平成29年 稲田防衛大臣 年頭の辞

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平成29年 稲田防衛大臣 年頭の辞
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平成29年 稲田防衛大臣 年頭の辞

明けましておめでとうございます。

平成29年の年頭に当たり、国内外で任務に精励している隊員の皆さんに、新年のお慶びを申し上げます。自衛隊の各部隊において、日夜、強い使命感をもって勤務を続けていただいている皆さんに改めて敬意を表したいと思います。

私は、大臣就任以来、現場の実情を把握し、隊員の皆さんを激励したいとの思いで、北海道から沖縄まで、国内各地の部隊、あるいはジブチや南スーダンの派遣部隊を視察してまいりました。

行く先々では、真剣な眼差しで任務に取り組む隊員の皆さんがいました。部隊の新編に向け、動作一つひとつを丁寧に確認しながら、水陸両用戦の訓練を行う隊員。弾道ミサイルの脅威に備え、訓練に励むイージス艦の乗組員。日本の高い技術力を武器に、装備品の研究開発に全力を注ぐ隊員。3人のお子さんが日本で待つ中、ソマリア沖・アデン湾の海賊対処のために汗を流す女性隊員。灼熱の南スーダンで、現地の方々のために道路整備に励む隊員。

ここでは紹介しきれませんが、多くの皆さんの熱意やひたむきさに接し、非常に心強く感じました。今、そうした頼もしい皆さんとともに新年を迎えることができ、大変嬉しく思います。

昨年は、我が国を取り巻く安全保障環境がますます厳しくなっていることを実感させられた年でした。

北朝鮮は、国際社会の非難を無視し、軍事的な挑発行為を量的にも質的にも拡大しています。1月の核実験、2月の人工衛星と称するミサイルの発射を皮切りに、昨年は2度の核実験と20発を超える弾道ミサイルの発射を行いました。私が着任したまさにその日には、我が国のEEZにミサイルの弾頭が着水しましたが、前例のない事態でありました。

また、中国海軍の戦闘艦艇が初めて尖閣諸島周辺の接続水域に入域したほか、中国の戦闘機が沖縄本島・宮古島間を初めて通過するなど、中国の我が国周辺海空域での活動は拡大、活発化しています。

さらに、7月にはバングラデシュ・ダッカにおける襲撃事案が発生し、邦人も犠牲となりました。テロは、いつ、どこで誰によって引き起こされるのか、その兆候の把握が難しく、国際社会における最も大きな脅威となっております。

このように、国際情勢がめまぐるしく変化する時代において、国際社会と手を携え、平和国家としての歩みを、更に力強いものとするため、防衛省・自衛隊に対する国民の期待に応えるべく、本年も隊員の皆さんと様々な課題に取り組んで行きたいと思います。

まず、昨年3月に施行された平和安全法制に基づく任務の着実な実行です。

昨年は、南スーダン派遣施設隊第11次要員へ新たな任務を付与したほか、平和安全法制の内容を含んだ初の日米共同訓練「キーンソード17」を実施し、米軍等の部隊の武器等防護の運用を開始いたしました。

本年も、平和安全法制の着実な具体化を進めてまいります。

次に、大綱・中期防に基づき、統合機動防衛力の構築に取り組んでまいります。特に、南西地域の防衛態勢の強化は喫緊の課題であり、各種事態における実効的な抑止・対処に向け、着実に防衛力整備を行ってまいります。

また、日米同盟も一層強化されてきています。カーター長官との2度の会談や、「ヤマサクラ」の視察、米海軍横須賀基地の訪問など、あらゆる機会を通じて、日米の強い絆を実感してまいりました。

政策レベルから現場レベルまで、重層的な信頼関係によって、日米同盟の絆は強固なものとなってまいりました。今月、トランプ新大統領が就任し、新政権が発足します。我々がこれまで築いてきた信頼関係を基に、日米同盟をさらに強化してまいりたいと思います。

沖縄における米軍基地の負担軽減の面でも大きな進展がありました。

昨年12月22日、SACO合意から20年の時を経て、沖縄県内の米軍施設・区域の約2割、北部訓練場の過半、約4,000ヘクタールの返還が遂に実現いたしました。返還のため、厳しい環境下で御尽力いただいた全ての職員に深く敬意を表します。

本年は沖縄返還から45周年の節目の年です。本土復帰後最大の返還がなされたとはいえ、沖縄には依然として多くの米軍施設・区域が集中しており、県民の方々の大きな負担となっております。沖縄に寄り添い、基地負担軽減のため、今後とも皆さんとともに努力を重ねてまいりたいと思います。

さらに、国際社会の平和と安定のための取組も継続してまいりました。その一つが、南スーダンPKOにおける派遣施設隊の活動であり、これは、長期的な国造りのために欠かせないものです。

私自身、昨年10月に派遣施設隊の活動を視察してまいりました。派遣施設隊の活動の質は非常に高く、まさに自衛隊にしかできない責務をしっかりと果たし、日本の良さを体現してくれていました。

南スーダンにおいて、自衛隊が実施してきた活動の一つに、「さくらプロジェクト」という事業があります。これは、現地の方々に、職業訓練のため、車両整備やコンクリート施工などの技能実習を行うものです。

「我々は、さくらプロジェクトを通して知識や技術だけでなく、日本の文化や日本人のものの考え方を学んだ。ありがとう」

学生代表のマビオ君は、昨年3月の修了式において、このように述べました。「日本らしさ」に溢れ、地域に根差した国際平和協力活動。自衛隊の活動は、現地の方々や、南スーダン政府、UNMISSに深く感謝されております。また、世界各地で、高く評価され、常に大きな期待を寄せられています。

現在、南スーダンでは第11次要員が活動中ですが、今後とも「日本らしい」国際平和協力を続けていただきたいと思います。

一方、国内においては、幾度も自然災害が各地を襲いました。

昨年4月に発生した熊本地震では、全国から部隊が集結し、懸命に捜索や救助活動を行いました。疲れも見せずに、被災者の方々へ生活支援する自衛隊員の姿は、多くの国民の記憶に残っているところです。

活躍の裏側では、自ら被災者となりながらも、任務を全うする隊員の姿がありました。家が半壊したため、妻と子を車の中へ避難させ、出勤した隊員がいました。夫婦ともに自衛官のため、お子さん二人を家に残して駐屯地に駆けつけた隊員もいました。

危険を顧みず、黙々と任務にあたる皆さんの姿を、国民も見つめております。温かい感謝の言葉。心のこもった手紙。子どもたちからの手作りの表彰状。これらは、自衛隊が国民の期待に応えてきたという証(あかし)でありましょう。

これからも、相次ぐ自然災害や今後発生が懸念されている大規模災害にしっかりと対応できるよう、各種災害への備えを万全にしていただきたいと思います。

さて、本年、防衛庁が防衛省に移行して10年を迎えます。防衛省は、省移行後、2度の防衛大綱の策定や、平和安全法制の整備、新日米ガイドラインの策定、防衛省改革などといった課題を実現してまいりました。

防衛省・自衛隊は、本年も、節目の年に相応しい成長の年とするべく、様々な課題に更に精力的に取り組んでいただきたいと思います。長年にわたり国民の皆様や国際社会の期待に応えてきた防衛省・自衛隊の良き伝統を守りながら、変化する安全保障環境に対応するため、創造の精神をもって、現場の皆さんとともに、職務に邁進してまいります。一緒にがんばりましょう。

本年が、隊員の皆さん及び御家族の皆様にとって素晴らしい年になることをお祈りするとともに、防衛省・自衛隊にとって更なる飛躍の年となること、そして、我が国と国際社会の平和と安全を心から祈念いたしまして、年頭の挨拶といたします。

平成29年1月4日
防衛大臣 稲田 朋美

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