MAMOR(広報誌)2015年9月号

 MAMOR(マモル)は、防衛省が編集協力をしている唯一の広報誌です。
防衛省の政策や自衛隊の活動を分かりやすく紹介し、国民とともに防衛を考える広報誌を目指しています。

MAMOR 2015年9月号(7月21日発売) FEATURE

特集!

遠洋練習航海の記

-幹部海上自衛官を育てる世界の海-

Military Report

救難・救助の命綱

-海上自衛隊第73航空隊-

編集後記

編集長 高久 裕

 将来、幹部海上自衛官として部隊の指揮に当たる自衛官は、広島県・江田島にある幹部候補生学校を卒業したのち、「遠洋練習航海」と呼ばれる約半年間におよぶ航海に出発します。彼らが経験する航海は、幹部海上自衛官として一人前になるための「通過儀礼」。艦上では日夜訓練が繰り返され、また、諸外国に立ち寄り国際感覚を養う機会でもあります。マモル今号の巻頭特集は、長きにわたる遠洋練習航海の全ぼうに迫ります。
 また、ミリタリーレポートは、救難ヘリコプターのレスキュー隊員、HRS(ヘリコプター・レスキュー・スイマー)を紹介します。准看護士の資格を持ち、さらにヘリコプターからの降下、潜水、泳ぎに長けた彼らは、これまでたくさんの命を救ってきました。千葉県・館山航空基地の海上自衛隊第73航空隊には、少数精鋭のHRSが日々訓練を重ね、救命要請に備えています。HRSたちはどのように「救難」に向き合っているのか、そして彼らとともに海難に立ち向かう第73航空隊をリポートします。

特集取材後記

■ 遠洋練習航海の記-幹部海上自衛官を育てる世界の海-

編集者 臼井 隆宏

 取材から、もう二カ月以上が経つ。
 が、あの数日間の経験は、忘れようにも忘れられない。
 今も目を閉じれば、ゆらゆらと海に揺られている……という妄想に駆られるほどだ。

 今回、たった数日ではあるものの、初めての艦上生活を体験した。
 天候にも恵まれ、海もずっと穏やかだったためか、吐き気を催すような船酔いとは一切無縁だったが、やたらと食欲が出、そして眠くなるのには閉口した。
 「それも、一種の船酔いなんですよ」
と、練習艦隊司令官・中畑海将補に教えていただいた。

 艦内で眠るのも、入浴するのも、食事するのも、座談会をするのも、すべてが初めての体験。特に練習艦「かしま」でいただいた食事は毎食とても美味しく、これならずっと乗っていたい!と思ったものだ。
 もちろん、私はあくまで便乗者であり、有り体に言ってしまえば「物見遊山」の身だ(もちろん、取材という仕事をしに行ったのだが)。乗組員や、実習幹部たちは、そんな気楽な気分ではいられないことだろう。

 取材中には、彼らが険しい表情で訓練や、航海の実務に取り組んでいる姿を何度も見た。艦は家であり、職場であり、そして「己との戦いの場」なのだ。
 ほんの「さわり」だけではあるが、彼らが海の上でどう過ごしているか、どう取り組んでいるかを見ることができ、私にとっても大きな財産になったと思う。

 この先長きにわたる遠洋練習航海中、厳しい訓練に取り組む実習幹部の皆さん、そして、無事に日本へ戻るまで緊張の日々を強いられる乗組員の皆さん。
 つらいことも、きついこともあるだろうが、とにかく全員無事に、元気に、帰ってきてほしいと願っている。

 最後に、読者の皆さん、特に若い方々へ一言。
 「海は、いいぞう!」

カメラマン 荒井 健

 20代、放浪ではなく激務をこなしながら、半年間日本を離れる。
 自分だったら行けないだろうな、そんなことを考えながら「練習艦かしま」にて人生初の艦中泊を経験させていただきました。

 不安だらけでしたが、いざ乗ってしまうと気分がいい‥‥気がする。
 波に揺られて昂揚しているからか、海に漂う艦の一体感が心地よさを生み出しているのか?
 そんなことを思いながら撮影をしていました。

 実習幹部たちも大変だが、普段の業務をこなしながら、合間に実習幹部たちの質問に答えたりテストをしたりと、乗艦している隊員の方たちも激務である。
 にもかかわらず生き生きと、みな躍動感に溢れている。
 司令官に至っては立ち居振る舞い、言葉、表情の全てに。
 対面する自分が恥ずかしくなるくらいの輝きを放っている。
 実習幹部たちは遠洋練習航海でシーマンシップに磨きをかけ、たくさんの方が将来、司令官のように洗練されていくのだろう。

 にわか船乗りの自分でも、横須賀に降り立った時は、「艦に戻りたい」である。
 艦の生活は楽しかったですよ。今でも美味しく健康的な食事が忘れられないです。

 若い頃は不安は大きい、けど思い切り飛び込み人生の扉を開けられるのも若者である。

 暑い日本の抜けるような青い空を見上げれば、南米あたりにいるであろう彼らを想い冬の始まり頃に、読者の皆さんと一緒におかえりを言えたらたらいいですね。

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Military Report 取材後記

■ 救難・救助の命綱-海上自衛隊第73航空隊-

ライター 岡田 真理

 今回のミリレポは、海上自衛隊第73航空隊です。第73航空隊は、千葉県・館山航空基地にある海上救難部隊。救難ヘリUH-60Jに搭乗したクルーが、海上で遭難した人を救助するのですが、今回は特に「HRS」という資格を持った隊員にスポットを当てました。
 HRSは、ヘリコプター・レスキュー・スイマーの頭文字を取ったものです。その名の通り、ヘリコプターを使ってレスキューをするスイマーのことで、ヘリコプターから海上にロープなどで降下し、そして海上を泳ぎ、遭難者を救助する技術を持っています。
 取材では、HRSの隊員の海上救難訓練に見学させてもらうことができました。取材班は海上の船からその様子を見ていたのですが、おだやかな海でもヘリコプターのローターによる風圧、そしてその風に巻き上げられる水しぶきはすさまじく、「この救助を悪天候の中成し遂げるのは並大抵のことではない」と改めて感じました。
 人命を救う最前線で活動しているHRS、そしてクルーたち。その全貌をぜひご覧ください!

カメラマン 長尾 浩之

 Helicopter Rescue Swimmer
 HRS隊員と聞いて、さぞかしいわゆるムキムキの”マッチョ”なのかと思いきや、意外にも物腰の柔らかい優しい”しなやかマッチョ”であった。もちろん鍛え上げられた肉体なのだが、彼らはレスキュースキルだけでなく准看護師としての技能も持ち合わせており、「人を助けたい!」という強い想いがしなやかさとして現れているのだと思われた。時として看護師を”白衣の天使”と人は言うが、HRS隊員は荒れた海原に舞い降り、泳いで遭難者を包み込み救助する”究極の天使”なのである!

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