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第35期統合高級課程学生に対する統合幕僚学校長講話

令和5年12月22日(金)、第35期統合高級課程学生(自衛官43名(1佐36名、2佐7名)、留学生:オーストラリア共和国海軍中佐1名、タイ王国海軍中佐1名))に対し統合幕僚学校長(坂本浩一空将)講話を実施しました。

坂本学校長は、令和5年10月以降、統合運用を学び・研究してきた学生たちに対し、過去の勤務経験及び現職で認識した課題等を基に、「統合運用態勢の抜本的強化」に必要な3つの取組むべき努力の方向性について示しました。

1つ目は「統合運用基盤の整備」であり、常設統合司令部の新設や統合幕僚監部の改編という新たな体制作り及び統合作戦を重視した任務対応型の態勢構築、更には将来の統合運用を担う人材育成のための統合教育の抜本的見直しの意義について示しました。そして現在、統合幕僚監部が中心となり、初級?高級幹部に至る統合教育に係るカリキュラムが横断的に見直され、統合幕僚学校も大きな変革期にあることについて紹介しました。

2つ目は「統合運用のための防衛力整備体制の確立」であり、統合幕僚監部が立案した統合防衛戦略に基づき陸上・海上・航空幕僚監部が防衛力整備を担うといった枠組みの重要性を示しました(統:ユーザー、陸海空:プロバイダーという整理)。この形は統合幕僚監部創設以来、歴代の各幕防衛部(過去配置での学校長自身を含む)が中心となり作り上げてきたものであり、この更なる発展と実効性向上が必要であることについて言及しました。

3つ目は「防衛産業基盤の強化」であり、防衛産業からの企業撤退に対する危機意識、多国間共同開発や防衛装備品移転といった環境変化等に鑑み、関連する制度設計を再調整することの必要性を示しました。また、世界における競争力維持、同盟国やパートナーシップ国との相互運用性向上の観点から、諸外国と同様、国が防衛産業に関与できる適正かつ合法的な枠組みの構築に係る検討の価値について言及しました。

坂本学校長は、これらの視座を具体的な事例や経験談等を交えて分かりやすく講話するとともに、防衛省を挙げて実施しているハラスメント撲滅の意義や高級幹部としての基本的考え方等についても言及しました。そして、統合幕僚学校卒業後には枢要な配置につき防衛省・自衛隊を中心から担っていく学生達を鼓舞、激励しました。

統合幕僚学校長 空将 坂本浩一 統合幕僚学校長講話の状況

統合幕僚学校長 空将 坂本浩一

統合幕僚学校長講話の状況

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