日米防衛相共同記者会見概要

平成23年1月13日(12時24分~12時48分)

※ゲイツ国防長官の発言及び英語の質問については、同時通訳者の翻訳を記載しています。

1.発表事項

(北澤大臣発言)
皆さん、こんにちは。本日、ゲイツ米国防長官を防衛省にお迎えし、先程、日米防衛相会談を実施致しました。私が、ゲイツ長官とお会いするのは、昨年10月にハノイで行われたADMMプラスの時以来であり、今回が5回目であります。このように頻繁に顔を合わせてお話しできることは、昨今の厳しい地域情勢や安全保障上の課題に鑑みれば、極めて有意義であり、ゲイツ長官の訪日を心から歓迎致します。ただ、日本の政治情勢は、内閣改造が間もないというようなことで流れておりますので、この後、会えるかどうかは私にはわかりません。次に、本日の防衛相会談においては、主に次のようなトピックについて、忌憚のない意見交換を行いました。まず、地域情勢の対応について、私から1月10日の日韓防衛相会談の成果について説明を申し上げ、日米韓の協力の重要性を確認致しました。また、ゲイツ長官からは、昨日までの中国訪問の状況について伺い、意見交換を致しました。次に、日米同盟の深化について、総理訪米において、21世紀の日米同盟のビジョンを共同で示すことができるよう安全保障分野における日米同盟の深化について協議を加速させることで一致を致しました。普天間飛行場の移設問題につきましては、昨年5月の日米合意を実施していくことを確認し、航空機訓練移転については拡充した上で、移転先としてグアムを追加するため、現在行われている作業を確認致しました。沖縄の理解を得るための日本政府の取り組みについて説明し、ゲイツ長官にも負担軽減などの分野での協力をお願い致しました。その他、在日米軍駐留経費、それからBMDなどが話題となりました。最後になりますが、本日のゲイツ国防長官との意見交換の成果を踏まえ、今後とも日米同盟の更なる強化のため、様々な課題に取り組んでまいりたいと思います。以上であります。

(ゲイツ長官発言)
北澤大臣に対して、また、日本の方々にいつものように温かく歓迎して下さったことを感謝したいと思います。東京に来るのは、国防長官になってから4回目で、それ以前にも何遍も私用で、また政府を代表して何遍も来ておりますが、いつも歓迎していただいております。その度に、古い友人、新しい友人に会えるということは楽しいことであります。菅首相、前原大臣、北澤大臣と、今朝お会いすることができました。そして、色々な話をしましたが、なかんずく北朝鮮の核兵器開発、好戦的な行動を続ける中での妥当な対応は何か。中国の軍事力が増強される問題に関して、弾道ミサイル防衛に関する日米の協力、これには、日米共同開発されている最新の迎撃ミサイルも含まれています。海賊対処、平和維持、災害対応、人的な支援、その他多国間の協力、この中には、日本が重要な形で財政支援を行っているアフガンも含まれて、今そういった課題について最近策定された防衛大綱については、アメリカの基地の存在も含めて、同盟が日本の防衛にとって、重要な項目であると再確認されている前向きな姿勢であるということに対する感謝、同盟の戦力の在り方について、この中には、再編成のロードマップも含まれています。この最後については、アメリカの軍力の沖縄からの移転ということは、戦略的な在り方であると同時に、近隣のコミュニティのインパクトを削減するということも考えていかなければなりません。また、この何ヶ月先を見ると、菅首相がワシントンに来て下さる、そして、新しいビジョンのステートメントが出されるということ、昨年、先回のビジョンから5年経つわけで、世界、北東アジアの状況が大きく変わっていますので、この同盟のビジョンというものをアップデートするのは正しいと思われます。明日、慶応大学で演説をさせていただくのですけれども、マスコミにおいてこの一年間、普天間、沖縄の問題ばかりが言われましたけれども、一つの問題よりも日米同盟というものはより深くそしてより豊かなものであります。51年になる日米同盟は、長期に渡る平等のパートナーシップであるということ、そして価値・感心を共有しているということを覚えておいていただきたいと思います。

2.質疑応答

Q:北澤大臣・ゲイツ長官のお二人にそれぞれお伺いいたします。北澤大臣は先日、韓国を訪問され、ゲイツ長官も中国を訪問されて直後の今日の会談になりました。中国・北朝鮮の軍事動向など、東アジア情勢の現状について今日はどのような意見交換をされたのでしょうか。北澤大臣は昨日の講演で、周辺事態法改正を含む日米の防衛協力の強化と日米間3ヶ国の連携についてご指摘をなされました。今、この地域情勢を踏まえて具体的にどのような課題があってどのように対処していこうとお話をされたのでしょうか。

A:(北澤大臣)今、お話にありましたように、非常にタイミング良く、私が韓国、ゲイツ長官が中国を訪問されて、日本で会談をしたということでありまして、私の方からはまず、韓国との間で、昨年続いた二つの極めて無謀な事案について韓国側と十分な議論をして、韓国側の立場を支持するということを確認させていただきました。朝鮮半島の安定のためには、日韓及び日米韓の防衛協力が強化されることは極めて重要であるということで一致しました。また、中国については、ゲイツ長官から非常に率直な物言いでわかりやすいご説明をいただきました。中国については、国際社会の大国として協調的な行動を取るよう、引き続き国際社会全体で働きかけていくことが重要であるということで認識の一致をいたしました。それから、私の昨日の講演についてでありますが、現在、周辺事態法の改正について、具体的な内容について検討しているというわけではありませんけれども、国防を担う国務大臣とすれば、常にこのような問題については、感心を高めて行かなければならないということで、我が国の安全保障、防衛に責任を持つ、私の立場としては、そういうことが不可欠であるということを私の昨日の講演で発言をしたわけでありまして、私自身が、国防を担う防衛大臣としての立場での認識を申し上げたとご理解を頂きたいと思います。

A:(ゲイツ長官)私の方からは、一言付け加えさせていただきたいと思います。北澤大臣が韓国から帰国されたばかりですが、私は明日、韓国に向かう事になっております。私達の訪問で共通のテーマがあるとすれば、アメリカと日本・韓国、そして中国との共通の利益は、朝鮮半島で安定が保たれることだと思います。このためには、北朝鮮が好戦的な態度・挑発的な行為を中止しなければなりません。そして、罪のない人達を軍人であれ、民間人であれ、韓国で殺害したということをやめなければなりません。私達は、南北の交渉を支援しておりますが、北朝鮮で具体的なことがなければ、真剣だとは考えられないということ。これらの国々は、共通の利害関係を平和的な解決及び安定に対して持っているということ。そして、それをどのように追求していくかという話をさせていただきました。中国に関しては、私は首相にも外相にも防衛相にも申し上げたんですけれども、私が中国でどのような話をしたかということを説明させていただきました。中国とアメリカの軍事協力というものが、更に拡大できるだろうと思います。そして、中国とアメリカの関係全体、良好な関係を拡大できるだろうと思っています。アメリカはその軍事力を北東アジアにおいて維持し、また、東南アジアにおいてはそれを拡大していく、そして航海の自由を守っていくというふうに申し上げました。

Q:北澤大臣にお尋ねいたしますけれども、アメリカと軍事協力及び韓国との軍事協力を進められていますけれども、憲法を考えると、北朝鮮が攻撃した時には日本は何ができるのでしょうか。ゲイツ長官にお聞きしますけれども、「韓国の人々の感情が変わってきた。北朝鮮の挑発的な行為で世論が変わってきた」というふうに仰っていますけれども、その点についてご説明下さい。

A:(北澤大臣)日本には、憲法第9条があって、「専守防衛」ということで日本の軍備をそれに特化して充実させているということはご理解をいただいているというふうに思いますが、しかし一方、何をしでかすか分からない勢力も近隣にあるということからすれば、50年の歴史、半世紀の歴史を持つ日米安全保障条約というものは、そういう意味で我が国の防衛にとって極めて重要なことであり、この50年を一つの節目にして更に深化させていくということが喫緊の課題であると理解しております。なお、韓国との間で軍事協力とか、そういうことにはまだ進んでいるわけではなく、一昨日もそのような合意をしたということではなくて、あくまでも国際貢献を進める中で、ACSAの取り決めは重要でありますので、友好国である日米、そして日豪に続いて、私は三番目に友好国である韓国と、これを結びたいということを申し上げて理解を得てきたということであります。

A:(ゲイツ長官)今のご質問に関しまして、全ての国は、自国を防衛する権利があるということは、もう長い原則であります。朝鮮半島に関しましては、日本で申し上げたことなのですけれども、もう一回挑発行為を行わないようにするということだと思います。このサイクルは、もう何回も何回も起きていることなのです。ですから、私達が共通に持っている目的は、もう一回挑発行為を行われることをどうやったら防止できるのか、そして半島の平和をどうやって進めていくのか、そして北朝鮮がこの関与、交渉に関して、真剣であるということをどうやって示してもらうのか、私達が今までにやったことの繰り返し、すなわち挑発行為があってから、また白紙に戻すために色々な事をやるということではなくて、実際に必要な事は、北朝鮮が真剣であるということを示すということだと思います。ただ、私達の目標は、もう一回の挑発行為が行われないようにするということが一番大切だと思います。

Q:普天間基地の移設問題について、お伺いします。まず、北澤防衛大臣にですけれども、沖縄の負担軽減策についてなのですが、先程、「訓練移転にグアムを追加するために作業を確認した」ということでしたが、嘉手納基地のF-15戦闘機のグアムへの一部移転についてはどのような結論が出たのでしょうか。今後、沖縄の負担軽減に向けて、どのようなスケジュールで具体策を講じていきたいのかということをお聞かせ下さい。あと、先程、BMDに関して話題になったということですけれども、どのような話しがあったのか、お聞かせ下さい。続いてゲイツ長官に、ですけれども、昨日、長官は、「日米で策定を目指すとしている共通戦略目標と普天間問題を切り離す」と発言されましたけれども、日米関係において、この普天間問題というものをどのように位置付けているのか、お聞かせ下さい。

A:(北澤大臣)普天間基地移設問題についてお答えを申し上げます。沖縄の負担軽減は、今、あらゆるオプションを検討し、そして米側と交渉しているわけでありますが、今、お話のF-15戦闘機のグアムへの一部訓練移転については、現在、協議を進めているわけでありまして、この協議を更に推進していくという日本側の意向をお伝えいたしました。それから、BMDでございますが、これにつきましては、私の方から日本側の考え方として、生産配備段階への移行について検討の上、必要な処置を講じるということを中期防の中にしっかり記載されているということを、まずお話を申し上げました。更に、第三国移転についても、事前同意の是非を決定する協議体制等を検討することが必要であるというようなお話を申し上げたところであります。

A:(ゲイツ長官)今、「私の共通戦略目標というのに関してどのような」と聞いたと思うのですけれども、それがどうなるのかということは質問がよくわからなかったのですが・・・。

Q:「策定を目指すとしている共通戦略目標と普天間問題を切り離す」と発言されましたけれども、日米関係において、この普天間問題というのをどのように位置付けていらっしゃいますでしょうか。

A:(ゲイツ長官)まず第一に、私の冒頭の発言にありましたように、私たちは沖縄、普天間移転ということについて、たくさんマスコミに報道されているものを読みますけれども、日米同盟といったものは、より広いものであると申し上げました。中国でも言ったことなのですけれども、先回の共通戦略目標というものが、2005年に合意されて以来、明らかに色々なことが起きて、この書類をアップデートすることの重要性が認識されたということです。それと、普天間の移転問題とは別途のものであると。しかしながら、同時に、再編成のロードマップということは重要でありまして、政治的に日本の国内の事情が非常に複雑であるということをアメリカは理解しておりますので、日本側の指導に従って、それに関しての行動をとるということで、沖縄の方々の信条を十分理解して酌んでいきたいと思います。また同時に、私が強調したいことは、沖縄の方々にも再編成のロードマップでは利点があるということです。何千人という海兵隊員及びその家族が、沖縄島を離れるわけであります。そして重要な形で住居や施設が沖縄の方々に返されるわけです。そしてアメリカ軍の駐留ということは、あまり目立たなくなるでしょう。ですから、沖縄の方々にとっても、再編成ということは利点があるということです。前にも申し上げましたように、日本政府の色々な指導に従っていくというのが、アメリカの立場です。

Q:長官にお聞きしますが、ヨーロッパのミサイル防衛に関するものですけれども、日米で共同したSM-3ブロックⅡAというものを移転するといった話が出ておりますが、日本の武器輸出禁止の3原則に従うと輸出できないということになります。ということで、私の質問は、北澤大臣に日本側にそれに同意するようにお聞きになったのでしょうか。それから、軍事力の在り方及び周辺事態の計画についての加速をするということでしたけれども、その話をされましたか。また、北澤大臣に対しては、事態の有事に対する協力について、どのようにお答えになりましたか。

A:(ゲイツ長官)まず第一に、私が申し上げたいことは、この共同開発というものが、非常に洗練された最先端の迎撃ミサイルに行われているということなのです。ですから、経済的なことを考えますと、これを第3者に移転するということは、有意義なことであると思います。そして、共同開発でありますので、日本側との合意を得なければならないために、日本の合意を得られるように努力しているところであります。北澤大臣は確かに経済的な利点はあると理解されていたんですけれども、ある一定の日本でのプロセスを経なければならないという話がなされました。2番目の問題について、私が申し上げれることは、同盟を深化させていくということに関して同意いたしましたが、そのためには計画を一緒に立てていくと、これは日本の防衛ということだけではなく、地域の事態に対しても計画していかなければならない、計画は実績のあるものでなくてはならないという話をいたしました。そして防衛省と協力していくことを約束いたしました。

A:(北澤大臣)このBMDについてお答えを申し上げますが、ご案内のように前政権で生産・配備段階についての意向については、この武器輸出3原則の例外とするということになっているわけでして、問題はこれを第3国へどう移転するかということでありまして、この問題については、私の方から先程も申し上げましたが、本年中を目途に結論を出すということを伝えました。

以上

 

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