告書の22ページの「国際共同開発・研究に係る背景や利点・問題点等について」の中で、この問題点等というところに、武器輸出3原則というのが入るという認識でよろしいでしょうか。

A: 問題点の一つということです。少なくとも武器輸出3原則というのは、例えば、F−2みたいなケースは全く抵触しないわけです。BMDは確かにお互いある分野で交流してまいるから一定の論点、つまりどういうふうな共同開発の形態をとるか、あるいは技術交流の形態をとるのかによって、武器輸出3原則が全く問題にならないケースももちろんあり得ます。あるいは、宇宙分野のように全くそれ自体が武器輸出の全く対象外だけど、技術移転によってそれを軍事転用されるというふうな技術転用の問題、これは武器輸出3原則の埒外ですけれども、別途の問題としてあるわけです。これは、いわゆるこの関連分野というふうなことで、経済産業省の方が管理しているわけですけれども、そういうトータルの問題を洗い出す、一層検討を深めるということであります。従って、今後どういうふうな協力を進めていくかによります。

Q: プロジェクトチームの中では、政務官ご自身は武器輸出3原則の出し方については、問題提起をされたのでしょうか。

A: いや、これは毎回ブリーフィングしている資料にもありますとおりで、武器輸出3原則というのはこういうものだということは、資料としても紹介しておりますが、格段私がその場で武器輸出3原則についてどうこうという発言はなかったというふうに思います。

Q: 報告書に明記することには、かなりハードルが高いということなのでしょうか。武器輸出3原則という言葉とかをですね。

A: 武器輸出3原則は今、政府の方針としてありますが、よく党の国防部会なんかでは、武器輸出3原則の観点から検討をしなさいという発言も現にありましたけれども、我々の場合は武器輸出3原則だけの論点じゃなく、国際共同開発、あるいは技術交流の問題、トータルとして検討すべきということです。実際、この点について更に言いますと、もちろん技術交流もそうですけれども、様々な宇宙分野とか色んな分野とも絡む問題で、この防衛の調達だけの側面ではないというのが大きいかと思います。

Q: 報告書は4月の官邸の会議に提出するということですか。

A: はい、その予定でございます。4月に予定されているこの会議に防衛省の、恐らく私になろうかと思いますけれども、ご報告をさせていただくと、審議をいただくということです。

Q: そこで承認を得るという形になるのですか。

A: 承認というか、もうこの報告自体は大臣指示に基づいて今回これで了承されましたが、防衛省として一応、こういうアウトプットが出来たということのご報告です。その場で、報告書は了承とか云々がもう手続きとしてはいらないわけです。ただそれをもとに、より高次の官邸の会議である防衛省改革会議において、それをもとにさらにご議論していただくということになろうかと思います。

Q: 武器輸出3原則の件なのですが、政務官ご自身のお考えとしては、現状の武器輸出3原則の三木内閣時代の政府見解ですね、それがその防衛調達において、何らかの妨げ、例えば価格であるとか、技術開発であるとか、そういった点で妨げになっているという認識はおありなのでしょうか。

A: 私個人の見解は差し控えさせていただこうと思いますけれども、少なくとも当PTとしては、その点も含めて総合的に研究して、引き続きここはオンゴーイングで一層検討を深めようということでございます。先程も言ったように、今わが国が進めているこの国際協力は全く問題とならないわけですけれども、現状、今後どういうふうに国際協力を進めるというかという大方針によるかと思います。少なくとも、現状として、例えばBMDに特化して今後やっていくんだということであれば、さしたる支障にならないでしょうし、しかし、例えば、これはまた大きな決断ですけれども、ヨーロッパ型のような共同事業体を設立していくような場合は、それはそれで逆に大きな別の問題点もあるわけです。他国のリスク分担の問題等と生じてきます。したがって、今後、どういうふうな国際共同研究のスタイルをとるかによってくるかと思います。


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