職員の紹介

専門職は、国際的な防衛行政に関する政策立案、防衛装備・技術協力、情報収集・分析、語学教育、通訳・翻訳、在日米軍との折衝などの分野で活躍しています。それぞれの業務に従事する職員を紹介します。

国際的な防衛行政に関する政策立案

国際的な防衛行政に関する政策立案
本省内部部局(入省10年目)

◆現在の職務内容について

ASEAN10か国と域外国8か国からなる多国間の枠組みにおいて、インド太平洋地域の平和と安定に寄与すべく、防衛省・自衛隊の専門的な知見の共有による各国の能力向上や、訓練や対話を通じた参加国間の実践的な協力促進に貢献しています。PKOや海洋安保等の実務者会議には私自身も自衛官と共に参加し、各国に対して日本の立場を発言するなど、担当として中心的な役割を担っています。

◆専門職の魅力・アピールポイント

各国と信頼関係を構築した上で情報収集・丁寧な説明を行い、日本にとって望ましい安全保障環境を醸成していくことが重要です。英語力・国際性という強みがある専門職は、調整や交渉の場で大きな役割を果たすことができます。専門職という採用区分に限界はありません。

防衛装備・技術協力

防衛装備・技術協力
防衛装備庁(入省1年目)

◆現在の職務内容について

防衛装備品(航空機)に関する様々な国際協力案件に携わっています。平素から国内外での協議や報道機関からの問い合わせが多くあり、関係者との調整や記録の作成、逐次通訳・資料の翻訳を含む語学支援などを行っています。

◆専門職職員として普段心掛けていることは

分からないことがあればすぐに(日本語と英語で)調べたり、先輩や周囲の方々に質問したりするようにしています。また、どの職種や業務にも共通だと思いますが、なるべく丁寧にコミュニケーションをとるようにしています。

情報収集・分析

情報収集・分析
防衛装備庁(入省1年目)

◆現在の職務内容について

報道や書籍などの海外資料からの情報収集、及びそれを基にしたプロダクトの作成、また会議資料の翻訳なども行います。また、会議通訳に向け、通訳訓練にも鋭意取り組んでいます。

◆専門職の魅力・アピールポイント

言語の勉強及び専門知識の蓄積が仕事に直結するところが魅力です。経験豊富な上司や先輩のお話を聴き、業務を通して多種多様な経験を積むことで、自分の世界が広がっていくのを感じます。

情報本部(入省3年目)

◆専門職の魅力・アピールポイント

専門職の魅力の1つ目は、自分の学んだ言語を活用できることです。また、2つ目は、業務に資するものという前提はありつつも、事象について調べて分析する点で、研究者のような仕事ができることです。

◆仕事のやりがいについて

仕事のやりがいは、日々自分の成長が感じられることです。一年前の自分に比べ、今の方が、確実に知識も増え、より深く、多角的に物事を捉えられるようになったことを実感できます。

語学教育

語学教育
海上自衛隊(入省1年目)

◆現在の職務内容について

自衛官の方々を対象とした英語の教務を軸に、幅広く英語を活用しています。教官陣は自衛官(制服組)・事務官等(スーツ組)で構成され、その両者がチームで入校中の学生の学習・学校生活をサポートしています。渉外や接遇の仕事もあり、英語を使用する場面は多岐にわたります。

◆専門職の魅力・アピールポイント

教官業務にとどまらず入省1年目から通訳にチャレンジする機会も与えられ、教育から通訳に至るまで様々なスキルアップのチャンスに恵まれています。また、自衛官の方々とデスクを並べて業務に取り組むことで、日本の安全保障に貢献できていると感じられます。

初めて通訳支援を行うことになった際は、入省1年目で大きな役割を任せていただくことに大きな驚きがありましたが、準備を通じて周囲の先輩からの温かいサポートがあり、改めてこの職場で良かったと感じました。

通訳・翻訳

通訳・翻訳
航空自衛隊(入省2年目)

◆現在の職務内容について

渉外業務は主に連絡調整・通訳支援・翻訳を担当しています。沖縄県には、米海兵隊、米空軍、米陸軍及び米海軍の基地があります。日米交流行事、日米共同訓練、米軍研修のための調整業務において様々な窓口と連絡を行っています。また、訓練や会議等での高官通訳及び資料や広報記事の翻訳も業務の一つです。

◆仕事のやりがいについて

入省1年目の専門職員にも長期の海外訓練等に同行する機会が与えられ、実際の防衛の最前線で平和と安定を守るための現場に立合い、一員として寄与することができます。語学業務だけではなく、あらゆる調整業務を通して任務が円滑に行われるよう国防の根幹に携わる仕事ができることに責任とやりがいを感じます。

在日米軍との折衝

在日米軍との折衝
地方防衛局(入省3年目)

◆現在の職務内容について

在日米軍の航空機等による事件・事故が発生した際の対応や、損害賠償手続きに係る業務を担当しています。米軍による訓練実施の際には、米軍との調整や会議において通訳を行っています。

◆専門職の魅力・アピールポイント

入省後比較的早いうちから、通訳・翻訳、在日米軍や外国の行政機関との調整等、語学力を生かす機会があります。また、様々な分野から防衛政策に携わることができ、幅広い経験と知識が得られるのも魅力だと思います。語学を扱うことで外国との調整の第一線に立つことができることにやりがいを感じます。

海外勤務・留学

海外勤務・留学
在ニュージーランド日本国大使館(入省10年目)

◆現在の職務内容について

在ニュージーランド日本国大使館に出向し、ニュージーランド政府等と良好な関係を築き外交関係の発展につなげるとともに、当地や周辺地域の安全保障分野の情報を収集することで、日本の政策立案に寄与することを職務としています。ニュージーランドの政策や周辺の南太平洋地域の情勢に関しては、着任してから初めて知ることばかりで、それに加え、2022年はトンガでの噴火・津波災害から始まり、周辺国による太平洋への関与の増加等、この地域を取り巻く情勢が大きく揺れ動いた年でした。アンテナを高く張り、そうした動きを常に追いながら、知識をアップデートし続けることは大変ですが、こうした一歩一歩の積み重ねが明日を作ると信じて、日々業務に励んでいます。

◆職場の雰囲気について

職場には現地採用の職員等、様々な背景を持つスタッフが勤務しています。防衛省とは職場文化の違いや業務の進め方が異なる点もありますが、相談を欠かさず、アイデアを出し合いながら業務を行っています。

有償援助調達連絡官(入省10年目)

◆現在の職務内容について

私は調達企画課有償援助調達管理室から有償援助調達(FMS)連絡官としてワシントンDC事務所に派遣されています。現地では、主に米陸軍省のFMSに関する業務を担当しています。FMSの制度は、非常に独特な仕組みを有しており、また、日米の商慣習の違いなどから、同制度を通じた装備品の調達において大変なこともあります。このような調達を円滑にするためにFMS連絡官が米国に派遣され各軍省と調達業務を行っています。

また、世界各国もこの制度を利用しているので、時には世界各国のFMS連絡官と協力してFMSに関する各種問題の解決を米国へ働きかけるという業務も行っています。

◆これまでの勤務で印象に残ったエピソード

天皇陛下の御即位に際し、各国のFMS連絡官から祝辞を頂いたことです。スペインの連絡官からは特に心のこもった祝辞を賜り、とても感動したのを今でも覚えています。日本人であることを誇らしく感じた瞬間でした。

選抜により、米国や英国をはじめとする海外の大学院で1年間研究に従事する海外留学の機会があります。国際関係や公共政策など防衛省の業務の関連分野を中心に、世界中から集まる留学生と切礎琢磨しながら学び、帰国後の業務に生かしていただきます。他にも米国のシンクタンクでの短期研修などのチャンスもあります。

海外留学(ロンドン大学KCL留学)

現在、英国ロンドンにあるKing's College Londonの修士課程において、War Studiesを専攻しています。戦争や紛争が何故発生し、どのような社会的影響を与え、どうすれば戦争を防ぐことができるのかなどについて、様々な専門分野から勉強しています。世界各国の戦争史や安全保障政策を学ぶことで、これまで防衛省で携わってきた業務への理解も深まり、国内だけでなく国際的視野を持って業務に取り組む重要性に気付かされました。また、休日には博物館などに足を運んでいますが、日本刀や和服など日本の展示品が充実していたり、街中にもラーメン店が意外と並んでいたりと、日本文化に触れる機会の多さに驚かされました。

一年間の留学を通じ、安全保障論政策について自ら考え議論する能力を磨き、今後の業務に役立てていきたいと思っています。

2023年11月2日更新