額賀防衛庁長官のアジア安全保障会議出席について(概要)

平成18年6月5日

○ 額賀防衛庁長官は、6月2~4日、第5回アジア安全保障会議(IISS:国際戦略研究所(英国の民間シンクタンク)主催)に出席するためにシンガポールを訪問し、「国際的な安全保障のための軍の展開」のテーマにてスピーチを実施。また、シンガポールのリー・シェンロン首相を表敬するとともに、各国国防相等(シンガポール・米・豪・インドネシア・英・モンゴル・NZ・比・加)と会談したところ、概要以下の通り。

I.スピーチ


1.額賀長官より、概要以下のスピーチを実施。

  • (1)我々は、新しい脅威や大規模自然災害など、国際社会が共同して取り組むべき多くの課題を共有。海外への軍の展開は、国際社会全体のためになされるようになってきており、日本についていえば、日本の平和と安定は、アジア太平洋地域のそれと不可分の関係。日米間の戦略対話でも、日米の安全保障・防衛協力の強化は、日本の防衛だけでなく、国際的な安全保障環境の改善のための努力に大きな重点を置いているところ。


  • (2)1991年の湾岸戦争以前の自衛隊の海外派遣は限定的。しかし冷戦の終了と安全保障情勢の変化により、我々の安全保障は、自国の領域を守るだけでは達成されず、国際環境を安定化させるための国際的な協力の努力に積極的に参加することが求められているとの認識に至り、その後自衛隊は多くの海外活動を実施。


  • (3)自衛隊の海外で可能な任務の種類と範囲には限度あり。しかし、制約の下でも我が国としてなし得ることは多くあり、「創造力」を働かせつつ取り組み。例えば、イラク、東チモールにおける現地住民との良好な関係の構築が挙げられる。


  • (4)アジア太平洋地域には多様性があり、個々の国には制約・センシティビティあり。その中でも受け入れ可能な、容易にできることから協力を始めるべき。(1)海上の安全保障では、沿岸国の協力を評価。防衛庁としてもどのような協力ができるか検討したい。(2)災害救援では、実際に災害が発生した場合に各国の軍が迅速に対応するための制度及び手続きを整備しておくことを提案したい。災害救援の分野でイニシアティブをとり続けたい。


  • (5)国際平和協力活動は自衛隊の付随的任務だが、これを本来任務に格上げしたい。

2.その後、質疑応答にて、日米中韓の対話の推進、国際平和協力活動の能力向上、東チモールへの協力、PKO及びPKOの枠組み以外の国際平和協力活動への重点の置き方、日米の共通戦略目標、日中関係等に関する質問があり、額賀長官より適宜応答。

II.二国間会談(米国を除く)(括弧内は前回会談)

1 日シンガポール防衛首脳会談(昨年6月)

・ 3日1540(現地時間、以下同じ)以降20分程度、額賀長官は、テオ・チーヒン国防大臣と会談し、(1)アジア安全保障会議の重要性につき先方より言及、(2)防衛分野を含む日シンガポール関係の重要性について一致、(3)中国の国際社会への関わりや透明性の問題、日中関係について意見交換。

2 シンガポール首相表敬

・ 3日1630以降30分程度、額賀長官は、リー・シェンロン首相を表敬し、(1)午前中のスピーチについて紹介、(2)先方からは、様々な分野における日本とシンガポールの協力の重要性つき言及、(3)日本、シンガポール、米国の安定的な関係の重要性につき合意、(4)中国と地域の協力を進めていく必要性で一致。

3 日豪防衛首脳会談(昨年6月)

・ 4日0950以降25分程度、額賀長官は、ネルソン国防大臣と会談し、(1)当方より、イラクにおける豪軍の協力に感謝の意を表明、先方より、両国は協力して短い期間の中で多くのことを実現できた旨言及、(2)日豪防衛交流の更なる発展の必要性につき一致、(3)先方からは、東チモールにおける活動について説明。

4 日インドネシア防衛首脳会談(昨年1月)

・ 4日1020以降20分程度、額賀長官は、ユウォノ国防大臣と会談し、(1)先方より今回のジャワ島中部における地震及び一昨年のインドネシア・スマトラ沖大地震津波に際しての自衛隊の協力に対して感謝の意を表明、(2)マラッカ海峡における海上の安全保障の取組の重要性について一致、(3)当方より、アジアにおける米国のプレゼンスの重要性について言及。

5 英国防副大臣との会談

・ 4日1100以降40分程度、額賀長官は、イングラム国防副大臣と会談し、(1)当方より、イラクにおける英国軍の協力に感謝の意を表明、先方より、日本がイラクで豪軍と共に行ったことに感謝の意を表明、及び、イラク治安部隊の能力が改善されている旨言及、(2)先方より、イラクの治安部隊への権限移譲について、ムサンナー県、メイサン県等は候補地となりうる旨、及び、権限移譲は正しい時期に行うべきで無理に急ぐことではない旨言及。

6 日モンゴル防衛首脳会談(昨年6月)

・ 4日1145以降25分程度、額賀長官は、ソドノムピル国防大臣と会談し、(1)日モンゴル防衛交流の拡大につき一致、(2)先方より、中国とモンゴルとの防衛交流の現状につき説明、当方より中国の軍事予算等の透明性向上の必要性につき言及。

7 日NZ防衛首脳会談(昨年6月)

・ 4日1445以降30分程度、額賀長官は、ゴフ国防大臣と会談し、(1)先方より、日NZの防衛交流を一層促進していく必要性につき言及、(2)アジア太平洋地域における米国の役割の重要性について一致、(3)先方よりOEFにおけるNZ艦艇への給油につき感謝の意を表明。

8 日比防衛首脳会談(昨年6月)

・ 4日1520以降20分程度、額賀長官は、クルス国防大臣と会談し、(1)当方より、日米戦略対話の状況について説明、(2)先方より、米比の安全保障関係について説明、(3)当方より、自然災害や海上安全保障の面等における日比の協力に関し研究する必要性を言及。

9 加国防次官との会談

・ 4日1545以降25分程度、額賀長官は、エルコック次官と会談し、(1)日加防衛交流の進展を確認、(2)当方より、ゴラン高原におけるカナダ軍の自衛隊に対する協力に感謝の意を表明、(3)先方より、アフガンに派遣する部隊に対するシミュレーション訓練を行う訓練等について説明。

 

ページの先頭へ戻る