浜田防衛大臣の第8回アジア安全保障会議の出席について(概要)

平成21年6月1日

 5月30日、浜田防衛大臣は標記会合に出席するとともに、参加国の国防大臣との二国間会談等を行ったところ、概要次のとおり。

1.スピーチ

「主要国とアジアの安全保障:協力か対立か」と題し、概要以下のスピーチを実施。

○ 東アジアの安全保障情勢の変化

東アジアにおいては、伝統的諸問題が残るとともに、非国家主体による脅威や大量破壊兵器・弾道ミサイルの拡散が差し迫った課題。
近年の東アジアの安全保障情勢には、協力の機運の高まりに加え、海賊、災害に加え感染症等グローバルな安全保障上の脅威の多様化・複雑化・重層化、主要国の経済成長を反映した急速な軍の近代化や軍事活動の活発化、北朝鮮の核実験やミサイルの長射程化といった注目すべき変化がある。
北朝鮮による核実験は、北東アジアのみならず国際社会全体の平和と安定を著しく害するものとして断じて容認できない。安保理が強力な新決議を近く採択し、国際社会がその履行に向け一致した措置をとることを期待。

○ 主要国の3つの責任

いかに摩擦や対立を減らし、建設的な協力を進めるかがこの地域の大きな課題。
主要国には、あらゆるレベルの防衛交流の促進や軍備の透明性向上を通じた主要国間の信頼強化、核軍縮・不拡散への核保有国の率先垂範などグローバルな安全保障課題の解決に向けた協力、ARF等の枠組みの発展への協力や各国の能力構築への支援などを通じた地域の対処能力強化への貢献の3つの責任がある。

○ 今後の我が国の取組

我が国も地域の「主要国」の一つとして、周辺国への積極的関与、対等で信頼できるパートナーといった観点を踏まえ、上記責任をしっかり果たしていきたい。
我が国の課題は、従来にも増して国際的な役割に積極的に取り組むための政策立案や体制整備、国際平和協力の一般法の策定、装備・技術面を含めた各国の能力構築に対する寄与、国際的な役割を拡充するための十分な資源配分の確保。
地域の平和と安定に積極的に寄与するため、共同の責任を果たしていきたい。

 なお、スピーチ後の質疑応答において、核抑止、弾道ミサイルの脅威について質問があり、浜田大臣より適宜応答。

2.各国国防相等との会談

 ベトナム、豪州、米国、モンゴル、シンガポールの国防大臣と個別に会談したほか、米国及び韓国との初の3か国防衛相会談を実施。また、シンガポール首相及び内閣顧問への表敬、英国国防政務官からの表敬受を実施。

(1)日ベトナム防衛相会談(タイン国防大臣)

双方は、ハイレベル交流など各種交流の進展を評価するとともに、今後の防衛交流の方向性を明確にするため、防衛交流覚書の策定作業を開始し、相互訪問や教育分野などでの交流を強化していくことで一致。

(2)日豪防衛相会談(フィッツギブン国防大臣)

北朝鮮の核実験について、当方より我が国の立場について説明し、両国が一体となって対応していくことで一致。また、ロジスティックス協力に関する検討の加速、共同訓練の拡充、日米豪3か国の協力の強化で一致。さらに、豪国防白書について意見交換を行ったほか、ソマリア沖・アデン湾における海賊対策について双方の対応を説明し、国際社会として力を合わせていく良い機会であることを確認。

(3)英国防政務官による表敬(テイラー国防政務官)

北朝鮮の核実験について、当方より我が国の立場について説明。先方より、英国も日本の懸念を共有している旨発言があり、国際社会が一体となって対応する必要があることで一致。また、ソマリア沖・アデン湾における海賊対策について、当方より我が国の対応を説明。先方より、我が国の取組を評価するとともに、国際平和協力活動において引き続き協力していくことで一致。

(4)日モンゴル防衛相会談(ボルド国防大臣)

北朝鮮の核実験について、浜田大臣のスピーチに言及しつつ、先方より、モンゴルとしてもこの問題に取り組んでいく準備がある旨発言があり、今後とも、北朝鮮問題を含め意見交換を行っていくとともに、防大への留学生受入など各種防衛交流を推進することで一致。

(5)日米防衛相会談(ゲイツ国防長官)

北朝鮮の核実験、米軍再編、F-Xについて、別紙1のとおり協議。

(6)日米韓防衛相会談(ゲイツ米国国防長官、李相憙(イ・サンヒ)韓国国防部長官)

初の日米韓3か国防衛相会談の開催を歓迎・評価するとともに、北朝鮮の核実験への対応、3か国の緊密な協力の重要性等について、別紙2のとおり協議。

(7)シンガポール内閣顧問表敬(リー・クアンユー内閣顧問)

アジア太平洋地域諸国の防衛大臣が集まる場として、シャングリラ会合の重要性が一層高まっているとの認識を共有。政治、経済を含め幅広く意見交換を行うとともに、この地域における米国の関与及び日米関係の重要性を確認。

(8)シンガポール首相表敬(リー・シェンロン首相)

北朝鮮の核実験について、国際社会は北朝鮮の核保有を断じて容認してはならず、連携してこの問題に取り組むべきことで一致。当方より、シャングリラ会合の重要性を強調するとともに、同会合発展のため協力したい旨発言。

(9)日シンガポール防衛相会談(テオ・チーヒン副首相兼国防大臣)

当方より、シャングリラ会合に対するシンガポールの尽力を評価。双方は、防衛交流の現状を評価するとともに、更なる発展のため、防衛交流覚書の策定作業を開始することで一致。先方より、補給支援活動とソマリア沖・アデン湾における海賊対策に対する我が国の取組を評価。海上の安全保障について協力していくことで一致。

3.総括

 アジア太平洋地域を中心とする多数の国々が参加する第8回アジア安全保障会議に我が国の防衛大臣が出席し、北朝鮮の核実験への断固たる対応を含め、アジアの安全保障に関する我が国の考え方を発信するとともに、各国国防大臣等との間で、北朝鮮の核実験への対応や防衛交流等について意見交換できたことは極めて有意義。


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