MAMOR (広報誌)2017年9月号

日本の防衛のこと、もっと知りたい!

MAMOR(マモル)は、防衛省が編集協力をしている唯一の広報誌です。
防衛省の政策や自衛隊の活動を分かりやすく紹介し、国民とともに防衛を考える広報誌を目指しています。

2017年9月号(7月21日発売) FEATURE

2017年9月号表紙

特集

新型機動戦闘車 Debut!
走れ!自衛隊
戦うクルマ特集


Military Report

日本を守り助ける高い技術と団結力を授ける!
ヘリパイ虎の穴
陸上自衛隊 航空学校 宇都宮校

編集後記

編集長 高久 裕

 映画などに出てきたり、ニュース映像で見かける自衛隊の車両というと、オリーブ色に塗装をされ、荷台にホロをかけた6輪トラックや小型4輪駆動車などが多い。もしくは、戦車などの無限軌道車両だ。が、しかし、自衛隊には、さまざまな種類の車両がある。屋外で多量のご飯が炊けるクルマまであるのは、マモルで何回か紹介しているので、読者ならご存じかもしれない。今月号では、そんな国を守るために活躍する、「戦うクルマ」を特集した。新型車両の実走インプレッション・リポートや、本邦初公開? 各車両のコックピット紹介など、マモルでしか、知ること、見ることのできない、自衛隊車両情報が満載! ぜひ、ご一読ください。

特集 取材後記

新型機動戦闘車 Debut!
走れ!自衛隊 戦うクルマ特集

ライター 野岸 泰之

 クレーン車やタンクローリー、ゴミ収集車、パトカーや救急車など、世の中にはある仕事のために特化した業務用車両が数多く存在します。自衛隊にもさまざまな種類の業務車両がありますが、「戦う」ための車両が戦車以外にもたくさんあることを今回あらためて知ることができました。そのどれもが、無駄を省き、機能美にあふれたもので、見ているだけでまるで少年時代に戻ったかのように心が躍りました。
 その中でも、部隊配備が間近といわれる機動戦闘車の試作車をじっくりと間近で見られたことは、自衛隊を取材する者にとってはとても幸運でした。実際に舗装路と不整地を走る様子を見せていただきましたが、その加速の良さや機動力の高さは、噂にたがわず素晴らしいものがありました。10式戦車とともに、これからの陸の守りの主役になるであろう「戦う車」の力強い姿には、とても安心感を覚えました。取材に協力していただいたすべての方に感謝いたします。

カメラマン 柏田 芳敬

 『うちの雑誌で、今まで見たことのない走行写真を撮って欲しいです!車の雑誌みたいに!』と担当編集者さんがおっしゃったので、『ならば引っ張り撮影だな』と私は思いました。カメラカーと撮影車が一緒のスピードで並走して、撮影車の前方を撮ることを、引っ張り撮影と言います。
 このような撮影をする良いことは、背景がすごくブレて、写真に疾走感が出ること。悪いことは、スローシャッターで撮影するので、カメラカーと撮影車のドライバーさんの息がぴったりと合っていないと、撮影車もブレてしまい、写真として成立しなくなることです。
 ご挨拶をさせていただき、撮影の段取りをご説明させていただいていると、隊員の方から『シャッタースピードはいくつですか』?と、ご質問があったので、『1/8です。』と答えました。私としては希望のシャッタースピードで、はじめましてのチームなので、現場では並走のスピードが合わず、シャッタースピードは、これより速くなるものだと思っていました。
 でも実際に撮影がはじまったら、目から鱗でした!短い距離なのに合うんです!悪路なのに合うんです!スピードが!写真をチェックすると、ブレている写真は、悪路のために、車が立て揺れしたブレだけなんです。感動しました。めちゃくちゃに。
 防衛省での打ち合わせの後、部隊で練習したのではないかと思うほど、すごかったです。プロフェッショナルという言葉は、このようなすごい方々に使う言葉だと、改めて思いました。
 現場で色々とリクエストしましたが、嫌な顔一つせずにご対応いただき、感謝の気持ちでいっぱいです!ありがとうございます!
 撮影、すごく楽しかったです!



Military Report 取材後記

日本を守り助ける高い技術と団結力を授ける! ヘリパイ虎の穴
陸上自衛隊 航空学校 宇都宮校

ライター 臼井 総理

 もの書きなどという商売をやっている者は、多少の差こそあれ、うぬぼれが強い(と思う)。私自身、そういう部分がある。まして、齢四十も過ぎると、誰かに「憧れ」を抱くこともめったになくなる…のだが。
 今回は「憧れのおじさん」(失礼)にたくさん会えた。
 同世代から、少し上くらい。そんな教官ヘリパイロットたちのカッコよさといったら、そりゃもうあなた、同じおじさんの私が憧れてしまうレベル。
 さらに、教官たちに指導されているヘリパイの卵たちも、多くが「教官のようになりたい」と語ってくれた。彼らおじさんパイロット(重ねて失礼)たちは、下手をすれば親子ほども年齢の違う若鷲たちの「憧れ」にもなっているのだ。
 言葉で、技術で、そして背中で。
 一人前のパイロットになるための険しい道のりを先導する教官たちの姿に、私も大きく感銘を受けたが、特にある教官の語った言葉が今回一番印象に残ったので、最後にそれを皆さんにもお伝えして、感想を締めくくりたい。
 「自衛隊で唯一『生産する』部署なのが、学校だと思うんです。
 仮に自衛隊を引退しても、パイロットは一生続けられる。
 日本の役に立つ人材を育てられるこの仕事に誇りを持っています」

カメラマン 高山 浩数

 陸上自衛隊航空学校の授業風景を撮影させてもらうために、教室の扉を開けて驚きました。ピーンと張り詰めた緊張感の中に、思わず自分の居場所を見失いそうになりました。キリリとしまった教官の口から発せられる言葉は専門用語ばかりで、僕のような素人にとって、まったく意味不明なのはもちろんですが、そのテキパキとした厳しい語り口と驚くべきスピード感に度肝を抜かれました。苦手だった物理や数学の授業を思い出しましたが、そんな生ぬるい講義ではありません。乗り物に乗るための講義と言えば、自動車の教習所の講義くらいしか経験がない自分にとって、自衛隊のヘリを操縦することは別次元なんだと、初めて気付きました。操縦はできて当たり前。自衛官に求められるのは、その先の話だということなんでしょう。迅速であることはもちろん、絶対確実な救助さえも当たり前。おそらく、その上のレベルを求められているのだと思います。そのための講義ですから、教える側も、教えを請う側も真剣そのものなんですね。未だかつて見たこともない真剣な授業風景に心を打たれました。
 そして、その手厳しく見えた教官の皆さんに集まっていただいて、ポートレートやら集合写真も撮らせていただきましたが、これまたプロフェッショナル集団でビックリ。編集の意図を瞬時にくみ取ってくださり、カメラを向けられた時の肝が据わった表情も、底抜けに明るい表情も変幻自在。仲間を和ませる話術も巧みなんです。
 緊張感を持って被災地に向かった彼らは、笑顔で被災者を和ませることも使命の一つなのかもしれません。今回、ブルーホーネットの飛行技術だけでなく、その人力に感動する取材ができたと思います。多大なるご協力、ありがとうございました。




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