MAMOR (広報誌)2017年8月号

日本の防衛のこと、もっと知りたい!

MAMOR(マモル)は、防衛省が編集協力をしている唯一の広報誌です。
防衛省の政策や自衛隊の活動を分かりやすく紹介し、国民とともに防衛を考える広報誌を目指しています。

2017年8月号(6月21日発売) FEATURE

2017年8月号表紙

特集

気持届けるト・テ・チ・テ・タ
自衛隊らっぱ物語

命令っ、
寝るのも任務の自衛隊
眠れ!


Military Report

洋上補給を可能にする技術と絆
海上自衛隊 第1海上補給隊

編集後記

編集長 高久 裕

 初めて自衛隊の駐屯地へ取材にいったとき、広報官と打ち合わせ中に、駐屯地中に「らっぱ」が鳴り響いて驚いたことを思い出します。たとえば学校では、授業の終始を知らせるために、チャイムやベルが鳴るように、自衛隊の基地や駐屯地では、日課の区切りにらっぱが鳴ります。それぞれに違うメロディーが付いていて、その気になって聞いていると、それぞれ、「朝だ、起きろ!」とか、「さあ、仕事を始めるぞ!」とか、「昼食の時間だ~」などの気分になってくるから不思議です。隊員に伺うと、古里から遠く離れた赴任地で、夕闇に響き渡る消灯らっぱを聞いていると、何とも切ない気持ちになることもあるのだとか。今月のマモルは、そんな自衛隊らっぱを特集しています。陸上自衛隊のホームページには、いくつかの自衛隊らっぱの音が聞けるコーナーもありますから、マモルを読みながら、聞いてみてください。

陸上自衛隊「ファン・エンタメ」ページ
陸上自衛隊「ファン・エンタメ」ページ
http://www.mod.go.jp/gsdf/fan/sound/

特集 取材後記

気持届けるト・テ・チ・テ・タ  自衛隊らっぱ物語

ライター 真嶋 夏歩

 ほとんど何の知識も持たず、「"らっぱ"って、固有名詞なんだ…」という感想からはじまった今回の取材。情報手段が発達した現代では、「らっぱ」という言葉から、緊迫したイメージを思い浮かべることは、あまりないかと思います。
 自衛隊の基地や駐屯地、艦上では、今もらっぱの音がチャイムのかわりです。食事の時間や授業開始などを知らせるらっぱの音が、一日中、響き渡っています。「"起床らっぱ"を目覚ましに設定すると、どんな状況でも条件反射で飛び起きる」のは、すべての自衛官に共通する"あるあるネタ"なのだとか。
 とはいえ、らっぱはかつて戦場において、情報伝達の重要な役割を担っていました。隊列の最前線で演奏しながら行進していたため、「らっぱの音が途切れたときが、戦闘がはじまった合図」でもあったのです。
 ネットの時代に、いささか時代錯誤かと思われがちならっぱですが、どんな時代においても、最後に頼れるのは"人の力"。それは今も昔も変わらない自衛隊の原点です。
 らっぱを吹く「らっぱ手」の方々が、さまざまな思いを込めて吹奏されていることも、今回の取材で知りました。満点の星の下、あるいは360度の大海原で響き渡るらっぱの音に思いをはせつつ、ご一読いただけましたら、幸いです。

海上自衛隊の縦持ち

陸上自衛隊の横持ち

寝るのも任務の自衛隊  『命令っ、眠れ!』

カメラマン 岡田 敬造

 駐屯地に撮影に伺い、ベッドメイクを短時間でテキパキと、しかも素晴らしく仕上げるその姿に、ただ驚かされました。普段からやっていなければ、あの動きは絶対できないと思います。また、隊員の方の部屋の様子は、私物が整然と片付いており、清々しささえ感じられました。訓練としての側面もあるかと思いますが、我々の日常も自衛隊の皆さんから見習わなくてはならないことが数多くあるに違いありません。
 隊員の方にお話を伺いながら、普段の表情に接すると、隊員の方がより身近な存在に感じられます。 「日本のためにいつもありがとうございます」 隊員の皆さんの笑顔を見ているとあらためて感謝の気持ちが湧いてきます。

寝るのも任務の自衛隊

寝るのも任務の自衛隊

Military Report 取材後記

洋上補給を可能にする技術と絆 海上自衛隊 第1海上補給隊

ライター 野岸 泰之

海上自衛隊の輸送艦を取材するのは初めての経験で、まずは上甲板にある門型ポストなど独特の外観に驚き、洋上補給に使う機材や艦内部の構造など、護衛艦とは全く違う、補給に特化した様相に感心することしきり。
 しかしそれよりも感銘を受けたのは、第1海上補給隊司令をはじめとして『ときわ』艦長、その部下の隊員まで、全員が「必要とされているところに、必要とされているものを何があっても届ける」という責任感と気概でした。正直なところ、補給艦部隊がこれほど緊急出港が多く、忙しい部隊だとは思っていませんでした。護衛艦などが安心して任務に就けるのも、補給艦あってのこと。ところが洋上補給では燃料や食料を届けて感謝される一方で、「補給艦が来たってことは、まだしばらく俺たち陸には帰れないんだな」とがっかりされることもあるとか。
 感謝と落胆という2つの感情に挟まれながら、親鳥が雛に口移しで餌を分け与えるかのような、ある種の母性を感じる任務を淡々と語る彼らの姿に「補給艦乗りって、つくづく因果な商売だなぁ」と感じたのでした。ニュースで護衛艦の活動を目にした際は「それを支える補給艦部隊がいるんだよな」と思い出していただけたら本望です。取材にご協力いただいたすべての方々に感謝いたします、ありがとうございました。

カメラマン 長尾 浩之

 地味に思われがちな補給艦『ときわ』だが、実は『ひゅうが』並に巨大な艦艇だ。
 タンカーの設計に近い構造をもち、船尾の造形は曲線を描いている。
 給油用のプローブは両手でかかえるほど太く、特徴的な鳥居型をしたポストはどこまでも高く見えた。
 昼夜を問わず、荒れる海でワイヤーや配管が張り巡らされた甲板上の作業がいかに危険と隣り合わせであるかは容易に想像がつく。インド洋派遣ではその補給活動が国際的に高い評価を得たという。
 各部署の熟練度と隊員同士の団結力があってこそ最高のサービスを提供できるのだ。
 どんなに高性能の船も燃料無しでは鉄の塊。護衛艦が出港のニュースがあるとき、補給艦もまた人知れず補給の準備を整えているのである。

洋上補給作業

洋上補給作業


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