マモル(広報誌)2013年12月号

 MAMORは、防衛省が編集協力をしている唯一の広報誌です。
防衛省の政策や自衛隊の活動を分かりやすく紹介し、国民とともに防衛を考える広報誌を目指しています。

MAMOR 2013年12月号(10月21日発売) CONTENTS

特集

より強く!10式戦車・より速く!US-2救難飛行艇・より遠く!XC-2輸送機
世界に誇る自衛隊の
国産・最新装備品を紹介

ミリレポ

航空自衛隊 第11飛行教育団
初めて国防の空に飛び立つ覚悟。

編集後記

編集長 高久 裕

自衛隊には、日本の技術力を継ぎ込んで開発された優秀な戦車や航空機、艦艇などの国産装備品がたくさん配備されている。今号の「マモル」では、その中から最先端をいく装備品を、陸・海・空からそれぞれ1つ選んで特集してみた。

『マモル』は通常、あまり装備品の特集をすることがない。
なぜかというと、戦闘機や護衛艦、戦車などは、それぞれ専門誌があり、それらがその魅力を十分に読者に伝えていると思うから。

では、「マモル」はなにの魅力を伝えようとしているか?そう、それはまさに自衛官そのもの。どんな高性能の装備品も、それを運用する自衛官の能力が低ければ、実力を発揮できない。

訓練を重ね、精神力を鍛え、技術を身に着けた自衛官が世界に誇れる 最強の"装備品"だと「マモル」は思うのだ。だから、今回の装備品特集も、スペックなどより、開発者や、運用する隊員のインタビューに力を入れている。ぜひ、その魅力に触れていただきたい。

特集取材後記

より強く!10式戦車・より速く!US-2救難飛行艇・より遠く!XC-2輸送機
世界に誇る自衛隊の国産・最新装備品を紹介

ライター 魚本 拓

以前もこの欄で言及したことではありますが、今回の装備品特集においても痛感させれられたのは、自衛隊という大きな組織は現在のこの国の縮図でもある、ということでした。ものづくりの国と称されるこの国の現在の課題は、少子高齢化や人口減少にともなう次代への技術継承の難しさであり、景気の低迷にともなう事業継続の難しさといえます。自衛隊の国産装備品を巡る問題も、以上に集約できるようです。それらの問題を打開する妙案はすぐさま見つけられるわけではありませんが、それでも、現に装備品の開発・製造に関わっておられる方々は、今後を憂慮しつつも、皆一様に国防の一翼を担っていることに誇りを持っておられました。何かをかたちづくる仕事に携わるうえで、これほど重要なものもまたないであろうというモチベーションが存在し、そのことに自覚的である諸氏に接し、若輩者としては襟を正された思いがしました。

一方、今回の取材では、救難飛行艇US-2と10式戦車を見せていただいたのですが、ミリタリー・マニアでないものとしても、その重量感と機能美には得も言われぬ感慨がありました。これが男の子ごころをくすぐるというミリタリー系のモノが醸しだす例の訴求力というやつか、といったような。モノが純粋にひとつの目的のためにあるモノとしてこちらに迫ってくるようなあの感覚は、ほかのモノではなかなか味わえないのではないかと思う今日この頃です。

カメラマン 村上 淳

この取材で戦車を生産している民間の会社の工場にお邪魔した。
 以前に部隊の取材で完成したものを見たことがあったが、製造途中のものもかなりの迫力だった。
 そして工場見学の合間に何人かの方にお話を伺ったが、皆「国産」ということにこだわりを持ち、自衛隊の方たちにも劣らないほどの熱い想いを持っていたことが印象的だった。

ミリレポ取材後記

航空自衛隊 第11飛行教育団
初めて国防の空に飛び立つ覚悟。

ライター 佐々木 桂

第11飛行教育団のある静浜基地を訪れ、司令に御挨拶をした時に、司令から伺った「芙蓉部隊」のお話が印象的でした。

この静浜基地がまだ海軍航空隊藤枝基地だった頃に存在した「芙蓉部隊」。直接ミリタリーレポートとは関連しないため、誌面では軽く触れる程度でしたが、僕は彼らの理知と勇気に感動しました。

芙蓉部隊とは通称で、正式には「第131航空隊」といいます。指揮官は美濃部少佐。太平洋戦争後期、時の司令部は、沖縄戦に向けて特攻攻撃を主体とする作戦を決定しましたが、この美濃部少佐だけは、「未熟な者による特攻よりも、夜間銃爆撃の有効性」を強硬に主張します。そして遂に芙蓉部隊を特攻編成から除外させることを司令部に認めさせるのです。

文章で書くと簡単に思えますが、当時の特攻中心の司令部に「うちは特攻はやらない」と認めさせるのは、並大抵なことではなかったと思います。結果を出さなければ美濃部少佐自身、どんな立場に追い込まれるかわかりません。それでも頑として譲らなかった美濃部少佐にまず感動しました。

今なら我々も、技術の未熟な若いパイロットに特攻をさせることは、リスクだけ高くて有効性は低いだろうと理解できますが、当時の風潮の中、それを判断し行動に移したということはやはりスゴイと思います。

しかも、彼はその後、結果も残すのです。他の部隊が特攻によって戦力を枯渇させていく中、芙蓉部隊だけは、最後まで攻撃を継続できたということです。継続させるだけではなく、夜間攻撃によって敵艦や敵の飛行場を次々に撃破していったのです。

そんな結果が残せたのも、藤枝基地という後方基地において、新人を無理なく訓練し随時要員を交代させられたからだといいます。つまりただ投入するのではなく、じっくりと「育てる」ことに力を注いだことが、芙蓉部隊にこの結果をもたらしたわけです。そこに気づいた美濃部少佐の理知と司令に堂々と自己主張をする勇気には感服します。

司令曰く、現在の第11飛行教育団も、そんな芙蓉部隊と同様に、できるだけ丁寧に教えることを心がけているそうです。そして、一人の脱落者も出さずに部隊で活躍できるパイロットを育てることを目標にしているということです。学生の皆さんには、最後まで諦めずに、ぜひ立派なパイロットに育っていってほしいと思います。

カメラマン 長尾 浩之

静浜基地の正門前には青々と水田が広がっていた。のどかな光景だ。

空自パイロットの登竜門である初級操縦課程は練習機といえども、そこは本物の飛行機。ターボプロップの甲高いサウンドがエプロンに響き渡る。

学生は後部座席の教官の「圧」をビンビンに感じながら、学んだばかりの知識を吐き出すかのように離陸準備に取り掛かっていた。鼻先から汗が垂れる。

訓練を終えてデブリーフィングに向かう姿と表情は、所定の回数しか搭乗できない真剣勝負を表現している。いつの日かエースパイロットとなった彼らと再会したいのは教官や売店のお姉さんだけではない。また取材でお会いしましょう。

頑張ってください!


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