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<解説>中国の海・空戦力の近代化

中国は、速いペースで増加する国防費を背景として、軍事力の急速な近代化を進めています。海上戦力の近代化については、より遠方の海域において作戦を遂行する能力の構築を目指していると考えられます。具体的には、新型水上艦艇や新型潜水艦などの増強を継続しています。中国初の空母「遼寧」が16(平成28)年12月に初めて太平洋へ進出したほか、初の国産空母も17(平成29)年4月に進水、18年5月に初の海上試験を実施しており、2~3年以内に就役するとの指摘もあります。航空戦力の近代化については、国土の防空能力の向上に加え、より遠方での戦闘が可能な能力の構築などを目指していると考えられます。具体的には、第4世代戦闘機を着実に増加させるとともに、次世代戦闘機とされるJ-20の作戦部隊への配備も開始したと発表されています。また、戦闘機、爆撃機、早期警戒管制機、輸送機を含む多種多様な軍用機を自国で開発・生産・配備まで行うようになっています。中国は、自国の発展がいかなる国にも脅威にならないとする一方で、具体的な将来像や必要性を明確に示さないまま軍事力の急速な近代化を進めており、わが国周辺を含む地域及び国際社会の安全保障上の強い懸念となっています。

中国の海・空戦力