日豪防衛相共同記者会見概要

平成24年9月25日

※スミス国防大臣及び外国人記者による発言部分は仮訳。

1 発表事項

(森本大臣発言)
 本日午前中、私とスミス・オーストラリア国防大臣との間で、日豪の防衛大臣会談を行いました。先日、シドニーで日豪の「2+2」と日豪の防衛相会談を行いましたので、その内容をお互いに確認しながら主として、次のステップをどのように進めていけばよいのかということを目標にして話し合いました。最初に南スーダンのUNMISSにおいて、日豪はPKO活動の協力を行なっていますので、この問題について双方の協力を確認し合い、さらに日豪間の情報保護協定、あるいはACSAといった日豪の防衛協力・交流の進展状況を確認し合いました。その上で防衛協力については、特に能力構築支援の需要、装備技術協力並びに各軍種間の協力・協議といった今後取り組むべき日豪間の防衛協力や、日米関係、あるいは米豪関係を含む日米豪の、3か国の防衛協力について、幅広い議題について意見交換を行いました。さらに今回の会合では、今後日豪間で行うべき装備技術協力を中心として防衛協力を進めるため、どのような議論の枠組みを設けるかということについて話し合いました。この点については、今後できればアドホックに、次官級協議の枠組みを作って、具体的な内容を協議していきたいということにしました。またアジア太平洋諸国のキャパシティビルディング、能力構築支援という分野において、日豪間で取り組むべき協力の内容及び日豪での人材交流について協議しました。この人材交流については、今のところ来年の初め、豪州国防省の担当者が日本に来て、防衛省の中で研修していただくということについても、双方で協議いたしました。いずれにしても、日豪間の防衛協力が次のステップに踏み出し、さらに日米豪の協力関係に繋がっていくことへの期待を双方確認し合いながら、具体的な成果を今回は上げることができたと、このように考えております。

(スミス国防大臣発言)
 森本大臣、ありがとうございます。ご歓迎いただきましたこと並びに本日生産的な会合を実施することができましたことを感謝申し上げます。今回の来日は、閣僚としては7回目になりますが、国防大臣としては初めて日本にやってまいりました。本日午後は、かつてお会いした岡田元外相と旧交を深めたいと思っております。現在は副総理でいらっしゃいます。今回はまた、かつて防衛大臣でいらっしゃいました石破氏、北澤氏、中谷氏と再会する、また前原元外務大臣ともお会いする機会があります。森本大臣からご指摘がありましたように、今回の日豪の防衛相会談は、先頃シドニーで実施されました日豪外務・防衛閣僚協議の成功を受けて開催の運びとなりました。そのシドニーにおいては、カー・オーストラリア外務大臣並びに玄葉大臣もご出席いただきました。こうした会合の中で、実際的な日豪の協力について、いろいろ協議することができました。その中には、ACSA、日豪情報保護協定、また平和維持活動の協力もありますが、特に南スーダンでのPKOの協力等を話し合いました。また、森本大臣からもご指摘がありましたとおり、こうした既存の協力分野をさらに拡大していく可能性が考えられるということで、先頃、日本におかれましては、防衛装備品等の海外移転に関する基準を明らかにされましたことを受けて、今後装備技術協力の分野にも目を向けていくということを確認しました。また、日米豪3か国の協力についても拡大していくということをお話しましたが、ここ数年来、外務大臣の間では日米豪の戦略協議が実施されてきましたが、今年、防衛大臣間で初めて、シャングリラ会合の時期を捉えまして、初の3国間防衛相会合が開かれたということです。また、協力関係はアメリカを含んだ演習訓練等、幅広く今後考えていく中で、実際的な協力の一端として、域内のパートナー国、友好国も参加を仰いでいきたいということで、ADMMプラスですとか、2010年に初めてハノイで開催されましたのを受け、来年はブルネイでの開催が予定されていますが、そういう場を通じて、いろいろな国を巻き込んでいきたいと思っております。シドニーで開催されました「2+2」の折にも、日豪間の防衛協力関係はかつてないほど良好な状況にあると確認をいたしましたが、本日はそれをさらに向上させていくべく、関心分野、協力可能分野を話し合うことができ、中でも技術協力分野については、今後も話し合っていくことといたしました。

2 質疑応答

Q:(日本人記者)森本大臣にお伺いします。先ほどの会談の冒頭でも、現在の日中関係の情勢を関心事に挙げておられましたが、今日の会談で日中関係の情勢についての意見交換は、どのような会談が行われたのでしょうか。あと、スミス大臣にお伺いしますが、現在の日中関係についてどのように評価され、日米豪それぞれの国で、どのように対話をすべきか、どうお考えかについてお聞かせ下さい。

A:(森本防衛大臣)現在、我が国を取り巻いている東アジアの情勢は、当然のことながら、これからの日中関係を長期的にどうしたら良いのか、その中で日米の同盟関係をどのような形にするべきなのかということについて、我が方の考え方を、特に簡単にですが、豪州側に説明をしました。この問題については、それ以上に具体的な討議はありませんでした。

A:(スミス国防大臣)この問題につきましては、穏やかで自制的な対応をするということにつきまして、シドニーの「2+2」においても、参加閣僚でいらっしゃった玄葉・森本両大臣からそうした中国についての対応に関しまして、是非前向きかつ建設的な関係が、日中間に実現するようにコミットしておられるということを伺いまして、意を強くしているところであります。また、シドニーでの会合のときに話題に取り上げられたことを同様の形で、この話題については今回お話ししたわけですけれども、南シナ海、東シナ海についての扱いにつきまして、領土権・領有権、そういったもの、オーストラリアの立場といたしましては、特定の当事者の肩を持つ、あるいは一定の立場をとるということはいたしません。友好的かつ国際法に則った、その国際法といいますのは国連海洋法条約も含んで、そうした形で解決されるということを期待しております。穏やかで自制的な対応が行われないということになりますと、域内でも緊張への懸念が高まってまいりますので、そういった意味では、シドニーで玄葉大臣にご説明いただきました対応をありがたく思っておりますし、また、ちょうど昨晩から今朝にかけて、首相からも穏やか、かつ、自制的なそして法秩序に則った対応をしたいというようなご発言がありましたことを、歓迎しております。オーストラリアは、域内の他の国々と同じかと思いますけれども、海洋国家でありまして、国際法に則った海上交通路の安全、航行の自由、そういったものがシーレーンの安全保障等が経済活動にも極めて重要であります。従って、是非事態が友好的、平和裡かつ国際法秩序に則った形で解決されることを希望しています。

Q:(外国人記者)野党のトニー・アボット党首から提起されております、各種の予算削減措置によって、もし、野党が政権をとった場合には、3%の防衛予算の増加を実現できるというような話が報道されておりますけれども、これは実現可能だとお考えでしょうか。第2の質問としては、東シナ海において、日中間の関係が現状のように展開しているなかで、オーストラリアとしては、国防・安全保障上の重要なパートナーである日本と米国、一方重要な通商相手国である中国、その間でジレンマに陥るということはないのでしょうか。

A:(スミス国防大臣)第2の質問に先にお答えします。来日の目的に即したものですし、最初の質問は国内事情に関する質問です。オーストラリアはいかなる海上、陸上の領土紛争あるいは領有権問題についても、特定の立場を取らない方針であります。そして事態が友好的、平和的かつ海洋国際法に則って解決されることを希望します。また、オーストラリアとしては、日本と長期的に友好関係、パートナーシップを結んでおりますし、また米国は軍事同盟相手国であります。それと同時に、中国とは全般的な関係を構築してきております。これらをどれか1つ選ぶという選択の問題ではないと認識しておりまして、ゼロ・サム・ゲームではないと考えます。従って中国への関与というのは、中国が前向きかつ建設的な国際社会の一員となってくれるように、という働きかけであります。最初の質問にお答えするのは、今朝、会談の中でも触れた事情でございますけれども、オーストラリアの国防白書が2013年に改訂版を発刊する予定になっております。この改訂に向けて、オーストラリアは日本に緊密に連絡を取りながら、お知らせをしながら改訂を進めていきたいと思っています。また、今回来日中にお会いした国会議員の方もご指摘だったのですが、パネッタ長官がシンガポールで発言された中で、「New fiscal Reality」、個々の直面する新たな現実ということも指摘されております。パネッタ長官のお立場としては、向こう10年間に4,970億米ドルという金額を国防予算の中から削減するお立場にあります。オーストラリアで私は4年間に55億豪ドルを削減する責任を負っているわけで、まさに米国の場合は0.5兆ドルという大規模なものになっているわけです。オーストラリア、米国、そして英国についても、同様の課題に直面しているわけですから、我々はこれらについて、成熟したかつ納得のゆく、注意深い取組みをしていく必要があります。NATOの事務総長が「スマート・ディフェンス」ということを提唱して、加盟国の間でプラットフォームあるいは技術を共有するということを提唱されましたが、これもひとえに、財政的な背景によるものと思います。いずれ時が来れば、日豪の間でも技術協力、あるいは技術移転といったことも考えられるかと思いますが、まだ、緒についたばかりということであります。今、難しい状況に直面する中で、国防予算の中でも、海外派遣予算、あるいは基幹的な部分の予算、要員の数等は、削減から守る形で進めています。これから次回の国防白書作成までの間、これらの内容を真剣に考えていくつもりですけれども、今朝、野党党首アボット氏が発言した内容では具体的な試算ですとか、タイムテーブル、定義、その他ないままに、単なる希望として述べられたものと承知しておりますので、そうしたことではなく、実際に本来であればあるはずの具体的な政策的な内容、それが欠けていると思っております。単なる希望、言わせていただければ、財政的あるいはその他諸課題に対する対処の根拠に欠ける、1つ魔法のような事を語られたというふうに思います。この分野についてアボット党首はもう少し適切な判断をされるべきであると思っております。党首の発言の裏には選挙対策もあるかとは思いますが、国防というのは記者発表のための題材にすべきトピックスではないと思います。

以上

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